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2018年7月27日 (金)

イージスアショアが高くなったのはあたりまえです

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どうにか「災害レベルの炎暑」が峠を超えたら(西日本の皆さん、すいません)、今度は台風ですか。やれやれ。もうなんでも来やがれというかんじです。 

野外労働は早朝に押し込むようにしていますが、恥ずかしながら私、体力の限界に近づいたらしく胸の赤ランプがピコピコと点きはじめました(笑い)。 

こういう時期に高校野球やオリンピックをするという神経が分かりません。日程を変えるなり、厳重対策をするなりしないと、スポーツ大会で死人が出たらシャレになりませんよ。 

タオルで首を冷やしたらいいのよ、なんていう「対策」を大まじめに言っていた主催者の東京都知事いましたが、前から実務能力が欠落している人だと思っていましたが、大丈夫ですかね、こんな知事に任せておいて。 

さて切りがいいところまでやらないと気持ちが悪い性分なので、イージスアショア連載を終いにしてしまいますね。 

まずは昨日もふれました秋田の候補地についててすが、防衛省はこのような回答を秋田県にしました。

「防衛省は20日までに、秋田県と秋田市が出していた質問状に文書で回答した。今後の地質・測量調査や、レーダーが発する電磁波に関する環境影響調査の結果を踏まえ、敷地内に緩衝地帯を置く必要性も検討。適さないと判断した場合は、「配置しないこともあり得る」としている。(略)
配備候補地の選定は、日本海側の自衛隊施設を軸に検討。イージス・アショアのレーダーと発射台を配置するには、約1キロ平方メートルの平坦(へいたん)な敷地が必要で、新屋演習場と山口県のむつみ演習場以外は条件を満たさなかったと説明した。レーダーによる電磁波の、住民生活に与える影響については「今年度中に環境影響調査に着手する」とした」(産経7月20日)
https://www.sankei.com/politics/news/180720/plt1807200020-n1.html

秋田設置がむずかしそうだという情勢認識が防衛省に生まれたようです。無理して住宅地に隣接した場所にすると禍根を残します。 

今後の日本の安全保障の基幹となる施設ですから、秋田にこだわらず、さらには陸海空の敷居も超えて発想すればよいのです。 

そもそも論になりますが、なぜイージスシステムに習熟した海自の管轄にしないのか、高空防衛が任務の空自にしないのか、どうして低空防衛が管轄の陸自になったのか、からして不思議ではあるのですよ。 

まず簡単にイージスアショアについて押えておきます。ひとことで言えば、イージス艦のミサイル防衛(BMD)システムの部分を切り取ってきて、よっこらしょと陸上に据えつけたものです。 

Photo_2

 ミサイル防衛局 [PDF]より)
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50788821.html 

ですから、イージス艦のブリッジだけ陸上にあるという奇妙な風景になります。 

Photo_4

http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50788821.html

多くの実験を重ねてきて折り紙つきのイージスシステムのSPY-1レーダーと、それを管制するC4Iシステム、そして弾道ミサイルを打ち落とすMk 41ミサイル垂直発射システム(VLS)、そしてこれらをバックアップする電源・水冷装置などをセットにしたものです。

これは海自のイージス艦の欠陥を補うものです。欠陥というのは気の毒で、宿命的限界といったほうがいいでしょうか。 

あたりまえですが、北や中国からのミサイル攻撃を防ぐためには、どこにいてもいいわけではありません。 

太平洋側にいたりしたら、飛来する弾道ミサイルをいち早く探知して落とせないからです。 

いつも必要な位置に、必要な隻数がいるわけではありません。 

海自の4隻の弾道ミサイル防衛(BMD)艦は、作戦航海・整備休養・訓練などのローテーションで回っていますから、4隻丸々日本海にいることはありえません。 

そりゃそうでしょう。イージス艦そのものがたった6隻しかないのに、そのうち4隻を常時日本海の定位置に張り付けておくことは、現状で海自にとって大変な重荷となっているのです。 

下図は2017年3月6日に、北が弾道ミサイルを4発同時発射した時のものです。 

Kitachousen2
いまだから言えますが、これがすべて核ミサイルだった場合、この4発を同時に100%迎撃するのは至難の技だったでしょう。 

現況では、常に理想的位置に理想的数を24時間360日配置しておくことは、極めて難しいからです。 

それでなくとも海自は、南西諸島などの緊張で忙しいのです。いつ何時起きるか分からないミサイル発射に対応できる位置に、常にいられる保障はありません。 

これを解消するのが、イージスアショアです。これは従来のイージス艦の宿命を補うために考えられた、弾道ミサイル迎撃に特化したシステムなのです。 

ここが分かっていないと、東京新聞などのように高いの安いのということになります。

「防衛省は一基約一千億円と説明してきたが、試算通りなら倍増となる。搭載ミサイルの購入費などを含めると、総額で六千億円近くに膨らむ可能性もある。政府関係者が二十三日、明らかにした。
 北朝鮮の完全非核化に向け、六月に米朝首脳会談が開かれた中、ミサイル防衛(MD)強化に巨額の防衛費を投入することになれば、費用対効果の面でも批判や疑問の声が上がりそうだ」
(東京2018年7月24日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201807/CK2018072402000130.html

何を言っているんだか、です。イージスアショアが弾道ミサイル防衛に特化した探知・管制・迎撃システムだという本質を理解していないから、こういうことを言うことになります。 

これが設置されることによって、海自のイージス艦は大幅に任務の自由度が増します。 

本来任務の哨戒活動や、艦隊防衛などに回す余裕が生まれます。これは金額では換算できませんが、巨大な利益です。 

また価格が高くなったというのは当然です。当初の見積もりは、レーダーと管制部分だけのヌードの価格だからです。 

高くなったのは、SAM3ブロック2Aという1発40億もする宇宙空間迎撃ミサイルを購入するコストが、ヌード価格に上乗せされたからにすぎません。 

これは別に虚偽の数字で安く見せようとしたためではなく、軍用機でも一緒です。 

軍用機にはモロモロの装備が付帯しますが、当初予算はこれを抜きにして計上します。 

どんな装備をつけるかということは、初めから決まっているわけではなく、装備の進歩に合わせて判断せねばならないからです。 

イージスアショアのレーダー部分だけだと、ただのレーダーサイトですが、これにVLSと迎撃ミサイルがついて、初めてイージスアショアシステムが完成します。 

たとえば、イージスアショアに使われるSM-3ブロック2Aではなく、旧式な安物を買えば安くなりますが、それでは意味がありません。 

一発外したら万単位で死者が出る核ミサイルに対応するには、万全の準備がいるからです。 

するとイージスアショア1基につき8連装VLSが3基ありますから、2基のイージスアショアが装備するのは全部で48発。 

一発40億×48=1920億かかってしまいます。これが弾薬代です。この弾薬代だけで、当初予算のイージス2基とほぼ同額です。 

そして、当初予算時には出来ていなかった最新のレーダーシステムを導入すれば、またこれに上乗せされていきます。

既存の基地内ではなく、新たに土地買収でもすれば取得費用もかかるし・・・。 

これはまだ現時点では不明ですから、4千億~6千億という含みを残しているわけです。 

というわけで、防衛省からすればそんなことは装備の常識を知っていたら当然のことでしょう、という話にすぎないのです。 

イージスアショアは、あくまでも弾道ミサイルを防ぐ装備です。しかも純然たる専守防衛のためのものです。

万が一の時は数十万人が死ぬ可能性があります。これを高いの安いのというお買い物感覚で発想すること自体がおかしいのです。

 

 

 

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コメント

当方軍事にはまったくのシロートなので、いつも勉強させていただいています。
そんなわたしにもわかりやすい記事で、なるほど、なるほど、になっております。
暑さ昨日今日はいくらか過ごしやすくなっていますが、お体ご自愛下さい。

https://search.yahoo.co.jp/amp/s/yomiuri.publication.network/amp/6c8cfef867494af48fb92dede787582e04740393d5abf7b2c5a788fc02b1a977%3Fusqp%3Dmq331AQGCAEoATgA
この読売のクロスサービス記事読むと、海空は対中国でオーバーワークなので陸自がやれるところは請け負う、みたいなイメージなのではと想像するのですが、単なる縄張り分割ではなく協力しあって文字通りクロスサービスして欲しいですね。
あと、国外へクロスサービスしないように情報管理も閉じるとこしっかり閉じられるように。

国民が枕を高くして眠れるなら、6000億円ぐらい安いものです。ミサイル防衛の問題が持ち上がると左翼は必ずミサイルをミサイルで撃ち落とせるわけがない。無駄遣いだと言います。こんな連中を黙らせるためにも十分に演習していただき、100パーセント撃ち落とせるようお願いしたい。
自衛隊の皆様、日本の安全を守っていただきありがとうございます。

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