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2018年7月 5日 (木)

北の怪しい兆候

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ワールドカップモードから通常の更新体制に戻ります。まだ世界最大の祭りは終わっていないのですが、あとは純粋に楽しんで観られます。 

 

ああ、負荷がかからない世界最高のサッカー試合って、楽しくも虚しいことよ。せめてコロンビアでも生き残ってくれればいいのに。イングランドめ、苦手なPKを征しやがって(笑い)。 

 

さて、この1週間でテーマが溜まっています。沖縄の知事選の自民の人選が迷走していますし、北はおかしな動きを見せ始めています。今日は北のほうからいきます。 

 

北が複数の怪しいふるまいを始めています。 

 

整理すれば、このような危険な兆候です。

①寧辺の核施設改修の継続
②複数の非公表施設での兵器級核燃料(高濃縮ウラン)の増産の継続
③対日用準中距離弾道ミサイル・北極星2用のキャタピラ式移動発射台の増産継続
④北極星シリーズ向け固体燃料製造施設の増築

まずは北の核物質製造の大本のヨンピョン(寧辺)の実験用軽水炉周辺の6月21日に撮影された衛星写真を見ていただきましょう。 

 

Sty1806270012f1エアバス・ディフェンス・アンド・スペース/38ノース提供・共同 

 

38ノースの分析によれば、①ほぼ完成した技術棟、②トラック、③クレーン付きトラック、④)新たな建物、⑤実験用軽水炉、⑥変電所、⑦ポンプ室、⑧放水路 

 

これについて38ノースは、このような比較的冷静な分析をしています。 

「米国拠点の北朝鮮分析サイト「38ノース」は26日、21日撮影の商業衛星写真に基づき、北朝鮮寧辺の核施設でインフラ整備が速いペースで進んでいるとの分析を発表した。北朝鮮の「非核化の約束」と関連付けるべきではなく、指導部から特別な指示がない限り、通常通りの作業が続くと指摘した」(産経6月27日)

つまり、これはシンガポール合意とは関係なく、今までの既定の改修工事が続いていて、ただ上部からの中止命令がでていないだけなのだとするものです。 

 

これだけならそれもありかと思いますが、弾道ミサイルの固形燃料を作っているハムフン(咸興)市にある化学材料研究所での工事も継続され完成してしまっています。

「北朝鮮が、弾道ミサイルの製造施設の拡張工事を完了したとみられることが2日までにわかった。衛星画像の分析から明らかになった。
米国政府は先月の米朝首脳会談で北朝鮮側が核・ミサイル開発の放棄に意欲を示したとしているが、衛星画像の内容はそうした見方に疑念を投げかけるものといえそうだ。
問題の画像は米サンフランシスコに拠点を置くプラネット・ラブズが撮影し、モントレー国際大学院(MIIS)の研究者らが分析した。それによると、咸興(ハムフン)市にある化学材料研究所での工事が完了しているのが確認できるという。
化学材料研究所は、固体燃料を使用するミサイルのノズルや胴体部分、円錐(えんすい)形の頭部など、炭素複合材を使った部品を製造していることで知られる」(CNN7月2日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180702-35121803-cnn-int 

 

Wor1711300016p8

 

上の写真が、去年11月に移動式発射台(TEL)から発射された大陸間弾道ミサイル(ICBM)とみられる火星15です。 

 

今回、分かったのは、もう少しサイズの小さい北極星2用のキャタピラ式TELです。 

 

148759597210_20170220TELから発射される北極星2 

 

つまり、北は北米大陸に到達すると称している火星シリーズについて新たな動きは「凍結」し、日本を標的にした液体燃料のノドンから、より即応性が高い液体燃料の北極星2に更新しているということになります。 

 

仮にこれが日本に対するメッセージだと解釈すると暗澹とします。 

 

また、ヨンピョンだけではなく、他にも複数の核物質製造施設を持っていることも分かりました。 

「1日付の米紙ワシントン・ポストは、北朝鮮の金正恩体制に自国の核戦力を全面放棄する意思はなく、むしろ多数の核弾頭の隠蔽を画策しているのが実態であると複数の米情報当局者が結論づけたと報じた。
 同紙が最新の北朝鮮に関する情報分析に接した複数の米当局者の話として伝えたところでは、一連の情報は米朝が6月12日の首脳会談で「朝鮮半島の非核化」で合意したのを受けて収集された。北朝鮮は核弾頭に加え、核兵器製造のための秘密のウラン濃縮施設の存在も隠し通そうとしていることも分かったという。
 同紙が昨年報じたところでは、北朝鮮は65発前後の核弾頭を保有。また、北朝鮮が存在を開示している北西部(ヨンビョンの核施設のほかに、寧辺の2倍のウラン濃縮能力を持つ「カンソン発電所」と呼ばれる秘密の地下核施設が存在することを米情報機関が把握済みだとしている」(産経7月1日)

これについて、ボルトンはこう述べています。

「ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は1日、CBSテレビの報道番組に出演し、同紙の報道について「コメントしない」と述べつつ、「米国は北朝鮮が何をしているのか全力で把握しようとしている」とした。
 また、「北朝鮮との協議に関与している政権当局者の中に(北朝鮮は誠実だと)ばか正直に考えている者はいない」と指摘し、北朝鮮に交渉を引き延ばされ、核・弾道ミサイル開発進展ための時間を与えるという歴代米政権の「過去の過ち」は繰り返さないと改めて強調した」(産経前掲)

このように見てくると、北がどこあたりを米国との落とし所に考えているのかは透けてみえるような気もしないでもありません。

 

それは北米大陸に到達しうる長期距離核のみを「凍結」し、日本を狙った中距離核は温存するだけにとどまらず、更に実戦的な新型に更新し、戦力増強していくという流れです。

 

朝日の社説などの俗論に、「北は緊張緩和している。イージスアシュアはやめるべきだ」などとしたり顔でいう人がいますが、北はなにひとつ「緊張緩和」の具体策をとっていません。

 

むしろ増強しているほどです。どこを見て、そんなことをいうんでしょうか。

 

一方トランプは、この北の動きを受けて、6月22日付けで経済制裁を今までどおり継続すると議会に送った文書で述べています。

「朝鮮半島での兵器に使用可能な核分裂物質の拡散の現実とリスク、および北朝鮮政府の行動と方針は、米国の安全保障、外交、経済に引き続き異常で並外れた脅威をもたらしている」(AFP6月 25日)
https://grapee.jp/520793

まだこれらの北の新たな兆候が、何を示すか結論づけるには早いと思います。材料が出揃っていないからです。

 

ポンペオが正恩と直接平壌で会うようですから、またなにか動きがあるかもしれません。

 

とまれ、いらいらさせられる非核化の成果と報酬の非対称がとうぶん続くようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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コメント

この情報をより確度の高いものにしていくと、米朝会談がいかに虚しく、北朝鮮という国がいかに信用できないかが、より鮮明になりますね。
北朝鮮の実態を再確認・再認識させるためには、実に有意義な会談だったのではないでしょうか?
アメリカも狙ってやっているのでしょうね。

日本は北への制裁を継続しつつ、中露韓を牽制しなければなりません。
なのに野党は…

北が「戦略的変換をした」という受け止めを簡単にしてみせ、さんざんに正恩を持ち上げて見せたアメリカの深謀遠慮の方が、よほどに怖い雰囲気を醸しています。

まさか正恩ほどの頭の回る独裁者が、巷間言われるように「もう米国の先制攻撃はない」と信じ込んでいるハズはないと思いたいですが。

ところで6/23の記事でヘッカー教授の非核化プロセスの矛盾を指摘されましたが、あれはしごく適切な指摘だったようです。
ヘッカー教授は政治的に北朝鮮の主張を過度に尊重する人物であり、ISIS(科学安全保障研究所)のD・オルブライト所長は「不必要にプロセスを引き伸ばしている」とヘッカー案を批判しています。
で、2~3年以内に非核化出来るとしていますね。

どっちにしても北の協力なくして非核化は無いし、拉致被害者の救出もスムーズには行きません。(直接的実力による排除は「非核化」とは言わないらしいです)
それを正恩がしない、(戦略転換は見せかけの欺瞞だった)と言う事になれば、これは外交的解決以外の手段を用いるほかないのです。

どのような事情が北朝鮮にあるにせよ、正恩は胸突き八丁の状態に追い込まれているように推察出来ます。

 ブナガヤさんこんにちはHYです。いつも参考になる記事をありがとうございます。

 私は6月12日米朝首脳会談直後にブナガヤさんが書かれた印象こそが正解だったと考えます。つまり、北朝鮮の非核化は確約できずアメリカは米韓演習中止という一方的な譲歩をしてしまった。これに安心した北朝鮮が「核製造(核開発は終了を宣言しているので)」の準備を整えているのではないでしょうか。要は北米大陸へ届くICBMさえつくらなければ戦争はないと考えているんですよ。
 そもそもアメリカという国は核を作ろうとする国には厳しいですが核を作った国には甘くなってしまうのです。中国、インド、パキスタンがいい例で、北米大陸に届かず、アメリカより少ない数なら許してしまう(中国は後日北米へ届くICBMを作りました)。北朝鮮はそれを冷静に分析して余裕ぶっこいているように見えます。

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