• 20250122-034332
  • 20250122-034624
  • 20250121-022941
  • 20250121-025750
  • 20250119-145554
  • 20250119-142345
  • 20250119-142345_20250119150101
  • 20250119-150249
  • 20250119-152051
  • 20250117-013132

« 山路敬介氏寄稿 2018年盛夏 沖縄政治情勢考その3 | トップページ | 翁長氏最後の4カ月間、誰が彼を叩き続けたのか? »

2018年8月 9日 (木)

山路敬介氏寄稿 2018年盛夏 沖縄政治情勢考その4

Dsc_4609_2
翁長知事がお亡くなりになりました。享年67歳でした。ご冥福をお祈りします。 

ご承知のように、本ブログは翁長氏を強く批判してきました。それは今後もいささかも変わりません。 

しかしこの3年間の沖縄を牽引したことには間違いないひとりの人物の死を前にして、私は苦味の混ざった哀惜の念を感じます。

次の幕は上がっていませんが、ひとつの時代が確かに終わりました。

短期間の間、謝花副知事が代行となりますが、代行権限でどこまでやれるのか不明です。

一方、県知事選は9月に前倒しになります。「オール沖縄」陣営は「弔い合戦」というゴールドカードを手に入れました。

彼らは死した後も、「翁長」氏を利用しつづけるのでしょう。

この人たちは翁長氏を死の直前まで酷使し、亡くなった後は偶像化された「琉球民族の英雄」として再利用することでしょう。

それは人の生命すら政治利用することであって、翁長政治を総括することとはほど遠いことです。それが政治の常道だとはいえ、心寂しきことです。

一方、保守陣営にとって苦しい戦いが予想されます。

なお、老婆心ながらひとことだけお願いします。

故翁長氏に対して唾を吐きかけることは絶対にお止め下さい。批判は批判として、故人の死を嘲笑する愚かしい文化を私たち日本人は持ちません。 

今後の沖縄政治の展開についての予測は、下の産経(8月8日)記事と大きくは違わないものになるはずです。 

やや長文ですが、この乾き具合は美辞麗句に満ちた記事が溢れるであろう今日にはかえって向いているかもしれません。 

「翁長雄志・沖縄知事が死去 辺野古移設反対の象徴 知事選9月に前倒し 

がん治療を続けていた沖縄県の翁長雄志知事が8日午後、膵がんのため入院先の浦添総合病院(浦添市)で死去した。67歳だった。翁長氏は7日から意識混濁の状態に陥り、謝花喜一郎副知事が8日から職務を代理していた。知事選は翁長氏の任期満了(12月9日)に伴い11月1日告示、同18日投開票の日程が決まっていたが前倒しされ、9月中には行われる見通し。

謝花氏の説明によると、翁長氏は4月に切除手術を行った膵がんが肝臓に転移しており、7月30日から浦添総合病院に入院。8月7日から徐々に意識が混濁し始めたという。4日に謝花氏らに対し、意思決定ができない状況になった場合に職務代理者を置くよう指示したという。 

 公職選挙法の規定では、知事が死亡などにより任期途中で欠けた場合、県選挙管理委員会への通知後50日以内に知事選が行われる。9月30日投開票(同13日告示)が有力となり、9月23日投開票(同6日告示)も想定される。いずれの日程でも「9月7日告示-20日投開票」が予定される自民党総裁選の日程と重なることになりそうだ。 

 知事選をめぐっては、自民党県連などが推す宜野湾市の佐喜真淳市長が出馬の意思を表明している。共産党や社民党、労組などでつくる「オール沖縄会議」は翁長氏擁立を目指すことを決定していたが、翁長氏は態度を明確にしてこなかった。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する勢力の知事選候補はゼロからの選考を余儀なくされることになる。 

一方、翁長氏は7月27日に普天間飛行場の辺野古移設に関し、仲井真弘多前知事が出した埋め立て承認の撤回に踏み切る考えを表明していた。今月9日に沖縄防衛局の主張を聞く「聴聞」を行い、政府が土砂投入を予定する17日までの撤回を目指していた。 

 翁長氏が不在の場合の撤回の判断について、謝花氏は8日夜、翁長氏が生前、撤回に踏み切って辺野古の土砂投入を阻止することにこだわっていたことを明かし、翁長氏死去後も職務代理者が撤回に踏み切る考えをにじませた。 

 翁長氏は那覇市生まれ。会社役員を経て那覇市議や県議、那覇市長を歴任。自民党県連幹事長も務めた。平成26年11月に辺野古移設の手続きを進めた仲井真氏を破って初当選。一貫して政府に対決姿勢を取り続け移設反対運動の象徴的存在だった」 

図らずもこの事態となって、山路さんには申し訳ないことになりました。今回が最終回です。Photo_2

                                                ~~~~~~~~~

 

山路敬介氏寄稿 2018年盛夏 沖縄政治情勢考その4
~翁長知事の「撤回訴訟」と県民投票に向けた「署名集め」について~
                                                                                                  山路敬介
 

承前 

■ 「撤回」は国側に有利であり、「辺野古移設問題」に決着を促す効果あり

本当のところ防衛局の方にも実は「痛い腹」はあって、それが例えば「軟弱地盤問題」です。
 

防衛局は「数値が直ちに軟弱地盤を示すものではない」としていますが、それ以上の事は説明していません。ただ、どう考えても当初は想定されていなかった「軟弱地盤部分」が存在するのは事実でしょう。

一般的に「埋立て」では許可後に発見される小瑕疵はつきもので、まずは対処的な技術で解決可能かどうか、それがダメなら設計変更が必要かどうかが問われるのであって、どう大目に見ても直ちにそれが「撤回理由」になる事はありません。

そもそも埋立権は国側にあるし、「埋め立て」に承諾を与えた以上、県にも「国土資源の有効活用」という意味を含めた「許可の趣旨」を前提に前向きに対応する義務が生じていると考えられるからです。

しかし、かねてから手ぐすね引いて「撤回をする」と公言している知事のもとにあっては、そのような協議が成立する見通しは立たず、(それが正しい事かどうか、その情報の中身の重度は別にして、)防衛局側に全ての情報を開示する事を躊躇させたと見えます。

反対派の立場にたってみれば、これは知事の重大な失態です。

にも関わらず、確たる根拠を示す見通しもなく「撤回」に踏み切った知事の真意を反対派がなぜ疑わないか? それが不思議です。
                      
あるいは「滑走路の距離不足問題」があります。

この事をして県や弁護団は「辺野古移設は普天間返還につながらない」と主張するつもりでしょうが、そのような事は国会でやるべき事で「撤回」に関する県と国との訴訟の中では無意味だし逆効果です。

確かに米側が緊急時における長距離の滑走路を別に要望しているのは事実でしょうが、それは普天間でなくてもいいし、埋め立てに関して国側には「一応の理由」があればいいだけです。
 

そもそも公有水面の埋め立ての権限は国が専ら有しており、県に対しては埋め立て地の実情に精通しているがゆえに「承認」に係わらせているにすぎないのです。 

知事の埋め立て許可に関する裁量権は極めて限定されていて、まして権限者である国を相手の訴訟で勝てる見込みはまったくありません。 

にもかかわらず知事が「撤回」に踏み出す真意こそ反対派は疑うべきなのです。

 

                                                                                                      (了)

 

 

                                          文責 山路 敬介

« 山路敬介氏寄稿 2018年盛夏 沖縄政治情勢考その3 | トップページ | 翁長氏最後の4カ月間、誰が彼を叩き続けたのか? »

コメント

翁長氏は歴史と現実に根ざす「保守」の立場と、頭で描いた理想に向かう「革新」の立場の、両者をつなぐ者として自分を位置づけていました。

これはこれで結構なことだとも思うのですが、闘い続けることにこそ意味がある革命政党たる共産党と手を組んでは“落とし所”という、現実的な選択肢が許されません。つなぐ相手が悪かったのです。

今朝の朝日新聞に出ていましたが、辺野古反対派が県庁に押しかけ、翁長知事の対応を求めて座り込んだりと、支持層からの突き上げが激しくなっていたとか。

つまるところ、“反対派の象徴としての知事”、しか選択肢はありません。なんだかんだと言いながら、沖縄の現実を見据えて意思決定をしてきた仲井真前知事との決定的な違いは歴然としています。

埋め立て承認の「撤回」タイミングは、病気以前から計画されていたように感じます。二期目の知事選で「保守」と「革新」の接着剤として残していたものではないでしょうか。

9月末にも予定される知事選は、すんなりと保守候補に軍配が上がるような気がします。沖縄革新の終わりの始まり、が確定すると思います。東京など都市部であった革新自治体と同じように、共産党で始まり、共産党で終わるのだと思います。

誰かのブログに出ていました。昔の左右(保革)の争いから、今は上下の争いになっている、と。上を向いて努力する人と、下を向いて騒ぐ人のことです。なるほどね、と思いました。

管理人より
投稿者は山路さんです。

九州Mさん

なるほど。
今の時代は「上を向いて努力する人と、下を向いて騒ぐ人」の争いですね。
幾重にも意味深いですね。

知事の訃報から1日が経過しましたが、オール沖縄陣営及びそれを後押しするマスコミからは知事を英雄のように讃えるだけで、重篤人に一線から身を引かすこともせず圧力をかけ、しまいには次の知事戦の最有力候補とまで祭りあげ知事の余命を削り取った事に対する反省の弁は一切ありませんでした。
糸数氏に至っては「安倍総理が知事をここまで追いこんだ」と発言する始末です。
その清算もなしに弔い合戦というのはあまりに身勝手過ぎる主張にしか見えません。
これではどんなに素晴らしい政策を掲げても支持する事は出来ません。

山路さん

> そもそも公有水面の埋め立ての権限は国が専ら有しており、県に対しては埋め立て地の実情に精通しているがゆえに「承認」に係わらせているにすぎないのです。

 法律的には海面の所有者は国であり、知事は県民の代表として暫定的に海面管理を任されていると考えていいのでしょうか? 県民の代表として知事は限定された権限しかないということでしょうか。県民の立場で意見を表明する権限が与えられているという解釈です。

> にもかかわらず知事が「撤回」に踏み出す真意こそ反対派は疑うべきなのです。

 知事の真意とは、最高裁の判断では承認したことになっている以上、これを撤回するというのはよほどの理由がなければならず、爾後は承認の方向へ行かざるを得ないにも関わらず、知事は反対運動の成り行き上撤回手続きを進めているだけで、そこには希望があるわけでもない。 ということでしょうか?


 以上、山路さんご教示ください。

沖縄に住んでいないので、肌感覚では分かりませんが、革新側にはもう人材がいないような気がするのです。
これは保守側にも言えますが。
ニュースでも、翁長知事を支援する共産党、社民党などはと表現します。オール沖縄とは表現しませんね。
ただ、翁長知事が最後に発言した、辺野古の撤回。このキーワードが保守の足枷になりそうです。最後にこの発言をした(させられた。)意味は大きいと思います。
翁長知事は、辺野古反対だけで知事になり、辺野古反対だけで知事をやってきました。
沖縄県民が、辺野古は終わったと思うか、まだ続けるのか。それを問う選挙ですね。

一つ言えることは、翁長知事は時間稼ぎはした。それによりそれぞれの思惑を実現した人たちも多いと思います。
でもそれは沖縄にとって良かったのか。人間として一番大事な信用を失ったと思えるのですが。

仮に、他の県が普天間を受け入れたとしても、特定団体はその移転先で、また反対運動をやって20年、30年を費やす。それこそ下しか見ていない。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 山路敬介氏寄稿 2018年盛夏 沖縄政治情勢考その3 | トップページ | 翁長氏最後の4カ月間、誰が彼を叩き続けたのか? »