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2018年8月25日 (土)

玉城デニーさんが担がれた理由は

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すったもんだのあげく、結局、玉城デニーさんは出るそうです。やれやれ。 

「沖縄県議会与党会派や辺野古新基地建設に反対する政党や労組、企業でつくる「調整会議」(議長・照屋大河県議)は衆院議員の玉城デニー氏の知事選擁立を正式に決定し、玉城氏に出馬を要請した。
翁長雄志知事の生前の音声の存在や中身を巡り、与党内に不協和音も生じたが、調整会議として後継候補の出馬要請にこぎ着けた。
玉城氏は26日に出馬を受諾するとみられる。9月13日の告示まで3週間に迫る中、「ようやくスタートライン」(玉城氏)に立つ候補者の支援態勢を今後、どれだけ確立できるかが課題となっている」

(琉球新報8月24日)https://ryukyushimpo.jp/news/entry-789039.html 

2_2八重山毎日8月24日http://www.miyakomainichi.com/2018/08/111785/

琉新さえ「ようやくスタートラインにこぎ着けた」というニュアンスで書いていますから、よほど初めから可もなく不可もない謝花副知事にでもしておけばよかったと、余計な世話ですが思います。 

ではこれで晴れて「オール沖縄」はスタートラインに立てたかといえば、はて、そうかな、と思います。 

この玉城氏が今立っている位置は、本来あるべきスタートラインの後方10mくらいにあるからです。 

このゴタゴタが県民に教えてしまったのは、「オール沖縄」は呉越同舟の泥舟だったという哀しい現実です。 

そんなことは分かっていた、と言わないで下さい。 

薄々そうかなぁと思っているのと、公衆の面前で内紛を起こして沖縄政治の決勝戦に、候補者を送れなくなる寸前になってしまったことには、一光年くらいの差があるはずです。 

ちょっと前の県民集会の光景を思い出して下さい。一斉に趣味が悪いプラカードをザッと掲げる、いやはや某国の太陽節の写真みたいです。 

Photo_2朝日8月12日 

全体主義がお好きな方にはたまらないでしょうが、今どき本土の左翼集会でもこんなマスゲームもどきはやりません。 

それはさておき、主催者の「オール沖縄」がメディアに見せたいイメージがわかります。それは「オレたちは一枚岩だ」ということです。 

そう彼らが大声で叫べば叫ぶほど、その内実はかけ離れていることが透けて見えます。 

それは直後の沖縄政治の決勝戦とでも言うべき知事選候補者選びで、はしなくも暴露されてしまいました。 

そもそも玉城さんは候補者に入っていなかったんですから、どうして降って湧いたように彼になったのでしょうか。 

当初名前が上がったのは、翁長氏の下で移転問題対応をしていた謝花・富川両副知事、赤嶺昇県議会副議長、金秀の呉屋氏、そして稲嶺前名護市長などでした。 

あたりまえの選考がなされるなら、この候補者5名の枠から絞られねばなりません。 

そして呉屋氏は固辞し、両副知事は意志表示をしなかったようですから、自動的に赤嶺氏で決まりです。 

これで決まらない理由は、「オール沖縄」が元から共産党、社民党、社大、「おきなわ」、自治労、教組などの寄り合い所帯にありがちな深刻な利害対立を抱えていたからです。 

よく大銀行が合併を繰り返していますが、あんな企業社会でも、「あいつは元なんとか出身だ」なんて足の引っ張りあいをするそうですから、ましてやイデオロギーで作った左翼政党においておやです。

特に高江紛争で暴力沙汰が頻発するにしたがって、それを嫌がる共産党と山城氏などの社民党との路線対立は深刻なものとなりました。

当時翁長氏が高江問題に関わらなかったのは、公約に入っていなかったこともありますが、この陣営内部の対立に触りたくなかったからです。

それはさておき、翁長氏という人格的象徴を失った「オール沖縄」には、上に立って翁長後継をまとめる器がある政治家が不在です。 

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この決まらない状況がたった1日でひっくり返ったのは、県会議長の新里米吉氏が横槍を入れたからでした。 

この新里氏は、前回翁長氏を誕生させた立役者のひとりです。

「4年前の知事選挙では、保守系の「ひやみかちの会」と、革新系の「うまんちゅの会」がそれぞれ発足し、新里県議が議長を務める調整会議が橋渡し役となり、保革が協力し、知事選を勝利に導いた。この態勢にいかに近づけることができるのかが、正念場となっている」(琉新前掲) 

新里氏は前回知事選の調整会議(こういう名称自体で烏合の衆だとバレますが)の議長でした。 

その彼が、今回の調整会議の最終段階でのチャブ台返しを演じるのですから、皮肉なものです。

いうかいつまでたってもアーでもない、コーでもない、いや違う、このこのくぬくぬばかりで、見ちゃいられなかったんでしょうね。

そこで彼は突如として遺族から渡されたという遺言テープを、御老公の印籠よろしく持ち出しました。

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「ええい、下がれ下がれ。ここにあるのは翁長氏の遺言テープであるゾ。亡き知事は呉屋氏と玉城氏を推薦しておられるぞ」なんて言い出したのですから、一気におかしなことになります。 

デニーさん自身も、えっ、このオレが、てなもんでしょう。

それにしても「遺言」とやらがあるからなんだって言うんでしょうか。

故人の遺志で現世の公職トップを決められるのは、毛沢東や金王朝くらいなものです。 今の中国ですら決まりません。

沖縄県は江戸時代やってるのかと、思います。 

公人を選ぶ陣営会議で、候補者外の人物がなんの手続きも踏まずにいきなり一本化されてしまうことは絶対にありえません。 

それはしんどくても、ルールに則った手続きと合意を踏んでいくという民主主義のルールに背くからです。 

しかも「聞いたのはオレだけて、公開はできない」というのですから、話にもなりません。 

なんならあの世の翁長氏をユタさんにでも呼び出してもらうほうが、よほどましです。 

百歩譲って、故人が名を上げていた玉城氏も選考に加えてくれんかのう、ていどならありえます。 

そして当然大反発が起きました。 

「おきなわ」会派の赤嶺氏は、「なぜ未公開のテープひとつで決まるんだ」と怒り始めました。

至って当然の話で、「オール沖縄」にも多少の自浄作用が残っていたのかとやや感心した記憶があります。 

「当初は選考対象に上がっていなかった玉城氏の擁立へと一気に傾いた流れに、玉城氏に最も近い会派おきなわが疑義を唱えた。新里議長に対し、擁立の根拠となる音声記録を調整会議の中で開示する必要があると要求した。開示されない限り、候補者選考作業を進める「調整会議」への参加を見送る方針を示したが、新里議長は開示を拒否。与党内の不協和音は高まるようにみえた」(琉新前掲)

つまりは、「オール沖縄」の持病である寄り合い所帯病が発病したのです。 

ところが、なんと一転して名が出てもいなかった玉城氏に一本化される流れになります。

「だが、支持者らから強い批判を受けた会派おきなわは「知事選でまとまることが最優先」と23日、記者会見を開き、知事選候補として玉城氏の推薦を発表した。
会見では「デニーさんに対しても反対しているような印象を受けたようなニュアンスがあったので、払(ふっ)拭(しょく)しないといけない」「玉城氏の決意が固いなら、いの一番に推薦を上げていくのが我々の立場。オール沖縄会議からの離脱は一度も話はしていない」と打ち消した」
(琉新前掲)

なんのことはない調整会議離脱を宣言したはずの「おきなわ」会派が、出戻っただけのことです。 なーんだ。褒めて損をしました。

「支持者からの強い批判」と琉新はぼやかして書いていますが、要は「オール」の他派から「この時期に統一と団結を乱すのか」とでも集中攻撃を受けたのでしょう。 

この同調圧力に抗することができずに「おきなわ」と赤嶺氏は頭を下げて出戻り、玉城氏に一本化することに同意したというわけです。チャンチャン。 

玉城氏になぜ一般化されたのか、現時点では分かりませんが、おおよその察しはつきます。 

ひと言で言えば、軽量級だからです。 

人柄がいいというのだけが取り柄で、人気はあるものの特に目立った政治活動もしたことがありません。

「自由党幹事長」なんて肩書はいかにも重厚ですが、泡沫政党・小澤商店の丁稚頭ていどの人です。

スターの山本氏や森氏の派手なパーフォーマンスの陰に隠れた、ひっそりとしたおとなしい人、この程度が玉城氏の本土の国会での印象です。

小澤氏好みの「自由党」なんて由緒正しい名称にするから勘違いするので、「山本太郎と愉快な仲間たち」の数少ない仲間の一人にすぎないジミ~なキャラにすきません。

しかし、なんといっても翁長氏とまともな対話をしたこともないという県政の疎さが魅力です。

え、疎いほうがいいのかって。そうです。そここそが彼が選ばれたポイントなのです。

ちょっと見はハンサム、英語はペラペラそう(実は出来ませんが)で、県政の裏側にはまるっきり無知、しかしタテマエだけはしゃべれるというのが、「オール沖縄」が担ぐにふさわしいように見えるからです。

年中行事よろしく利害対立を起こしている「オール沖縄」を束ねる力量など、初めからあると期待されていません。

主力の共産、社民は顔を見たくもないほど近親憎悪していますが、そこに入れる人物なんかありゃしません。

放っておいて知らん顔をして担がれている人のほうがいいのです。翁長氏もそうでした。

玉城氏の政治の師匠である小澤一郎氏がいみじくも言ったように、「御輿は軽るくてパーがいい」(ホントにホントにこう言ったらしい)ということです。 

なまじ訳知りなら引き受けない、なまじ利口なら政府と真正面から激突などしたがらない、だから県政に無知で軽い「いい人」だけがとりえのデニーさんなのです。

ま、迫られたデニーさんも煮え切りませんので、どう転ぶかわかりませんけどね。

「玉城氏は24日、沖縄市で記者団に「27日に上京し、小沢一郎代表と(出馬の)最終確認をし、28日に(野党)各党にあいさつに行きたい」と語った。このスケジュール通りに進めば、出馬表明は29日になるとみられる」
(時事8月24日) 

デニーさんは「いい人」特有の、押されるといい顔をしてみせ、ふと冷静に我にかえるとビビるようです。

デニーさん、勝てる見込みがないこの勝負、負ければ大借金作りますよ。「オール沖縄」は負けた後まで面倒なんか見てくれやしません。使い捨てです。

そのあとどうするんです。衆院議員の地位を失ってタダの人に逆戻りしますよ。タレントにでもなりますか。

当選したらしたで、こんな我を張る人たちに囲まれて、政治の素人同然のあなたに一体なにができるんでしょうか。

あの沖縄政界の古狸であった翁長氏すら、寿命を縮めたことをお忘れなく。

お止めなさい。皮肉ではなくそう思います。

あー、長々と経過を書いていて、馬鹿馬鹿しくなってきました。

今回のこの候補者選びの騒動をみると、この烏合の衆の集団はそう長くは持たないという気がしてなりません。

 

 

 

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沖縄問題」カテゴリの記事

コメント

 ありんくりんさんのおっしゃる通りですよ!

 デニ-さん、立候補しない方がイイですよ。あなたが沖縄に貢献できることは非常に少ないのですから。

 私は、翁長さんにも同じ感覚がありましたね。那覇市長で、大綱引きや那覇マラソンを真面目にこなしていった立場で良かったのです。欲張った翁長さん、知事になって何もいいことはなかったですね。

 

 

昨日、デニー氏と小沢一郎氏が金秀に行きましたよね。
何を話したのやら。

選挙屋の小沢先生は、駄目民主党に政権取らせた実績がありますからね。
沖縄知事選をきっかけに、野党共闘の中で自分の存在感をアピールしてもう一花咲かせてみようと算段しているのかもしれませんね。立憲民主党の沖縄対応も気になります。

>御輿は軽るくてパーがいい

なるほど。後ろで糸を引く人間にとって傀儡は軽いに越したことはないですもんね。
いわゆる毒にも薬にもならない人間が格好のターゲットになると。
鈴木善幸とか村山富市なんて名前が脳裏をかすめました。(笑)

「会派おきなわ」が戻って、デニーらは金秀詣でをしたらしいけど、「かりゆし」は自主投票を取り下げていません。

そうした表面上のところはともかくとして、「オール沖縄保守派」は足元の末端の支持者らから瓦解しつつあるようです。

金秀が選対本部長に就かないのは主義主張の問題よりは、翁長時代のようなパフォーマンスを選挙で発揮出来そうもないからでしょう。

けれども、今の時点ではまだ「オール沖縄」側の有利と考えられます。
自民党側はまだ10万票の差が埋めきれていません。

ネットではほぼ逆の事が言われ、我々が慢心する事が恐ろしい結果を再び生むことになるのをこころすべきです。

「オール沖縄」のような寄り合い所帯において、「神輿は軽くてパー」である事はむしろ必須条件です。

また、ユタ並の「いわゆる遺言」によって成立してしまう知事候補というのは情けない限りですが、故翁長前知事が「オール沖縄内保守派」の批判も予想出来たのにもかかわらず、なぜデニー氏の名前を挙げたのかを考えるべきです。
その意味は、自民党の組織選挙に勝つためのカギは「浮動票の獲得」で、デニー氏ならばそれが得やすいと考えたからです。

故翁長前知事は前回同様の「ポピュリズム選挙」に持ち込む事によってのみ浮動票を取り込めると考え、そのような翁長氏の考え方を理解したから「会派おきなわ」も矛を収めたのです。
末端はともかくとして、この騒動はむしろ「オール沖縄」を強くしたと私は考えています。

一方の自民党系ですが、公明の動きはさすがに迅速で活発です。
しかし沖縄自民党は「オール沖縄」の騒動に油断しているのか、立ち上がりに勢いが見られません。
特に前回知事選の主役だった島尻・西銘陣営の動きが鈍く、自・公・維路線を取った「代償」と思われます。

チャンネル桜での我那覇真子さんなどの解説を聞いていると錯覚しがちですが、現時点では「オール沖縄」側の一歩リードで間違いありません。


山路さん

同感です。
沖縄のマスコミは、沖縄の世論は俺たちが作ると豪語しています。オール沖縄の候補が決まると偏向報道が激しくなると思われます。山路さん仰るように自民に熱気もあまり感じません。沖縄の方でもまだ辺野古は撤回できると信じている無党派層も意外と多い。
無党派層はムードに弱い。前回の10万票差の敗因を保守がチャント分析できているのか。その対策は万全か。
小沢氏が金秀の呉屋氏やオール沖縄の関係者と会ったそうですが、その後のデニー氏の会見が小沢氏とよく相談して決めたいです。普通何かあったと考えますよね。
その何かは今日26日に分かりますね。

玉城氏の親分、小沢一郎氏が立候補(衆議院議員辞職)を許すとは思えません。小沢氏の戦略はあくまで国政での多数派獲得であって、地方での地道な活動は眼中にありません、

翁長氏がオール沖縄で勝利した当初は、このオールなんとか体制を真似た動きが盛んでしたが、この作戦に意味があるのは今や共産党だけです。

玉城が勝っても負けても、小沢一郎氏の子分が一人減るだけで何も得はありません。もっとも小沢一郎氏自体が既に”終わっている“からかもしれませんが。

それにしても今回の 遺言騒動は異常です。近代以降の日本で政治家の遺言がこれほどの意味を持ったことはないと思います。もし安部さんが突然死して自民党が安部さんの遺言で候補を決めるなどと言い出したら左翼たちは大騒ぎするとおもいます。

沖タイによると玉城氏の表明はまた延びて29日以降になるようです。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/304114
私も九州Mさん同様小沢氏が玉城氏の出馬を許すかどうか疑問に思っています。
自由党から見たら知事選だけでなく衆院補選も勝てるくらいの体制が欲しいでしょうからね
今回の小沢氏のオール沖縄陣営訪問はその辺の状況も含めた確認で、そしてその結果が「もう一度東京戻って考えよう」からの表明延
期なのではないかと思います。

私は最近、前回訪沖した際、那覇の古本屋で購入した中公新書「沖縄問題ーリアリズムの視点から」(高良倉吉編著)を読みました。
この本には、仲井真県政時代に県政の実務に携わった人々が、いかに行政の課題に取り組んだかが、淡々と述べられており、一読をお薦めしたい一冊です。
この本を読んでいる間に、翁長知事が急逝され、一連の騒動が起きました。
今、感じるところは、沖縄の方々には、本来あるべき地方行政を取り戻していただきたいという願いです。
ここ数年で、全国の沖縄観に誤ったメッセージが
発信され続けていると思います。
今回の選挙を軽薄なものとせず、真面目な実務に取り組む人を選んでいただきたいものだと思います。
沖縄の、私の大切な友人たちのため、切に願っております、

政を

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