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「オール沖縄」の遺言政治 沖縄県は翁長家ではありません

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地方自治体の首長は、大統領に似ていると言われる場合があります。 

大統領と首相はどこが違うのでしょうか、そこから考えてみます。 

大統領は国民が直接に選びます。議会を形成する議員は、別に議会選挙で選ばれますが、彼らが大統領を指名する権利はありません。 

だから、大統領と議会がねじれをおこすことも頻繁にあります。 

大統領命令とトランプさんが力んでも、議会が通さなければ意味がありません。 

国民は二つの代表を選ぶことで、大統領が独裁走らないように、議会が衆愚にならないようにバランスさせているともいえます。 

一方、議員内閣制の首相ではそれはありえません。議会多数党のトップがそのまま首相になるからです。 

一見議会と行政府の長を同時に握れるから強いと思うと大間違いで、党首になるための厳しい関門をいくつも突破し、さいごには党首選で決められます。 

ですから、勢い議員内閣制の首相職は、与党内の政治勢力のバランスの上に成り立っているために、決められない首相になってしまいがちでした。 

閣僚も派閥割り当てで決まってしまうような、淀んだ政治が生まれるという弊害が出ました。 

677pyjfオール沖縄の選考会議

さて、知事選に話を戻します。 

地方首長は大統領に近い性格をもつのですから、その選ばれ方も含めて民主主義が問われると思います。 

こう考えてみたらわかりやすいかもしれません。候補者選定は、米国の大統領選における党候補者選挙に相当します。 

そして党候補の座を獲得できたものだけが、本選挙に臨めるということになります。 

この両方を含めて、トータルな「知事選」と呼んでいいんじゃないでしょうか。 

一回目の予備選は候補者選びで、2回目の本選は知事選本番というわけですね。 

制度が違うので簡単に比較出来ませんが、米国の大統領選は民主・共和両党の党内候補者選びに多くの力を割いています。 

私は直接投票によって首長を決めるミニ大統領選の知事選において、党ないしは陣営の候補者選びプロセスは、本当にその陣営が民主主義を大事にしているのかが問われる試金石だと思っています。

だから、どんな候補者選びをしようとカラスの勝手でしょう、というわけにはいかないのです。 

自民党にも問題があることは、先日来指摘しています。 

これに先立ち安里繁信氏は、このようなインタビューをだしています。
https://twitter.com/newokinawa2018  

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 県政奪還を最優先にするというのが安里氏の意志ですので、残念ですが尊重します。 

一方、このような自民党のゴタゴタなど可愛いくみえるようなトンデモ指名をしてしまったのが、「オール沖縄」陣営です。 

「9月30日投開票の沖縄県知事選をめぐり、自由党の玉城デニー幹事長=衆院沖縄3区=は20日、立候補を目指す意向を明らかにした。同県沖縄市で記者団に「出馬の方向性を限りなく探る」と明言した。後援会や自由党の小沢一郎代表と相談し、22日までに最終判断する方針だ。
知事選をめぐっては、8日に死去した翁長雄志知事の支持母体「オール沖縄」を構成する共産党や社民党、労組などでつくる「調整会議」が19日、玉城氏を擁立する方針を固め、会議の幹部が玉城氏と面会して決断を促していた」
(産経8月20日)
 

01315ef4s玉城デニー氏 

さすがにこれには私も呆れました。 

「オール沖縄」は、故翁長氏の「遺言」なるものに拘束されるということですか(失笑)。死せる翁長、「オール」を走らすというわけです。 

これがどんなことを意味するのか、翁長氏の代わりに安倍氏を代置すれば少しは分かるでしょう。 

安倍氏が、今、突然に死んでしまったと仮定しましょう。

野党とメディアは故人を悼むどころか、連日祝杯に酔い痴れてザマァミロと連呼するでしょうが、それは置きます。 

安倍氏を職務上の殉職と受け止める支持層は、「安倍さんを殺したのは朝日だ。遺志を引き継げ」と叫び、国民葬をやれと叫ぶかもしれません。 

この安倍氏がなんと「遺言」を残していたんですから、さぁ大変。テープには、「私の後継の総裁には〇〇と〇〇を」というわけです。 

そして自民党が「遺言に従う」となってしまったら、もう民主主義もクソもありません。 

もはや遺言政治です。 

こんなことをしたら、野党とメディアがなんと口を極めて非難するのか目に浮かびます。

「民主主義の破壊者」「アベ独裁政治は死んでも祟る」「民主主義の根幹が揺らいだ」くらいは言うでしょうね。

もし同じことを米国大統領が死んでやったら,、それだけでその党はジャンク・ボックスに入れられてしまうことでしょう。

そのくらいのことなのですよ、「遺言」を使って政治を支配するということは。

故人を悼むのはよし、故人のやり残したことを引き継ごうとするもよし(ただしいか間違っているかは別ですが)、しかし故人を神格化するがごとき「遺言」絶対視は、いくらなんでも逸脱です。

翁長家が遺産相続をするに遺言が絶対的なのはあたりまえですが、公職は次元が違います。

言挙げするのも馬鹿馬鹿しいですが、沖縄県は翁長家ではありません(あたりまえだ)。

地方自治体の公職を選ぶことに「遺言」を持ち出すということが、いかに前近代的なことなのか、民主主義のルール違反なのか、それに気がつかない「オールl沖縄」のほうが、私にはコワイ。

遺言政治という汚点を、沖縄政治史に残すべきではありません。

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沖縄問題」カテゴリの記事

コメント

「世襲」や「神格化」や「○○家」という単語を聞くと北の金王朝が頭に過りますね
そのうち翁長氏の像(しかも北朝鮮製というおまけつき)でもできそうですね

投稿: 中華三振 | 2018年8月21日 (火) 07時30分

玉城デニー氏は国会で「一国二制度にして沖縄を関税ゼロ消費税ゼロしろ」とぬかした御仁です。親分がアレなのでどっかの国の息がかかってんじゃないのかと勘繰られるても仕方がないお人です。

最低でも県外とかちゃぶ台返しして、結局辺野古に回帰してまたちゃぶ台返しした元民主党ですし。今さらシンキチハンタイとか言うなら「ちゃぶ台返しのちゃぶ台返しのちゃぶ台返し」に至った理由を県民にわかるよう説明すべきでしょうよ。

投稿: クラッシャー | 2018年8月21日 (火) 09時23分

その「遺言」とやらに「疑義あり」としオール沖縄の8県議が離脱を表明したと先ほど篠原章氏がFBで記事をUPしてました。

見事とも言える「ヤルヤル詐欺辺野古ヴァージョン(前近代編)」の総集編の幕があがりました。この付けは我ら県民が背負うのでしょうか?そうです保守・革新双方がやってきたことを我々県民は「背負う」のです。

投稿: 宜野湾くれない丸 | 2018年8月21日 (火) 10時05分

その遺言音声に関しては出所や実際に聞いた人間も限られた人のみというとても香ばしい話も聞こえてきます。
そもそも隠し撮りでもあるまいに、重大な影響力を及ばす可能性が非常に高い遺言がなぜ映像ではなく音声のみなのかという最大の疑問点もつきまといます。

裏を返せば現在のオール沖縄がそのようなモノを神の啓示かのように祭り上げないと候補者を絞りきれないほど内部崩壊をおこしているという証明でもあると思います。
とりあえず候補者が絞られて一致団結かと思った矢先にかりゆし、かねひでグループが早々に自主投票を表明したあたりにも今回の判断によってオール沖縄に未来はないと見限られたようなものです。
この点に関しては成功を収めた商売人の嗅覚はかなり信用できます。

投稿: しゅりんちゅ | 2018年8月21日 (火) 10時38分

上記のコメントにてかねひでグループは自主投票と書いてしまいましたが、同グループは現在のところ玉城氏支持でした。
早合点で書いてしまい申し訳ありません。
訂正いたします。

投稿: しゅりんちゅ | 2018年8月21日 (火) 10時59分

翁長氏の神格化が止まりませんね。
オール沖縄系はここぞとばかり政治利用に走っているようです。
管理人さんも 死せる翁長、「オール」を走らす
と表現されてますが、後事を託すあたりまるで白帝城のごとき。
しかしそれではあまりにも劉備と諸葛孔明に失礼ですかね。

投稿: 右翼も左翼も大嫌い | 2018年8月21日 (火) 11時20分

翁長氏の遺言ですけれども、そもそも後継者を二人指名する時点で、内ゲバしてくれと言ってるようなものです。
しかも、片方の名前はオール沖縄を離脱した筈の呉屋氏というのだから。
独自に共産党と接触して県知事選出馬を目論んでいるのでは、という噂もあったらしいですが、まさか翁長氏がそれを知っていて後継者候補に入れたのかしらん。

後継者なら一人にするべきですし、政治基盤を継ぐと言うのなら(世襲は嫌いですけれど)息子の翁長雄治氏がもっとも相応しいとなるはず。
他人なら兎も角、息子ならば「翁長氏も普通の人だった」と言い訳もできるだろうに。

都合の良い言葉を継ぎ接ぎしているのか、それとも病床で朦朧としているのかと思うぐらいの内容。
この遺言の内容は、ホントに意味不明ですよ。


まさか、自分以外に保守と革新を纏められるような人間が居ないと思って、分裂するように仕向けたわけでもあるまいに。(ここまで行くと陰謀論ですね)

投稿: 青竹ふみ | 2018年8月21日 (火) 12時00分

お久しぶりです。この遺言、ユタにお願いしてグソーにいる翁長氏の意向を聞いたとかじゃないことを祈りますが、それで候補者選ぶなんてマトモな話じゃありませんね

投稿: アミノ酸 | 2018年8月21日 (火) 14時59分

翁長氏の「遺言」の話が出てきた時、NHKや朝日新聞をはじめ多くのマスコミは無批判にこれを報道しています。

ありんくりんさんが言われるように、国政や他の自治体であれば間違いなく県政の“私物化”として批判するはず。仮に私の住む県で、このような遺言で候補者を選定することになったとしたら、バカにするな!と私自身も憤慨するでしょう。マスコミがなぜこのような態度になるのでしょうか?

私が思うに、反アベ陣営だから大目に見て、という面もあるでしょうが、やはり“沖縄の政治だから”という雰囲気を強く感じます。

民主政治に未熟な沖縄、つまり大人になりきれない沖縄です。でも、これって“権力に批判的”であるはずのマスコミが、先頭に立って沖縄を甘やかしているからではないでしょうか。

いつまでたっても一人前に扱われない沖縄をもどかしくも感じます。

投稿: 九州M | 2018年8月21日 (火) 17時18分

メディアがポジティブにこの遺言報道を放つ事自体に、気味が悪いです。
大事にしているはずの民主主義の根幹にある首長選挙の旗印の根拠に「遺言」をおくことで、説得力があると思ってしまう報道機関や政治団体。たとえ生前指名があったとしても、それをこんな風にバタ臭く出されたら若い人ほど引くと、何故進言しないというか下手したら率先して書き飛ばしてますよね。
でも、沖縄はここのところの市長選では賢明な選択が続いています。東京が一番深刻なんじゃないかと五輪準備のネット記事と大手メディアのギャップを見るたびにため息です。
遺言とAI、どっちもどっちです。

投稿: ふゆみ | 2018年8月21日 (火) 17時56分

コメントを見ても民主主義を前提でとしていらっしゃるように感じますが、オール沖縄って赤系の人たちですよね?
であれば遺言で戦うもありなんじゃないかと私は思います。
勝つことができれば何でもありの人たちだと私は思ってますので。
低俗なコメントで申し訳ないです、間違ってたらごめんなさい。

投稿: 支援活動中 | 2018年8月22日 (水) 00時04分

私には、翁長知事が遺言として「後継候補者指名をした」とはどうしても思えないんですよね。
録音源の「解釈のしよう」と言いますか。

もっと大事な事は「会派おきなわ」8名の離脱であり、オール沖縄革新勢の「純化」が始まったのだと思います。
逆に翁長路線を解体しているのが「オール沖縄革新勢」だと見ています。

投稿: 山路 敬介(宮古) | 2018年8月22日 (水) 02時11分

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