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2018年8月 3日 (金)

文科省官僚のパワー2大源泉とは

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先日来メディアは、モリカケの熱量の数万分の1の熱量で文科省汚職を報じています。

この文科省汚職を深堀すると、なにか触れたくないことに突き当たるのがこわいようで、完全に腰が引けています。 

谷口容疑者の一回あたりの接待額が判明しました

「25万3,700円、43万9,500円、そして、54万5,000円。
これらは全て、会社役員が銀座の高級クラブなどで、官僚らを接待した際の領収書。FNNが入手した領収書からは、接待費が多い時で月600万円を超えていたことが明らかになった」(FNN8月2日)

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20180802-00397781-fnn-soci

 素朴な疑問ですが、なにやったら一回40万も飲めるんでしょうかね。1カ月で600万ですって、年収分が1カ月で飲み食いに使われたというわけですか。ひぇー。 

一回飯代で4千円も使ったら、残り1週間は緊縮モードになる我々には想像を絶しますな。ああ、いかん、こういうセコイ計算していると気が滅入る。 

ではなぜ、この「霞が関ブローカー」の谷口容疑者は文科省の高級官僚に、こんな接待をしたのでしょうか。 

それは昨日宜野湾くれないさんが端的に指摘されたように、文科省が許認可権と助成金の配分を握っているからです。 

これが文科省官僚のパワーの2大源泉です。 

文科省は補助金を差配する権限を握ることで、それを餌にして大学の教授に天下りをしたり、息子を裏口入学させたり、一晩平均40万も使う接待を受けられたのです。 

税金である助成金を、自らの利益のために不正に支出したのですから、贈収賄と断じてかまわない思います。 

その意味で前川前事務次官のケースは、本来ただの国家公務員の規則違反などではなく、不正な私学助成金支出に関わり、その見返りをもらった贈収賄事件として問われるべきでした。 

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さてもうひとつの文科省官僚のパワーの源が、許認可権限です。実はこの典型的な事例が加計事件でした。

メディアはあれほどまでに膨大な報道をしておきながら、肝心要の核心をズラしました。 それは加計事件は、煎じ詰めると文科省「告示」に行きつくということです。 

ではなぜ愛媛県は十数年間の間、たかだか獣医学部ひとつをつくるのに足踏みしたのでしょうか。 

なにせ、最後に獣医学部が認可されたのは、はるか彼方の52年前だったんですから。 

その理由を、当事者である文科省専門教育局長が述べている部分があります。
2016年9月16日・国家戦略特区ワーキンググループ(WG)のヒアリング議事録http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/h28/shouchou/160916_gijiyoushi_2.pdf 

「浅野課長(文部科学省高等教育局専門教育課長) この設置等に係る認可の基準という文部科学省の告示の第1条第4号の中で、この獣医師の養成に係る大学等の設置もしくは主要定員増は除外されているということでございます」

 ここで浅野文科省課長が、民間委員にまいったろうとばかりに出したのが、「文科省告知」というやつです。
「(大学・大学院・短期大学及び高等専門学校の)設置等に係る認可の基準に関わる文科省告示・第1条第4号」 

「告知」は法律・法令ではありません。あたかも法律のように文科省官僚が使っているだけのことで、実際はただの「お知らせ」にすぎません。 

この「お知らせ」にただの2行こうあります。 

第1条4項 歯科医師、獣医師及び船舶職員の養成に係る大学等の設置若しくは収容定員増又は医師の養成に係る大学等の設置でないこと。」
文科省・大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準 http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/10/27/1260236_1.pdf

はい、ここで文科省は獣医師の定員または増員について許認可は、オレのものだと言っているのがわかりますね。 

この許可基準の「お知らせ」に、あらかじめ獣医学部の新設は認可しない、とあります。 

つまり獣医学部を作ろうとすると、審査さえ受けられずに門前払いされてきたのです。 

「愛媛県さん、告知に書いてあるでしょう。新設は認められないから、審査もへったくれもないんですよ。さぁ帰って、帰って」というわけです。 

しかもこの「告知」とは、法律・法令ではなく、いわば内規に等しい「告知」にすぎません。国会で審議される必要もない、文科省が勝手に作れる内規なのです。

法律は国民に付託された国会で審議されますが、「告知」は内規なので文科省が勝手につくれてしまいます。 

つまりは、愛媛県と加計学園がどんなに無駄足を踏もうと、文科省はこのたった2行の「お知らせ」を楯にして門前払いし続けてこられたわけです。 

え、文科省は畜産の現場を知っているかって。わけないでしょう。もちろん門外漢です。

だから「浅野課長 恐らくこれは文科省だけでは決められないと思います」(前掲議事録)と言って、農水省に聞いてくれと逃げているわけです。

農水に聞かなきゃわからないというなら、初めから文科省が許認可権限を握るなよと思いますが、学校・学部の許認可権限を握っているために、文科省が防疫を現場で担う獣医師の数を統制できてしまったのです。 

規制緩和特区は、ひとつの地域をモデルにすることで官の規制を緩めていき、うまく行くなら全国に拡げていこうとする試みでした。 

ですから諮問会議WG委員はこう言って、文科省にこう噛みついています。 

「本間委員 要するに獣医師が増えるか増えないかということは、文部省のマターではないということです」

そのとおりです。

これは本来、文科省が扱うべき事案ではないのです。

そして結局、この民間委員の正論に抗しきれず、文科省は追い詰められて白旗を上げるのですが、それとてただ学部開設が適当かどうかの審査を受けることができたという、いわばスタート台に乗れただけの話でした。

言ってみれば、お前は入試さえ受けさせないから、渋々入試くらいは受けてもいいになっただけです。

たかがこれだけのことを、自分たちの歴史的資産が犯されたと考えたと思った人たちがいました。

いうまでもありませんが、前川喜一氏たち高級官僚のグループです。彼は政治の力で文科省の許認可利権の一部を削られてしまった、と考えたようです。

その時彼が言ったセリフが下にあります。この「行政が歪められた」という言い方を、安倍氏が友人の便宜供与をした、とメディアと野党はとりました。

すぐに政治利用せずに、その背景を検証すれば違うことが分かったでしょうに。

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 ここで前川前事務次官が言う「公平であるべき行政のあり方」というのは、義務教育を受ける権利のような行政の公平性一般を指していません。

今まで自分らの利権を守るために「告知」ひとつで獣医学部の申請を「公正公平に」門前払いにしてきたのだから、規制緩和特区だかなんだかしらないが、それを「歪めて」もらっては困るということにすぎません。

そして天下り斡旋と「貧困調査」でクビ同然にして文科省を追われた前川氏は、深く逆恨みをしたようです。そもそも政府官庁トップは、クビにできないのです。

そういう弊害をなくすために内閣人事局が作られたのですが、これも前川氏は気に食わなかったのでしょう。

自分で辞めると言い出さないかぎり定年まで職にしがみついていられます。前川氏はその「よき慣例」を破って、辞任に追い込んだ官邸を憎悪したのでしょう。

前川氏からすれば、アベになってから散々でした。

獣医学部を作ってはならないという告知(お知らせ)は破られ、あたりまえの慣習としてやっていたお土産つき天下りも問題視され、そのうえにトップのこのオレをこんな微罪で追放しやがって、と逆上したのでしょう。

しかし辞任扱いで、6千万くらいの退職金も貰っているのですから温情措置じゃないですかね。

しかし治まらない前川氏は、この私憤を公憤に転化してしまったために、ここからモリカケ第2章が始まってしまったわけでした。

つまりなんのことはない、文科省が歴史的に築いてきた文科省利権資産を、アベが破壊したので許せんというだけのことです。

彼にとって、文科省利権とは「行政の公平・公正」そのものだからです。

「おのれ憎っきアベめ、オレたちが先輩から譲り受けてきて太らせてきた許認可権限や天下りに風穴をあけやがって、天誅をくれてやるぞ」、というわけです。

そしてやったのが、自分のかつての部下から得た内部文書を朝日にリークすることでした。朝日と前川さんはリベラルで相性よかったからです。

ここから延々と足かけ2年、国民はモリカケという三文芝居を見せられるはめになります。

長くなりましたので、次回に続けます。

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コメント

補助金と許認可権なら、農水も文科に負けない位持ってる気がします。と言うか、大概の官庁はそれで飯食ってるし、官庁の中の官庁、キングオブ官庁が財務省なのは、末端官庁が配る補助金を握っているから、みな財務に頭上がらないし。
ただ、昔ほど露骨に補助金と許認可をちらつかせて来るところは少なくなった気がしますが、文科はその点、旧態依然と言うか、バカなのか、まんまやってしまっていて、ホトホト呆れます。そんな官僚が日本の教育の未来を握っているのですよね。暗澹たる気持ちにもなるし、日本が唯一自前で調達できる才能(人的資源)と言う資源を、下手するとなくしてしまいかねない思いです。

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