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2018年9月 5日 (水)

トリチウムなど恐れる必要がない

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昨日の記事では説明しなかったトリチウムについて解説した2013年9月19日の旧記事を再録します。

また公平を期する意味で、ハーバービジネスから海洋放出を批判する記事がでましたので補足しておきます。

この記事は放出批判のために書かれていますが、トリチウムについての安全性評価は私の5年前の記事とほぼ同じです。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180904-00174094-hbolz-soci

「しばしばトリチウムは「遺伝子を破壊する悪魔の放射能」などと呼ばれますが、実際には生物濃縮せず、水として体内に摂取した場合の生物学的半減期は約10日、有機物として摂取した場合は40日で、多くは水として取り込まれますので、「体に取り込みやすく出て行きやすい」放射性物質です。また水ですので、体の特定の部位に集まって滞留すると言うことは起こりにくいです。この点がセシウム137やストロンチウム90、ヨウ素131とは大きく異なります」

この記事は、公聴会において東電が他の放射性物質について言及していないことを批判しています。

「トリチウム以外に告知濃度限度を超えるヨウ素129、ルテニウム106、テクネチウム99、ストロンチウム90が過半数の測定で検出されていました。東電はそのことを認識していましたが、生データを公開していたものの、事実を説明していませんでした。生データは膨大であり、精査しなければわかりません。
そうした上で、東電はこれまで、「測定している62種類の放射性物質は、他核種除去装置によって告知濃度限度以下まで除去でき、残るはトリチウムだけである」と説明してきたのです」

この記事が事実ならば、問題はトリチウムの無害性だけではなくなりますから、東電は再度情報を開示する必要があります。

また東電は2次浄化工程としてALPSをもう一回通す必要があるのか、ないのかについても答えるべきでしょう。

                                                   ~~~~~~

ういうとお叱りを受けそうですが、しょせんトリチウムなどは言ってみれば、「遅れてきた放射能野郎」なのです。 

こんな汚染水事件でもなければ誰もなんとも言われず、スポットライトなんか絶対に浴びない放射性物質にすぎません。

放射線エネルギーは弱いために外部被曝はないし、仮に飲んでも直ぐにオシッコで出てきてきちゃいますし、特定部位にたまる根性もないので内部被曝で悪さすることもない。 

ウランやコバルト、ストロンチウムなどの強面の放射性同位体一族の中ではまことに温和な奴なのです。 

ALPS除去設備が除去できなかったのは、凶悪だからではな、あくまでも要するに「水」だったからにすぎません。「水の中の水」は除去できませんから。 

なんでこんなもんを怖がるのかのかなぁ。ストロンチウムならまだ分かるが。 

リスク論の代表的なものはこのようなものです。色々な放射性物質の後障害とゴッチャになっていますね。頭が混乱しているんだろうな。 

最後に脚光を浴びたからって、全部トリチウムのせいにすんなよ。まぁいいか。 

①一般のγ線測定器では測れない
②トリチウムが水や水蒸気の形で人体に入ると99%吸収され、 皮膚を経て摂取量の2%はDNAに取り込まれる。(遺伝子障害の可能性
③動物実験で特に造血組織を中心に障害(白血病等)が生じる可能性
④飲料水などとして大量に(体重に対して数十%以上) 摂取すると生体内反応に失調をきたし、30%を越えると死に至る。(東日本を中心に日本全国で相次いだ「魚の大量死」の原因か)
⑤カナダではダウン症の子供が増えた
⑥英国セラフィールドで小児白血病が増えた

①の「γ線測定器で計れない」というのは理由にもなりません。 

よく危険な放射能の筆頭に挙げられているストロンチウムは、β線測定器でしか計れないので、横浜で発見されて大騒ぎになった時には、専門の測定会社ですら計れる器械がありませんでした。(このストロンチウムは福島事故とはまったく関係なし) 

計れないなら、計れる液体シンチエーション測定器で測ればいいでしょうというだけです。買い込んだ自分の器械が使えないから危険だということでしょうか。 

次に②の遺伝子障害ですが、このいわゆる奇形ほどいやな風聞はありません。最近もオリンピックがらみで、韓国とフランスが3本足や6つ目をやってくれました。被爆者の苦しみを笑うゲス野郎め。 

このことについては、はっきりとまったくそのような事実はないとお答えしておきます。逆に福島県で奇形の実例の発生例があったら教えて下さい。 

岩上安身氏は「お待たせしました。福島で奇形が出ました」と大誤報をして、ジャーナリスト生命を縮めました。彼にとって奇形が出るというのは待ちに待った状況のようですな。 

最近でも、「ある女子アナが東日本の野菜を食べて応援したために白血病になった」などという悪質極まるなデマがネットで流布されました。
(※下卑たネットの情報はこちらから現物をご覧ください。彼らの脳味噌の汚染状況がよくわかります。http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/poverty/1379437378/

これについてもわが隣県のことなので、明確かつ実証的に完全否定できます。

百歩譲って「奇形が出る可能性」という仮説の「意見」が証明されるためには、因果関係が立証されねばなりません。リスク論者にその用意はありますか? 

トリチウム・リスク論者は、今ことさらトリチウムを上げていますが、通常白血病や奇形の原因とされるのはストロンチウムのほうです。 

ストロンチウムを大量に浴びると、遺伝子障害を起こすことはよく知られています。 

ストロンチウムを取り込むと、赤血球や白血球の元になる骨髄の造血細胞がガン化してしまい白血病を発病してしまうからです。 

白血病は被曝後2年から3年で増え始めると言われています。ちょうど今頃の時期です。 

ですから、もし福島事故で後障害がでるのならば、今まさにこの時期に、福島で有意な白血病増加が見られなければなりません。 

福島事故後多くの人々の後障害検査と治療に携わってきた南相馬市立総合病院の坪倉医師は、NHKラジオ(8月27日)でこう述べています。 

「99.9%の子供たちからは12年4月,以降いっさい異常は検出されていない」※http://toyokeizai.net/articles/-/13925 

これが被曝現場の事実です。数百キロ彼方の安全圏からネットで「危険だ、危険だ」と騒ぐより、ひとつの事実を知りに現地に来なさい。 

今後まったくないとは思いませので、監視(サーベイランス)は必要でしょうが、健康に対する後障害の危機は少ないと見るのが妥当です。 

このような状況を受けて、国連科学委員会はこう述べています。 

「日本での住民の被ばく量は低い、もしくは「非常に」低いものであった。そのために日本の住民の健康リスクは低いものになっている。」(国連科学委員会福島事故最終報告書)※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-9a31.html 

④の、「東日本の魚の大量死」は都市伝説に毛が生えたような話にすぎません。前にどこかでもっともらしく流布していた気もしますが、事故から丸2年半たってまた蒸し返されるとは思いませんでした。 

「東日本の魚の大量死」は因果関係はおろか、果たして大量死そのものがあったのかどうかすらわかりません。 

私なら、魚が大量死したらなにかの農薬か工場からの毒物流出をまず疑いますね。 

もし、トリチウムとの関連を主張したいのなら、「東日本の魚大量死」が出たという海域の放射線濃度、特にトリチウム濃度、死亡個体数、日時、魚種のデータが最低限必須です。 

最後に「トリチウムが入った水を体重の30%飲むと死に至る」というに至っては、すいませんが爆笑してしまいました。 

体重平均60㎏として約20リットルですから、2リットルペットボトルにして10本!どう飲むつうの。 

飲みたくても飲めませんから、そうとうに無理な想定というか、2リットルペットボトル10本も飲めば、なにを飲もうとも病院行きです(笑)。

ただの水道水でも 過剰に摂取すれば、細胞がナトリウム不足になって、体内で形成された毒素の排出ができずに「水中毒」になります。

20リットルのトリチウム原液を飲めば、そりゃおかしくなりますって!それは放射能がどうというより、ナトリウムバランスの問題ですね。 

トリチウムは、薬理学上いわゆる低毒性(low toxicity)に分類されます。低毒性というのは、それが積極的に危険を放出しているわけではなく、常識を超えた摂取をすると危ないぞ、ていどの意味です。 

そう言えば、もうひとつ非常に危険な物質があります。それは醤油です。醤油は20リットルも飲まないでも充分に重体になれます。

さきほどの水中毒の逆で、ナトリウム過多になるからです。

ですから、醤油瓶の裏には注意書きで、「醤油を体重の30%以上飲まないで下さい」と小さく書いてあるはずです(うそ)。 

ひょっとして一万人にひとりくらい飲む奴がいるから「醤油にリスクがある」と書いたらバッカじゃねぇかと言われますね。 

そうあたりまえですが、摂取するのが微量だからです。トリチウムも一緒です。 

ですから、トリチウムは一般の水よりは消極的意味で「危険」ですが、醤油ほど「危険」ではありません。 

海水に拡散・希釈して混ざりますから(放出以前に希釈してありますが)おそらくほとんど計測不能レベルになるはずですので、トリチウム原液を飲むのとはまったく違います。 

醤油の中で生活する人がいないように、トリチウムの中で暮らす人もありえないのです。 

ありえない仮定を考えて、「突然死する」とか、「白血病になる」とか脅されてもなんだかなぁというかんじです。 

リスク論者の皆さん、このような常識はずれの極端なことばかり言っていると、いっそう信頼されなくなりますよ。 

⑤⑥のカナダのダウン症や英国での白血病も、同じように肯定論否定論いずれも存在します。 

といっても、私がトリチウムの危険性を完全否定しない理由は、今後の疫学調査でトリチウムと突然死、あるいは白内障との関連が証明される可能性がまったくゼロではないからです。 

しかし現時点ではそれを立証する疫学データは存在しない以上、私はトリチウムの危険性について、「可能性はゼロではないが、醤油よりリスクは少ないと思われる」とします。 

放射線の専門家の平均的認識はほぼ一般的に以下です。

(海洋生物環境研究所の御園生淳氏、富山大学水素同位体科学研究センター長松山政夫教授・週刊文春における発言)
①水として摂取しても10日くらいで半量が排泄されてしまうので内部被曝の可能性は低い。
②トリチウムの出す放射線量のエネルギーが低いので、外部被曝はありえない。
③毎日100ベクレル/㎏のトリチウムを含む食物を1年間食べた場合の摂取量は、0.0015ミリシーベルトで、,セシウム137の約千分の1ていどで比較にならない。
④トリチウムは何かに濃縮することがないために生物濃縮は考えられない。

このトリチウムに対する認識から汚染水の排出は、このようなルールを作って行われます。 

トリチウム濃度としては、400万ベクレル/リットル含まれます。

これは原子力施設の濃度限界(告示濃度限界)とされる6万ベクレル/リットルを大幅に越えていますから,これを告示濃度限界の6万ベクレルまで希釈して70分の1ちかくにまで下げて、海に放出します。 

これは国際ルールに完全に則っていますから、文句を言ってくる国は韓国以外にないでしょう。 

あの国はとうとう頭に血が登って、日本全国の海産物を禁輸するようです。栃木、群馬も驚きでしたが、とうとう「全国」ですか。http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130919/frn1309191528003-n1.htm

呆れてものが言えん。もはや神経症の領域ですな。国ぐるみでヘイトスピーチやってるんだからどうにもなりません。

まともに水産庁が説明などしても聞く耳をそもそも持っていないのですから、毅然とWTOに訴えるしかないですね。

それはさておき、韓国以外の外国の専門家は、現状のわが国の汚染水対策に同意しています。

訪日したスリーマイル島事故を経験したNRC元専門家も、「直ちに地下水を汲み上げを再開して、海へ放出すべきだ」と助言しています。(欄外参照)

政府は国内外の叡知を結集すると言っていますから、さらに良い方法も登場するかもしれまん。 

いずれにせよ、完全廃炉になり、使用済み燃料棒の処分が終了する時まで、冷却水は止められませんから汚染水は出続けます。それまでの数十年先までの長距離マラソンなのです。 

何度も繰り返しますが、この汚染水問題は、原発推進も反対もまったく関係のないことです。そのような立場にとらわれて見ないことです。 

原発反対だから、汚染水処理を止めろと言っているようにすら聞こえます。 

トリチウム・リスク論者は、このままタンクが溜まるだけ溜まって処理不能になり、炉の冷却水の循環もできなくなって再びメルトダウンすることが望みなのでしょうか。 

 

             。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚

■福島第1原発の汚染水処理問題、放出準備に着手すべき=米専門家
ロイター2013年 09月 14日  

バレット氏は米原子力規制委員会の元幹部で、1979年に起こったスリーマイル島原発事故の処理を担当した経験を持つ。

同氏は、原子炉に届く前に地下水をくみ上げる作業を始めるべきだとし、地下水とともに、放射性物質を取り除いた汚染水は海に放出する必要があるとの考えを示した。

「来年初めには水は除染され、放出の準備が整う」としている。

同氏は、汚染水の除染が計画通りに進めば、福島第1原発近海で取れた魚を孫にも安心して食べさせると述べ、安全性に自信を示した。だが東電は信頼性を失っているため国民の懸念を払しょくできないとし、東電が安全性を強調するだけでは不十分との考えを示した。

また合意形成を重視する日本の意思決定スタイルは、現実的な措置を先送りするリスクをはらむと指摘。「東電は国民や地元の漁業関係者などへの負担を懸念して貯蔵タンクを増やし続けているが、これは問題を先送りしているにすぎない」とし、「今が問題に取り組むべき時」と主張した。

東電の広瀬直己社長に対しては「海外専門家の技能を日本のシステムに融合させることを提言した」とし、問題解決にあたり海外専門家により協力を求めるべきとの考えを示した。

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コメント

再アップありがとうございます。
当時よりも冷静な目線でネット検索をかける人数は増えているでしょうから、パニック時に刷り込まれた誤情報をリセットする意義深い再掲だと思います。

スーパーなどで売っている食品などは特に福島産かなどは気にしませんね。チャント国の食品安全基準をクリアしたものが売られているからです。国も自治体も食品安全基準をクリアした食品しか出荷しないからです。
事故直後は風評被害もあり、店頭から福島産は消えましたが、今は普通に並べられています。
今日の産経新聞でも報道していますが、処理水の処理方法の公聴会で、「海洋放出すべきだとする意見は富岡、郡山会場でそれぞれ1人の男性が表明。どちらも風評被害を防ぐため、全量検査を行ったコメと同じように、放出に当たってトリチウム濃度の全量測定を行うことが必要だとする考えを示した。」と報じています。
地元が一番恐れるのが風評被害です。地元とよく話し合い慎重に進めて欲しいと思います。


色々な情報も出そろってより客観的なまとめも出来る時期になっているはずなのに我が国の公共放送はダンマリですね。
オカルト番組レベルのアインシュタインの脳みその番組作るコストがあるのなら、クロ現あたりで放射性物質と各国の海洋放出の現状についての基本的なまとめでもすればいいのに。

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