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2018年10月15日 (月)

安倍さん、一帯一路に協力なんかしないで下さいね

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安倍総理大臣が今月25日から中国を訪問し、翌26日には習近平と首脳会談をするそうです。 

どんな顔で習が安倍氏と握手してみせるのかいまから楽しみですが、そのこと自体は問題ありません。 

今まで何回か書いてきていますが、中国の行動には一種の法則性があって、日米同盟が強固になり、中国が追い詰められてくると、必ず日本に秋波を送ってきます。 

これは日米同盟を離反させたいという戦略、というか、もうこれは中華帝国の本能みたいなものです。 

だからといって、これで日中関係が永続的によくなると思ったら大間違いで、仮にトランプが中国制裁の手を緩めれば、直ちに元の反日の立場に戻ります。

ただし日本からすれば、緊張緩和によって貴重な時間を稼ぐことができるわけです。 

その間に、イージスアシュアなどの弾道ミサイル迎撃システムの充実を図れますし、離島防衛も本格的な稼働体制に入ることができます。 

ま、そんなていどのことですが、今、あちらからすり寄ってきている以上、外交的成果はとるだけ取っておかねばなりません。 

それは、首脳会談で明確に日本の国際的立場をはっきりと表明することです。 

たとえば、南シナ海での覇権を求めることをやめよとか、東シナ海のわが国領海付近での調査活動をするなとか、色々とあるはずです。 

もちろん習が、ハイ、そうしますなんて言う可愛いタマではないのは百も承知ですが、首脳会談で「言いおいた」という外交的行為自体に意味があるのです。

Photo_2http://www.asahi.com/special/t_right/TKY2012091901...

これは後日、またぞろ公船を大量に尖閣水域に入れてきたり、中国軍艦や航空機が自衛隊に対して挑発行為をした場合に、「首脳会談で止めろと言ったはずだ」というカードとして使えます。 

さて、ただひとつだけ安倍氏にこれだけは止めて欲しいことがあります。 

それは中国の一帯一路政策への協力です。 

福島香織氏はこう述べています。

「現在、日本の一帯一路へのコミットの可能性として挙がっているのは、1つが日中の企業が共同参画するタイの鉄道計画、もう1つが日本政府とJICA(国際協力機構)が共同で取り組んでいる西アフリカ「成長の環」広域開発に中国も参加しようという計画です。
西アフリカ「成長の環」経済回廊計画を日本が始めたのは、アフリカで勢力を伸ばす中国に対抗し、国連総会におけるアフリカ票を取り返すためです。
安倍政権が掲げる「自由で開かれたインド太平洋戦略」は、明らかに一帯一路のカウンターパートであり、米国やオーストラリア、インドと連携して対中包囲網を築く試みです」
(ウェッブVOICE10月 5日)

https://shuchi.php.co.jp/voice/detail/5613

まったく安倍氏は微妙なことをやってくれるなぁ、と思います。 

Photo出典不明 

一帯一路は、習が中華皇帝としての威信をかけて始めたもので、当初は壮大な「新シルクロード」ができると大受けしました。 

ちょっと考えてみれば、あくまでも出発点は中国であって、そこから四方八方に道が伸びるわけですから、これでは「すべての道は中国に通じる」ということになります。 

言い換えれば、栄えたいと望む者は、わが大中華共栄圏に参れという中華思想丸出しのシロモノです。 

2013年当初は一帯一路の終着駅となる英国などのヨーロッパ諸国まで、諸手をあげて馳せ参じたものでした。 

日本のメディア・野党はこれを見て、AIIBに入らないと、「乗り遅れたバスになるぞ、なぜ入らぬ、イギリスだって入っておるぞ」と政府を責めたてましたっけね。
アジアインフラ投資銀行 - Wikipedia

ところが数年もたたないうちに、化けの皮がはがれていきます。 

よく中国は百年先を読んで布石するなんて聞きますが、いまや数年でボロをだしてしまうようです。

中国がやりたかったことの実態が、スリランカやモルディブで明らかになったからです。 

中国は融資先国に借りなくてもいい借金をさせて、それが払えないとカタで港を取り上げ、それを中国海軍の軍事拠点にしていくという悪徳街金まがいのことをしていたことがわかったからです。 

下の写真は、この手口で中国が作ったジブチの軍事基地です。 

3出典不明 

このジブチ港は、航行の要衝にありますが、ここには海賊監視活動のための米海軍や海自の拠点がありますが、これを牽制する目的だと見られています。 

さて、今回の安倍氏の対中インフラ支援は、この中国の無理無体を止めさせて融資国を保護する役割があると、政府は説明しているようです。

政府は日本が協力することによって、不法な高利を止めさせたり、プロジェクトそのものを完成させることで、貸付金が焦げつかなくなることで、当該国を救おうとするものだと述べているようです。

悪いことは言いませんから、止めておいたほうが無難です。

たとえばインドネシア高速鉄道建設などの事例で分かるように、中国は意図的に当初の見積もり額を極めて低く設定し(それで国際入札に勝利できるわけですが)、金がなきゃこちらで貸しましょうと低利借款をワンセットで出してきます。

その上に、プロジェクトを裁量する当該国の高官どもはあらかた金と女で抱き込んでありますから、大方の発展途上国はこれでコロリといきます。

まったくやれやれですが、いまだに国際社会で大ぴらにワイロ政治をやっている国は中韓くらいなもので、こういってはナンですが、国民性なのでしょうかね。

しかし現実に工事を開始してみれば、当初の見積もりは大甘でとんでもないコスト増になることが発覚します。

ところが中国にとって、こんなことは想的内なんですな。元々、できるはずもない額で受注しているのですから。

すると、とうぜんのこととして借款額を引き上げるということになり、中国に鼻薬を嗅がされている当該国の高官がそこでウンと言おうものなら、そこから国家的サラ金地獄が始まることなります。

これを断ち切るには、モルディブやスリランカのように、国民自らが選挙によって中国から袖の下を貰っているような売国政府を倒さねば解決できません。

日本が中途半端に協力して、仮に失敗すれば日本が債務を被り、成功しても大中華共栄圏の属国が今ひとつ増えただけのこととです。

どっちにころんでも馬鹿丸出しです。

仮に日本の出番があるとするなら、当該国の国民がバカヤローの政府を倒して国を建て直す時に、さまざまな手伝いをすることくらいです。

今、他ならぬ安倍氏が提唱して、日本は「自由で開かれたインド太平洋戦略」としてすでに米国やオーストラリア、インドと連携して対中包囲網を築こうとしています。

また日本はTPP11のリーダー国として、巨大貿易圏の牽引役をしています。

そんな時期に、一帯一路に対しての余計な手助けは無用なばかりか、それらの国に不信感を抱かせかねません。

 
 

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コメント

 ブナガヤさんこんにちは、HYです。

 本件の事は不安要素しかありません。最近の安倍さんは圧力に弱いです。つい昨日も消費税10%上げを決意したなんてニュースが出てましたし。財務省の圧力に負けたのでしょう。本件については自民党内の親中派が圧力をかけてきます。

 ブナガヤさんは評価していますが日韓合意だってそうです。あの後合意が紙屑のように破り捨てられたのはご存じのとおりです。
 憲法改正だって公明党に配慮しているから自衛隊明記にとどまっているのです。裏切られる可能性もあるのに。
 外国人の"50万人の労働移民"もそうです。野党は独裁だ、安倍一強だと言っていますが、わたしに言わせれば頼りない安倍さん以外がめちゃめちゃ頼りないのであって一強多弱じゃないです。一微弱その他激弱です。

HYさんに一言。今日の記事とは直接関係ないのですが、日韓合意に関しては、私は高く評価しています。
当初はそれこそ、こんな守られるはずもないものにどんな意味があるのか、という疑問がありましたが、この韓国のちゃぶ台返しも織り込み済みでした。
国際的に認知された国と国との約束、というところが、ポイントで、日本側とすれば、10億円を支払った以上、あとは、韓国内でどういう声が起きようが、それは、向こうの国内問題ですよ、と突っ放すことができるし、それが国際的に認知されているということなのです。

> 一帯一路は、習が中華皇帝としての威信をかけて始めたもので、当初は壮大な「新シルクロード」ができると大受けしました。

 この中国の描く図柄に対し、日本がサハリン経由でシベリア鉄道まで結ぶ 図柄をぶち上げてみてはどうかと思います。中国の図柄と結んでも良いですし、色々考えられます。シベリア鉄道を高速化(新幹線)するというような大きな構想はどうでしょうかね。安倍さんの緊縮財政主義では叶わないことですが、日本主導で大きな図柄を描いてみたい。

> もちろん習が、ハイ、そうしますなんて言う可愛いタマではないのは百も承知ですが、首脳会談で「言いおいた」という外交的行為自体に意味があるのです。

 そうだと思います。中国との話し合いを拒否する必要はありませんが、日本側として冷徹な計算がどうしても必要です。今回の訪問で周近平とどのような話し合いになるか、とても興味深いものがあります。

 ブナガヤさんと投稿者のみなさんこんばんわ、HYです。

 coyoteさんのおっしゃりたい事はわかります。ブナガヤさんもこのブログで同様のことをおっしゃってましたし、わたしも概ね理解しております。

 しかし「後は韓国の内政問題」と投げっぱなしで本当に良かったのでしょうか?国際政治的には正しくても世界世論的にはどうですか?あれから反日宣伝は治まりましたか?慰安婦像は立てられなくなりましたか?いくら合意文章に「最終的かつ完全に解決」と書いてあっても彼らには関係ないのです。

>韓国外の慰安婦像、日韓合意後6カ所 外務省調査(産経新聞)

 今回の一帯一路の件についても同様です。ブナガヤさんは一帯一路への日本の協力に反対していますが仮に合意文章で「透明的かつ適切な投資」と書かれればcoyoteさんは評価するのでしょうか?そして「合意は紙くず」といって無理無体を続ける中国を「国際常識がない」と批判して終わるのでしょうか?

 対韓外交と対中外交、一見違うように見えて根っこでは同じです。日本は言いたい事を言えず一方的に譲歩する立場に甘んじています。こんな状況で"日本の国際的立場をはっきりと表明"できる訳がありません。何の"成果"もあげずに戻って来るのが賢明です。

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