• 1810-054
  • Photo_20190919035701
  • Photo_20190919041401
  • 2_20190919041402
  • Eerth4mw4aajcsx
  • Eevl0sgxsaajjq6
  • Photo_20190919044201
  • Photo_20190919052601
  • 2_20190919104301
  • Wor19061323110024p1

« 日中スワップ再開は必要だったのか? | トップページ | 韓国徴用工判決 日韓関係は危険水域に突入した »

2018年10月30日 (火)

日中新三原則を読み解く

Dsc_6072
今回の安倍訪中は、真珠湾訪問、米国議会演説、慰安婦合意と続いたいわゆる安倍流外交でした。 

なんというのかなぁ、安倍外交はとりようでどちらにも見えるのですよ。 

今回の訪中の場合、親中路線に傾斜したと取って産経が批判し、一方同じ理由で朝日が拍手したわけです。 ほんと難球を投げる人です。

習は、下にも置かないおもてなしという、ある意味で韓国に示したようなあからさまな冷遇より恐ろしい舞台装置を用意していました。 

天安門の毛沢東肖像画前に日の丸が翻ったのですから、私もやや驚きました。 

Wor1810250034p1産経10月21日
https://www.sankei.com/world/news/181025/wor1810250034-n1.html#inline-wrap

産経が驚き加減でこう報じています。

「北京=西見由章】毛沢東の肖像画を掲げている中国・北京の「天安門」前では25日、安倍晋三首相の訪中に合わせて10対の日の丸と中国国旗「五星紅旗」が数十メートルおきに設置され、全国から押し寄せた中国人観光客の頭上で翻っていた。
 安倍首相は同日夜の李克強首相との非公式晩餐会に続いて、26日昼には李氏夫妻主催の歓迎昼食会、夜は習近平国家主席夫妻との夕食会も予定される“熱烈歓迎”ぶり。昨年12月に韓国の文在寅大統領が訪中した際、中国要人との会食が少なく「一人飯」批判が起きたのとは対照的だ」(写真と同じ)

韓国にとってはショックだったようで、「影の宗主国」中国がこともあろうに、コリアが旭日旗と並んで嫌悪する日の丸までもが、へんぽんと天安門にたなびかせみせたのですからね。 

ま、別に準国賓待遇なら当然といえば当然ですが、ムン大統領が習との晩餐会はおろか、ひとりぽつねんと飯をくわされたのにと、ワーワー韓国では騒いでいたようです。 

Img_e31b85d5f6a83b882e5b1f19332d6c1http://www.afpbb.com/articles/-/3194809?pid=206531

儀仗兵閲兵の時の、安倍氏のヘの字に結んだ口元が可愛い。 

とまれ、トランプの訪中時もそうでしたが、中国という国はやるとなると徹底しておもてなしの海に沈めてとろかしてしまおうとします。

「おお、遠方からの客人よ、世界の中心たるわが中華にはるばる詣でてくれたことを嬉しくおもうぞ」といった中国皇帝もどきのポーズをとってみせることで、格の差を見せつけるわけですからタチが悪い。

トランプも同じことを紫禁城でやられました。習がトランプを紫禁城に招いたのは、米国「皇帝」ですら自分の徳を慕ってやってくるという政治的隠喩でした。

まぁ、歴史にあまり関心がないトランプは、さほどタマゲなかったみたいですがね(笑い)。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/post-3eba.html

872baede2386a8479df0b7d8f0eff701共同通信

天安門の日の丸が何を意味するのか、それぞれお考えください。

そのうえに、言葉のおもてなしが被ります。 

習は会談の冒頭で、「世界の主要経済大国で重要な影響力を持つ日本」とおだてあげました。 

おー、こわ。この人物がこういう持ち上げ方をする時は、ご注意下さい。 

それを安倍氏は、こう受け流して例の三原則を出してみせます。 

「これに対し、安倍総理大臣は「日中関係を競争から協調へ、新しい時代へと押し上げていきたい。互いに脅威とはならないという合意を再確認し、自由で公正な貿易体制を発展、進化していかなければならない」と述べました」
(NHK10月27日)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181027/k10011687951000.html

 首脳会談の冒頭スピーチは、常識的には、事前に一字一句まで双方の外交当局で詰められていますから、いきなり安倍氏がこう切り出したわけではないでしょうが、食えない奴ですね、うちの首相は。 

手がこんでいることには、「競争から協調に」の実物展示を、訪中にあわせてパナソニックがしてみせています。

「安倍氏が北京に到着したその日、東京では中国の有名な火鍋チェーン企業海底撈と日本のパナソニックが両社の共同企画によるスマートレストランが28日に北京で開店するとの発表が行われていた。報道によれば、この店舗ではパナソニックのロボット技術と画像認識技術を用い、厨房のオペレーションをフルオートメーション化したとされる」
https://www.recordchina.co.jp/b656923-s0-c10-d0035.html 

パナソニックというのが肝です。旧松下電気は日本で最初に、まだ文革・4人組・第2次天安事件の混乱から立ち直っていない中国に、最初に手助けした企業でした。 

1978年に、当時副首相でありながら最高実力者だった鄧小平が、松下電気大阪府茨木市のテレビ工場を訪れた時に、出迎えた松下幸之助に「中国の近代化を手伝ってくれませんか」と頼んだことに、松下が力を貸したことから始まっています。
トウ小平 - Wikipedia

81f0359fd386f15634ed77a953b4c535

いわば中国の開放改革路線の産婆役をしたのが松下だったわけで、後に鄧は松下に対して感謝を込めて、「井戸を掘った人は忘れない」という言葉を残しています。 

その鄧が死ぬと、すぐにそんな恩は忘れて、2012年には野田政権がやった尖閣国有化に怒った官製デモがこの松下の現地工場まで襲撃したというのですから、やってられませんわ、まったく。 

このように時の政権や情勢次第で、くるっと手のひら返しをして見せるのが中国という国です。

4a6a04d5c5591e06ecb2ba94120cee7c反日デモの暴徒に襲われたパナソニックの工場 =2012年9月15日、中国江蘇省蘇州(共同) 

ですから、今回このパナソニックが中国企業とコラボしてみせたということは、それ自体が「日中協調新時代」のシンボルだったわけです。

さて、「協調」は一般論みたいなものですから置くとして、その後に2点目として「互いに脅威とならない」と言ってしまっています。
 

率直に言って、これを読んだ私の最初の感想は踏み込みすぎだというものでした。 

おいおい、なんてことを言うのだ、現在進行形で暴力的に南シナ海に進出しては、軍事要塞を建てまくり、尖閣に公船どころか軍艦まで送り込んでいる国はどこの誰でしたっけと、思わず野暮なことを聞きたくなります。

言うまでもなく、アジアの脅威のいわば一括卸元はこの中国にほかなりません。 

そこで、逆に考えてみます。 

「脅威とならない」ということは、今まで充分に「脅威だった」ということです。 

もし完全に脅威がないてて波風立たない二国間関係ならば、あえて2番目にこんな文言を入れる必然性がありませんからね。

したがって、2番目の原則から1番目に返るとその意味が浮かんできます。

つまり日本側からすれば、「今まで中国は脅威を拡散してきたから、これを止めて国際協調のルールに従っていただきたい」という意味です。

その上で第3点めに、「自由で公正な貿易」という米国の主張ととまったく同一の文言を使った原則を要求しています。

この新三原則が出た前後に米国は 中国半導体企業JHICCに対して、技術等の輸出制限をかけました。
米、中国半導体JHICCへの製品輸出を制限 新たな火種に
https://jp.reuters.com/article/usa-trade-china-semiconductors-idJPKCN1N32N0

「[ワシントン 29日 ロイター] - 米商務省は29日、中国の福建省晋華集成電路(JHICC)に対する米国企業の輸出を制限したと発表した。同社の新型メモリーチップによって、米軍システム向けにチップを提供する米企業が脅かされる「重大なリスク」があると指摘した。
同省の声明によると、JHICCは米国の製品やソフト、技術の輸出が制限される「エンティティーリスト」に加えられた」(ロイター10月29日)

このJHICCは、中国政府が製造強国戦略の中核と位置づけた「中国製造2025」のメーン企業集団です。

日本企業は日立、富士通など多くのハイテク企業が、「脅威よりチャンス」とみて提携を開始しています。
http://www.hitachihyoron.com/jp/archive/2010s/2017/06/gir/index.html

しかし中国の半導体企業は技術的限界があります。自力の技術で、半導体のマザーマシーン(生産装置製造機)、高度の検査機器、高純度のシリコンウエハーなどの核心技術を製造できないのです。

ですから米国がJHICCに対して技術移転禁止措置をとると、先だってのZTEと同様に倒産の淵に直面することになります。

また今後米国は、まだ未執行の残り2750億ドルに対しても関税をかけるとしていますので、これが行われた場合、中国のほぼすべての物品に高関税が掛けられることになります。

中国も報復関税をかけるでしょうが、一部の化学薬品や農業製品しかかけるものが残っていないと言われていますので、そもそも初めから勝負になりません。

米国の意図が、中国を国際市場のサプライチェーンから切断し孤立に追い込むことで、中国経済を干上がらせようとしていることは明らかです。

政治は政治、経済は経済という「政経分離」ではなく、「政経合一」が、中国の戦略だからです。

このような時期に、大挙して中国詣でをするとは、日本の経団連のジィさん方がなにを考えているのやら。

安倍氏はいつものように、表面だけみていると、なにをしたいのかわからなくなります。

今回の三原則も、このように読み解くと、たいへんに手がこんだ仕掛けになっていることが分かるでしょう。

今後、この三原則の内容を充填していくことになるわけですが、ただ中国に対して言えることは、あの国とは好きだろうとキライだろうとつきあって行かねばならないということです。

韓国はよく地政学上切り離せないという人がいますし、実際に明治時代の先人はそう苦慮して、合邦というやらずもがなの道を選択したわけです。

しかし、今、韓国が北と民族統一をしたいのならば、どうぞお好きにと言う心情が日本に生まれてきています。

韓国は死活問題とはなりえません。しょせんといってはなんですが、、いざとなれば一線を画せる関係なのです。

しかし中国の重さは、韓国の比ではありません。歴史的にも地理的にも、中国抜きにアジアを語ることは不可能です。

だからこそ、このパワーバランスを取るために、日本は日米同盟を安全保障の基礎に据えたのです。

韓国とは状況次第でどうとでもなる関係、中国はいやでも永久につきあっていかねばならない関係だということを念頭に置いて、安倍訪中を見ると、なるほどねと思わないでもありません。 

安倍外交とは今すぐに白か黒かで判定できるものではなく、一定の距離と時間をおいて見なければ理解できないリアリズム外交なのです。

 

 

« 日中スワップ再開は必要だったのか? | トップページ | 韓国徴用工判決 日韓関係は危険水域に突入した »

コメント

 今日のフロント記事、最高です。こんなのをマスコミで見ることはありません(新聞)。

 記事を読み、少し安心感が起きております。日米の連携を崩してはならず果敢に荒海に向かう日本丸だと考えておきましょう。

 さきほど畠に行き作業をしながら考えていたのですが、日本がアメリカのトランプ大統領とまったく同じ行動をするのもなにか引っかかるものがあるんですね。中国を包囲攻撃をするのはいいのですが、コテンパンにやっつけるのではなくてじわりじわりと押さえ込んでいくのもいいのかもしれません。

こちらの記事https://japan-indepth.jp/?p=42586によると、インドネシア・バリ州の新知事は10月15日、バリ島観光を中共人が牽引していることを認めた上で、地元にお金を落とさず拝所を荒らす中共人観光客を暗に指して、「バリ島にはお洒落で品のいい観光客に来て欲しい」と言い切ったそうで。
知事レベルでも、ものの両面を見てこれくらいのことは言えるのが普通なはずだと考えます。

その民族であるというだけで侮蔑的になるのは中二病患いがやることですが、日本企業に官製デモをかけて被害を齎す、一度合意した約束事を平気で反故にする、「反日有理」の判断をする、そういった愚かなことを国家として、司法としてやるという理由において、中共共産党や韓国をバカだと言うのに躊躇う必要はありません。
「友好」とも「ヘイト」とも別な話ですね。
唐突ですが、老子。
老子が実在したかは諸説ありますが、高慢さを老子に叱られた孔子に「本物の龍を見た」と言わしめた伝説とともに、あのような徳のある言葉の数々を残した誰かが大陸にはいました。
もちろん他にも皆さんご存知の通り、大陸の古の偉人たちの言葉や思想書を我々は手本にして来た歴史がありますね。
ところが当の中共は、素晴らしい教えの数々を国家としてとっくに棄て去り、無かったことにしてしまいました。
そこのところへの認識が、日本経済界のお年寄りたちはどうも甘く、中共と仲良く商売したい気持ちは解らないでもないのですが、彼らが中共に夢を見過ぎているようにも見受けます。
リスクの方も正しく捉えている経営者の方々もおられるだろう中で、国の責任者として、そういう甘々な人たちのことも立てなきゃならない首相はたいへんです。

 ブナガヤさんと投稿者のみなさんこんにちわ、HYです。

 まず前提条件として日本の外交は独裁国家と違って首相の一存で全て決められるものでない事を理解しておく必要があります。米中冷戦がはじまったからと言っていきなり対中強硬化はできないのです。

 日中新三原則を前向きに評価するのは結構ですが、中国にとってこの三原則はどうとでもなるという現実を無視してはいけません。

 中国側の解釈でこの三原則を見れば
「1.対立から協調→中国の一帯一路を日本が支えろ」
「2.互いに脅威にならない→中国の脅威である米軍をアジアから追い出し、日本は中国に刃向かうな」
「3.自由で公正な貿易体制→自由と言う名の知的財産権侵害に日本は無防備でいろ。公正と言う名の中国共産党指導下の経済で生きろ」
となるでしょう。

 これは安倍首相一人の問題ではありません。敗戦から立ち直れないわたしたち全員が考えなければならない問題なのです。

徴用工裁判で日本企業に損害賠償判決、このご時世に韓国さんやっちまいましたね(予想どおりですが)。もう韓国に組してくれる国は北朝鮮しかありませんね。日本企業が韓国で活動することはリスクしかありません。国家レベルで最悪の結果になるように自ら行動するんだから、マーフィーの法則もはじけ飛びますわ。

うちの知事さん、中国からの観光客を増やして沖縄の発展に寄与してもらうみたいなことおっしゃってましたけど、気にくわないことがあれば簡単に渡航制限なんてできちゃう国ですけど、その辺どう思ってんでしょ。あまり中国頼りにしてると、ある時突然観光客が来なくなるかもしれませんよ。

辺野古埋め立ての承認撤回の効力停止が決定しましたね。またぞろ、ミンイガー、ミンシュシュギガーの連呼でしょうけど、日本が法治国家であることの証左にすぎないですね。しかし、最近いろいろな動きがありすぎて慌ただしいですね~。

 HYです。連投すみません。

「対立」ではなく「競争」でしたね。失礼しました。

旧メディアでは三原則の意味などが「日中で相違」するとかなんとか騒いでますが、そういう言い回しで双方の成果を強調し国内を懐柔するのはどこの国でも一緒です。

それよりも重要な成果は、北朝鮮問題に関して、中国をして制裁を緩めない国際の共同歩調に留め置く約束が出来た事だと思うのです。

北朝鮮問題について日米はおおむね上手くやっていますが、ここをすり抜けるために韓北同盟は「制裁解除」にやっきです。
その最大のキーマンは中国なので、今回の安倍・習の合意には韓・北に相当な痛手となったはずです。

まさにこのような時期に「徴用工問題」の再発は韓国にとって一利もなく、完全なオウンゴールです。
どのような方法であれ国民の対日感情をコントロールできる中共と、自らつくった妄想で統治がままならない韓国とでは雲泥の差があります。

安倍外交のような両面編み込み模様的なスタイルは、記事曰くリアリズム、山路さん曰く日本人ばなれ、たしかにそうだと思います。これ自体は国際的にはスタンダードですので他国が批判することはなく文句が出るなら国内からなのでしょう。
あと必要なのは、国際スタンダードな約束反故と有耶無耶決着の付け方で、これを自覚して外交してもらわないと、国民は編み込み模様の好きじゃない面ばっかり引き受けて損する事になります。安倍さんは先手で良い事言いくるめるのは上手いのですが反撃の文句言いやネガキャンの実力は大丈夫なのかなと少し気がかりです。
しれっとひっくり返して反故にする事に便利なように、まだらな柄の約束を双方の思惑で交わしている訳なのですから、途中で生真面目ナイーブニッポン丸出しになる訳にはいかないです。
今回の徴用工判決への対応をそんな目で注視しています。

中国は分裂してる時代には思想哲学が磨かれ、統一安定すると芸術が爛熟し、そういったステキな部分を抽出して日本人は憧れたり歴史の長さを尊んできました。
商売上も政治的な付き合いも、潮目をみて引いたり押したり痛い目にあったりしながらも続いています。
あちらの政権が腐って倒れる時には引きながら人を引き受ける事が多かったと私は思っていますが、今回は人金物全ての量がハンパない規模で結びついているので目処も見当がつかないです。


コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 日中スワップ再開は必要だったのか? | トップページ | 韓国徴用工判決 日韓関係は危険水域に突入した »