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2018年10月 5日 (金)

沖縄は海底資源の宝庫だ

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今回の選挙について、篠原章氏は総括の文章を書いています。これがなんとも暗い。 

読んだ私のほうが、ただでさえ暗澹たる気分でいたところに、さらに危うく暗黒面に滑り落ちそうになったほどです(笑い)。
http://app.cocolog-nifty.com/t/app/weblog/post?__mode=edit_entry&id=90033238&blog_id=610475 

「基地がなくなれば豊かになる」が幻想であることは再三指摘してきましたが、基地の跡地利用計画についても事実上白紙同然です。流通や観光など既存の産業を拡大すればいいという見方もありますが、ショッピングモールやホテルが乱立しても、その行く末は知れています。
テーマパークの新設も、よほどの工夫と競争力がなければ、香港のディズニーランドのように集客に苦しむだけです。広大な普天間基地の跡地にテーマパークやカジノを造るくらいなら、防災空き地として活用したほうがまだマシでしょう。
要するに沖縄は「自立」どころか自律的な経済も十分発達していないのです。誤解を恐れずにいえば、沖縄は「他律経済」の要素が強すぎ「自律経済」もまだ道半ばなのです」
 

では、どうすればいいのでしょうか。 

篠原氏は「伝統的・慣習的な制約と補助金に縛られて、沖縄には自律的に脈動する経済が十分機能していない」、「消費者市場、労働市場、不動産市場、建設市場、資本市場にも多くの硬直的な要素が存在」する、という沖縄の社会的経済的体質そのものに根本原因があるとしています。 

私はこの一節を読みながら、では今回の選挙というリアルな現実の中で、いったいどうしたらよかったのか、とつぶやいていました。 

氏のいうことは正鵠をえていますが、それを改善するには百年河清をまつことになりはしまいか、と思ったわけです。 

さて、私は、今回、知事選でとり上げられていないことの方の中のほうに、今後の沖縄の未来を照らす何かが眠っていたように思います。 

そのひとつが資源です。 

沖縄水域の資源について、東海大学海洋学部教授・山田吉彦氏の論説があります。
(産経9月19日)

https://www.sankei.com/politics/news/140919/plt1409190002-n5.html 

よくある沖縄理解のひとつに、「資源に乏しい沖縄」というイメージがあります。 

これは復帰前の俗に言う「イモ裸足」論が典型ですが、イモを喰い、裸足で靴も買えない沖縄だから、復帰して日本に戻るのだということになります。 

ここから米軍基地に依存するしかないではないかという現実肯定的姿勢と、いや、米軍基地があるからいっそう貧しく危険なのだという反基地闘争派が生まれました。 

いずれも、「日本一貧しい沖縄」という揺るぎないイメージが、その根にあります。 

では、ほんとうにそうなのでしょうか。 

山田氏は海洋資源の観点から、まったくそれは間違っていると断言します。 

山田氏は、日本が海洋国家としての最大の生長点にあると指摘し、同時に中国のほうがいち早くそれに気がついて、さまざまな手を打ってきているとしています。 

Photo_2Google Earth 伊是名島 

沖縄近海の資源分布には驚くべきものがあります。 

「沖縄近海には魅力的な海底資源も眠っている。石油天然ガス・金属鉱物資源機構は昨年3月、沖縄本島北西約100キロの伊是名海域に金、銀、銅などの資源量が340万トンを超える海底熱水鉱床が存在していると報告した。
この海域に眠る資源を地金換算すると約5兆円になると推定される」(前掲)
 

また、伊平屋周辺海域には大規模な熱水鉱床があることが分かっています。 

Photo_3Google Earth 伊平屋 

「今年7月には、海洋研究開発機構が、その50キロほど北の伊平屋沖に大規模な熱水鉱床があると発表した。このほかにも沖縄ではいくつかの海底熱水鉱床が発見されている((前掲) 

熱水鉱床とはこのような海底資源です。

「地下の火成活動がもたらす揮発性成分に富む高温の熱水溶液が,岩石の空隙内に沈殿した鉱床,あるいは母岩の一部を交代して生成した鉱床。金,銀,銅,鉛,亜鉛,水銀,その他重要金属鉱石がこの熱水鉱床より産出する例が多い。地質構造,母岩の性質,熱水溶液の温度などにより鉱床の形態と規模は一様でない」
熱水鉱床(ねっすいこうしょう)とは - コトバンク

「金、銀、銅、鉛、亜鉛、水銀やその他重要金属」を産出する海底資源スポットが、沖縄本島から手を伸ばせば届く場所に眠っているわけです。 

かねてから知られているように、尖閣諸島周辺海域には埋蔵量豊富な油田が存在しますが、日本が日中関係を考慮して試掘を手控えているうちに、中国が既得権益を主張してしまいました。 

Photo_4出典不明

このような海底資源のみならず、沖縄は魚種によっては全国第3位の水揚げ高を誇る水産王国です。 

「沖縄県は、クロマグロ、キハダマグロ、メバチマグロの3種類に関して全国第3位の水揚げ高を誇る。希少価値のあるマグロを水揚げする県としての経済的価値の維持、資源量の保護など水産分野でも対処すべき課題は多い」(前掲) 

2_2
http://www.okinawa-churaumimaguro.jp/maguro/

いうまでもなく、美しい珊瑚礁など観光資源は無尽蔵といっていいぼどあるのはご承知のとおりです。

田氏によれば、「沖縄は海底資源の宝庫」といっていいのだそうです。 

ただし、山田氏も指摘するように、海底重要資源はいまだ手つかずであり、漁業資源は経済価値の維持が不十分です。

同様に観光にもハワイを凌ぐ観光客を招いていながら、いまだ多くの観光インフラが整備されているとは言い難い状況です。

そのうえに、近年、その重要性に気がついた中国がの手が伸び始めようとしていますが、それは次回とします。

 

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コメント

実用化には時間かかるかもしれないけど、沖縄のみならず日本の地方にとって海洋資源は希望の光ですよね、。

沖縄の海底資源って、経産省と石油天然ガス・金属鉱物資源機構が「世界初の採掘に成功」という話を聞いたことはありますけれど。

それに沖縄県って絡んでいましたっけ?
いやまあ、沖縄県で採掘しているのだから、関係していないわけがない、のでしょうけれど。

千葉在住の私は、房総沖350キロの所に東京都の半分ほどの面積の海底資源があるという話を聞いて、南鳥島や沖ノ鳥島なんかよりこっちの開発をするんだろうなと思っておりました。
関東からの距離の近さというのは、試掘調査と言うことを考えれば、非常に有利ですから。

沖縄県は、積極的に国と協力していかないと開発が後回しにされてしまう、くらいの焦りを持った方が良いと思いますね。

中国が絡むと、早い者勝ち=採った者勝ち・盗った者勝ち、になってしまうのですから。

やはり非常に複雑で難しい基地問題よりもこういう経済開発に重点をおいたほうが県民のため、日本のためになると思います。

日経過去記事ではこんなのが見つかりました。山田氏のくだりの補足として。
https://r.nikkei.com/article/DGXLASGG1100F_R10C14A8TJM000
https://r.nikkei.com/article/DGXLRSP451912_R20C17A7000000?s=0
ほかに琉球新報の紹介記事などもあり、県内にもアナウンスはされているので、とっかかりの付けようはありそうですね。
それが県の経済を引っ張る日が来るかは別として、研究調査機関をもっと大きくしたり大学の関係学部に注力するとかで、理系に強い人口が増えるとか。筑波のようにとまではいかないにしても、海洋関係の学術都市開発は魅力を感じます。
琉球大学の海洋自然科学科、HPをざっと読むだけでは海洋資源や漁業に触れられていなかったのですが、沖縄科学技術大学院大学などではどうなのか?器はある程度できているのを見ると、すごく惜しい感がありますね。

海底資源が豊富というのは喜ばしいことですが、
基地問題に加え、海洋資源が豊富ということに
なれば中国は益々、沖縄奪取に力を入れるでしょうね。
ただ、基地問題や海底資源等何もなければ、放置される貧乏県。
難しい島だなと改めて考えさせられました。

普通の沖縄の人 さん

 お気持ち分かります。しかし、自分たちで頑張り繁栄しようという精神は捨ててはいけないと思うのです。諦めるなといいたいのですよ。

 小さいことですが、70代以上の老人の方々が月に3万円は自分で稼ぐと全員が決意するだけで、沖縄は活気が出るのではないでしょうか? 老人で無理はできませんが、工夫して一定の収入は得られるように働きたいものです。

 天然資源が発掘されても、私たちは勤勉な沖縄県民でありたいと思います。それは、子弟への教育効果でもあるし、小さな小遣いのありがたさもそれにより分かるのです。健康上もそんな生き方が良いのではないでしょうか!

ueyonabaruさん

>天然資源が発掘されても、私たちは勤勉な沖縄県民でありたいと思います。

素晴らしいことだと思います。忘れてはいけないことです。子供たちはそんな大人の姿を見て育ちますから。

県は、国や関連団体の協力を受けて「海洋資源の研究開発」を重要課題として進めるべきだと思います。この海底資源のニュースはTVニュースでも報道されてました。また、読谷村でサンゴの養殖を独学で研究されている金城浩二氏は「白化しないサンゴ」の養殖に成功されたニュースも以前報道されてました。これらの実績を沖縄県の日本の未来へ向けて着実に成果を挙げていくことです。

https://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2017/02/0216.html

難しい環境や立地だからこそ、置かれた状況を最大限に活かして、時には相手の足元を見て、発展しなければならないのだと思います。
海洋資源なんて、一自治体では手に余りますし、政府とは時には協調し、時には渡り合っていく必要があります。
ただし、それを主導できる人材が沖縄の政治、行政にいるのかが疑問ですが…
何にせよ、今から始めないといけませんね。

連投ですみません。

私感ですが、沖縄県は何らかの「成功事例」を少しずつ、少しずつ増やしていく努力をしなければならないと思います。それは社会組織の中での最少規模の「家庭」の中からやっていく、ということです。その「成果」も大切なことですが、もっと大切なことは積み重ねていく「過程」でり「失敗」です。これが「家庭」「地域」「地方自治体」「県レベル」なっていくと「沖縄県として実績(自信)」に繋がっていくと思います。「急がば回れ」ということです。

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