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2018年10月10日 (水)

ペンス副大統領による「新冷戦」宣言演説その1

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疑いの余地はないと思います。  

いまだメディアには米中紛争をただの貿易戦争と報じるむきがありますが、米国が意図していることは、安全保障上の戦い、すなわち「戦争」です。 

ただし、まだ熱戦とはならない前段の「冷戦」ですが。  

ペンスは「新冷戦」の開始を宣言しました。

この演説をお読みになれば、この間の米国の打つ手のことごとくが、対中包囲網の形成の意図の下に行われた戦略的攻勢なことがわかるでしょう。

よく米中経済戦争は傍観すればいい、と言う識者がいます。事実、日本国政府は米中との間を巧みに泳ぐかのような通商政策を展開してきました。

しかしもはや米国はそれを許しません。

たとえばロス商務長官は、日本とEUが米国と通商協定を結ぶに際し、「非市場経済国」との間でFTAを禁じる条項を設ける意向を示しました。

これが今、交渉中の新日米通商協定に盛り込まれるならば、日本は「非市場経済国」である中国を加盟国とするRCEPの締結ができなくなります。

同じようにEUも、中国を加えた通商条約を結ぶことができません。これはズブズブの対中強依存関係にあるドイツなどにとっては衝撃のはずです。

日本においては、対中投資を重ねた経済界と、反米親中イデオロギーに骨の髄まで凝り固まったレガシー・メディアと野党に代表されるように中国を選ぶべきだ、とする意見が主流です。

しかし安全保障面をいったん置いても(本来は安全保障と経済は切り離せませんが)、中国との自由貿易協定は危険を孕んでいます。

中国との自由貿易協定は中国に圧倒的に有利であって、日本に得ることは少ないのです。

価格競争においては、競争力は圧倒的に中国が有利であり、労働コストの大きな違いから、製造拠点は日本国内から中国に流出します。

これにより日本国内は雇用が奪われ、中国へと流出していくことになります。

企業資本においても中国が圧倒的に有利で、日本の有望技術を持つ企業は買収され、技術、人的資源ともども流出し、国内市場も先端産業を中心にして中国に支配されるようになっていきます。

さらに中国に進出した企業も、技術移転を強要されたり、利潤を母国に持ち帰ることが難しい仕組みができています。

企業内にも共産党支部を作ることが制度化されて、自由な経営ができません。

これに抵抗する日本企業には、中国政府はあらゆる手段を使って締めつけてきます。

地方政府と係争した場合、当該の企業通責任者は屈伏するまで出国が禁じられます。

中国の都合に合わせてめまぐるしく法律が変わるために、日本企業は進出下前の約束が守られなくても泣き寝入りするしかありません。

これは実際に起きたこと、ないしは現実に進行している現象です。

政経一致の共産党支配体制は、社会と経済の隅々まで行き渡っています。驚くべきことに、官民の境がないのです。

自由主義経済国である日本では考えられもしませんが、政府は自由自在に民間企業の経営に介入できます。これは外国企業も例外ではありません。

このような国と自由な経済関係を結ぶことはできないのです。

日本は自由、民主主義、法の支配、基本的人権の尊重といった人類普遍とされる原則を共有できる国々との経済圏を持つべきなのです。

米国が言っていることは大変にシンプルです。

あたかも関が原の合戦のように西軍につくか、さもなくば東軍について敵国となるのかを問うているのです。

中立はありえません。それは双方から敵とみなされることだからです

日本メディアがこのような重要な演説をスルーする中で、全文訳をアップされた「海外ニュース翻訳情報局海外ニュース翻訳情報局」様に敬意を評します。

ありがとうございました。

                                            ~~~~~~~~~~~

「お断り]
当初ペンス演説訳文をアップしましたが、翻訳情報局様の知的所有権を侵害する恐れがあるために、削除し要旨だけの内容に修正いたしました。申し訳けありませんでした。
(10月11日)

■マイク・ペンス副大統領による10月4日、ハドソン研究所における演説
・原文https://www.hudson.org/events/1610-vice-president-mike-pence-s-remarks-on-the-administration-s-policy-towards-china102018
・全訳ニ感謝します。Translated by Mariko Kabashima &Mahiro Shiono 2018/10/08
https://www.newshonyaku.com/usa/20181009
・動画https://reut.rs/2QxVmbi   

2出典同上 

(1)中国は、米国の知的財産を剽窃・盗用・強制移転し、それを軍事に注ぎ込んでいる 

・中国は米国の内政に干渉している 

・中国は為替操作、強制的技術移転、知的財産の剽窃、不正な補助金などの方法で不正な貿易をしている 

・中国は米国の知的財産を盗んで、先端産業9割を支配することを目指している

・中国の軍事機関は盗んだ民間技術を軍事技術に転用している 

(2)中国はアジア全域で軍事覇権を求めている 

・中国はアジア全域の同額の軍事費を支出し、陸・海・空で、米国に代わる覇権を求めている 

・中国は尖閣諸島や南シナ海で軍事覇権を拡げようとしている 

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中国は南シナ海で挑発行為を取ったが米国は撤退することはない 

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(3)中国の少数民族・宗教・人権抑圧社会 

・中国は先端技術を用いて国民を監視している 

・中国政府によるの宗教弾圧 

中国政府によるウイグル民族弾圧によって100万人の投獄者が出た 

(4)中国は一帯一路政策によって軍事拠点づくりをしている 

・中国は金を貸し、返せないとなると土地を取り上げる 

・スリランカは不要な借金を背負わされ、港を軍用目的で取り上げられた 

(5)中南米の独裁政権を援助する中国 

・腐敗したベネズエラ独裁政権に対する支援 

・中国は台湾との外交関係を断絶しろと要求している 

 

                                                                                        (続く)

 

 

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コメント

 ブナガヤさんこんにちは、HYです。

 ついにアメリカは中国問題に真正面から向き合いましたね。日本も真正面から向き合うようにしないと徐々に浸食され確実に滅びてしまいます。

 経済で失敗した習近平国家主席は軍事に力を入れます。時に中国国民の生活を犠牲にしてでも大海軍を作りあげるでしょう。そして民族の誇りと資源を手に入れるために周辺国と戦乱を繰り広げるのです。そのターゲットの筆頭候補が日本なのです。

アゴラの松川るいさんの記事は秀逸ですよね。

中国の知的財産権の侵害には触れないメディアの忖度ぶりもあれですが

今回のつばぜり合いで中国が頭を抑えられる事になれば習氏は内部の反対勢力によって一気に粛正されるでしょう。
そして次の指導者が決まる過程のゴタゴタの間は中国もおとなしくなると予想してます。
中国は分かりやすいくらいに自己利益が行動理由に直結している国民性なのでアピールすべきお上がハッキリしない間は軍部も下手な事はしないでしょうし。

日本はその時期をしっかりと見極めて中国に対しアドバンテージを稼がないと今度こそ取り返せない差がつく事になると思います。

トランプ政権はどうやら本気で中国を抑える気があるようですが私が懸念しているのはこれがトランプ政権だけの一時的なものに終わってしまうことです。トランプが次当選するかもわからないしアメリカにも親中派はたくさんいるので今は中国とやりあっていても親中リベラル派が実権を握ればすぐに方針転換して対中融和路線をなるのが一番怖いです。

中島みゆきさん
私も最初はアメリカの政権交代による対中姿勢の転換を危惧していたのですが、最近の民主党内でも対中関税に賛成している人が多いことから政権が変わってもそこまで露骨に180度変えるようなことはしないと思います。

民主党の中でもサンダースのような左派はアンチグローバリズムという点でトランプと似通っている部分もありますし。

 アメリカがこんなにも変わるなんてまったく予想もしておりませんでした。この状況はしっかり受け止めたいと思います。

 とは言うものの、冷静に振り返ると、アメリカが経済で中国に蚕食されるがままであることはおかしいことですし、ウイグルの人権問題を知らぬふりで通すアメリカは考えられないことですし、南シナ海の海上基地建設になにもしないアメリカもやはり考えられないことでした。

 中国の時代遅れの政治思想は唾棄しなければならないものであり、軍事的、経済的分野で日本はトランプ大統領を支援する方向で頑張りたいものです。

 スズキが中国から撤退するというニュ-スはありましたが、これに続く日本企業の中国離れはあるのだろうか。相当数の企業が中国から撤退してもらいたいものだ。

箸と茶碗でメシを食い、こうして漢字・仮名で文章を
書いていると、なぜ偉大な中国の人達がいまだに共産
主義などという、清朝と変わらない体制に満足して?
いるのか、ワケわかりません。儒教の影響だと言えど、
ウラを返せば、元々は儒教的風土ではなかったという
ことです。

中国の人達が共産党政府を本気でブチ壊したいのなら、
トランプ親ビンを利用するべきです。どのみち泣く子
も黙るシビアでタフなグローバル資本主義体制で生き
残っていく為には、共産党がアタマでは死に腐れになる
だけです。

おそらく歴代の王朝の終焉の後のように、現在の地方
政府が小さな(フツーには十分デカイ)国になるような
形になります、民族もコトバ(文字)も違うわけですから。

朝鮮の共産主義も駆逐して、早く、東京-北京直通特急
に乗って、アジアを自由気ままに旅行できるようになって
欲しいですわ。

演説から1週間。日本のオールドメディアがまともにこれを扱わない中、全訳されたサイトのURLがネットで拡散され光を放っています。松川議員も抜粋要約をあげていましたが、このボリュームで丁寧に具体的に追い詰める演説は全文一読の価値ありです。
特許を盗み、情報を盗み、他国の港を奪い、世界の独裁政権を助けてその国の民を苦しめ、キリスト教、仏教、イスラム教という、三大宗教を弾圧する中国政府。これって「世界の敵認定」に近い表現です。そして台湾の民主主義の方が中国人にとっては幸せだよねえとまで。

鍵になるのは、共産党政権と中国人を分けて語っているところです。ペンス氏のメッセージは同盟国だけでなくチャイニーズ達へも向けられています。
貿易戦争の部分はある程度ブレながら交渉は続くと思いますが、米国でここまではっきり人権問題を扱ってなにもせず矛を収めた事は無いので、私はトランプ氏以降も共産党政権が弱体化しきるまで対立は続くのではと思います。
その間、日本は安全保障の法整備を進めておくことです。

私はトランプ氏が徹底した中国叩きを最初から画していたとは思えず、彼の個性は「いわゆる平和主義者」だったのではないか?と考えています。

彼の心中では当初、中共が「為替操作をやめる事」や「対米貿易黒字の解消」が落としどころだったと思うのです。
あるいはせいぜい「北朝鮮問題」とセットであるにすぎなかったのではなかったか?、と考えてます。

ところが、トランプ氏よりも米国議会の方が先鋭的で抜本的な対中制裁を欲しているのですね。
日本の報道とは違い、欧州も内心では米国のこのような政策を支持しているように見えます。

その意味でこのペンス演説は、トランプ後の米国の方向性を決定づける重要で基本的な原則を述べた事になったと考えます。

もはや習氏の口先だけの対米融和的姿勢では間に合わず、民主化へカジを切る指導者への交代くらいは必須なのだろうと思います。
しかし、中共にはすぐにはそれは出来ないので、「いわゆる新冷戦」が次の時代に避けられないのでしょう。

今日の報道で、「中国当局者をスパイ活動で逮捕 米政府、企業秘密窃取容疑で」というのが出てました。これまた初の出来事らしいのですが、単なる貿易戦争ではなく、これも「新冷戦」の言ったんだと思われます。

中華三振さんへ
サンダースたちはアンチグローバリズムと言っても孤立主義なのでやはり懸念はありますね。彼等は世界のことなんてどうでもよく覇権を中国に譲り渡しても構わないと考える人たちですから安心はできないでしょう。

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