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2018年11月19日 (月)

アウシュビッツ・ラーゲリ・ラオカイ・ウィグル「再教育センター」

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中国に再教育施設ができたのは、ウィグルが初めてではありません。 

中国は中華人民共和国が作られたとほぼ同時期の1954年に「労働改造条例」を施行し、「反革命犯」を改造することを続けてきました。 

政治犯は人民法廷で裁かれて死刑になるか、「労働改造所」(労改・ラオカイ)に収容され、矯正労働を通じて毛沢東主義に忠実な人間に生まれ変わることを強制されました。
労働改造所 - Wikipedia 

このラオカイという再教育施設に強制的に入れられた人々は、共産党支配に反対する人たちだけではなく、党内闘争で破れた「反党分子」までもに及んでいました。

また当人だけにとどまらず、その妻子、親兄弟も連座しました。

このラオカイは、ソ連のラーゲリをモデルにして作られています。 

ラーゲリは今のウィグルの「再教育センター」の原型ですので、押えておきましょう。 

「党により反革命罪等の体制に対する罪を犯したと判断された政治犯や重犯罪を犯した者、また敵国の捕虜等を主に収容し、恐怖や猜疑心、疲労によって支配された過酷な環境下に置くことにより、体制への恭順な態度を導き出す手段として使用された。
収容者は無償の労働力としても利用された。特にスターリン体制下では家族ごと収容されることが多く、また収容所内での出産率も高かったため、幼児、乳幼児の収容者も多かった」

ラーゲリ - Wikipedia 

私たちが知るラーゲリ、あるいはラオカイ、さらにはウィグルの「再教育センター」に最も近い施設は、アウシュビッツ、ビルケナウのようなユダヤ人強制収容所です。
強制収容所 (ナチス) - Wikipedia

ソ連軍に降伏した日本兵や民間人57万5千人は、このラーゲリに強制収容されました。そして過酷な労働と栄養失調によって、実に5万5千人が死亡しています。
シベリア抑留 - Wikipedia 

中国のラオカイは全国各地に及び、経済の一部に組み込まれていました。

1千箇所以上、延べ5千万人という一国規模を強制収容所に叩き込んでいたのですから、ラオカイなしに中国経済はたちゆかなかった時期もあるです。

「ワシントンDCの人権NPO・労改研究基金の調査によれば、中国に点在する労働改造機関の数は1000ヶ所、総収容者数は300~500万人、1949年以降、労働改造機関に収容された人の総数は4000~5000万人に登っている」
労働改造所 - Wikipedia 

2労働改造所 - Wikipedia

さて、従来のラオカイと今のウィグルの「再教育センター」は本質は同じですが、若干違っています。 

ラオカイは政治弾圧と同時に、無償の奴隷労働による経済効果を狙って作られていました。 

ラオカイでは、収容者は道路や建造物、時には安価な商品づくりを一日10時間以上もさせられていました。

最近はちがいますが、ひと頃の百均はここのラオカイで作られたものが多くを占めていた時期もあります。 

一方、ウィグルの「再教育センター」は労働を目的としたものではなく、あくまでも「教育」施設であるという点です。 

目的は収容者から「邪悪な宗教」を洗い流し、共産党と習近平に忠誠を誓う人間に人格改造することです。 

このような行為を洗脳と呼びます。 

「強制力を用いて、ある人の思想や主義を、根本的に変えさせること。 日本語の「洗脳」は英語の「brainwashing」の直訳であり、英語の「brainwashing」は中国語の「洗脑/洗腦」の直訳である」
洗脳 - Wikipedia 

ラオカイは2013年に廃止されましたが、「再教育センター」はラオカイの代替施設として増殖を続けています。 

相違点は、皮肉にもむしろラオカイのほうが法治主義であったことです。 

なぜなら、ラオカイはいかに非人道的な悪法であろうと法によっていますが、「再教育センター」は今年に法が後追いでできるまで、なんの法的根拠もなかったのです。 

Photo_2ウィグルの老人を狙う武装警察。武警は公安警察の機能を持った準軍隊。

したがって、弁護士はおろか裁判を受けることすらできず、治安当局の恣意で誰でも自由に逮捕拘束し、強制収容が可能でした。

ウィグル弾圧が加速したのは、習の腹心のひとり陳全国がチベット弾圧の功績を買われて、ウィグルに転任してからだと言われています。 

800x1陳全国 共産党大会で、2017年10月19日  ブルームバークhttps://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-01/PFR3AY6KLVR501

「2016年8月29日、陳全国が新彊ウィグル自治区の書記に任命されたと発表された。直前まで陳全国はチベット自治区の書記だった。つまりチベット弾圧の責任者だったから、ウィグル自治区にはいっても弾圧は得意技だった。
陳全国は1955年河南省生まれ、武漢の大学をでて軍隊に入隊し、共産党へ入党して頭角を現し、2010年に河北省長に就任した。その後、習近平の覚え目出度くチベット書記に栄転した。現在はトップ25の政治局員という異例の出世を遂げた。」
(2018年8月23日 宮崎正弘ニュース早読み)

陳はウィグル語を追放し、各家庭に習の肖像写真を掲示することを義務化しました。

12カシュガルにある習主席を描いた看板 ブルームバーク

この露骨な個人崇拝が習に評価されて、いまや25人しかいない政治委員のひとりになっています。次期常務委員入りは確実だと噂されているようです。

陳は対テロ作戦を口実に、ありとあらゆることを宗教弾圧の口実に使いました。

たとえば収容されているウィグル人の拘束理由は、ヒゲが長い、民族衣装を着ていた、金曜礼拝に行った、ハラールを食べたなどという宗教的理由がほとんどなのです。

これではほとんどのウィグル人があてはまってしまいます。

新疆ウィグル自治区の人口約2300万のうち、約1100万と半数近くをこの地域に昔から暮らしているウイグル族が占めています。

うち100万が強制収容されていますから、ウィグル族住民の実に1割が「再教育センター」に拘束されていることになります。

ですから、従来の矯正教育施設ではまったく足らず、公共施設や学校、体育館まで「再教育センター」に転用しているようです。

当然、面積が足らずにすし詰め、食料不足による健康悪化が起きています。

法的根拠がないために裁判は受けられず、改造が終了するまでの「刑期」も無期です。

また、その処遇も当局の思いのままです。無法というも愚かな暴虐です。 

Photo_3出典不明

では、「再教育センター」はただの矯正施設なのでしょうか。
 

違います。それはもう一つの裏の顔をもっているからです。 

それはウィグル「再教育センター」の「経済」とは、グロテスクなことに臓器移植のための「臓器牧場」なのです。 

これについては長くなりましたので、次回とします。

 

 

 

   

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コメント

今、ペーパークリップ作戦という本を読んでましたが、強制収容所は無給の労働者の供給源だったようですね。ただで長時間働かせて、死んだら部品交換のように入れ換えるなんて、企業家にとってはこれほど有利な条件はないですね。中国はナチス以上ですね。

ウイグル問題については、いろんなブログやサイトに記事が有りますので、ぜひ読んでみて下さい。無知な私のコメよりも参考になると思いますので。

にしても、私は、今頃になっても中国の肩を持ったり、ウイグル問題を無視する人達に驚きます。普段は平和とか友好とか人権とか言いながら、ウイグルやチベットは無視です。誰とは言いませんけど、居ますよね。政治家とか新聞テレビとか、平和団体とか人権団体とか・・・。

何と言うかな、上手く言えませんけど、お前らは人間じゃーねえー、って思っちゃいます。まあでも、一番の悪人は中国共産党ですね。中国共産党には人間の心が無いようです。中国共産党は人間の皮を被った悪魔のようです。

今の中国がやっていることはかつてのソ連よりもひどいと思います。ソ連でもここまで人間に対して残忍な扱いはしなかったと思います。伝統的な中国の残忍な専制政治と近代ファシズムが混ざって恐るべき化合物を生み出してしまったと思います。やはりなんだかんだ言ってもヨーロッパの一国であったロシアのほうが中国よりもマシということでしょうね。ところでウイグル人を対象にした「再教育施設」に関してはアウシュビッツのような殺戮工場よりもよりもダッハウやブーベンヴァウトのほうが近いと思います。

続きですがこのコメントを書いていて中央アジア(旧ソ連圏)出身の友人がどうせ属国となるのなら中国よりもロシアのほうが百万倍マシだと言ったことを思い出してしまいました。あと左翼たちは残忍な支配と言えばとにかくかつての列強諸国による植民地支配のこと言い立てますが私は欧米の植民地支配や前近代の専制帝国(清朝やオスマン帝国など)よりも共産主義国の支配のほうが酷いと思っています。(まあ最近では特に珍しくもない認識でしょうが)

今日の記事のような報道はTVではもちろん、新聞各紙でもまだまだ鈍いです。

たまに見かけるのは、「急激な経済成長が中国の人権問題を引き起こした」との論調ですが、そうじゃありませんね。それは逆です。

「人権侵害を引き起こす事で、経済成長してきた」のであって、中国の経済成長の大部分の要因は、「汚職」という動機から導き出される「人権侵害」によって支えられてきたのが実情です。

それが「中国モデル」というもので、やっかいな事にアジアの独裁制に傾斜する小国などの政府からは、いまだ憧憬されるモデルでもあるようです。


話はかわりますが慰安婦問題華やかなりし頃、ニューズウィークの冷泉彰彦氏や朝日の記事で「日本とちがい、中国では女性の地位向上に対する法整備が進んでいる」などとのたまってました。
しかし、中国の「法」は中共のものなのだし、その頃からチベットでは僧が焼身自殺を繰り返し、法輪功学習者の臓器摘出問題はあったわけです。

一体、この腐れ教養主義者みたいな言論人というものは一切あてになりません。
いまだにウイグル問題はネット報道が中心という、このお粗末さは何でしょう。

再教育についてですが、実はデンマークも移民イスラムに対して再教育同化政策を行なっています。無論、力による同意のない拘束、そして臓器関連なんてことはありません。
なかなか同化というのは難しい問題であり、特にユダヤ人の歴史を見るとはっきりしますが、幾度となく様々な手段で試みられてきた問題です。また中東・バルカンなど火薬庫と言われる国々においても数多の戦争の原因であり、現在も続いている課題です。

そして日本では…。
在日はもちろん、更なる移民の増加によりますますクローズアップされることになりますが、まだ日本人多数の意識には明確に浮かびきれていない問題でもあります。当ブログの本題とも重なりますが、実は返還前後の沖縄ー本土でもあった問題とも言えます。もしかしたら今日までまだ続いている部分もあるのかもしれません。潜在していても、突如として浮かび上がる事も多々ありましたので。

 >臓器移植のための「臓器牧場」

 悪名高い便所の落書き本「悪魔の飽食」で自国を散々貶めまくった森村某はこちらの「現実」には全く無関心なのでしょうね。

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