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2018年11月 6日 (火)

見事に八方塞がりとなった韓国

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私は先月31日の記事で、韓国の徴用工裁判がもたらした結果をこう要約しました。 

①韓国政府は日本と正式に対立・紛争関係に入ることを宣言した
②米国を仲立ちにした対北朝鮮シフトである米韓日同盟からの離脱準備に入った
③北との融和はこれまで以上に強化する
 

さて今日は、この記事では変数が煩雑になるので触れなかった、米国、中国、そしてロシアの三大国の要素を入れて考えていきましょう。 

東アジアの地域情勢がどうしても複雑になるのは、この三大国が特定の狭いゾーンにひしめいているからです。 

下図をご覧いただければ、この狭い東アジア地域に三大国の核がひしめいているのがお分かりになると思います。 

Photo出典不明 

核が高度な政治のツールであると考えれば、この地域に大国間のパワーが密集して角を突き合わせているのが見て取れます。 

朝鮮半島の2国、そしてわが国は、好むと好まざるとに関わらず、その波間に揺れる舟のような存在です。 

では、大ざっぱに現時点での三大国の綱引きの状況を見ておきます。 

まず米国と中国の関係ですが、これ以上ない最悪状況です。この両国は歴史的な「新冷戦」に突入しました。 

中国に対する貿易関税戦争はただの始まりでしかありませんでした。

短期的には、人民元安に触れるので、かえって対米貿易を伸ばすことになるからで、実際に短期の貿易収支は米国の対中貿易赤字を増やす結果となりました。 

トランプが見ているのは単純な貿易赤字ではなく、自由で公正な貿易をしようとすれば必ず中国共産党が支配する中国経済の構造そのものと衝突することが不可避ということです。 

トランプが怒っているのは、中国は対米投資を自由にやって、米国企業を買収し、好き勝手に技術を抜いていくが、その逆に米国の対中投資は資本の自由が極端に制限されているということです。 

資本の自由、情報の自由、司法の自由、政治の自由がない中国は、自由貿易体制の敵であるばかりではなく、自由社会の敵だ、というのがトランプの主張です。 

これはかつて第1次冷戦における<資本主義vs共産主義>.という対立軸の、21世紀バージョンだといえるでしょう。 

この寝耳に水のような「新冷戦」の宣戦布告にもっとも驚倒したのは、.他ならぬ当の中国でした。 

中国はここで伝統的な外交戦略を取ります。日米同盟の分断です。 

中国の手のひらを返したような日本への秋波は、日本を抱き込むことで米国を孤立させようとする思惑から出ています。 

同じく、この米中「新冷戦」勃発に驚愕したのは北朝鮮でした。 

今まで足しげく習の元を訪れて、何事か謀議をこらしていた正恩は背筋に冷たいものが走ったことでしょう。

今の北朝鮮からすれば、少し前のように中国は米国の軍事攻撃の抑止にはならず、逆に中朝同盟を強化したりすれば、その巻きぞいを食いかねない恐れすら出ました。 

おお、危ねぇ。これ以上習とつるんでいたら、まとめてやられるところだったぜ、と。

そして改めて、シンガポール会談で米国との融和プロセスに入る意思表示しておいたことに胸をなでおろしたと思われます。 

ぎりぎりセーフといったところです。

Photo_2AFP 

もちろんこれは、軍事専門家が指摘するように核体系の完成までの時間稼ぎという側面がありますが、少なくとも、今までのように中国を後ろ楯にして妙に好戦的な言辞を吐いて緊張を高めるような路線には戻れないことは確かです。 

ロシアですが、ロシアはこの「新冷戦」において、米中どちらかに加担することはありえません。 

ただし米国が本気で中国の覇権主義の鼻柱を叩き潰すのは、プーチンにとっては楽しい眺めであることでしょう。 

トランプには、むしろこの時期はロシアと協調して、対中包囲網を強化したいという意図がありますから、ロシアと米国は互いに好意的な中立のポジションのまま推移すると思われます。

両国の唯一の喉に引っかかったトゲがINF条約離脱ですが、これもトランプが見ているのはあくまでも中国の中距離核であって、ロシアとことを構える気はありません。
関連記事「米国のINF条約離脱は一位二位連合による三位潰しか?」
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2018/10/post-8eb2.html 

以上の東アジアの政治地図の変動を図式化しておきます。

①米中は「新冷戦」に突入した
②中国は日本と融和モードに入った
③北朝鮮は米国との融和モードに入った

④米国は韓国との距離を開けつつある
⑤ロシアは米国寄りの中立を保っている

Photo_3ムンさん、笑っている場合か 出典不明

て、ここで問題となるのは韓国です。 

私がこの徴用工判決と、それに続く有事作戦統制権の移管決定を聞いて、真っ先に感じたのは、「なんでよりによってこの時期に、こんな自殺志願みたいなまねするのか」という疑問でした。 

韓国は日本に対して、日韓基本条約が作り出した65年体制を総否定してみせました。

日本のばかな文化人が言うように、三権分立がどーとか馬鹿いいなさんな。

ムンはかねがね徴用工について韓国司法と同じ文脈の発言をし続けています。

2017年8月25日の安倍首相との電話会談の時の発言です。

「1965年の日韓請求権協定(財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定)で元徴用工の個人請求権は消滅していない」

そして今回の徴用工判決をだした最高裁長官は、ムン直接の政治任命です。

「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が指名した金氏は人権派の判事として知られる。過去2代の保守政権下で最高裁は日本統治時代に朝鮮半島から動員された徴用工についての判決を見送ってきたが、金氏の就任で裁判への影響を指摘する声もある」
(日経2017年9月21日)
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM21H4M_R20C17A9FF1000/

この最高裁長官人事があまりにも偏っているとして、韓国議会の人事聴聞会ですら問題となったほどです。

「金氏は地裁、高裁の判事を歴任し、2016年に春川地裁の裁判所長に就任した。人事聴聞会の報告書では「実務に精通した適任者」との肯定評価と、文政権に近い進歩的な政治信条から「司法の中立性」を疑問視する否定評価が併記された」(前掲)

このように韓国内部ですら中立性が疑問視される人事だったわけで、この最高裁判事はムンが徴用工裁判において、己が意志に従った判決を出させるための人事だと分かるでしょう。

この流れをみれば、三権分立などというのは建前だけにすぎず、実際は韓国政府の正式な意思表示そのものなのです。

仮に判決が韓国政府の公式の立場でないというなら、歴代の政権のように「個人請求権の所在はわが国ある」と明言しなさい。 

韓国政府は、いまだこの問題がいかに巨大な日韓関係の地殻変動を引き起こしたのか自覚していないようです。

酔狂にもムンのために弁護してやれば、徴用工問題は就任以前からやる気を公言していましたし、有事作戦統制権移管合意もたまたまこの時期に当たったともいえないではありません。

ですから、よりにもよってこの激動期にドンピシャでこの二つの決定打を放ったのは、ただの偶然だったかもしれません。

えてして歴史はこういう耐えられないほど軽い男に、重大な決定を丸投げしてしまう皮肉屋なのかもしれません。

ムンは今、判決に沈黙していますが(※)、それは己の決定の重さに度肝を抜かれているのかもしれません。
※大統領府は「関与しない」そうです(爆笑)。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181104-00000001-asahi-int

いや、単純なムンのこと、ウェノムをやっつけてやってセーセーしたぜ、と思っているのかしらん。(あの軽そうな男ならあり得る)

生憎ですが、これは韓国が米国を仲立ちにする米日韓安全保障体制からの離脱の意志を示したに等しい行為です。 

この愚行はこの間トランプを苛立たせていた北への極端なすり寄りとあいまって、米国の韓国離れを決定づけました。

つまり日本とは断絶、米国にも見放され、では中国に抱きつくのかといえば、米国との完全断絶を招くためにその度胸もなく、それも無理ということになります。

なんせ、韓国の陸海空の兵器体系は完全に米国製ですから、関係が断絶すれば事実上国軍は半身不随に陥ってしまいます。

かといって米国と共に対中包囲網に加わろうにも、中国様は最大の貿易相手国ですからねぇ。

両属国の悲哀です。

残るは、北の盟友の正恩としみじみすることですが、正恩からすれば、米国に影響力が少しはあるからパシリに使っていただけのことで、ここまで米国に見放された韓国に用はありません。 

というわけで、ムン・ジェインは見事なまでの八方塞がりとあいなってしまいましたとさ。

自業自得です。

■蛇足 昨日記事にあった、ソウル市内の西大門刑務所の跡地(西大門刑務所歴史館)で土下座していた人物は鳩山元首相です。
https://www.sankei.com/west/news/170417/wst1704170001-n1.html

 

 

 

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コメント

見事な分析ていつも拝読しています。
さて、朝鮮の伝統的思考法からすれば、残る方策はロシアへの擦り寄りしかないように思われるのですが、いかがでしょうか。
韓国憲法からしても北との合邦に正統性があり、核を持てるのですから、次の目標は日本を従属させ永続的ATMとするのはあながち妄想とは言えない気がします。中露の利益にも合致しまず。ロシア、韓国は低賃金の労働力を豊富に入手できます。
日本がこれに対抗するには軍事、経済両面で大国を目指すしかないのですが、肝心のアメリカがどう出るか、日本人の小国志向が克服できるかではないとでしょう。

韓国政府からすれば、これまでと同様に日本のマスコミや野党議員がバックアップしてくれるものと甘く見ていたのでしょうね。
不味かったのはこの問題が韓国に進出している日本企業のほとんどに及ぶかもしれないという影響力の大きさを全く読み違えていたことです。
結局はマスコミはスポンサーに忖度しこれまで親韓で貫いていた朝日、毎日系すらこの問題に対してハッキリと擁護できない奥歯にものが詰まった扱いしかできずにいます。

ざまぁないなと思う反面、日本の大手マスコミのジャーナリズムなんて所詮この程度なんだなと幻滅する次第です。
とりあえず日本政府はこの問題に対しミスなく粛々と対応して欲しいと願うばかりです。

北は役立たずな相手とはしみじみどころか垂れた首筋を踵で踏みつけてマウント確認するんでしょう。
あれを人間関係でも国家単位でも千年単位で繰り返せるバイタリティを、私達は愚かだと笑ったり見下したり侮ってはいけないです。
来年頃に「もう良いじゃん、これで。隣なんだし未来志向っていい言葉だし」って声が日本側から湧いてきて、うちらが許せば向こうが諦めるというありえない見通しを日本は立てようとしますよ。私達は怒った後こそ気を緩めないことです。
しゅりんちゅさん。
マスコミは、国は売るけどスポンサーは売らないんですねー。正義ではなく金、金、金なんですね。

 ブナガヤさんこんにちは、HYです。興味深い考察ですね。しかし私の考えは違います。

 徴用工問題が日本人にとって最後の一線でも米国人にとっては「慰安婦問題の続きでしょ」とみなされる可能性が高いです。結局、在韓米軍が完全に撤退しない限り日本は韓国と断交などできません。
 米朝融和を額面通りに受け取るのは危険です。中国は北朝鮮が米国に近づき過ぎるのを絶対に許しません。一方のトランプ大統領はただ単に対中冷戦に集中するために北朝鮮問題を終わりにしたいだけだと思います。北朝鮮の核が許されると言う最悪の流れです。
 日中融和にしたってそうです。目的が日米分断だとブナガヤさん自身仰っているではないですか。日米分断で一番困るのは何処の国か今一度ご考察くださいませ。

 米韓同盟は解消の一途をたどるでしょうが、解消した暁には核保有した北朝鮮との待望の統一が待ってます。その結果自由も民主主義も豊かさも失うでしょうが、核さえ持っていれば政権と独立を保てることが既に実証されています。何だかんだ言って賢い人たちですよ。

 八方塞がりの危険があるのは我が国の方ではないでしょうか?

あの国は最悪のタイミングで最悪の選択をするからなあ…しかも今回は米国、日本と二つ同時にだ。
見事としか言いようがない。

HYさん、毎度ご丁寧にどうもです。
もうそんな中途半端な博識を見せ付けての「相手の話の腰を揉む(じゃない、折る)」、反論されるとクネクネと「別にそうではありません!」「いえ、違います!」の連発で、本音は語らず主張をクネクネと変えていつも逃げ回るんですよね。

そして、いつのまにか戻って来てみると「何を今更偉そうに感想を言ってるやら」な、内容物だけです。

すでに他の皆さんもお気付きでしょうけども、丸で議論の出来ない方ですね!しかも自覚がないから小ネタ記事にまで勝手に演説する。

ただの構ってちゃんなのか、毎度挨拶だけ丁寧にしていればゆるされると感じてらっしゃるただのお馬鹿さんのか?

真剣に沖縄問題を書いているとは、どこをどう見ても全くお気楽もしくは逆に不安を煽る茶々を入れてきては毎度丸投げ。
何がしたいのやら。。。お相手はご遠慮いまします。

 山形さんからご叱責頂戴いたしました。

 私はただ様々な視点で記事を読み、より議論を深めるために役立てればと投稿した次第です。しかしその事が山形さんをはじめ、ブナガヤさん、他の投稿者のご迷惑になっていたのでしたらこの場を借りて謝罪します。以後、このブログへのコメント投稿は行いません。

 大変申し訳ありませんでした。

HYさん

 申し訳ないけど、私も山形さんと同じように感じてます。

ここではブログ主様はじめ誰も「断交」など望んでいませんし、しかし「断交」するくらいの気概を持って望むべき事柄だ、という意見ですよ。

北は最終的には中国のくびきを離れられないという意見には賛成ですが、歴史的にはくっついたり離れたりしているのが事実です。
主体思想は反米国なだけでなく、中共からの独立をも画したものです。
その為の「核所有」なので、そこは中共も認めるところではありません。

HYさんがどう考え、どのような意見を申される事も自由と思いますが、本ブログでの議論をもう少し踏まえていただかないと、コメを読んでいる私らには「混ぜっ返し」だったり、「周回遅れ」にしか感じられない事がたびたびです。

>日本とは断絶、米国にも見放され、では中国に抱きつくのかといえば、米国との完全断絶を招くためにその度胸もなく、それも無理
この状態で半年〜1.2年時間を稼げれば北への時間稼ぎサポートには、一応なります。国力を失う事になりますが、外部のせいにするのでしょう。
日本他関係国にとって韓国北朝鮮という国は「裏切らせる」時にのみ一瞬有利に使える存在だと私は思っています。
相手を裏切らせるカードとして、若しくはあらかじめ予期している事柄で準備出来ている状態でこちらを裏切らせるのもありです。
そういう意味で今の二国との日米の距離感は絶好と言えます。

この件に関して、すでに日本政府は米国政府にコンセンサスは得ていると考えていいと思います。
そうでなければ河野大臣の動きがこれだけ素早く強くあるはずはないし、きわめて確信的である説明もつかないのではないでしょうか。

それどころか、うがちすぎかもですが「日米合作」である可能性もあり得ると思います。
北朝鮮問題の解決のための障害はいま、中共でもロシアでもなく、韓国なのですから。

HYさん、前に管理人さんが記事中で書かれていたのですが、
『「そうなってはまずい」という主観と、客観的評価が混在』しないように気をつけつつ書き込んでいただけたら、異論を交わす甲斐が増すと思います。
ここは本記事の主張とコメント者の見解が違ったままでもそこが切り分けられていれば、びっくりするくらい違う者同士でも同じお題でコメ欄が成立するところですよ。
目下私も切り分け勉強中ですが。

韓国にとって李朝の時代は、戻りたい過去なんでしょうか?

HYさん。常連さんたちの意見に似た意見が私にもありますが、私は貴兄の礼儀正さや知見を評価しています。

コメント議論は同調する必要はありません。HYのご意見は私とは違うものでしたが、まったく問題ないとおもっています。

異見は大いに歓迎されるべきです。
ただし、それに対して反論権も保証すべきで、HYさんはそのへんが弱いことが皆さんをして「かみ合わない」という気持をもたれてしまっているのかもしれません。

ぜひこれに懲りずにまたおいで下さい。

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