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2018年11月 8日 (木)

米国中間選挙はこともなし

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米中間選挙が終わりました。 

波瀾なし、想定どおりと、トランプは胸をなで下ろしていることでしょう。

え、メディアはねじれが発生したぞ、政権の前途に暗雲が立ち込めたぞ、って報じているって。 

なにぶん彼らはトランプ憎悪ですからね。割り引いて聞いて下さい。

お約束はこんなかんじでしょうか。NHKの昨日の解説です。、

「アメリカ議会の中間選挙について、上院はトランプ大統領の与党・共和党が多数派を維持する一方で、下院は野党・民主党が多数派を奪還することになりました。上院と下院で多数派が異なる「ねじれ」の状態が続き、トランプ大統領の公約の実現が一層厳しくなるとみられ、難しい政権運営を迫られそうです」(11月7日)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/us_election_2018/

Yjimage日経https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3746468007112

典型的な面白くもなんともない優等生解答ですね。

下院で負けたのは、歴代の大統領のジンクスどおりでだいたいの大統領は中間選挙で負けるのが習わしですから、特に驚くに値しません。 

前任者のオバマなども下院で落としましたが、2期めの大統領選では大勝しています。 

クリントンなどはもっとひどい。1期目の中間選挙では、上下両院ともににボロ負けしましたが、これも2年後の大統領選では勝利しています。 

そしてトランプが落とした下院は、日本でいえば衆議院的な地域密着、悪く言えば自分の選挙区にしか関心がないドブ板議員を集めたような議会です。 

ほら日本にもよく居るでしょう。選挙区は町内会の常会にまで顔を出すくせに、北の核についてはなんの関心もない代議士の手合いって。

米下院はこれに似た性格があるのです。

しかも任期は、上院が6年(2年で3分の1が改選)であるのに対して、下院はわずか任期が2年しかありません。

たった任期が2年間ていどというのも、短期があたりまえになってしまった日本の衆院に似ていますが、こんな短期でなにかやれと言われたら、選挙区のケア、有体に言えば利益誘導になりがちです。

もっとも日本と違って、大統領は公選で選ばれますから、上下両院で負けてもクリントンのように辞める必要はありません。 

日本の場合は、議院内閣制の決まりに従って、首相の地位自体が揺らいでしまいますが、トランプはやりにくくなるにすぎません。 

それとても、最後には大統領が法案の拒否権をもっているからです。

PhotoFNN https://www.fnn.jp/posts/00384730HDK

では、どのへんが「やりにくく」なるのでしょうか。これには、米国上院と下院の違いが分からねばなりません。 

上院が対外政策を審議する役割なのに対して、下院は内政を議論する立法府です。
アメリカ合衆国下院 - Wikipedia 

ですから、条約の承認、最高裁の判事任命の承認などに対する権限がなく、あるのは予算の承認です。 

確かに予算編成に当たっては、下院民主党の抵抗に遭遇することが予想されますが、全部の予算が否決されるというわけではありません。 

トランプが公約として掲げていた、オバマケアの廃止などはまったくの愚策ですから、公約が達成されないほうがいいくらいです。

そもそもオバマケアにいちばん反対していたのは、共和党内のジム・ジョーダンのようなフリーダム・コーカス(自由議員連盟)で、トランプの天敵とさえ言われてきたような連中の政策です。

ちょっと説明しておきます。

「フリーダム・コーカスは、減税及び財政規律を重視しています。この点において反オバマ色の強い保守系の市民運動である「ティーパーティー(茶会)」と類似しています。
次の税制改革でフリーダム・コーカスはトランプ大統領のインフラ投資に反対し、公約実現に対する阻害要因になる可能性が高いと言えます」
(海野素央 2017年4月10日)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/9335

よく巷では、見かけだけでトランプを極右呼ばわりする人がいますが、必ずしもそうではありません。

彼は一貫して財政拡大・減税・金融緩和という景気浮揚策をしてきたのであって、緊縮財政による「小さな政府」主義を旨とする共和党主流とは鋭く対立してきました。

また、「国境ある貿易」を復活させる、というアンチ・グローバリズムを前面に掲げました。

皮肉なことにはその経済政策においては、トランプはむしろ共和党本流よりもはるかにリベラル寄りなのです。

これが、米国に空前の好景気を招来したのであって、景気が絶好調なのに、メディアがいうような「求心力が弱まる」大統領なんかいません、って。

何か見たことがあるって、そりゃそうです。今うちの国でやっている経済政策ですから。

減税と反グローバリズム以外、アベノミクスとまったく一緒です。

むしろ安倍氏には、トランプの減税、反グローバリズム、そして財政拡大を真剣に学べといいたいくらいです。

ふたりとも間違ってもリベラルなんかには見えないところまで似ていますから、相性がいいのでしょう(笑)。

TrumpverteidigtpositionNHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181107/k10011701521000.html

それはさておき今回、トランプは共和党支持者と保守支持層の大半を固めたといいますから、共和党内で初めてしっかりとした基盤を作ることに成功したとも言えます。

ちなみに、共和党本流から彼らの意を体現する閣僚を押しつけられたために、トランプは頻繁に閣僚の首を飛ばすという荒療治をせざるを得ませんでした。

しかし、この中間選挙で共和党議員のお歴々はテッド・クルーズに象徴的なように、人気者のトランプに泣きついて議席を確保できたわけですから、異端扱いされてきた彼が正式に「共和党のオーナー」となったことに異議を唱えられなくなりました。

というわけで、民主党が下院で勝利したことは、メディアが評するように「政権運営が困難になった」ことにはならないのです。

むしろ逆じゃないかな。

トランプからすれば、お題目だけの民主党を外交・安全保障・移民政策で叩け、返す刀で共和党内のフリーダム・コーカスを潰すいい機会が生まれたのかもしれません。

そしてぶっちゃけ、こう言ってはナンですが、日本はトランプの反グローバリズムや財政拡大・減税というエッセンスだけを学べばよいのであって、基本的にはよそさんの国の国内問題にすぎません。 

わが国の官房長官が、結果を感想を聞かれてこう述べたのは当を得ています。

「日本政府は米中間選挙の結果に一喜一憂せず、引き続き日米同盟を外交の基軸に据え、北朝鮮問題などの国際情勢に対処する方針だ。
菅義偉(すがよしひで)官房長官は7日の記者会見で「日米同盟は揺るぎなく、(米国の)共和党、民主党を問わず共通の認識が存在する。選挙の結果が日米関係に直接影響を及ぼすことはない」と述べた」(産経11月7日)

https://www.sankei.com/politics/news/181107/plt1811070016-n1.html

菅さんが言うように、私たち日本人にとっては、トランプの外交・安全保障政策が変更されたら一大事ですが、それが継続されればなんの痛痒も感じません。

今、わが国にとってもっとも困るのは、米国が対中圧力や北の非核化を投げ出してオバマ路線に戻ることです。

これをされれば、わが国は登った橋子をはずされた形になって、単独で中国の軍拡と北の核に立ち向かわねばならなくなるからです。

逆に、トランプと対立するメルケルや、イランは、「求心力が落ちた」と喜んでいる様子です。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181108-00000505-san-n_ame

というわけで、外交・安全保障に関して政権は信任されたが、内政には多少の修正をかけるかもしれない、というところでしょうか。

もっともその修正も、共和党本流の嫌がるようなオバマ・ケア廃止の妥協だったりするかもしれませんがね。

いずれにせよ、トランプが「今夜素晴らしい成功を治めた。みなさん、ありがとう」と言っているのは、ただの強がりではないのです。

 

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コメント

よそ者ですが…米国の良識ある知性の持ち主は、中国共産党をナチスと同視してると思います。今、潰さないと世界がすべて毛沢東万歳と言わなければならないかもしれません。冗談のようですが、現実だと思います。毛沢東の過酷な粛清を生き延びた人たちは獰猛な利己的考えに染まっています。そのバイタリティーは世界を壊滅させる潜在力を持っていると思います。今後は良い意味での総力戦になると思います。

 今日の記事、すばらしい。下院で負けたのでどうなるかと心配しておりましたが、大統領選で勝てればいいのですね。マスコミの報道振りに左右される大衆は、真実を理解することもできず、ただマスコミに翻弄されるだけです。その点、このブログの皆さんはラッキ-です。

さっそく、あのナンシー・ロペスに対してすらも、しゃあしゃあしてヨイショで持ち上げて協力を呼び掛けちゃってるのですから笑えました。

選挙終了と同時に邪魔なセッションズ司法長官も速攻でクビにして高枕とか。

さすが四回も破産を経験を経験した男。彼に「負け」はありません。実にいい味出してます。

オバマのような人間味が感じられない沈んだ感じだと、日本にいる我々ですら「アメリカは終わりかも?」と寒気がしたものですが、あのグイグイ感と明るい前向きさに支持が集まるのは当然でしょう。
習近ペーなんぞ、比べたら蝋人形のようです。

多少は日本も貿易でいじめられるかも知れませんが、それ以上に安全保障で頼りになる存在と思います。
とにかく、上院がとれてよかった。

今回の選挙は左右の極が当選したことも大きな現象でしょう。
左右の対立はとどまるところを知らず、3割の米国民が将来内戦が起きると信じているほど。

同じような動きはドイツの緑の党とAfDの躍進にも見られます。中道の死はこれから世界のトレンドになるのでしょうか

中間選挙で揺れ戻しが毎回あるのは報道されていたにもかかわらず、反トランプのマスコミ&ジャーナリストは「これは若者を中心とするトランプに対する否定の証明」と声を荒げてましたね。
裏を返せば「若者が尽力した選挙活動をもってしてようやく例年並の議席比率に持っていけた」とも取れる訳で、それだけ大統領の支持基盤は固いとも証明している事になります。

中華三振さんへ
「中道の死」はカテゴライズする側の問題も多分にあるのではないかと思います。
政治家のある一点の政策だけでその人を極端に判定する傾向が年々強まってきているように感じます。

>お題目だけの民主党を外交・安全保障・移民政策で叩け、返す刀で共和党内のフリーダム・コーカスを潰すいい機会
この理屈は通っていると思います。やれたら古くからの米国人の間に爽やかな風が吹くことでしょう。
コメント欄にある中道について。
先鋭化した両極にドン引きして本来最多を占める中道が黙っていると思います。ワイマール共和国末期を反面教師にして、どっちの極がマシかではなく何とか中道の長を推して国の形を守るべきと考えます。
今のところ安倍首相はうまく真ん中に居続けています。
なんでも足して2で割りゃイイってもんじゃないぞと思う事も多いですが。

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