米国はとうに韓国を見限っている
やっと韓国政府が徴用工裁判についての態度を公式に示しました。なかなかふるっています。
「韓国の任鍾晳(イム・ジョンソク)・大統領秘書室長は6日、元徴用工による訴訟で日本企業に損害賠償を命じた韓国最高裁の判決に対する日本政府の反応に対し「非常に不適切で、遺憾だ」と不快感を示した。国会での議員からの質問に答えた。大統領府高官が最高裁判決をめぐって日本の対応を公の場で批判したのは初めて。
また、韓国外務省当局者は6日、判決に河野太郎外相が「認められない。暴挙だ」などと反発していることに対し、「遺憾である」との立場を明らかにした」(産経11月7日)
「不適切で遺憾だ」そうですが、その理由がいかにもコリアコリアしているのが、私たちの微苦笑を誘います。
「当局者は「韓国国民の感情を刺激する発言を続けていることを非常に憂慮している。特に韓国司法の判断に対し、節制のない言葉で評価するなど、過剰反応していることを強く遺憾に思わざるを得ない」と批判。「三権分立の原則に従い、行政府は司法判断を尊重せねばならない」とした」(前掲)
おくめんもなく国民感情を表に出して国際紛争に対処しようというのですから、相手が愛国主義がタブーである日本でよかったですね。
とはいえ、今回は北海道新聞や「リテラ」周辺の左翼ライター以外は、判決に批判的ですから、日本にも「国民感情」があったことを発見して驚いたのではないでしょうか。
愛国心の発露が至上の価値である中国相手に、こんな判決を出したらただでは済みませんよ。
国交断絶、在中韓国大使追放、二国間貿易の完全停止、在中韓国資産の凍結くらいは覚悟せねばなりません。
どうせ日本は何も出来まい、遺憾でございますていどでお茶を濁すはずだと思って、初めからなめているからこんな判決を出せたのです。
さて、この「遺憾だ。理由は韓国国民感情を刺激しているからだ」と言ったイム・ジョンソク大統領秘書室長は、政権ナンバー2です。
日本には秘書室長というポジション 自体がありませんが、国政を動かす首相、検察と警察に強い影響力を持つ「青瓦台民政首席」と並んで、大統領の意を体現するのがこの「大統領室長」です。
室長などというと、日本的感覚では中級管理職を連想してしまいますが大間違いです。
強いて言えば、日本の官房長官に当たるくらいの権限を持っていますが、大統領制は首相よりもはるかに強い権限を持っていますから、やはり比べられません。
韓国の文大統領と(左2人目から)首相に指名された李洛淵氏、国家情報院長候補の徐薫氏、大統領秘書室長に任命された任鍾晳氏=5月10日、ソウルの大統領府(共同)産経2017年8月22日
上の写真の右端にいる、営業係長みたいな顔をしているのが、このイム・ジョンスクです。
任鍾ソク - Wikipedia
この人物は分かりやすい履歴を持っています。混じりっ気なしのピュア従北派なのです。
イム室長は、北のシンパなんていう小物ではなく、職業的北の代理人をしていた人物です。
イムは大在学中から、日本でいえば全学連に当たる「全大協」の議長の座についていたというのですから、バリバリの極左学生だったのでしょう。
イムを一躍左翼ワールドのスターにしたのは、まだ金日成が存命中の1989年に北朝鮮の世界青年学生祝典に、韓国代表として女学生の林秀卿出席させた指揮をとったことです。
世界青年学生祝典で金日成と抱擁しあう林秀卿
北との交流はまだ禁止されていた時期ですから、林が金日成と抱き合う姿は世界に華々しく伝えられました。
もちろんこれを北は徹底的にプロパガンダ材料として使い回したのは、いうまでもありません。
ちなみにこの林女史は、今、国会議員をしていて、脱北者を「この裏切り者め」と呼んだことで世間を賑わしました。
自分は北へ脱出したのにね。かつて祖国を裏切って北に渡った韓国国会議員が、北の圧政から逃げた人たちを「裏切り者」と呼ぶのですから、頭がくらくらします。
それやこれやでイムは、下の写真のように国家保安法違反で逮捕されて、服役したことがあります。
娑婆に出てからは、北の著作権業務の代行機関を運営し、南北共同事業をする「南北経済文化協力財団」理事長を努めています。
ブレることなき、北の首領様マンセイの人生街道一直線です。
かつての民主党政権には、学生時代に火炎瓶を投げていたような人物が相当数いましたが、いまのムン政権も似たようなもの、あるいはそれ以上だと見えます。
イムはレッテル貼りではなく、文字通りの北のエージェントと評してかまわないと思います。
このような人物が青瓦台の中枢にいるわけですから、米韓の軍事情報や外交機密はだだ漏れでしょう。
ところでこの韓国政権中枢から中国や北に情報漏洩するのは、今に始まったことではありません。
鈴置高史氏『米韓同盟消滅』によれば、この機密漏洩は金泳三時代から続いていたことで、特に奇異に思うことはないそうです。
「1995年頃、米国の国防関係者が日本のカウンターパートに警告を発した。韓国金水泳三政権が日本の軍事機密を中国に漏らしているというのだ」(前掲)
その韓国の情報漏洩のすさまじさについて、鈴置氏は米国防総省筋の話としてこう述べています。
「米韓が高官級の軍事協議を実施すると、その直後に韓国の情報機関トップが極秘訪中し、江沢民首席と面談し、米韓協議の内容を伝えている。
それを我々は黙って見ているのだが、韓国は露顕したことにきがついていない。
今後、日本は韓国に軍事情報を漏らしてはならない。漏らせば、すべて中国に筒抜けになる。
2000年に入った頃から、北朝鮮の諜報機関はスパイを南派する必要性がなくなった。外部から韓国軍内部に要員を浸透させなくても、情報は容易に入手できるようになったからだ。
韓国大統領の意向ひとつで、米韓連合軍のトップシークレットも北朝鮮最高責任者・当時は金正日国防委員長の机の上にすぐ置かれることになる」(同)
米国はこの悲惨極まるこの「同盟国」の裏切り行為に激怒し、ラボルテ在韓米軍司令官は離任にあたりこう韓国に述べたそうです。
「北と内通するな。お見通しだぞ」(同)
先日も記事にした米韓連合司令部が米国軍人を司令官にしているのは、朝鮮戦争時の国連軍の体制を引き継いでいるのが主な理由ですが、今やどこに内通しているかも分からないような韓国軍人をトップに据えられないからです。
このような北朝鮮支持者は、政界を筆頭に、財界、官界、教育界、学生層、そして軍隊にまでまんべんなく広範に広がっています。
従北派をガンに例えるならば、韓国はいまや全身に癌が転移した状態なのですから、北が南進する必要はもうありません。
熟した柿が落ちるのを待つだけです。その「柿」がムンジェイン政権です。
そのように考えると、この未来図の目の上のたんこぶは、そう、在韓米軍なのです。
在韓米軍こそが統一の最大の障壁、そう北とムンは考えているはずです。
米国はこんな韓国を既にかなり以前から愛想づかししていて、不良債権と考えるようになっていました。
その恥を知らない二枚舌ぶり、面従腹背ぶりには歴代の米国政権の悩みの種だったからです。
ですから、徴用工事裁判の結果を知っても、米国がナイーブに驚くはずがありません。
「あの国なら必ずそうするだろうと考えていた、なるべくしてこうなった、処置なしだ」、くらいが米国の感慨といったところでしょう。
トランプに限らず、民主党系議員に至るまでの共通の認識になりつつあるからです。
2022年のムンの任期までに有事作戦統制権を移管し、その後に在韓米軍は一部を残留させながら撤収方向に舵を切ることになるでしょう。
いったん決まれば、かつてのフィリピンからの撤収のように、瞬く間に米軍の姿は朝鮮半島から消えていきます。
スッキリと敵だった北朝鮮のほうよほど協議しやすい、こんな訳の分からない敵だか味方だか分からないようなコウモリ国家とは早くさっぱりしたい、これが偽らざる米国の本音のはずです。
米国にとって既に現在、いかに韓国からの出口戦略を具体化するかの段階になっています。
その場合、当然「統一朝鮮」も未来シナリオのひとつに入っているはずです。
ですから、今回の日本の厳しい対応は当然のこととして、米国の事前の了解を得てのことだと考えるべきです。
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はぁー、そこまでズブズブなんですか。もう弱味を握られて、なかば強迫されてるような状況なんでしょうね。日本でも相当マスコミ支配されてるようですが…
左翼さんが、よく米国の犬とか言ってますが、遠隔コントロールしているロボットのようですね。
中国と心中するしかないんでしょうね。驚きました。
投稿: オイラー | 2018年11月 7日 (水) 07時37分
ほんのちょっと話を遡らせて頂いて。
中共共産党の昨今の日本への擦り寄り振りが、単にアメリカ合衆国に締め上げられている辛さとのパワーバランスの為であることは、夢見がちな人以外の誰もが分かっていることですね。
そんな中、日本銀行の10月26日付発表で、「中国人民銀行との為替スワップ取極締結」がはっきりしました。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2018/rel181026b.pdf
為替スワップと通貨スワップは違うものなので、マスコミの「通貨スワップ」報道は不勉強にせよ意図的にせよ、未だ訂正も説明もされていない誤報です。
為替スワップの目的は日銀発表にある通り、かつ管理人さんが10月29日記事の後半で触れられていたように、本邦金融機関の救済が主目的です。
アメリカ合衆国の中共共産党に対する絞り上げ姿勢は、そこに何かしらの期限や条件が設けられていない現状から、今のところ止める気がないことが見て取れるので、故にこの度の為替スワップ取極もアメリカ合衆国との話はついているものと考えます。
そうすると、我が国の対韓国姿勢の方はアメリカ合衆国と話していない、というのは考えにくいので、日本が米国の事前の了解を得ていると私も考えます。
無能な味方は要らない、わかりやすい敵の方がまし、ということでしょうか。
投稿: 宜野湾より | 2018年11月 7日 (水) 13時02分
あー、そうね。
自民党ですら親中派はおおいですからね!
二階さんや元清和会に角栄さん。
しかし、イージス漏洩事件とかが出ると、当然アメリカは硬化します。当たり前ですわな。
日本がこんなだもん。韓国に至っては・・・アメリカにとってはかつての共産主義の防波堤どころか、もはやただのリスクです。
となると、沖縄を含む日本こそが最前線ラインになります。
我が国はどするやら。。
「先守防衛」と言いながらスタンドオフ兵器を持つのか?(開発はしてますね)、都合良く米軍に丸投げするのか?
それにしても胡仙谷由人と菅直人と鳩山由紀夫を足して割って、若返りしたようなのが、秘書室長な韓国、本当に大丈夫か?
佐世保に(断ってもいい)練習艦隊を受け入れなからも、日本政府側からはWTO提訴という、軽いジャブをだしましたが、あちらの連中には勝機はあるのか?
今後どうするのやら・・・
途中送信になってた。すいません!
投稿: 山形 | 2018年11月 7日 (水) 13時45分
過去、南北関係が良い時には必ずと言ってよいほど、韓国は「反日」に振れて来た経歴があります。
その事実は「反日」と「統一」の因果関係を説明するだけでなく、統一の正当性を歴史的に共有する韓国の「北に対する証し」なのですね。
そしてついに韓国は決して乗り越えてはいけない次元にまで到達してしまいました。
国際社会を敵にまわしてでも南北の接着に気の狂った「正義」を見出すという、誠に韓国は「おもしろい煉獄」(古田博司氏)状態です。
この「旧朝鮮半島労働者問題」というのは、いずれめでたく統一しても、北朝鮮のこれまで行ってきた人権問題を国際社会は正恩を許しませんし、日本人拉致問題への隠れ蓑としてリクエストされたものだと個人的には思っています。
ちなみに、北朝鮮の世界最悪の人権状態に目をつむる韓国人に「人権」を語る資格はありません。
「霊的に生まれ変わるべき」という法王の言葉は、こういう事を指してのものではありませんでしたが、どうしても頭に浮かんでしまいます。
ようやく朝鮮民族隷属主義の日本の一部法律家連中も重い腰をあげましたが、あの日弁連見解にまですら行くのかどうか。そういうところも興味津々です。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2018年11月 7日 (水) 17時59分
オスプレイなどヘリのメンテを請け負っていると言われていた韓国の業者は今でも継続してるのでしょうか。明白なスパイ行為や業務不履行などがない限り、気安くクビにはできないですよね。
韓国側の裏切り行為を覆い隠すように、ある時は抜け穴ある時は裏書き保証を日本がしてきた部分、あちら側の同意がなくとも断てるものは絶つ良い機会です。
日米合作で首脳同士が確認した筋書きの中に、近々日本自身がやるしかない改憲や自衛隊の名誉回復などは企画前提に入れられているかと思います。国民がNOと投票で示した場合の修正B案もあるとは思いますが、その場合の日本の立ち位置は不利なのは明白です。
米国の韓国からの出口戦略のしんがりは隣国日本がある程度引き受けるべきものです。我が国としてはラインが対馬まで降りたとしても混沌の現場は半島で留め置くために、相当な力を割くことになるかと思っています。
投稿: ふゆみ | 2018年11月 7日 (水) 20時10分