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2018年11月26日 (月)

北方領土交渉のネックはふたつ

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北方領土交渉のネックはなんでしょうか? 

それは2島返還か、はたまた4島返還か、という形而上的論争ではありません。 

いまさら4島一括返還を主張することは、徒にハードルを高くして、解決不可能な領域に送り込んでしまうことに等しいと思います。

私はこのような原理主義は、実は無為と同じだと考えています。

ちょうど9条2項改憲を主張する石破氏が、「野党も納得してから改憲論議を始める」と言っているようなもので、要はやらないと一緒のことです。

端的に言えば、戦争で失った領土は、それがいかに不当であろうと、道理を欠いていようと、戦争以外の方法では返って来ないということです。

国際紛争の解決方法としての戦争を憲法で放棄したわが国にはそれが不可能だから、戦争で奪われた領土を外交交渉で取り返すというとてつもない難事業をしているのです。

世界史的に見ても、ただ一例沖縄を除いては、戦争で失った領土を外交交渉で取り返した例はありません。

いかに例外的なことだったのかわかるのは、「平和的手段で領土を返還させた」ことを評価されて、佐藤栄作首相がノーベル平和賞を受賞したほどです。

さて冒頭の問いに戻りましょう。私は北方領土交渉のネックは二つあると思っています。

ひとつめは2島返還された場合、残り2島の主権と帰属問題をどうするのか。

いまひとつは返還された2島に、米軍が安保条約を根拠にして基地を置くか、あるいは拒否するのかどうか、の問題です。 

読売はこう書いています。

「プーチン氏は、引き渡した島への米軍の展開などを念頭に安全保障上の『懸念』を繰り返し示してきた。
首相は過去の首脳会談で『柔軟に対応する』と伝えているが、『返還された島を日米安全保障条約の適用除外とするのは困難』(外務省幹部)だ。
米軍基地を置かない『非軍事化』には、米側との協議も必要となる。3年で山積する課題を解決できるかどうかは不透明だ」」(読売11月17日)
 

読売が書いている外務省レベルの、「3年では困難」うんぬんは、官僚には伝統的に4島一括返還主義者が多いために、こう言っているにすぎません。 

そもそも彼らがもうちょっとましならば、もっと早く解決可能だったし、そのためのメニューも作っていたはずでした。

2002_3逮捕された佐藤氏。別人みたいに痩せていたなぁ。出典不明

ところが外務省は、現実に2島返還を鈴木宗男氏と一緒に現実化しようとした佐藤優氏を警察に売ることまでして、省外に叩き出してしまいます。
佐藤優 (作家) - Wikipedia

北方領土交渉を遅らせた原因のひとつが、外務省が北方領土問題を省益化してしまったためです。 

000306927

 外務省https://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/rss/hoppo/page4_0... 

ところがいまや、外務官僚に出番はありません。外交は官邸とNSCの専管案件になって久しいからです。

外交官僚に出来るのは、指示に従って会談場所と日時を設定するくらいの事務的作業にすぎません。 

今は首脳間の政治力で決着すべき、「時の時」なのです。 

2016年11月の日露首脳会談で安倍氏は、北方領土交渉は既に外務省案件ではないと言い切っています。この部分です。

「プーチン氏は、谷内正太郎・国家安全保障局長の発言を念頭に『君の側近が「島に米軍基地が置かれる可能性はある」と言ったそうだが、それでは交渉は終わる』と迫った。首相は『全くの誤解。これから交渉しよう』と応じた」(朝日9月16日)

北方領土交渉と沖縄返還は、領土交渉として似た部分があります。 

それは2島(歯舞・色丹)が返った後の、残り2島(択捉・国後)の主権と帰属をどうするかという部分についてです。 

これについては、佐藤優氏に答えてもらいましょう。

佐藤氏の知識のひけらかしには辟易しますし、多くの言説には首をかしげることのほうが多いのですが、北方領土交渉とロシア外交は彼のホームベースだけに的確です。 

「まず今年中に日ロ平和条約を締結し、歯舞群島と色丹島の主権は日本に、一方、国後島と択捉島の主権はロシアに帰属させる。
さらにこの平和条約に、「歯舞群島と色丹島の引き渡しに関する協定は、協議を継続した上で策定する」と定めるのではないでしょうか。
そうなれば、法的には歯舞群島と色丹島が日本領であることが確定し、領土の帰属に関する問題が解決することになります。
沖縄、奄美、小笠原の施政権は米国に残りましたが、1951年のサンフランシスコ平和条約に日本が署名したことと類比的に考えればいいでしょう」

https://www.nippon.com/ja/genre/politics/l00233/ 

つまりかつてサンフランシスコ条約でそうしたように、施政権と帰属を別けて考えるという方式です。

仮に北海道に近い2島に関しての主権は日本にあるとすれば、残りの2島はロシアに主権があるとします。

そして歯舞・色丹についての施政権は日本にあるが、国後・択捉についてはロシア側が持つとします。

ただしそれについては永久に認めるということではなく、平和条約下で協議を継続するということになります。

沖縄の復帰前の法的位置と一緒です。

施政権は当座は米国が持つが、潜在主権はあくまでも日本にある以上、将来的に全面的に返してもらい、今は争わないという含みです。

この「含み」をどのように条約に書き込むのか、あるいは秘密条項にしてしまうのか、それが外交の妙味というものかもしれません。

ちなみに私はこのような難しい外交案件に密約はつきものだと思っています。それまで否定してしまうと、まったく交渉が進まなくなってしまうからです。

いずれにしても゛この主権と施政権を分離させる方法が最も現実的だと思います。

ではふたつめの、米軍が安保条約で全土に基地を置く権利を有している安保条約はどう処理するのでしょうか。

これについてロシアは、「歯舞群島と色丹島を日本に引き渡しても、在日米軍が北方領土に駐留するような事態にはならないという言質を日本から取った」(佐藤前掲)と思われます。

こちらの安保条約と北方領土への米軍配備については長くなりますから、次回に続けます。

 

 

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コメント

日露の平和条約については急ぐべきものではありますが、ロシアの大統領がプーチンである限り、4島ないし2島の返還交渉というのは、ほぼ進展しないものだと思っています。

日本にとって4島返還の最大のネックとは、強すぎるプーチン大統領という存在そのものです。
メドヴェージェフも大統領の頃は調子の良いことを言っていましたが、今はプーチンの弾除け(ロシア内での不満を押し付けられる役)ていどのもの。

ロシアにとって、プーチンはその人物の好嫌とは別の話として、強い存在であることが受けているし、反プーチンを抑えている。
平和条約に付随する返還交渉の継続などという条項は、退いている・妥協しているなどという印象を与えるでしょうから、それを認める事は無いと思うのです。


あるいは安倍総理が、今の時点で「次の総理も私です」と言えるほどの強権が有れば、話は違うかもしれません。(4期目は不可能だから、それはありえないのですが)
日本は韓国の卓袱台返しを批判しますが、ロシアも交渉の途中で総理が変わり、やっぱり4島返還交渉にして下さい、と言われる可能性を潰したい。

プーチンにとっては、記事中の
>『君の側近が「島に米軍基地が置かれる可能性はある」と言ったそうだが、それでは交渉は終わる』と迫った。
というのは、そもそもこういう発言が政府関係者から出ること自体が、安倍総理の弱さだと思っているからでしょう。

政府内の意見の一本化、そして安倍総理の政権維持力は、プーチンを交渉の席に着かせる一歩目でしかない。そこから先をどうするか、です。

表題に「ネックはふたつ」と有りますが、私は、もう一つ追加したいと思います。それは、日本の世論です。

今回の日露平和条約については、ある程度の素案は既に出来ていると思います。そして、日露米首脳の間での合意も既に出来ているのではないでしょうか。

でも、当然ながら、中国は全力で阻止するでしょう。その方法の一つが世論誘導です。なので、何かウダウダやってるのは、色んな情報を出して世論の様子を見ているんじゃないのかなーって思ってます。

もし、日本の世論が反対すれば、政治家は動けません。なので、ネットは、敵に世論を奪われない様に頑張りたいと思います。

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