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2018年12月15日 (土)

「いずも」にF-35Bを載せたからといって「攻撃型空母」にはなりません

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ファーウェイについてはいったん区切って、また状況が動いたら書くことにします。 

さて、護衛艦「いずも」について、安易に「空母化」という言い方が流布しているのでふれておきます。 

「いずも」にF35Bを載せるということから話は始まっています。

「新たな「防衛計画の大綱」の策定で焦点となっていた、自衛隊最大の護衛艦を事実上「空母化」する方針は11日に与党の作業チームで了承されました。
政府は、護衛艦「いずも」と、同じ型の「かが」を「空母」の役割も担う「多用途運用護衛艦」として改修し、短い滑走路でも離陸し、垂直に着陸できる最新鋭のステルス戦闘機F35Bを8機ずつ搭載できるようにすることにしています。
F35Bは、将来40機程度導入される予定で、緊急時や訓練の際など必要に応じて、「多用途運用護衛艦」に搭載する方針です」(NHK12月12日)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181212/k10011743791000.html

朝日は『防衛大綱改定 「空母」導入には反対だ』という社説(11月30日)を載せています。https://www.asahi.com/articles/DA3S13791107.html 

その理由は煎じ詰めると、こういうことになります。

「歴代内閣が否定してきた空母の保有に向け、安倍政権が一線を越えようとしている。専守防衛からの逸脱は明らかで、認めるわけにはいかない」(前掲)

とまぁ、つまりは憲法が「専守防衛」という摩訶不思議な概念で自衛隊を縛ってきたために、政府が苦し紛れに取り繕ってきたことを、破るつもりかと言われているわけです。 

政府見解はこうです。

「個々の兵器のうちでも、性能上専ら相手国国土の壊滅的な破壊のためにのみ用いられる、いわゆる攻撃的兵器を保有することは、直ちに自衛のための必要最小限度の範囲を超えることとなるため、いかなる場合にも許されません。たとえば、大陸間弾道ミサイル(ICBM)、長距離戦略爆撃機、攻撃型空母の保有は許されないと考えています」
防衛省・自衛隊:憲法と自衛権

ここで政府が言ってきたことは、憲法が交戦権を否定しているために、相手国に対して壊滅的な打撃を与える攻撃が可能な戦力投射能力は持たないということです。

戦力投射(パワー・プロジェクション)自体は、「軍事力を準備、輸送、展開して軍事作戦を遂行すること」にすぎませんから,、「相手国の壊滅」などということは直接関係ありません。
戦力投射 - Wikipedia

戦力投射しても小規模の攻撃にするか、徹底な壊滅を選ぶのかは、戦略的意志との兼ね合いです。

それはその時点における情勢判断であって、前もって戦力投射能力の中には、これこれが入りますよと言っている国など日本以外に世界のどこにもありません。

ましてその中に、攻撃型空母が入っていたということだけのことです。

そもそも兵器には「攻撃」と「防衛」の区別などないのです。

たとえばもっとも始源的な武器であるライフルは、他人を攻撃することにも使えますが、家族を守るためにも使えます。

兵器は使う人間の意志が左右するのであって、これは「攻撃兵器」、これは「防衛兵器」と区別するほうがおかしいのです。

ただし、現代では長距離弾道ミサイルや戦略原潜、戦略爆撃機などは攻撃に傾いているかもね、ていどのことにすぎません。

それすら、使う側からすれば、それによる抑止力をもつことは「国防」なのです。

戦後の9条神学論争の迷宮の中で、政府が苦し紛れに、これは攻撃兵器だからダメ、これは専守防衛だからオーケーなどと世界に通用しない分類を強いられた長年の結果、こういうことになったわけです。

思えば自衛隊は軍でありながら軍として認められないために、自衛隊という名称から始まって、歩兵を普通科と呼んだり、ヘリ空母をヘリ搭載護衛艦なんてわけのわからない言い方をしてきました。

朝日が「護衛艦と称しているが事実上のヘリ空母だ」と書いているのは、それ自体はそのとおりですが、そうさせたのは朝日のような護憲勢力にそのつど言葉狩りをされるのがうんざりだったからです。

かたや言葉狩り、かたやあいまい語で応じるわけで、いっかな本質的防衛論議にはなりませんでした。

35F35B

今回も同じです。

今、この限られた日本の保有する防衛リソースの中から、いかに効率的に防衛空白地帯であり続けた沖縄の離島を守るのかということをまったく議論せずにヘリ空母にF35Bを乗せたら「攻撃空母」だというわけで、真面目に考えているのでしょうか。

F35Bを保有することでできることとできないことをしっかりと峻別せずに、言葉遊びに興じていては何もわかりませんよ。

さて、この政府答弁で「攻撃型空母」という言葉が出てきているので、朝日は「いずも」にF35Bを載せたら「攻撃型空母」だろうと言いたいわけです。

自民党が政府への提言で、災害派遣などにも対応する「多用途運用母艦」という名称を使っているのが典型的だ。岩屋毅防衛相は27日の会見で「せっかくある装備なので、できるだけ多用途に使っていけることが望ましい」と語った。事実上、空母であることは明白なのに、言葉を言い換えることで本質から目をそらそうとする。安倍政権下で何度も繰り返されてきたことである」(朝日前掲)

子供みたいな言葉遊びですね。朝日の論法を分解してみましょう。 

①「いずも」は全通甲板をもっている。全通甲板とは下の「いずも」の写真のようにがダーっと甲板がフラットな艦のことです。 

Ddh183_3いずも Wikipedia

②全通甲板をもっているのは「空母」だ。
③「空母」は攻撃型空母だから憲法違反なので、持てないはずだ。

全通甲板=空母=攻撃型空母=専守防衛逸脱=憲法違反、とまぁこんな流れです。

朝日は、「空母」の概念規定があいまいであることにつけ込んでこういった短絡した議論をしたいようです。 吟味してみましょう。

①はそのとおりですが、②は全通甲板をもっているからといって「空母」とは限りません。 

たとえば「おおすみ」は全通甲板をもった海自初めての護衛艦でしたが、輸送艦にすぎません。 

2おおすみhttps://www.mes.co.jp/business/infra/ship/detail177.html 

③の「攻撃型空母」は、世界の軍事常識では基準排水量3万トン以上で、固定翼機を運用可能なものを指します。
正規空母 - Wikipedia 

たとえば最も代表的な正規空母は、米海軍のニミッツ級以降の大型空母で、艦種記号はCVNで、横須賀を母港とするロナルド・レーガンなどが典型です。 

大きさは馬鹿馬鹿しく大きくて実に10万トンを超えます。ちょっと「いずも」と並べてみましょう。 

「いずも」は基準排水量26000トンですから、米海軍のほんものの10万トン「空母」の約4分の1にすぎません。

Photo_4http://news.livedoor.com/article/detail/12877620/

よく軍艦を長さで見て、戦艦大和が全長263mで、「いずも」は248mだから、戦艦大和と一緒だといった某有名経済評論家がいましたが、艦艇は長さではなく、排水量でみます(笑い)。

ついでに、よく戦争中の空母翔鶴は満載排水量32000トンと「いずも」に近いぞ、翔鶴は零戦などを84機も搭載して攻撃に使われたから、「いずも」は攻撃型空母に違いない、というボケをかます人もいますが、ものを知りませんね。

「いずも」が載せているSH-60K哨戒ヘリは零戦の5倍以上です。ヘリですら5倍ですから、F-35Bに至っては10倍もの重量と機体の大きさです。

そんなデカくなった現代の航空機を飛ばすために、現代の空母は大型化したのです。

というわけで、比較対象になりませんから、70年以上前の第2次世界大戦の空母と比較しないでください。

Smilehttps://www.nicovideo.jp/watch/sm25495606

話を戻します。空母を「攻撃型」とするか否かは、その搭載している航空機の数が目安の一つです。

そしてその艦艇が、どのように運用されるのかというドクトリンを検討しなければなりません。

代表的攻撃型空母のロナルド・レーガンは、通常、4個F/A18飛行隊を載せています。その他に1個電子攻撃飛行隊、1個早期警戒機飛行隊といった固定翼機(普通の飛行機のことです)と、それ以外にヘリを含めて最大で90機ていどを運用することができます。

これを4基の蒸気カタパルトとアングルド・デッキで射出します。ちなみに蒸気カタパルトは米国だけしか実用化できていません。
アングルド・デッキ - Wikipedia

それに対してわが海自の「いずも」は、F-35Bを載せたといってもたかだか6機から8機ていどです。

他にSH-60K哨戒ヘリも最低で4機ていど載せないと、本来の対潜水艦作戦を遂行できないために、限界があるのです。

詰めに詰めて、甲板にも露天係留してもせいぜいが12機がやっとでしょう。現実にはこんなに戦闘機を積むと、ヘリがゼロになって運用に差し支えます。

今のところ与党は、2艦を改修して8機、全部で20機導入と言っているようです。

予備機も10%考えておかねばなりませんから、20機F35Bを導入すると最低2機は予備機として別枠にせねばならないわけです。

これに稼働率をかけるのですが、新鋭機特有の初期故障を考えると、そうとうにやりくりが厳しいですね。

参考までにイタリア海軍軽空母「カブール」はF-35B12機+ヘリ8機の合計20機です。

なおイタリアは「軽空母」などといわず、ただ「空母」と呼んでいます。

Photo_5軽空母カブール

いずれにしても米海軍の正規空母の10分の1以下ですから、比較するだけ野暮というものです。

そもそも「いずも」は伊海軍の「カブール」と違って、重たいうえにジェット噴射を甲板に吹きつけるジェット戦闘機を運用する空母として初めから設計されていないために、いくら甲板を耐熱処理しても、それを支える構造が貧弱過ぎるのです。

ですから、「いずも」には6機~8機、最大限で12機ていどしか乗らないために、これでは戦力になりません。

たぶん「かが」にも載せてやっと12~24機機ていどにして、1飛行隊ができるかできないかというぎりぎりのところです。

次に、どの程度の出撃回数(ソーティと呼びます) を確保するのかで、空母としての能力が わかります。

・米海軍ニミッツ級・・・1日平均120ソーティ・全力240~270ソーティ
・米海軍強襲揚陸艦・・・1日平均20ソーティ、全力出撃26ソーティ(湾岸戦争時のAV-8B実績)
・イタリア海軍軽空母カヴ―ル・・・1日平均30ソーティ(理論値)

このように見てくると、「いずも」と「かが」、さらには「ひゅうが」級2隻にもF-35Bを載せたとしても、ヘリを載せないで目一杯積んでも4隻で30~40機ていど、1日平均20~30ソーティできるかできないかです。

この規模で可能な作戦は、政府がいうように離島奪還ていどのものです。朝日や毎日か心配するような他国攻撃能力など皆無です。

小川和久氏はこのように述べています。 

「周辺国を先制攻撃することを懸念しているようですが、そういう軍事大国を先制攻撃して、どういう結末が待っているというのでしょうか。
 戦争を終わらせる能力を持たない国が周辺国を軍事攻撃することは自殺行為でしかありません。日本が「いずも」型護衛艦を改修してF-35B戦闘機を運用するとしても、周辺国からの脅威が島嶼部に及ばないよう、これまで欠落していた撃退能力を備えるということ以上のものではないのです」
(『NEWSを疑え!』第734号(2018年12月13日号)
 

まったく同感です。冷静に検証してから騒ぎなさい。

 

 

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コメント

今さら「攻撃型空母」『CVA』なんて概念を持ち出してくるマスコミがアホすぎます!
いつの時代だよ、と(笑)

某新聞社やマスコミや某政党が言ってる憲法違反との指摘は、もう陰謀・謀略の類いとしか思えません。超監視・独裁国の思想洗脳戦のフロント組織にしか過ぎない。日本の防衛力は米国の補完的意味合いを持っていると思えます。昔は米国の植民地のようなマイナス的な見方をしていましたが、不条理極まる赤い国の政治情勢を本当に理解すると、米国の方がはるかにマシだと思えてきます。米国もいろいろ不条理なところがありますが、自由というかけがいのない希望は根底にあると思います。幣原さんは、世界政府ができるまで米国に安全保障を委託したのだと思います。米ソ冷戦時には、対潜水艦戦の主要任務をまっとうしました。今、米国も少々追い詰められて反撃中ですが、日本の軍事・政治・経済・文化的基盤が絶対必要になっていると思います。米国の反撃が頓挫した場合、世界は超監視・独裁社会になり、日本はチベット・東トルキスタンのようになるでしょう。今、その瀬戸際のように思えます。ナチスは超科学兵器を開発し、米国の参戦がもっと遅ければ、世界はハーケンクロイツに占拠されていたかもしれません。

ルカよこの期に及んで迷っているのか…
映画、パウロより

本来、昨日までの記事に関わることだけど・・・

昨日からYouTubeで無料動画観ようとするとやたらとHUAWEIスマホの宣伝動画が流れるんだけど・・・どこも在庫一掃投げ売りしたいんですかねぇ?

ちなみに私は前にも書いたけど、20年前にデジタルツーカーに付き合いで加入したままで、たまたまSoftbankのままです。端末はSHARP製だけど。。

重箱の隅をつつくようですが

「いずも」と紹介されている写真は一回り小さい
「ひゅうが」ですよ。

お久しぶりです(^^) 「いずも」は、京浜急行本線「汐入」駅前、横須賀線「横須賀」駅前に止まってますよ。
実物見れば、先制攻撃だの、侵略だの騒いでいるのが馬鹿馬鹿しくなります。まっ、立派ですが、ちっこい(^^ゞ

まぁ毎度の言葉遊びをしているだけですね。
自分としては立派な攻撃空母になると思っていますよ。もちろん米国のものに及ばないのはいうまでもありませんが。
警官が拳銃持つことと変わりません。

現実の戦力投射から見ると紛糾している領土もありますが、今回の装備でより強く投射されるのは岩礁を勝手に自国領土と主張し基地化が進められている日本生命線のシーレーンです。なぜならこの地域への投射力はほぼ皆無でしたから。その為に自分たちの機関紙に殊更に騒がせているだけです。先日のチャイナマネーが流れているメディア発表では別の名前でしたが、記載されていた部数からこのメディアでしょうから。

毎回思うのだが左派の人達は日本の力を過大評価しすぎですよね。
もはや日本は大日本帝国のような列強の一角でもバブル期のような世界第二位の経済・技術大国でもないというのに。ある意味こういう人達こそ本当の意味でのバカ右翼だと思います。

緑茶さん、写真をいずもに入れ換えました。ありがとうございます。
艦番みおとしていました(汗)。

安兵衛さん、
「自分としては立派な攻撃空母になると思っていますよ。もちろん米国のものに及ばないのはいうまでもありませんが」

米軍に及ぶとか及ばないとかのレベルではありません。改造「いずも」を「攻撃型空母」と仮に日本政府が呼んだら、世界の海軍の笑い物になるというだけのことです。
軍事的概念は正しくつかおうというのが今回記事の趣旨ですのですので、宜しくおねがいします。
改造「いずも」は、ヘリ空母に8機ていどのVSTOLを積んだ軽空母以上でも以で゙もありません。
米海軍強襲揚陸艦ワスプ級にも及ばないし、ましてやアメリカ級には足元にもおよびません。
それを知っている誇り高き海自は゛「改造「いずも」を「攻撃型空母」と呼ぶことは、死んでもイヤでしょうね。

改造「いずも」を使うドクトリンが「攻撃型空母」に似ているかといえば、こちらも違います。


「今回の装備でより強く投射されるのは岩礁を勝手に自国領土と主張し基地化が進められている日本生命線のシーレーンです」

それはそのとおりですが、いまでも「いずも」は米海軍と協力して南シナ海での訓練をしていますから、当然今後もするでしょう。
日本はこの南シナ海問題を世界に知らしめて、協力を得る外交をしていますし、その成果も上がってきています。

海自が仮に南シナ海の軍事紛争にかかわるとしても、非常に限定的かつ部分的な対潜作戦、掃海ていどでしょう。
「ドナルドレーガン」を米国から期待されてもいないし、初めから無理です。


管理人様
言葉足らずで申し訳ございません。
今回の管理人さんの趣旨は完全に賛同です。「立派な攻撃空母」と考えたときに比較で思い浮かべてたのが潜水空母とフォークランド時の概念変化だったもので。(^_^;)

要は攻撃の概念なしに防衛も抑止もあり得ない現実を理解しようともしない方向に世論を作ろうと言葉遊びでごまかそうとしているマスコミ体質問題ですね。
長くなるので割愛しますが、最近は被差別利権と歴史問題とマスコミの体質関連を考えさせられています。

攻撃型空母という呼び方は、固定翼機を用いていた国において、それとは別の機種・機能をもったものが出てきたので便宜上使ったというのが真相では?米国ならWW2の正規空母であったエセックス級にヘリを多数搭載して対潜任務に就かせるため対潜空母と称したものに対する意味で攻撃型空母と称したのだし、英国では、固定翼機を運用しなくなり、窮余の策でハリアーを積んだ艦を軽空母と称したという具合に(結果英国では攻撃型空母は廃止)。イタリアは、まともな固定翼機を積んだ空母がなかったので、STOVL機を積んだものでも空母と称するのでしょう。このような名称にあまり意味はなく、いずもを改装しても、普通なら軽空母で皆納得しますよね。

記事の艦船説明に加え、F35Bが垂直離陸するのには機体を軽くする必要がある、要は燃料や兵装を減らさなければ機体が浮かず発進が出来ないと聞きます。
搭載しての運用はステルス性が高いが航続距離は短く、最低限の武器しか積めない航空機にどれ程の攻撃力があるのか。

空母だと騒ぐような代物じゃないと考えます。

多摩っ子さん。お久しぶり。

F-35Bはパワーを活かしたショートテイクオフですから、ペガサスエンジンのハリアー時代と違ってフル装備で発艦可能です。
着艦は垂直になりますけど、ハイテク化されているのでほとんどオートマ。

山形さん、お久です。
フル装備でいけるんですか!?
それは凄い、聞いていたのと違いますよ(^^;

コメントありがとうございます。

恐らくソーティレートを参考にして頂いた者です。
亀レスですが、ぶらぶらと回っていたら見つけたので一応捕捉で本来の意味での攻撃型空母についてコメントさせて頂きます。

攻撃型空母を日本は憲法解釈上保有出来ないとなった始まりは、1970年の第1版防衛白書内の防衛力の限界の項目で攻撃型航空母艦を保有しないと記載されたのがきっかけでした。

この攻撃型航空母艦略して攻撃型空母は1978年3月2日の衆議院内閣委員会で上野政府委員が回答していますが、CVA、attack carrireを日本語訳した空母で、1952年~75年の間米海軍でCV(艦隊空母)から派生して使用された艦区分で、同時期に登場したCVS対潜空母との対称となっています。(イギリスは計画のみ)

CVAとは、1949年に米空軍の妨害で建造中止になったと同時に米海軍で最初にCVAを与えられたCVA-58ユナイテッド・ステーツに求められた戦略核攻撃の為の空母になります。
なのでCVAには大型核攻撃機のAJサヴェージやA-3、A-5といった戦略核攻撃機がVAH(重攻撃飛行隊)として編成され、それらの護衛をする戦闘機や哨戒機もセットで運用出来るCV(艦隊空母)規格の空母がCVAとなりました。
ユナイテッド・ステーツの建造中止で米海軍は既存のミッドウェイ級を基軸にエセックス級でもこれら機体が搭載出来るようSCB改修を施した事でCVAになりましたが、改修が施されずにこれら大型機の運用が出来ない空母は対潜機をメインに積んでCVSとなっています。

従いましてCVAと呼ばれる為には、
1、艦隊空母(現在で言う汎用空母)CV規格
2、戦略核攻撃機と戦略核兵器の配備
3、VAH重攻撃飛行隊の編成
4、戦略核任務への配備
これら4つをクリアして初めてCVAになります。この一部だけですと、F-4やF-14を射出するカタパルト能力の無かったCVSに軽量かつ高機動なA-4攻撃機が戦闘機の代用として1個小隊程度派遣されたり(F-35Bが空自から派遣する形なのはこれを参考にしていると思っています)、サイパン級CVLのように核攻撃能力がある機体があっても編成数が足りなかったり、1975年以降も核自体は積んでいたものの戦略核任務に就いていない状態であったのはCVAになっていないです。
米海軍では1970年代に入ってSLBMの性能が向上した事でCVAの戦略価値が低下した事で戦略任務から外した為に、1975年をもってCV(汎用空母)になりました。それ以降も核兵器は搭載していますが用途は戦術核攻撃になっています。
なので政府でもやんわりと「敵国に壊滅的な破壊を及ぼす空母」と戦略核攻撃の事を言ったりしていますし、戦略兵器のICBMや戦略爆撃機と並べて攻撃型空母を載せています。

これを一部の方は理解されずに日本語の「攻撃」という言葉だけを勝手に解釈して、攻撃が出来る空母は全て攻撃型空母だ!と1970年から国会内外で騒いでいるのが現在に続いていますし、大臣との質疑でもそれまで攻撃型空母は保有出来ないと言った大臣の答弁の後の質問で「「空母」は保有出来ませんか?」と空母全体になるようにミスリードを何度も誘ったりしています。
一応、上記の事はつぶやいたりしてはいるのですが、今回のご参考にされた件はその日本語の「攻撃」に対する回答であったというのを捕捉させて頂きます。

解釈上はCVAになりうる能力の空母は改造して戦略核を載せかねないとなる以上、CVを持つのは厳しいのが現実ですので、CV汎用空母とCVL軽空母のソーティ能力を比較する事でそれら方面からの指摘にも対応できるようにコメントしております。

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