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2018年12月11日 (火)

フランス国民戦線は極右とはいえなくなっているかもしれない

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風邪を引きました。もう鼻、喉が全部グズグズでダウンです。

というわけで、今日は2015年12月7日の旧記事に国民戦線のものがあったので、再載させていただきます。

                                             ~~~~~~~~

 フランス国民戦線(FN)について、もう少しお話しておきましょう。  

この党は前回の大統領選で、ファイナルまで残りながら、世界中のありとあらゆるメディアから「極右民族主義者」というレッテルを張られて敗北しました。 

いや、今思い出しても反「国民戦線」キャンペーンはすさまじいもので、マクロンは消去法で選ばれたようなところがあります。

マリーヌ・ルペンが得た得票数は1100万以上で、ただの極右の色物さと小馬鹿にしていたエスタブリッシュメントを青くさせました。 

これまで国民戦線が獲得した票は、以下です。 

積み上がってきていることにご注目下さい。

おそらくマクロン辞任後に大統領選が開かれることになれば、再び上積みがあると考えられます。

今回の黄色ベスト運動を見て、ドイツ、イタリア、スペインで似た動きが始まったようです。

どの国も、ガチガチの緊縮財政主義ですから、フランスと同根なのです。国民戦線の票の動向です。

・2014年欧州議会選挙・・・470万票(25%)
・2015年地域圏議会選第一回投票・・・600万票(28%)
・大統領選第1回投票760万票→第2回1100万票※マクロンは1700万票

実は、国民戦線は、今や日本のメディアの常套句である「極右」「排外主義政党」と簡単に言えるような存在ではなくなっています。 

下の写真がマリーヌ・ルペンです。
マリーヌ・ル・ペン - Wikipedia

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2015年議会選挙です。

「フランスの広域自治体である地域圏議会選挙の第1回投票が6日行われ、内務省の開票率82%時点での集計結果によると、移民排斥を掲げる極右政党・国民戦線(FN)が全国で約30%の得票率で首位となった。
 パリ同時テロを受け、治安問題への有権者の関心が高まったことが追い風になったとみられ、ルモンド紙(電子版)は「歴史的な結果」と伝えている。
 最大野党・共和党を含む右派連合が約27%で続き、オランド大統領率いる与党・社会党の左派連合は約23%の3位と劣勢。FNは全13の地域圏のうち少なくとも6地域圏で第1党の地位を確実にした。
 ルペン党首は「素晴らしい結果だ」と評価。社会党のカンバデリス第1書記は「同時テロの影響が大きかった」と敗因を分析した」(時事 12月7日) 

昨年5月の欧州議会選挙でも、同党は約25%の得票率を得て第1党となって、ヨーロッパ政界に衝撃を与えています。 

あながち冗談ではなく、次の国政選挙を経てマリーヌ・ルペン党首が大統領になる可能性すら生れてきました。 

ルパンじゃないよ、「ル・ペン」Le Penですよ。2名いますから、注意して下さいね。 

まずは創設者にして、先代党首のジャン・マリー・ル・ペン氏です。この頑固そうなのがオヤジのル・ペンです。おお、ヤニ臭そうないかにもいかにも極右って臭気か漂いますね。 

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う~ん、いかにも生粋の「ザ右翼」って感じで、実に香ばしいキャラです。 

去年には、国民戦線を批判したフランスのユダヤ人歌手ブリュエルに対して、「今度はこちらが窯に入れてやる」という凄まじい発言をしています。 

「窯」が、アウシュビッツのガス窯であることはヨーロッパ人ならすぐ分かるわけで、こういうことを平気で言う政党だという猛烈な批判を浴びました。当然ですね。 

これに対して直ちに、この反ユダヤ主義の発言の削除と、厳重処分を言い渡したのが娘の現党首のマリーヌ・ル・ペンでした。

Shutterstock_192629192https://www.foreignaffairsj.co.jp/theme/201611_le_...

オヤジのル・ペンの三女です。おッ、シックなセンス。パリ第2大学卒の弁護士やってました。 

別に国民戦線は同族世襲会社をやっているわけではなく、彼女は副党首のカール・ラングや、全国代表のゴルニッシュを押えて党首に選出されています。

 このマリーヌがやったのが、オヤジ・ル・ペンの路線の大幅見直しでした。

おお、いきなり骨肉の対立か、日本の家具屋お家騒動みたいだと思われるでしょうが、日本もそうであったように、この父娘は考え方の基本は一緒なものの、現実的な路線では水と油だったのです。 

この娘ル・ペンこそが、いままでヨーロッパ政界の色物扱いされてきた国民戦線を、まともな保守政党に変身させた人物だと言われています。 

まずはオヤジ・ル・ペンの路線です。まさに日本のマスコミの形容どおりの、「極右」「移民排斥政党」そのものです。 

  • 国民戦線旧路線
    移民排斥
    妊娠中絶反対
    ・治安強化
    ・EUからの脱退
    ・通貨の
    ユーロからフランへの回帰
    国籍取得制限の強化など
    ・移民の入国制限。(ただし、フランスの文化を尊重、保護する移民は拒まない)

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これに対して、マリーヌ党首の新路線はこうです。ジャン親父のヤニ臭さがほぼ完全に一掃されているのに、驚きを感じるほどです。

国民戦線新路線
・フランス文化を尊重する移民は認める。
・フランス国籍を持つ移民や移民二世・三世でも、犯罪を犯した場合は出身国へ強制送還させる。
・伝統的な生活様式を保護する。特に農民を尊重する。
・麻薬の密売人、小児性愛などの性犯罪者、母親による児童虐待、殺人者、テロリストを対象とする死刑の復活(現在、EU圏内では死刑はない)
・EU脱退
・極左系団体に対する公的補助金の廃止。
・道徳の復権
・犯罪者や移民の犯罪者には寛容ゼロ (tolérance zéro) で臨む。
・同性愛・妊娠中絶の容認
・国籍の血統主義
・減税
※Wikipedia

まるで、別な政党になってしまったようです。この新路線の国民戦線を「極右」「移民排斥政党」とレッテルを貼るのはそうとうに困難でしょう。

っとも重要な移民政策について国民戦線の新路線は、な、なんと「フランスの文化を尊重、保護する移民は拒まない」としています。

国外追放するのは、「犯罪を犯した場合に限る」としています。

のあたりは日本の在特会あたりに聞かせたいほどです。

なにかというと在日認定したり、差別語を吐き散らす者たちは、保守でもなんでもなく、ただのレイシスト(民族差別主義者)です。

彼女はこういう在特会的レイシズム体質を持つ国民戦線党員に対して、党籍剥奪処分で臨んでいます。

父親にして創設者のジャンも、例外ではなかっただけです。

日本の「愛国勢力」も、いつまでも在特会レベルに止まっているかぎり、まともな国民政党になれる可能性は限りなくゼロです。

マリーヌ党首の移民についての考えは、朝日新聞(2015年1月27日)がインタビューしていますので、添えておきましょう。
※http://www.asahi.com/articles/ASH1P1RBXH1PUSPT002.html

――でも、今回のテロ(※シャルリ襲撃テロ)の容疑者たちは、移民とは言い難いのでは。移民家庭出身とはいえ、国内で生まれ育ったフランス人です。
 「いいえ。彼らは
フランス人になることができた、というだけです。例えば(新聞社を襲撃した)クアシ兄弟。両親はアルジェリア人ですが、フランス領内で生まれたお陰で自動的にフランス国籍を取得しました。
国籍へのもっと厳しい条件を課さなければなりません。ハードルが低すぎるから、移民も殺到し、
フランス人から雇用などの権利を奪うようになるのです」
 「
国籍法の改定も欠かせません。二重国籍を廃止すべきです。祖国は一つしかあり得ない。どちらか選ばなければなりません」
 ――日本では、国内で生まれただけだと国籍を取得できません。二重国籍も違法です。
 「私たちが求めるのは、まさにそのような制度なのです。出生地主義の廃止です。
フランス人は、フランス人の親から生まれるか、フランスに帰化するかだけ。帰化自体は否定しませんが、そのためには罪を犯さず、規則と価値観を尊重し、フランス文化を共有し、運命を共にする意思を持つ必要があります」

文化多元主義がお好きな朝日は、嫌悪感をこめてインタビューしているようですが、マリーヌさんの発言には、レイシズムの匂いはありません。

日本マスコミはいいかげんにオヤジ・ル・ペン時代と、娘ル・ペンをゴッチャにするのはやめたほうがいいと思います。

 

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コメント

お大事にです。
こちらも大マヌケをやらかして、しばらく空調の効いたドック入りしている間に一気に冬になりました。
寒暖の差の激しい日々、皆様もお身体を大切になさって下さい。

こちらの常連の方々には北海道から沖縄までいらっしゃいますね。
お天気情報を見る度に「ああ、本当に日本列島は南北に長いんだなあ~。あと、この季節になると沖縄いいな~!」と、毎年思います。

山形さん、(改装工事中)になってるから「もしや?」とは思いましたが、お大事にして下さいね。

ルペン氏の主張はきわめて「当たり前」だし、オヤジさんの過激さは拭え、穏当になったように思えたのですが、マクロン後の選択肢になりましょうかね。

秘書給与疑惑で有罪が確定し、その後の動静は日本ではとんと聞かれなくなりました。
日本では一水会の木村某などのキワモノが支持していたので、返ってイメージ的にはマイナスです。

フランスに必要な価値観と伝統を取り戻せるいい大統領候補だと思っていたので、復活をのぞみたいです。

フランス国民戦線は今年2018年6月に党名を「国民連合」Rassemblement Nationalに改めてもいます。

昨年2017年、カナダのトルドー首相が「信仰に関係なく難民を歓迎する」旨のツイートをした翌日にケベックのモスクで銃乱射があり、6名が死亡しました。
犯人は27歳大学生のフランス系カナダ人で、トランプ米大統領や仏国民戦線(当時)マリーヌ・ル・ペン党首の投稿に「いいね」を付けていたことと絡めてマスコミからかなり非難されました。
しかしながらカナダでは2013年に中共からの移民を制限する政策を取り、それなりに国民の支持を得ている下地があります。
フランス語圏のケベックはアラブ諸国に限らず移民を多く受け入れているところですが、「しかし、移民や宗教の少数派の受け入れについて『妥当な水準』をめぐる議論が長年続いていた」とBBCが記事の結びで伝えていました。
https://www.bbc.com/japanese/38806033
https://www.bbc.com/news/world-us-canada-38805163

自由や寛容をできるだけ尊重しつつその負の代償をどうコントロールするか、を考えていくのが妥当だというようなところに、マリーヌ・ル・ペン氏も辿り着いているのでは。

どうぞご自愛ください。

現在の思想的側面でグローバリズムとナショナリズムの対立などと言われています。

この図式の中では、世界的な大メディアはほぼグローバリズム側に立っています。またグローバリズムはリベラルや環境派と結びつくことが多いです。そしてグローバリストはナショナリストを敵視する傾向が比較的強いように見受けられます。
そのため大メディアのナショナリストに対する言説は極端なところへと向かっていきます。ルペンFNは勿論、ドイツのための選択肢などを極右認定し、そしてトランプをモンロー(孤立)主義者とまで平気で述べたりします。

さらにこの大メディアには世界的に共通している敵がもう一つあります。それはネット空間です。まずはインターネット登場による直接的な読者数、視聴率、広告収入の減少があります。そして大メディアがこれまで世論を作るべく多数の誘導記事を出してきましたが、これに明確な証拠を携えて反論できる言語空間が世界的に広まりました。
ネット世論が敵という点から、利害の共通する力があります。それは中共です。この共通した利害を巧みに利用し、世界中で浸透発信工作を行ってきました。

こうした活動のモデルが作られる上で重要な働きをした国があります。悲しいことにそれが日本です。彼らの工作モデルは日本という土壌で磨かれて、世界へと輸出されたと見ることができるでしょう。
それはメディアばかりか、最近話題の孔子学園に代表される教育、さらに企業からの技術等の窃盗などの対日工作を敷衍して世界に広めたと見なせます。
そして日本の主要大メディアからはまともなジャーナリストはほぼ駆逐されました。グローバリスト系外電や記者クラブ会見などを自分たちの都合に合わせてつまみ食いし、ダダ流すだけが仕事の。あとは官僚と癒着してリークするくらいですかね。

繰り返すまでもないかもしれませんが、こうした中共の活動における最前線、槍の穂先は日本最南端の県にこそあるのです。

グローバリズムとナショナリズムは共存概念であるべきなのですがね。

国民連合は国民連合でマリーヌ氏の姪にあたるマリオン・マレシャルルペン議員29歳が祖父のジャン・マリー氏寄りの政治信条で活動しているので、今後マリオン氏が台頭する時代になるとまた元に戻る可能性は否定できません。結局国民連合の今後の消長は「ルペン商店」からの脱却如何になりそう。

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