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2019年1月18日 (金)

北方領土交渉は最終直線コースに入ったのかもしれない

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北方領土交渉でセルゲイ・ラブロフが高めの球を放り込んでいます。例によって言いたい放題です。

「会談後、ラブロフ外相が単独で記者会見に臨み、北方領土におけるロシアの主権を認めるよう、日本側に改めて要求したことを明かした。
また、日本の法律で「北方領土」という文言が使われていることについて「受け入れられない」と反発したことや、平和条約について交渉を進めるにあたり、日本側が第2次世界大戦の結果をすべて認めることが必要だと伝えたという」(ハフィントンポスト2019年1月15日)
https://www.huffingtonpost.jp/2019/01/14/meeting-taro-kono-sergey-lavrov_a_23642564/

0029306132https://www.jiji.com/jc/p?id=20190114183305-002930... 

日本のメディアはいつものように厳しい対応と言っていますが、なにも起きていないのに、ラブロフがこのような危険球を投げるはずがありません。 

ラブロフが外相会談冒頭の挨拶で、「第2次世界大戦の結果だ」という、私たちからすれば神経を逆撫ですることをわざわざ言ったのは、日本に対してというより、むしろロシア国内向けです。 

私たちにすれば不当に占拠されている領土の「返還」ですが、彼らから見ればこれは領土の「割譲」以外の何ものでもありません。 

なんどか書いてきていますが、ロシアと日本の領土感覚は大きく違っています。 

モスクワ公国から軍事力で膨張を重ねてきたロシア帝国にとって、国境線はゴム紐のように伸縮するものです。 

戦争で勝てば膨張し、負ければ縮小するのであって、元来この国境線までがロシア領という感覚はないのです。

このゴム紐領土感覚は中華帝国も一緒です。

チャイナの新疆ウィグル自治区の「新疆」はモロに新しい領土という帝国主義感ムンムンの地域名です。

領土にされてしまったウィグルン族からすれば、とんでもない不幸です。

彼らの現時点での国境は、ラブロフがいうように「第2次大戦の結果」彼らが領土化した部分までが「神聖な領土」だということです。 

近代的国境概念とはまったく異質の感覚で、日本人のほうが正常ですからね。 

そんな彼らにとって、元の持ち主である日本に「返還」するなどという殊勝な考えは皆無であって、あくまでも外交的利益があるからいやいや「割譲」するにすぎません。 

さもないと、国内に言い訳がつかないでしょう。いまでも、大いにプーチンはその説明に苦慮しているのですから。 

共同通信は「返還が絶望的だ」とまで書いていますが、反安倍色が強いメディアはおしなべて絶望的と筆先を揃えています。 安倍の手柄になると、改憲されてしまうかのようです。

さて私は、このラブロフの危険球の投げ具合からすると、交渉は間違いなく煮詰まってきていると見ています。 

おそらく22日の日露首脳会談でなんらかの動きがあるか、2月の2回目でそうとうに輪郭は見えて来るはずだと思います。

この両人はサシで会談をすることが多く、その時にはそうとうに突っ込んだ領土交渉をすると伝えられています。 

さて、意外に思われるかもしれませんが、クリミア侵攻が強烈だったために、ロシアの強面のイメージばかりが強調されてしまいますが、ロシアは国境交渉で相手方の言い分と自分たちの言い分を足して二で割るような現実的解決方法をとってきました。 

今やロシアにとって残された周辺諸国との領土問題は、日本との北方領土のみとなっています。 

つまり北方領土交渉とは、ロシアからすれば「残された最後のとげ」、あるいは、「大戦の最後の戦後処理」なのです。

「一方、ソ連邦崩壊後の1990年代から2010年にかけて、ロシアが、数十年にわたって抱えてきた隣国との国境問題を極めて柔軟に解決してきたことはあまり注目されてこなかった。
 例えば、バレンツ海の排他的経済水域境界線を巡るノルウェーとの紛争は、2010年9月に両国の条約締結で解決した。バレンツ海は、北欧諸国(フィンランド、ノルウェー)とロシアが境を接するムルマンスク地方から北極圏にかけて広がる広大な海洋である。
 また、長さ4380キロに及ぶ中国・ロシア国境の各所における国境線・領土問題は、ソ連崩壊直前の1991年5月に締結された東部国境協定を皮切りに解決が進められた。最終的には2004年10月のプーチン大統領、胡錦濤主席会談で、最後に残された極東地区のアムール川とウスリー川との合流点やアルグン川にある島々の帰属が決着し、両国間の国境は完全に確定された」(古是三春)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35821

簡単にこの両方の国との領土交渉の処理を押えておきます。 

303c6eafshttp://lingvistika.blog.jp/archives/1029087263.htm...

中国に関してはアムール河の島3ツを引き渡した代わりに、応分の面積の中国古来の領土を得ています。

「ロシアは、1991年から中国と断続的に対話を重ね、2008年7月に国境線を確定し、アムール川に浮かぶ3つの島を中国に引き渡す代わりに、中国古来からの広大な土地を永久に放棄させた。 それでも、ロシアから領土を返還された影響からなのか、中国でのロシアに対するイメージはすこぶる良い」(図版と同じ)

4579a5ea47b09971a510ab651913a893AFP 

思い出していただきたいのですが、昨年9月の東方経済フォーラム総会(ウラジオストク)で、プーチンは習の目の前で安倍氏にこう言ってきました。

「アプローチを変えましょう。そこで私も次のようなアイデアを思いつきました。平和条約を結ぼうではありませんか。今すぐではなく、年末までに。一切の前提条件を設けずに」

習はもちろん、プーチンとの間に成功したウスリー河領土交渉の顛末を知っています。 

この時は平和条約のことが前面に出たために、真意が伝わらなかったうらみがありましたが、プーチンは習の眼前でこう言うことによって、北方領土交渉を中国と同じ方式で決着させ、なおかつ戦後処理である平和条約もパッケージで結ぼうと提案したと思われます。 

一方、北極海のノルウェーとの係争海域についても二等分で40年に及ぶ境界線論争に終止符を打ちました。 

93196a26上図と同じ 

この領土等分案が、プーチンが言う「引き分け」という言葉の含意であろうと思われます。 

面積等分方式て考えると、歯舞群島、色丹島、国後島と択捉島の約20%が返ってくることになります。 

これは、北海道に付随する小島にすぎない歯舞、色丹の返還よりも、日本にとって遥かに有利な妥協案です。 

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 出典不明 

唯一の難点は、択捉島に陸上の国境線ができてしまい、戦後初めての陸上の国境管理が生じます。 

返還された北方領土に米軍基地が進出することをロシアが許さない、と難色を示す人がいますが、これは小川和久氏が前々から指摘しているようにドイツ最終規定条約の外交的前例で解決することが可能です。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2018/11/post-b40d.html 

ロシアはクリミア侵攻による経済制裁で苦しんだ上に、昨今の原油安で経済が疲弊しています。

ロシア経済は、極端な1次資源の天然ガスに依拠する構造故に、下図で分かるように原油価格が下落するとロシア経済は不調に陥ります。

G_foreign_report_ru_141217_01https://www.sbisec.co.jp/ETGate/?OutSide=on&_Contr...

株価もガスブロムやルクオイルなどの資源企業のウエイトが大きいために、国際原油価格の影響をダイレクトに受けてしまっています。

そしてお気の毒にも、この間の原油国際市場価格は下落基調です。ただ、ロシアは「打たれ強い経済」といわれているように簡単にネをあげませんので、ご注意下さい。

ここで妙に足元を見るのではなく、ウィンウィンの関係を作るつもりで考えるべきです。

日露史上唯一足元を見れたのは、ソ連崩壊時の数年間だけで、それを逃した以上、そう簡単に巡ってはきませんって。

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https://www.asahi.com/articles/DA3S13765637.html

この2019年からプーチンは、年金支給開始年齢の段階的な引き上げを行なう他、日本の消費税に当たる付加価値税を引き上げる等、国民に痛みを伴う歳入・歳出の改革を断行します。

これが支持率最強だったプーチン人気に陰りがでている原因ですが、このロシア国民の民生向上に日本は協力できる技術を持っています。

たとえば、みずほ総研上席主任エコノミストの金野雄五氏によれば、プーチンが経済成長へのカギに挙げている健康、教育、インフラ整備等は、いずれも日本が協力しやすい分野です。

また、ロシアが望んでいるシベリアの天然ガスの日本へのパイプライン延長は、相互に恩恵があることです。

安全保障上も、ロシアからすればこれら極北の3島を「割譲」することによりヨーロッパとアジア二正面の圧力から逃れられると考えれば、安い買い物です。

のようにドライにロシアの現状を見るならば、いまを置いて領土問題の決着を図るにふさわしい時期はないようにすら思われます。

あとは、それぞれの国のナショナリズムとの相談です。

安倍氏とプーチンは共に保守長期政権を握る政治家として右派を説得するとしたら、この両人をおいて存在しないでしょう。

仮に、ハト首相が同じように「領土等分だ」など言い出したら、私たちはご冗談と聞く耳を持たなかったでしょう。

安倍氏だから国内の原則的反対論、すなわち4島一括論を押えられるのです。このあたりの機微は慰安婦合意に似ていなくもありません。

同じようにプーチンの支持層はナショナリストたちですから、とことんまで粘った挙げ句、ぎりぎりまで交渉を重ね、ついに大局的な観点から涙を呑んで妥結したという構図をとらねばなりません。

双方ともに「名を捨て実をとった」形にしなければならないのです。

このように考えてくると、ラブロフの危険球の意味が分かって来ると思います。

マスコミさん、こんな面倒な交渉をしているときに、河野氏に会談内容を教えろとか、ラブロフ発言に対しての感想など求めなさんな。また「次の質問」と蹴飛ばされますよ。

 

 

 

 

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コメント

高めの球とは言いえて妙ですね!
私もラブロフガンガン来てるなあ~。インハイの直球責めだぁー!と思っておりました。

プーチンがかつて得意の柔道になぞらえて「引き分け」案を出して来たときに、これはもうロシア最大の譲歩だから乗ってけ!と感じた次第。かつての択捉島住民さんにはご免なさいとしか。。

2島もしくは引き分け案で妥結しようものなら、それこそ政権は左右どちらからも叩かれるんでしょうけど・・・。
「実」を取りましょうよ!
それこそエリツィン&橋龍時代には全面返還の余地はありましたが(それこそ金目で)、もう無理。

今日の記事は興味深かったです。
正直、北方領土問題にはあまり関心の持てなかったわたしにも、、現在の両国の位置関係がよくわかったような気がします。

これでロシアを中国から剥がせれば、とうとう孤立化するでしょうね。チベット相互入国法は米国上下院で満場一致で可決し、トランプさんが署名して成立したようです。

 マスコミは常にきわめて表層的な事実からしか物事を見ないけど、交渉はだいぶ煮詰まって来ていると考えられますね。

それと、日本側は主張すべきは主張しているがゆえのロシア側の反応、という事だと思います。
これは最近の外務省のとてもいい傾向で、ロシアとしても交渉相手としての真実味を感じているでしょう。

ポロっと、木の実が落ちるように妥結するかもしれませんね。

同感です。
むしろここ一連の対韓外交を見て、やっと日本を一人前の交渉相手として認めた証かとも思いました。

あの国お得意の秘密協定でも良いので、部分的な軍事協定さえ結びたいくらいです。それはより強大な敵、中共に対するためです。もちろん、秘密協定部分には米国も参加が必要です。シベリアへの華人浸透は拡大する一方ですし、米国は表立ってロシアと手を組める状況にない。日本単独の秘密協定では信頼できない国ですが、保険があればとは思います。
まあ、これは大幅な夢想ですが。

韓半島を防波堤として利用する価値があったのは「大国」が北から手を伸ばしてきていたからです。白い手から赤い手に変わっても。しかし今は武力としての単純軍事力と軍事費だけ突出した大国に過ぎず、国際・交通環境の変化で韓半島の地政的価値も低下しています。半島を切り捨てるためにも対露関係は資するでしょう。半島進出企業が沿海州に向かえばWIN-WINにもなり得ます。

平和協定さえ結べれば、ロシアはTPP参加さえ視野に入れられます。太平洋に面してさえいない国の戯言よりよっぽど現実的ですね。

今日は夢想系の考えが多かったですが、可能性の大きさは韓半島の比ではない事は確かかなと思います。

日本の保守論壇からの4島だ千島からだという声も高めの援護として交渉のスパイスに使えると思います。
双方共に譲りたくない勢力がしっかりいるからこそ二等分交渉ができる訳で、そういう意味で、無理だどうなってるんだ返ってこないに決まってるというマスコミの声はあちら側のスパイスとして使われているのではと内心を疑います。
取らぬ狸を書くと、もしも幾ばくか返還があった場合、それ以降本腰を入れて国境を守ら続ける力と法整備を急ぎ揃えていかないといけません。
記事中にある領土解決をした相手国はそれ以降もずっと「いつでもまたロシアは攻めてくる」という姿勢を崩さずにいることでのみ国境線を維持しています。

今晩は。旧ウヨブタの能書きです、
管理人の指摘に従ってネームを斎藤に変えさせて貰います。

 北方領土交渉は最終直線コースに入ったのであれば、これは歓迎すべきである。ロシアと結び、中国に対抗してゆきたいものである。領土問題は後回しにしよう。

 中国の脅威は現実のものである。中国は台湾も尖閣も奪取つもりであろう。マスコミは真剣にこのことを取り上げず、また日本国民の多くは知ることもなく心配することもない。

 中国が台湾は絶対に独立させないと言っている以上、アメリカや日本が具体的な対処をしないままだと、台湾は間もなくして中国の侵略を受けざるを得ないのではないのか。また、中国自身が台湾奪取をできなければ、今の共産主義独裁体制を維持できなくなるかもしれない。権威の失墜により国内の統治力が失われないだろうか。

 安倍さんが日露の平和条約締結を急ぐ裏には、中国を封じ込めるという思いがあるのではないか。ロシアとは防衛条約(安保条約)も締結できればと私は思うぐらいだ。

 ロシアの脅威は現実のものではないが、中国の脅威は現実のものである。万が一の事態に備えるべく、日本の防衛力も高度のものにしておきたい(防衛予算の増)。

1つ疑問が浮かんだので質問させて下さい。
ロシアと中国、ノルウェーとの領土問題解決を例にしていますが、この地域に住民は居たのですか?
北方領土の場合、其処にロシア人が何十年も定着して居ますので、同じ様にはいかない気もします。
北方領土はロシアにとって安全保障の上でも、重要な地域です。
海上だけのノルウェーや、僻地の様な中国との引き分け交渉と同じ様になる事はあるのでしょうか?

三毛猫さん。僻地であるかないかは、まったく関係ないとは言いませんが決定的ではありません。

ロシアは中国とはこの珍宝島(ダマンスキー島)をめぐって局地戦争すらして、双方に多くの死者まで出している地域です。
この帰属交渉に失敗すれば、国境紛争が再発する危険がありました。
中露は実に4千キロの陸上国境を持っているので、このような火種の存在は、私たち四方を海に囲まれた日本人には想像のつかないリスクなのです。

ノルウェーは漁業が主力産業ですし、ここは世界有数の漁場ですから、これも処理を誤ると二国間関係は最悪に陥ったことでしょう。

北方領土にはかつてロシア人住民はすくなかったのですが、意識的に優遇政策を取って住民を増やしています。
シベリア地区としては返還反対でので、そういう植民政策を進めて「割譲」の歯止めをかけたいということです。

そもそも領土紛争は「僻地」で起きますので、僻地であることは当然の前提だと思って下さい。
そういえば、インド・パキスタンの永年の係争地のカシミールも、行きましたが、とんでもない山の中でしたよ。


原油価格、年末に一度45ドルを下回りましたが今は持ち直して53ドル台。もう一押しほしいところですね。きっかけはハードなBrexitでも何でも良いです。

止めとしては、日露通貨スワップ協定ですね。協定自体がヘッジファンドへの抑止力になるので、日本は痛くも痒くもありませんので。

この記事が正しいなら、ロシアに対する反発心をせっせと煽る記事を書くマスコミさんは、ある意味「期待通りの良い仕事」してくれてるのでは。

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