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2019年2月 2日 (土)

EPA発効 日本農業にはよい刺激となるだろう

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EUとのEPA(経済連携協定)が成立し、発効しました。

「世界最大級の自由貿易圏が誕生。 日本ブランドにも商機到来。
1日に発効した日本とEU(ヨーロッパ連合)のEPA(経済連携協定)。
輸出入の際にかかる関税が多くの品目で撤廃され、千葉市にあるイオンスタイル幕張新都心では早速、EU産のワインを平均で1割値下げするセールが行われた。
人口およそ6億4,000万人。
世界の貿易額のおよそ4割を占める、巨大な自由貿易圏が誕生することとなった今回のEPA」(FNN2月2日)
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20190202-00411137-fnn-bus_all

このところのブリグジットや、マクロンの失速、メルケルのレームダック化、最大市場の中国経済の減速などでろくなことがないEUも、ひさしぶりに愁眉を開いたようです。 

0d1f2_769_ffcf5d1596b7a838bd3a2606cEUトゥスク大統領http://news.livedoor.com/article/image_detail/1587...

「【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)のトゥスク大統領は1日、日本との経済連携協定(EPA)が同日発効したことを受け、自身のツイッターに日本語で「今日は全ての日本人とヨーロッパ人にとって素晴らしき日」と書き込んだ。
 その上で「政治的また経済的には、これ以上緊密な友人かつパートナーはいない」とも述べた」(時事2月1日)

意外に思われるかもしれませんが、私は歓迎しています。

TPPとEPAを合わせれば世界経済の過半を占める巨大自由貿易圏ができるのは、時代の趨勢であるばかりではなく、日本農業にとってもよいことです。 

Epahttps://www.sankeibiz.jp/macro/news/180718/mca1807...

それは、いったん日本農業の内部に足を踏み込めばお分かり頂けると思います。 

素朴に思ったことはありませんか。なぜ国産のバターはあんなに高いのでしょうか?なぜ、チーズはあんな馬鹿げた値段で売られているのでしょうか? 

日本の生乳は常に余剰すれすれを維持しています。加工に回すと安くなるからですが、バターやチーズに振り向けて付加価値生産することは可能なはずです。

一番の大所のコメは、いまだに事実上の生産統制がなされて、自由に作ることは無理です。

一般的な商品ならば、乳製品に余剰がでたら加工品にし、コメがうれなければ価格競争に耐え抜こうとするでしょう。あるいは海外に販売先を探す努力を自力ですると思います。

ところが日本農業だけはそのような自律的市場調整の回路が働かず、お上の統制支配がいまでも生きている数少ない産業分野です。 

と、こんなことを私が言うと、「お前はかつて農は日本の安全保障だ。食なくして自由な国はありえない」と言っていたろうという声がきこえてきます。

それはあくまでも結果としてそうなるのであって、農業は産業としてそれを実現するしかないのです。 

食糧管理制度(食管)は、戦中戦後のコメ不足時代に、農家からコメを厳格に供出させるためにできました。

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勝手に作れない、勝手に売れないという奇妙な「商品」がコメだったのです。
関連記事「日本農業の宿痾 減反制度」
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-a54e.html

これは、食糧不足という時代背景があったから成立したのであって、高度成長期以降の時代には古色蒼然たるものに劣化していました。

しかし、制度として残ったのは、ひとえにコメの時だけ納屋からトラクターの埃を払ってにわか農家に戻る兼業農家層を大量に抱え込んでしまったからです。

お断りすれば兼業農家は別に甘い知るを吸っていたわけではなく、コメで一家を支えるだけの収入にははるかに届かないからそうしているだけです。

本心は田んぼなど売りたいが、いったん土地改良工事が入ってパイプラインで結ばれた田んぼになると一軒だけ止めるわけにはいかないという縛りも生きていました。

専業で頑張って大型化したい農家には地域頭割りの生産統制が待っており、一方兼業農家は生かさず殺さず、これが日本のコメ作りの実態です。

この社会主義統制経済もどきを21世紀になっても維持できたのは、ひとえに村を票田とする農水政治家、日本最大の補助金を分配する利権を守りたい農水省、そして全農の三角同盟が堅牢だったからです。

こんなことを半世紀やって入れば、技術開発は進まず、ブランド力もなく、価格競争力も劣化し、産業全体がひ弱になるのは当然です。

いつのまにか、農業は岩盤規制の標本のようになっています。

逆に、統制品目から抜けている、野菜、果樹などが国際市場価格と比較しても妥当な枠に納まっています。

その理由は、健全な産地間競争が生きているからで、野菜や果樹の農業団体は熾烈な価格競争とブランド競争を演じています。

まともな競争が保証されさえすれば、日本の農業技術力は世界有数のものですから、あたりまえです。

具体的に冒頭で上げたバターを例に取ってみましょう。

バターに特徴的なのは、ブランドが少ないことです。それも北海道に集中して、特定のものだけに絞られています。

価格はバカ高いので、マーガリンなどという健康に疑問の代替品がいまや主流になってしまいました。

バターが高いの理由は、ひとえに高関税をかけているからです。

この高関税をかけている元凶は、農水省傘下の特殊法人である「農畜産業振興機構」です。

Photohttps://sugar.alic.go.jp/japan/fromalic/fa_0310a.h...


私は「なんとか機構」と聞いうもっともらしいネーミングを聞いただけで、虫酸が走りますが、よくある官製の利権団体です。

星の数ほどある天下り団体で、これがバター輸入を独占していることから発生しています。 

といってもこの振興機構が実際に輸入業務をしているわけてはありません。

するのはあくまでも一般輸入業者です。彼らはペーパーワークだけの仕事をするいわば官製トンネル会社です。 

乳製品の輸入業者は、2次関税を払った上に、いったん機構に輸入バターを伝票上買い上げてもらっ形にして、農水省の定めた806円/㎏(20014年現在)の輸入差益を支払わねばなりません。 

この振興機構はこのトンネル差益だけで年間11億も、彼らの懐に転がり込む算段です。

なにもしないで、806円乗っけただけの伝票仕事で、年間11億が転がり込むのですから、たまりませんなぁ。

ま、もちろんこの11億の一部は、補助金として畜産農家に回すのですが、これも分配する権限は農水省です。

農水省が作った輸入差益を、農水省が配分する補助に回すという、これが農水省の農水省による農水省のための農政です。 

これによって、農家はいささかも儲かっていません。そして最大の被害者は消費者です。

消費者は、外国製乳製品がバカ高いために買えず、高い国産乳製品を買わされているのですから、いい面の皮です。

日本の農産品高関税には必ずといってよいほど、農水省の利権がからまっています。私たち農家にはなんの関係もないことです。 

日本の農産物はその高品質と新鮮さで支持されています。関税などによって守られてはいません。 

私はこのようなトンネル会社方式を止めて、従価課税のスッキリした関税方式にすべきだと思っています。

今回のEPAで、バターや脱脂粉乳は原料の生乳に換算して、最大1万5000トンまでの低い関税枠が新たに設けられることになりました。

不十分ですが、いたしかたないでしょう。

いずれにしても、EPAで「農水省による農水省のための農水省の農政」に大きな穴が開きました。

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コメント

ありんくりん さんのご見解の8割方賛同します。

> 素朴に思ったことはありませんか。なぜ国産のバターはあんなに高いのでしょうか?なぜ、チーズはあんな馬鹿げた値段で売られているのでしょうか?  

 チ-ズが安くなってほしいものですね。北海道の酪農を保護するための高関税なんでしょうが、EPAを結ぶとそれも難しくはなります。工夫・努力をするなど農業界の方々には頑張っていただくしかありませんね。

 基本的には非関税自由貿易がいいのですが、それでは各国の事情に合わないことがある筈なので、関税をまったく無くすわけにはいけないのでしょう。それでも、自由貿易協定ができたのは喜ばしいことです。

 農地が農家の人々にしか売買ができないというのも不自由であり、専業農家が育ちにくい原因になっているのだと思います。それに、兼業農家が中途半端な面積しか耕作していない現状は農業用機械の効率使用の点からも良くありませんね。専業の農家が増えるような農業政策をハッキリと打ち出してもらいたいものです。

 すこし我が儘ですが、沖縄のキビ作農業は保護していただきたい。私の畑の隣はキビ畑ですが、キビ刈りのこの時期には老人が働いております。今のキビ作は老人でも可能であり、小遣い稼ぎぐらいの収入しかない筈ですが、老人の生きがいにはなります。これは関税保護してもいいのでは・・・・・。

 農業は楽しいものです。グローバルな自由貿易が推進されるようになっても、零細農家も生き残れるような方法も考えねばならないですね。老人はなんらかの形で農業をしてもらいたいのですよ。健康によし、そして若干の老人のこずかいにもなりますので・・・・・。

 EPAでわれわれの日常の食生活がどう変わるのか、興味があります。
 

https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000307874.pdf
品目別に文字量どっさりで全てが適切な評価なのかは疑問ですが、農水相の分析PDF を参考に貼っておきますね。

天候や災害に出来不出来が著しく左右される農業において、健全競争で国内農家がきちんと儲けられるにはある程度の補助があるべきだと個人的に思っていますが、今の枠組みが農業者のやる気をそぐようなズレだものならば変えないとですよね。
土地を荒らさずに次代に継いで、日本の農作物は輸入品とうまく住み分けられることを望みます。
私たちの口に中位のグレードの国産品があまり入らなくなってしまうのは淋しいのですが、牛だけでなく豚肉や鶏肉も厳しさを乗り越えて良いものを目指すしかないのではと感じました。

補助金の話ですがわたくしの地域ですと「多面的機能支払交付金」、「中山間地支払い交付金」というのがあります。集落全員の加入だったり集団での加入ですのでその役に当たってしまうと会議や調整や役場への提出書類の作成と何れも面倒で迷惑この上ない。
しかもこの金は害獣駆除には使えません(尤も使えたとしても全然足りませんが)
隣の集落の篤農家さんがせっかく植えた新矮化のリンゴの芽を全部鹿に食われたと嘆いておりました。矮化のリンゴの木は鹿の背丈にちょうど合ってしまうのですよ

ueyonabaruさん。要はめりはりなのです。守るべきものは守り、つまらない規制はなくしていき、強い専業農家を育てる必要があります。

沖縄のサトウキビは逆ザヤ補助金で維持されていますが、私は必要だと思っています。
離島や本島でも地域によってサトウキビ補助がなくなれば、集落がもたない地域がたくさんあります。
何年か前に小浜島にいきましたが、あそこからサトウキビをとってしまうと、そうとうに厳しいと思います。
狭い意味での安全保障上も国境から長い極端な過疎地帯を作ることになります。
これは中国の浸透を容易にします。

一方本島や大きな島の農業は、もっと専業を増やして強くなってもらわねばなりません。
このように地域の課題によって補助金のあり方は違います。補助金を全廃しろというのは極論で、必要な政府支援は出して当然なのです。

左派は公務員が主力のせいか、農業をよくわかっていません。
農業こそが地場産業の基礎であり、米軍基地に依存した経済を跳ね返していくものなのですが。

フラビオ農山村さん。私もやりましたが、ほんとうにメンドーだよね。
農水省関連の補助金は迷宮です。
この迷宮を仕切っている神官たちが農水省官僚団なのでしょうね。

ブランドを農水はつくるのに熱心ですが、そういうことは民間にやらせなさい。
農産物を育てたこともなく、市場の実務も実態も知らず、大学出て役人やってきたような連中になにができますか。
儲かるから民間はやります。役人ができるのは、そのルールづくりていどのこと。

日本になくてい3大官庁は財務省を筆頭に文科省、農水省といったところでしょうか。
全部、総務省管轄下の庁で十分です。

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