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2019年2月22日 (金)

ブレグジットの後に来るものとは

025

まずはひとことこのブログのタイトルとなっている「農と島のありんくりん」についてご説明しておきます。 

このブログは来訪されている方はご承知のように、いわゆる農業ブログではありません。 

かつては濃厚にそうでした。 

始めたのは

先日のホンダの「イギリスが出ていく」ではなく「イギリスから出て行く」という別の意味でのブレグジットは、ヨーロッパ全体に衝撃を走らせたようです。

ホンダ英国工場閉鎖発表翌日のBBCニュースは、これをトップに置きました。 

もちろん、BBCはこれが単純にブレグジットのためだとは書いていません。

「企業が大きな決断を下すとき、その理由がひとつしかないということは、滅多にない。
ホンダが2022年に英イングランド・ウィルトシャー州スウィンドンの生産工場を閉鎖するという報道に、多くの人はすぐさまブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)のせいだと槍玉に上げるだろう。しかし、閉鎖の原因は他にもある。
2月1日に施行された日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)では、EUは2027年までに日本車の輸入関税(現在は10%)を撤廃する。
つまり、日本企業がEU域内に製造拠点を置かなくてはならない根拠が薄れているのだ。実際、ホンダは欧州のどこかに拠点を移すのではなく、欧州市場向けの生産を日本に戻す計画だ」(BBCニュース2月19日)

https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-47288102

この指摘は日本のメディアもしていますし、昨日記事にもしましたが、当事国としての英国国営メディアが言うとなるとやや趣が違います。 

今英国は、EUとの交渉期限切れの崖っぷちであって、ハードブレグジット(合意なき離脱)となると、英国のみならず、世界経済にあたかる影響は甚大だからです。 

EUが日欧EPAを急いだのは、背景に英国のブレグジット交渉期限切れが迫っていたからです。 

Plt1807170037p1署名式における安倍首、EUのトゥスク大統領、ユンケル欧州委員長https://www.sankei.com/world/news/180717/wor180717...

安倍氏が日程的にヨーロッパに行けないとなると、なんとEU大統領と欧州委員長のほうからわざわざ日本にまでやってくる熱の入れようでした。 

昨日も説明したように、ブレグジットすれば、同国を製造拠点として無関税で大陸のEU加盟国に自社製品を輸出してきた企業は大打撃を受けます。 

なにせ英国に工場を置く唯一の理由は、特に英国が好きだからではなく、EUに無関税で輸出できることだったからです。したがってこの特典がなければ逃げていきます。

Photo_2https://www.yomiuri.co.jp/economy/20190220-OYT1T50...

それはホンダのみならず、英国への初乗りだった日産にも及びつつあります。日産はエクストレイルの英国生産を終了してしまいました。

日本企業のみならず、英国が誇る唯一の家電メーカーのダイソンすら、工場はとっくに中国、本社さえ国外移転するというのですから、この非国民と時代錯誤なことを言いたくなります。

「イギリスから投資を引き揚げるのはホンダだけではない。2月には日産が、英サンダーランド工場での「エクストレイル」の次期モデル製造を撤回。ソニーとパナソニックも、欧州本部をイギリスからEU域内に移した」BBC前掲)

これはかねがね指摘されていましたが、その悪夢が現実のものとして 英国国民の眼前に忽然と姿を現したことになります。 

ひょっとしてこれは外国企業の一斉撤退に結びつくのではないか、そうなれば外国資本のキャピタルフライト(資本逃避)となるかもしれない、そうなったらパニックだ・・・、これが英国人の恐怖です。 

逆に言えば、EU中枢は日欧EPAを急ぐことで、いかにEU離脱が高いものにつくのか英国はもとより、加盟国全体に教えたかったのです。 

さて英国がブレグジットした最大の理由は、とりもなおさず移民問題でした。 

EUはヒト・モノ・カネ・サービスの自由な往来を原則としています。 

特にヒトの自由な往来はシェンゲン協定によっ て認められた、EUの根幹理念です。 

このヒトの自由な移動によって、英国には大量の移民が流入しました。 

Photo日経 https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM20HA2_R20C1...

 

 英国の移民の総人口全体に占める率は13.0%で、EUでも上位に位置します。

Img_be426991206d254768aed85ede3000dhttps://diamond.jp/articles/-/93863?page=5

ロンドンに行けばわかりますが、非白人が半分以上占めているようで、現実に市民の5割は外国人だといわれているようです。

これはかつての大英帝国の名残だけではなく、近年のEUによる外国人労働者移入です。

というのは外国人家庭は、元来の英国人家庭より幸か不幸か子沢山です。4人、5人は珍しくありません。

かくして英国で生まれた新生児の名前のトップは、モハンマドということですから、おいおいです。

かくして先進国病である少子化は、移民家庭の人口の自然増によって治癒してしまったことになります。

ただし10人以上にひとりが外国人という社会を作ってしまったことで、元々の英国人は今や先住民といわれかねない冗談のようなことになりつつあります。

どちらがいいのやらと彼岸の火事のようなことを言えなくなった、改正入管法以後の我が国ですが。

それはさておき、国民投票でブレグジット支持に強い支持を与えたのは、このような外国人人口比率が高い大都市を抱える地域であったことは象徴的です。

英国からの分離傾向にあるスコットランドやアイルランドは、ブレグジットに反対しました。

この現象は仮に独立しても、直接にEU加盟が可能だと踏んでいるからです。

これらの移民労働者は、新規雇用が英国にあることと、手厚い社会保障を目指して流入したわけですから、今回のブレグジットによって外国資本が逃避していくことに連れて国外に流出していくことになるかもしれません。

あるいは、家族は社会保障や教育を目当てに定着し、父親と息子が出稼ぎにEUへ行くようなことになるかもしれません。

その動向は今後を見ねば分かりませんが、仮にブレグジットしたとしても既に13%もの「外国人があたりまえにいる社会」を作り上げてしまった以上、その解決にはならないということにです。

その意味でも、私はブレグジットは早まった選択だったと思います。離脱自体は誤っていないとは思いますが、まだいくらでもやりようはありました。

キャメロンのバカが国民投票などしたから地獄の釜の蓋を開けてまったのです。

と言っても、既に引き返せませんが。

 

 

 


 

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コメント

メイさんも自縄自縛でどうにもならなくなっていてお気の毒です。もはや何をやっても悪役。
元ロンドン市長で外相だった離脱強硬派のボリス・ジョンソンのヤローはさっさと逃げやがった(爆笑です)!
某野党の有力議員が国会の質問で新聞の風刺画を持ち出して、ボリスを安倍首相だと思い込んで批判する質問して失笑を買ったのも懐かしいですな。前後の記事は読んでない、もしくは頭に入らない残念さ。。

ソニーやパナソニックは欧州本社機能をオランダに移してるようだし、他国の企業も同様の動きです。
ホンダは元々欧州市場では弱くて英国の一工場だけで、北米1本足だったのを中国にシフトしてる最中、EUとのEPAが纏まった今、英国に工場を置くメリットは皆無です。

今やどうにもなりませんね。
だから感情に煽られるような国民投票は危険なわけです。
キャメロンだってもちろん「まさか!?」の結果だったでしょうから。。。

 直接的に農業をテーマとする事は少なくなりましたでしょうが、ブログ主様の物事の見方やら考え方のスタンスなど、あるいは「向日性」といった特色は日々の農の営みと密接に関連してこそ、我々の前に記事として現れ出て来るものとして読んでいます。
不思議な事に「農」の話題から離れるほどに、そういう感じを強く受けます。
ですので、今も「農と~」のブログタイトルに齟齬は決してないですよ。

英国の「合意による離脱」は、安倍総理もメイ首相に強く申し入れているところです。
離脱によるショックを最小限に食い止める義務が英国にはあるのだし、さもないと世界経済の分母たる総量が減じる事になりそうです。
日本としても、消費税を上げるどころの局面ではないと思うのですが。

山路さん、ありがとう。励まされます。

EUにとってメシウマな状況である以上、英国との合意は容易には成されないでしょう。
HSBC以下メガバンクが逃げ出すくらい毟り取ったら、「英国から移民が押し寄せたら困るよね」という利害で手打ちになるのかな、と思います。

フランスなど、英国に復讐出来てさぞかし溜飲を下げているのでしょうね。

管理人さんの仰るとおりつくづくイギリスの国民投票は失敗でしたね。まあ、常識的に考えれば離脱派が勝利するとは考えられなかったのですからやってしまったのは無理もないことですが。安易に重大問題を国民投票で決めてはいけないという良い例です。

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