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2019年2月14日 (木)

米朝韓三者は在韓米軍撤退へとベクトルしている

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韓国保守はいまパニックになっているようです。 

鈴置高史氏が『正論」3月号で、朝鮮日報の金大中顧問の論説を取り上げています。 

金大中は同姓同名ですが、かつて日本で殺されそうになった元大統領とは別人で、保守系の論客です。 

このような内容です。鈴置氏の和訳と要約を引用します。

「①ムンジェイン政権は「親北遠米」に進路を定めた。このまま行けば韓米関係は終わる。米国は少なくとも米軍を韓国から引き上げるだろう。
②反米デモが横行するし、防衛費分担に吝嗇な韓国に対して、トランプ大統領はもう恋々とすまい。それよりも北朝鮮との関係修復と核取引にさらなる「うまみ」を見いだすだろう」(朝鮮日報2019年1月1日)

韓国の保守派とっては、在韓米軍は米韓関係が安定的に続くための担保でした。 

4bk7e4eb2f7250a93j_800c4502016年のソウルにおけるTHAAD反対の反米デモ。異様に某県の反米デモに酷似している。http://parstoday.com/ja/news/world-i12553

いくら親北派が大規模な反米デモをしようと、たとえ北朝鮮が好きで好きでたまらない男が大統領になろうとも、在韓米軍がいるかぎり赤化統一は不可能です。

つまり在韓米軍は、そのプレゼンスによって赤化統一を防ぐ堤防のような役割を果たしていたともいえるわけです。 

キム顧問の憂鬱は根拠のないことではありません。 

在韓米軍は、米国が望んでいて駐留しているわけではありません。 

よく左派の人たちは米国の世界制覇のために朝鮮半島に軍事基地を置く必要があるから、無理無体で在韓米軍を押しつけているのだ、という人がいますが間違いです。 

韓国にはそのような戦略的価値はありません。 

日本の横須賀を中心とする在日米軍が、米軍全体におけるいわば「東本社」だとすれば、韓国の基地は北の再侵攻をくい止めるための出張場ていどの前方展開基地にすぎません。 

韓国には横須賀に匹敵する根拠地はひとつもなく、あるのは簡単に撤収可能な空軍基地だけです。 

それも在韓米軍の航空機が故障すると、すぐに日本に飛んで来て修繕するような最前線基地でしかありません。 

M1202040防衛省 http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2010

米陸軍第2師団はかつて38度線付近にワイヤートラップとして駐屯していましたが、いつのまにか中部に下がり、内実はアフガン、イラクに抽出されてスカスカです。 

つまり、在韓米軍は米政府がその気にさえなれば、短期間で撤収が可能な存在にすぎません。 

米国から見れば、北の再侵攻は考えにくい情勢であり、対中対露の関係はあるものの、あくまでも韓国がすがって出ていかないでくれ、と言うから残留しているだけのことです。 

2003年、米国防総省は、ノムヒョン(廬武鉉)政権ができたことをきっかけにして、かねてからあった在韓米軍の撤退の方針を固めました。 

ちなみにこのノムヒョンによって抜擢されて大統領室長として政権中枢に座ったのが現大統領のムン・ジェインでした。 

このムン・ジェインの学生時代からの愛読書にリ・ヨンヒ『転換時代の論理』という本があるそうです。 

この本でリ・ヨンヒはこう述べています。 

「米帝国主義は世界の民族の内紛につけ込んで軍隊を送り、覇権を維持している。」(鈴置『米韓同盟消滅』) 

この本をムンは2017年の大統領選挙の時に「国民が読むべき一冊」として推奨していますから、彼の精神的バックボーンなのでしょう。 

リ・ヨンヒは反米思想家で、ムンは自伝『ムン・ジェインの運命』でこう述べています。

「米国を無条件に引き止め、米国の主張は真実だと思う。それに反する勢力はとにかく叩くべき悪だときめつける。そんな我が社会の姿を(リ・ヨンヒが)丸裸にしたのだ」(鈴置 前掲)

現在の青瓦台大統領府は中枢組織である秘書室のメンバー31人のうち、政権ナンバー2のイム・ジョンソク以下実に6割の19人までもが過激な学生運動か反米運動の出身者で占められています。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2018/11/post-2.html 

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 右端がイム・ジョンソク大統領室長

「米帝によって分断されたわが民族の統一の一体化の回復にこそ、この政権の存在意義があるのだ」(鈴置前掲)

保守派にとって在韓米軍こそが安定した米韓関係の担保だとすれば、そっくりその正反対が彼ら親北派の目指すものとなります。 

つまり在韓米軍が存在するかぎり、分断された朝鮮民族の統一は不可能ということになります。 

ですから韓国政府中枢にとって、在韓米軍はなんとしてでも撤収させねばならない目の上のたんこぶなわけです。 

在韓米軍がいる意味は北の再侵攻に対する備えなのですから、その駐屯根拠を奪う必要があります。 

そのためには朝鮮戦争を正式に集結させることによって、駐留する理由をなくしてしまうことが前提です。 

5347860文正仁統一外交安全特別補佐官https://jp.sputniknews.com/opinion/201809175347884...

 それについてムンの軍師を務めるムン・ジョンイン(文正仁)統一外交安全特別補佐官は、米国外交専門誌『フォーリン・アフェアーズ』(2018年4月30日)でこう書いています。

「平和協定が締結されれば、在韓米軍の持続的な駐留を正当化しにくくなる」(鈴置前掲)

この認識と一対なのが、北の考えです。 

北は、トランプがシンガポール会談で在韓米軍に触れて「すぐにではないが、朝鮮半島の米軍兵士を故郷に返す」と言った発言をとらえて、朝鮮中央通信(2018年12月30日)でこう述べています。

「朝米交渉の足かせになっているのははなにか。それはまさに「朝鮮半島の非核化」に関する米国の誤った認識である。
6月12日の朝米会談共同声明には明らかに「朝鮮半島の非核化」と明示されており、,「北の非核化」との文言はどこにもない
・米国はいまからでも朝鮮半島の非核化という用語の意味を正確に認識せねばならず、特に地理の勉強すぐにとりかからねばならない。
朝鮮半島という言う時、我が共和国と同時に米国の核兵器を初めとする侵略兵器が展開されている南朝鮮地域を含む。
朝鮮半島非核化と言うときには、北と南の領域からすべての核威嚇要因を撤去すると正しく理解しなければならない。
・そう考えた時、朝鮮半島の非核化とは我々の核抑止力をなくする前に、「朝鮮に対する米国の核の脅威を完全に撤去すること」が正しい認識である」
(朝鮮中央通信2018年12月30日チョン・ヒョン論説 鈴置訳 太字引用者)

 読み違える余地もなく、あからさまなまでに明瞭な北の意志です。

北が言っていることはあくまでも相互非核化であって、単独非核化をする気などみじんもないということです。

逆に言えば、北に非核化を呑んだということは、米国がなんらかの「朝鮮半島非核化」に合意することをシンガポールで口にしたということになります。

鈴置氏によれば、今まではこんな北の挑発的発言に対して米国政府は直ちに「合法的な米韓同盟と非合法の北朝鮮の核を取引材料にしない」と一蹴したはずですが、今回はなんの反応もないということが、その憶測を裏付けています。

思えば、米朝首脳会談後の記者との質疑応答の中で、トランプは米国は北朝鮮との交渉中は米韓合同軍事演習を中止すると述べ、「そもそも米韓演習は「大変費用がかかるものであり、グアムから飛来する爆撃機も「長い時間がかかり高額だ」と述べました。

そもそも合同訓練をしないような軍事同盟はありえません。同盟は、常に共同で相互の軍隊を動かすことで有事に対応できるのであって、ただのハンコを押した文書ではないからです。

ですから、たとえ一的的にであれ共同訓練をしないという米国の方針は、韓国を同盟関係で見ないという意味にほかなりません。

そしてその半年後には、同盟堅持を主張していたマティスの事実上の解任がなされます。トランプは「在韓米軍撤退はない」と言っていますが、信じるに足りません。

このように見てくると、在韓米軍撤収を現実スケジュールに組み込んだ米国と、非核化をテコにして在韓米軍撤退を視野に入れた北朝鮮、そして在韓米軍を民族統一の最大の障害物と見る韓国政府、といった流れが見えてきます。

米朝韓三者の意志は、韓国保守派の気持とは裏腹に在韓米軍撤退へとベクトルしているようです。

 

 

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コメント

文在寅が、主様の言われる在韓米軍の撤退、即ち米韓同盟破棄の方向性を隠さなくなったのが、旭日旗、「慰安婦」財団の解散、徴用工等の反日行為の連続に現れていると言っていいでしょうね。さすがに正面から米国との離反を唱えれば、反対する声はそれなりに出てくるでしょうが、日本叩きをする分には、李承晩以来の反日教育の成果で、表向き賞賛の声以外ないでしょう。そしてそれは、日本の協力無しに在韓米軍が有効に動けない以上、米国が半島を切り捨てるか、今までのように日本に譲歩を強要するかの判断に繋がっていく訳で、トランプ氏の今までの言動からは、後者になる可能性は低いでしょう。
ただ、文政権は、日本にせよ米国にせよ、自分からの縁切りを宣言することは絶対にしないでしょう。相手から「お前のところとは付き合えん」と言わせたい、そして「我々韓国は、日米韓の同盟から抜ける気は無かったが、平和的に朝鮮半島の平和を成し遂げたいだけの我が国からあくまでも対立を煽る国々が離れて行ったのだ。」といつもの被害者ポジションを取ることを目論んでいるのでしょう。
今回の文議長の発言で、それをあからさまにした困った隣国に対し、どうするのが一番我が国の国益に適うのか、冷静に考えるべきだと思います。
まあ、普通の国であれば、北が核実験をした段階で、「核放棄をしなければ、我が国も核の保有の検討を始めねばならない(持つとは言ってない)」とでも言って、慌てた周辺の核保有国が、北を押さえに掛かったはずなんですが・・・
戦後の間違った教育の成果が、日本にもある事が残念です。

セキュリティ・ダイヤモンド~インド太平洋戦略に加わらない道を、既に韓国は自分で選んでいますよね。
自称バランサー(笑)としては当然、まして日本が主導したものに参入なんてプライドが許さないもの。
個人的感想ですが、昨年末にアメリカで法成立となった「アジア再保証イニシアチブ」でも、そこから韓国がいなくなってもいい、というか韓国がいなくても大した問題ではないと想定されているような気が。
同イニシアチブに先駆けて「台湾旅行法」を成立させたように、肝要なのは別に韓国なわけではないと。
韓国からのアメリカ軍とアメリカの核引き揚げを結果的対価に与えても北朝鮮(統一朝鮮半島)から核を取り除けるなら、トランプ大統領的にはそんな俺かっこいい、な感じに出来るでしょうし、もう韓国が何を選んでも知ったこっちゃないどうでもいいことなんじゃないでしょうか。
丁寧に無視されるに十分値する実績を絶賛積み増し中の韓国がこの先どんな振る舞いを見せてくれるかは生暖かい楽しみではあるけれど、北に食べられる韓国を痩せさせていく制裁措置はして置いた方がいいと考えますし、我が国が最前線になる時が来ることを、真面目に話し始めなきゃなりませんね。

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