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2019年2月21日 (木)

ハードブレグジットの足音に脱出する日本企業

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ハードブレグジットの足音が近づいています。

このまま推移すれば、2月26日まで協議を続ける方針を示した英国政府が2月26日まで協議を議会と継続するという期限が過ぎ、3月29日のEUとの交渉期限切れとなってしまうというまったくみっともない結末が見えてきます。

英国にとって気の毒なことに、離脱協定案の修正をめぐる EU との協議はまとまることはないでしょう。

ここでEUが譲れば、押せば妥協するという悪しき前例を作ることになるからです。 

今、EU離脱の火の粉は、ご本尊のドイツ、フランスまでに広がっており、ここで弱みは一切見せないというのがEU中枢の堅い意志のようです。 

EU の堅い壁に当たって跳ね返ったボールは今英国側にあるのですが、英国には二つの選択肢しかありません。 

ハードブレグジット、つまり合意なき離脱か、メイ首相が示している現行の協定案を受諾するかのいずれかです。 

では、二度目のちゃぶ台返しで、離脱自体を止めるというのはどうでしょうか。 

現実には、国民投票のやり直しを求めるということになりますが、メイ首相は拒んでいます。 

メイを解任できればそれもありえるでしょうか、再任された以上このては使えません。

2018121400305592zaifxf0001viewhttps://m.finance.yahoo.co.jp/news/detail/20181214

メイが再任されたのは、彼女に代わってどうやっても叩かれることになる火中の栗をどの政党も政治家も拾わないからです。

英国は共通通貨のユーロには参加していないのですから、他のEU諸国とは違って独自の金融緩和政策をとる景気対策が可能です。

ならば焦ってブレグジットでこんな醜態をさらすくらいなら、移民問題などの不満な点はEU内部にとどまって変革したほうが上策だったような気がます。

国民投票などという愚かなポビュリズムをしたツケです。

前回沖縄の県民投票の時にも書きましたが、後先考えずにこんな国の運命を分けるような大事なことを、国民直接投票で決めてしまうからです。

直接投票の最大の欠陥は、その投票時の感情で左右されることです。

間接投票のように「政党」というショクアブソーバーがない分だけ、結果が良く言えば鋭敏、悪くいえば過剰に反応します。

いままでの沖縄の選挙で、選挙前に不思議と発生した米兵の犯罪ひとつで、空気ががらりと変わったことを思い出して下さい。

冷静に考えて一票を投じるのではなく、「お仕置きをしてやる」という気分で投票を決めてしまいがちです。

そしてその結果に、長い期間拘束されることになります。翁長知事を作った空気はデニー氏に受け継がれ、実に最長18年間にも及ぶことになりまた。

直接投票はセーフティネットなしで空中ブランコをするようなものなのです。 

沖縄県民の皆さん、英国のブレグジットを他山の石としてください。県民投票は棄権をしないで賛成に一票入れに行きましょう。 

Brexitmaphttp://www.newsdigest.de/newsde/component/content/...

さて話を戻します。英国に展開していた外国企業は一斉に離脱を開始しました。 

「英国が出て行く」ではなく「英国から出て行く」という意味でのブレグジットは既に始まっています。

1387300https://m.finance.yahoo.co.jp/news/detail/20181214

まずホンダが英国の工場を閉鎖すると発表しました。

「自動車大手のホンダは2021年中にイギリス南部にある工場での自動車の生産を終了する方針を正式に発表しました。世界的な自動車の生産体制の見直しの一環だとしています。
発表によりますと、ホンダは2021年中にイギリスの南部、スウィンドンにある工場での生産を終了し、閉鎖する方針を決め労働組合との協議を始めました」(NHK2019年2月19日)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190219/k10011820311000.html

元々ホンダは欧州市場は弱いためということもありますが、他の企業にまで同じ動きがでています。やや長いですが、各社の動向をご紹介しておきます。

「イギリスのEU離脱が迫る中、日本の自動車メーカーや電機メーカーの間では生産体制などを見直す動きが広がっています。
このうち日産自動車は今月イギリスで計画していたSUV=多目的スポーツ車の生産を撤回すると発表しました。
また、トヨタ自動車では、イギリスの工場に部品の在庫が生産の4時間分しかなたいめ、離脱による混乱で部品の納入に遅れが出れば工場の操業が停止するおそれがあるということです。
一方、電機メーカーのうち、ソニーはヨーロッパ事業を統括するイギリスの現地法人を通じて、日本やアジアの工場から輸入したテレビやカメラなどの製品をEU域内に輸出しています。(略)
また、パナソニックも、ヨーロッパでの本社機能をイギリスに置いていましたが、去年10月、機能の一部をオランダの拠点に移すなど、生産体制などを見直す動きが広がっています」(NHK前掲)

ブレグジットに関しては、自動車業界、電気業界の思惑は完全に一致しています。 

離脱の場合のEUとの間での部品や完成品の輸出入の条件変更はありえない、ということです。 

そりゃそうです。今まで無税でEU域内に輸出できたから英国に工場を置いたのであって、関税障壁が復活すれば、英国に投資する意味はなくなります。 

業界団体の調査によれば2015年には25億ポンドあった投資額は、2018年上半期には5億8900万ポンドへと激減しています。 

ブレグジットが決まる前から各社はシナリオを作っていたと思われ、静々と英国から出ていくというコースに入ります。 

これは日本社だけにかぎらず、他の欧米企業も同じ思惑であると考えられます。

現実には静々というわけにはいきません。大混乱となるでしょう。

これは英国とEU全域に広がる部品のサプライチェーンまでも再編せねばならなくなったからです。 

「英国で生産される自動車のおよそ半数が輸出されていました。自動車部品のサプライチェーンは欧州の自由貿易地域に広範にまたがっており、英国がEUに加盟しており輸出入の障壁がないことを前提とした生産が行われていました。
しかし、もはやそうした前提が成り立たなくなるのです。部品の供給が遅滞すれば、組み立てのラインそのものを止めなければならなくなってしまう」(エコノミスト2月19日)
 

たとえば、エコノミストは英国を代表するローバーMiniaを例にとっています。

「Miniの車を引き合いに出せば、一日に1000台のMiniを生産するオックスフォード工場では、一台当たり4000から5000の部品を使って完成するために、一日に400万個の部品を入荷しているのです。
それ自体ロジスティクスとしては難しいオペレーションだといいますが、この部品のうち5分の3がドーバー海峡を渡ってくるのです。部品はトラックで運ばれて生産ラインに直接荷下ろしされており、その順番までもが効率的に定められている。その流れが乱されれば、今の生産効率は到底維持できないわけです」(エコノミスト前掲)

日産の部品の85%は英国外ですし、他のすべての自動車会社は英国内外の(それも英国外のほうが多いのですが)サプライチェーンを遅滞なく回転させるために精密なプログラムを組んでいますが、これが根本的に破壊されてしまったことになります。

エコノミストは「多少の混乱では済まない」と書いていますが、そうだと思います。

悪いことには、この春は新車の販売開始にあたっていて、最悪のハードブレグジットの始まりとなることは必至でしょう。

ただし、日本にとって唯一の慰めとなるのは、日欧EPA ( 日欧経済連携協定)」がこの2月に発効していることです。

この日欧EPAによって、従来日本からヨーロッパに向かう自動車関税にかけられていた10%関税は、段階的に引き下げられて8年目には無税となります。

Photohttp://www.blossoms-japan.com/entry/2017/07/07/175...

なんのことはない日本から直接にEUに輸出しても、段階的に低くなり7年後には無税となるのです。

ならばブレグジットなどない(あたりまえだ)日本国内製造のほうがいいじゃありませんか。

とまれこのハードブレグジットによって、無関税を求めて欧州に出ていた日本企業にとって、英国のみならずEU域内に工場を展開させる意味はブレグジットで消滅したといえます。

日本企業にとって、勝手知ったる母国の地にこのような形で舞い戻ってくるとは夢にもおもわなかったでしょう。

これを期に、企業城下町と悪口を叩かれながら作ってきた、企業と国内の中小サプライチェーンのありがたさをかみしめることです。

今、英国がこの雪崩をうって出て行こうとする外国企業に歯止めをかけるには、ブレグジットの返上しかありませんが、ここまで状況が進んでしまえば、そうとうに難しいでしょう。

ブレグジットは、出て行かれる側にも出ていく側にも高いものにつきそうです。

ただし、国内で作ることの重さを国際企業が再認識することが出来れば、唯一の光明となるかもしれません。

 

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コメント

英国が孤立するのではない!
世界が英国から孤立するのだー!
オール・ハイル・ブリタァーニアァァーッ!!

なんて言っていられたのは100年前の話ですね(笑)

おや、さきほどあったコメントが消えていますね?
言葉は激しいですが私もその通りだと思います。
ページのキャッシュではまだコメントが読めるのでコピーして下に引用します。

豚コレラ酷いですねえ…
やはり自民の狗だから政権批判に繋がることは出来ないので国外の問題ばかり書き散らしているのかしらん(笑)
種子法廃止や豚コレラに押し黙るのならブログの名前から「農」の文字はずしたほうがいいです

津軽梨郷 氏、余計なことを。私はこのブログ主としての判断で削除したものを復元しないでください。
言うなら自分の言葉で言うこと。これが意見表明の大原則ではありませんか。

削除した理由は、記事となんの関係もない豚コレラとか種子法などのことで、しかも言うにことかいて、私のことを「自民党の狗」とか「虫」とまで呼んだなら、削除は覚悟の上でしょう。
一般社会で他人様に(それも面識もない)人にそう呼んだらどう言い返えされても文句はいえないんじゃないでしょうか。

私はこんな無知蒙昧粗暴野卑な人と関わりになりたくないから、黙って削除したまでです。
そもそもこの人物は他のHN を使って入ってくるようなペルソナ・ノン・グラータです。

この「国喰らう蟲どもへ」という人物はタイトルから農をはずせとまで干渉していますが、他人のブログ名にまでケチつけしてなにが楽しいのか。常識を疑います。
そういうなら、自分のセンスのないHNも止めてくれないでしょうかね

これはかつてこのブログが農業ブログだった名残にすぎませんが、改称するのは既存の読者に対してもうしわけないので残っています。
フジフィルム既にフィルムを作らなくてもその名が残っているのと一緒です。

豚コレラは、かつて宮崎口蹄疫を百数十回も連載した私にとって書くのは簡単ですが、肝心な感染ルートが解明されるまで待っていました。
そのうち農水省から報告書がでれば書いたかもしれません。

種子法は、なにが問題なのか理解に苦しみます。山田正彦氏とか三橋貴明氏のプロパガンダに踊らされた人と、自民をディスれるものならなんでも使うような人だけが騒いでいます。
自民はなんの関係もありません。

種子法は遺伝子組み換えとは無関係ですし、モンサントとも関係ありません。
県が保護すべき地場の種子は県段階で保管されています。

外国産の種が大量に入ってきて、支配されるというのも大げさな話で、既に外国産の種子は大量に入っていますが、それを入れているのはタキイなどの日本の種子会社です。
外国の環境のほうが、狭いわが国と違って種子の風倍を防げる適地を多いのでそうしているだけでのことです。

そもそも、豚コレラや種子法について分かって書いているのでしょうか?自民党と結びつけているようだと、日本の家畜防疫体制も種子の現状もなにもしらないで「書き散らしている」にすぎないとバレてしまいますよ。

私は無視してよいような流言蜚語の類だったので取り上げなかったまでです。そんなものをいちいち取り上げる義務はありません。

今、世界は動乱の淵にいます。だからできるだけ資料を読んで書き綴っています。
それを「書き散らす」ですか。苦闘したことがない奴だけが言えるセリフです。


津軽梨郷さん

 ありんくりん さんの方針に従うべきだと思います。消去したのも仕方のないこと。挙げられるテ-マは読みごたえあるものですから、こちらも勉強にはなります。農業関係も取り上げるだろうと思っております。しかし個人的には豚コレラは興味はありません。イギリスのブレグジット問題、どうなるのだろうかすごく関心がありますね。

偶然ですが、先日在沖英国人(スコットランド出身)と家族で夕食を共にしたのですが、その際に「ホンダ英国から撤退」のNHK-TVニュースを皆で見ました。氏は、英国の国民投票の際にも「残留」の意志を話してましたが、ニュースを見てため息をついておりました。詳しくは分かりませんでしたが、北アイルランドの問題などもあり、氏は表情が曇ってました。また、ブログ主様と同様に沖縄の県民投票に関して、風評や宣伝にまどわされることなく、確固とした判断基準を自身で考えて臨むべきだと話してました。また「辺野古埋め立てはNOなのに、浦添埋め立てはOK」な県の姿勢と詳細な説明のなさには、「何でなの?」と問うてきましたが、それは私も疑問なのです、知事に尋ねてみて!と、それがオチでした。

なんか、乱入者が来てたのね。。

個人のブログでお題違いなんだから、取り上げて欲しいのならば「種子法や豚コレラ問題についての見解を教えて下さい」とお願いするのが最低限のことでしょう。自民党云々は関係ありませんね。
まあ、管理人さんもコメントでサクッと答えてくれましたけどね。優しいなあ。

豚コレラはかなり不安だけどまだ様子見。ただ子豚を出荷した業者がグレーっぽいなどの情報はもちろん報道の通りに入ってますけど、そこに至るまでの経緯がまだ不明。
種子法に関しては私も「え、かつての亀の尾のような自家育種ができなくなるの?」と、疑問に思いましたが、今はまあだいたい納得してます。
質問や罵声を浴びせてきた側が、問題をどの程度理解して言っているのか、甚だ疑問です。

 英国議会はメイ首相の離脱案をのむべきでしょう。
離脱派はEUからの離脱について短期的な困難も想定していたはずで、それでも英国としての独自性を保つ事が自国の将来にとってプラスになると判断したのですから。

「国民投票」という事は一見最も民主主義的な作業のように見えますが、このような状況を見るにつけ「代議員の責任放棄だった」としか言いようがありません。

私はメイ首相にものすごく同情的です。体裁が良いだけのキャメロンの尻ぬぐいのため、自ら火中の栗を拾う姿勢と胆力は、英国流のnoblesse oblige(「高貴さは(義務を)強制する」そのもののように思えますし、保守主義の神髄を見るようでもあります。

とまれ、このような事態は経済的な問題に限ったとしても、英・EU双方に甚大な影響が出来します。
社会主義的妄想の観点で言えば、EU首脳は他の潜在的離脱組の抑えになると考えるでしょうが、長期的には逆だと思います。

全く一体なぜキャメロンは国民投票をしたのでしょうね?まあ歴史的に見れば今回のブレクジットはある意味歴史的必然であると思います。伝統的にイギリスはドイツやフランスを支配する勢力とは対立関係にあり、大陸ヨ-ロッパの政治とは距離をおくのがあの国の特徴ですから。

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