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2019年3月13日 (水)

「福島のものは食べない」と言う前に

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福島原発事故から1年間、当時の民主党政権のリスクコントロールの致命的失敗によって、広範な放射能パニックが生じていました。

日本の震災瓦礫を西日本で処理するために搬送しようとするだけで汚染を拡大する気かと反対運動が起き、被災地の瓦礫を送り火にしようとする善意の動きすら阻止されました。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-0375.html

人々は争ってガイガーカウンターを買い求め、東日本の食料を忌避し、母親による放射能学習会が無数に出来ました。

その教祖的存在になったのが、ほんの8年前すら忘れたかのように保守論客の顔をしている武田邦彦です。私はいまだこの男だけは許していません。

武田の当時の主張はこのようなものです。武田に忘れさせないために掲載しておきましょう。

原子力と被曝 福島で甲状腺ガン10倍。国は子どもの退避を急げ!
国は直ちに次の事が必要です。
1)高濃度被曝地の子どもを疎開させる(除染は間に合わない)、
2)汚染された食材の出荷を止める、
3)ガンになった子どもを全力で援助する、
4)除染を進める。また親も含めて移動を促進する。
5)「福島にいても大丈夫だ」と言った官吏を罷免し、損害賠償の手続きを取る。
日本の未来を守るために、大至急、予防措置を取ることを求めます。
2013年2月14日武田ブログ
http://takedanet.com/2013/02/10_6a83-1.html

関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-73da.html

彼は「東日本は住めない」「福島から子供を疎開させろ」「東日本の食物は食べたら死ぬぞ」などという流言蜚語を大量に社会にまき散らしました。
参考資料http://www.gepr.org/ja/contents/20150309-01/

これをまともに受けた数万の家族が自主避難者になったのもこの頃です。彼女たちは住み慣れた家と地域を捨て根無し草になってしまいました。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-f2f9.html

私の身近でも2所帯が西日本に逃げていきました。

残された「被曝」地で孤立する私たちに対しては、支援はおろか2011年春から夏にかけて激烈なバッシングが浴びせられました。

出荷物は東日本産であるだけで市場から追い返され、農家はトラクターで売れない作物を踏みつぶし、牛乳は地面に捨てられました。農家から自殺者すらでたのがこの時期です。

私のように自主放射線測定の結果をもとにして落ち着いて下さいと言おうものなら、社会の敵がここにいるぞとばかりに執拗なバッシングの嵐を受けたものです。

なおも発信を止めない私のブログには連日、「お前が農業を止めるのが一番の復興の道だ」とか、「お前は毒を送る無差別テロリストだ」というような罵詈雑言が連日浴びせられました。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-6638.html

復興を大きく遅らせたのは、この放射能に対する流言蜚語護とそれを拡散した朝日、毎日、東京などのメディア、さらにはそれをコントロールできなかった当時の政府の度し難い無能にあります。

さてそれから3年たって起きた「美味しんぼ」事件において、社会が落ち着きを取り戻したことがわかりました。

それだけ東日本、なかんずく福島の人たちは孤立と苦悩の中から努力と知見を積み上げてきました。

本来は正しい情報を与えるべき政府がまったく役に立たず、むしろ復興の足を引っ張るようなことすらたびたび行いました。

たとえばベラルーシですら13年間かけて漸減させた放射線食品基準値を、わずか1年で欧米の平時の基準値より低い値に設定するなどは、ただでさえもがき苦しむ現地の人間の傷口に平然と塩をなすり込むが如きことでした。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-4e0c.html

その象徴的な風景は、「被爆」地を訪れた枝野官房長官は防護衣に身をくるみ、平常の事務服で迎えた村長たちとゴム手袋をしたまま握手しました。

の防護衣姿自体が、「被爆」地は放射能汚染地だ、近づくなというメッセージになってしまっていることに気がつきもしないのです。

官房長官としてという以前の人間性の問題です。

この風評被害を拡大させた人物が、いままた性懲りもなく「原発ゼロ」を掲げているそうですが、片腹痛いことです。

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メディアすらも風評被害の一翼を担ってしまったために、現地で生活し生産することを選んだ私たちは必死に現実になにが起きたのか、どのような事態なのかを手探りで自ら突き止めるしか術はありませんでした。

教室で学ぶのではなく、今ある自分が首まで浸っている危機から学ばざるを得なかったのです。

特に残留セシウムと健康との関係、作物との関係について、心ある少数の農学者や放射線の専門家と共に科学的に解明してしていこうとしました。

2014年6月3日の記事を加筆修正して再録します。これは福島県産のコメから放射線が検出された事件の原因を調べた時のものです。

                                               ~~~~~~~

どうして低線量で高い線量がコメから出たのでしょうか?その理由も分かっています。 

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上図はカリと玄米中のセシウム濃度の相関関係を調べたものです。ちょっと専門的なのですが、こう報告書は述べています。
放射性セシウム濃度の高い米が発生する要因と その対策について - 福島県(Adobe PDF)

土壌中の交換性カリウム濃度がK2Oにして25 mg  K2O/100g以上であれば玄米中にはセシウムはほとんど検出されず、10mg/100g土壌以下であれば基準値超えのセシウムも多く検出される」(同報告書)ということがわかりました。

カリウムはセシウムと似た挙動をする元素ですが、これをあらかじめ田畑に撒いておけば、植物はそれを先に吸ってしまうので、セシウムをこれ以上吸えなくなります。  

ちょうど事故初期に出るヨウ素131の甲状腺への吸収を妨げるために安定ヨウ素剤をあらかじめ飲んでおいて、甲状腺ガンを予防するのと原理的には一緒です。  

カリウムは農業でよく使われる肥料だったために、放射能対策として利用する前から散布されていました。  

そのために、驚くほど放射性物質が作物に吸収されなかったのです。 

もうひとつは土壌の性格です。  

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 セシウムを固定する粘土鉱物が多く含まれる土壌では、セシウムは吸着固定され、玄米への移行割合は低くなります。(上図参照)

これは堆肥がよく入った土壌は、腐食物質(※)がマイナスイオン電荷なために、セシウムのプラス電荷粒子を吸着し、粘土質の細孔 に封じ込めしまうためです。
腐食物質 土壌中の植物質が微生物によって分解されたもので肥沃な土を作る基礎的成分のひとつ。

この粘土にセシウムが結合しやすいことは、農水省飯館村除染実験のデータにも報告されています。(下図参照)
http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/pdf/110914-09.pdf

放射性セシウムは粘土やシルトなど細かい土粒子に多く結合している。」(同報告書)002

つまり、粘土質の土は、電気的にセシウムを吸着し、物理的に封じ込めています。

ただし、同じ粘土質土壌でも上図のように雲母由来ではないモンモリロナイトなどはセシウム吸着力が低いので注意が必要です。

また粘土鉱物や腐食物質(が少ない砂質土は注意が必要です。よく11年産コメにセシウムが高い線量で検出された谷津田上部の沢水口田んぼは、砂質土壌が多かったようです。

ですから、ゼオライトなどの吸着補助土壌改良材を使用する場合、自分の畑や田んぼの土質をよく検査して見極める必要があります。

つまり、セシウム吸着性の高いバーミキュライトやイライト土質ならば、ゼオライトの補助はいりませんし、吸着性の低いモンモリロナイトならば使ったほうがいいでしょう。

とまれ、これで今までの測定で、同一地域において空間線量が同一なのにかかわらず、なぜ作物の放射線量が違うのか疑問視されていましたが、これで氷解したわけです。

ただ念のためにお断りしておきますが、これはあくまで 土壌線量自体を計測した場合には結果で現れません。

そりゃそうでしょう。「美味しんぼ」の山岡がいうように別にセシウムが「消滅」 したわけではなく、植物が「利用するのを阻止しただけ」ですから。

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                (スピリッツ24号より 無知を自慢している山岡)

これは本質的なことですが、現況で降下した放射性物質に拮抗した人間の営為を続けるためには、それが最善とまで言わぬにしても、次善の道なのです。

それを荒木田氏のように変に完璧主義で、「除染しても無駄だ」などと言ってしまえば、もう放射能に負けを認めたに等しいのです。次善を知るのは人の知恵です。

余談ですが、スピリッツ番外篇に「美味しんぼ」応援団で登場した「チェリノブイリへのかけはし」の野呂美加氏が、「EM菌で放射能が分解する」などというようなことを言っていますが、ナンセンスです。

ミミズなどの土中生物は、土ごと体内に取り込みますから、一定の封じ込めの役割をしますが、微生物は腐食物質を分解して団粒構造を改善することはあっても、それ自体で放射性物質を分解するわけではありません。

福島事故の陰で彼女のような疑似科学がはびこっています。ご注意下さい。

このように、セシウムの性格を知って、カリウムの施肥、土壌を粘土質にし、有機質を入れていく土壌改良があれば、セシウムなど「恐怖の大魔王」ではないのです。  

それは、下図の福島県2012年度の全袋調査という不撓不屈の記録にも現れています。  

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 全量全袋検査は既に1000万検体以上に達していますが、その中で基準値(100Bq/kg)超えはわずか71袋、0.0007%でした 

逆に言えば、99.9993 %は安全でした。  

この結果を見れば、先日のコメントにあったような、「全国に送られて放射性物質は拡散し続けます」「税金など使わずにさっさとやめろ」などというバカな暴論は吐けないはずです。

どうも反原発派や低線量被曝脅威派は、不安情報にはトリビィア的に詳しいようですが、自然の働きとなるととんと無知なようです。 

武田氏は土壌のことなどまったく無知ですからね。

低線量被曝脅威論者の皆さん、もう少し放射能と自然の摂理を基本から学べば、気が楽になります。

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コメント

震災の教訓の中に放射性物質への誤解で生じた被害の反省がないこと自体大問題なんでしょうね。そもそも原発事故を想定した避難マニュアルが存在しないと事が日本の社会の問題点なのでしょう。

武田邦彦氏については、ナンチャッテ科学者ぐらいにしか思っていませんから、彼の出る番組はほとんど見ないか、彼のコメントは飛ばしてみてますけど。

今年は3月11日を福島で過ごしました。
お米が最高に美味しくて、何度もおかわりしましたよ。
お野菜もお肉もお蕎麦も本当に美味しかった!
風評被害が無くなる事を心から願います。

「彼は「東日本は住めない」「福島から子供を疎開させろ」「東日本の食物は食べたら死ぬぞ」などという流言蜚語を大量に社会にまき散らしました。」
私は放射線関連の国家資格を持っています。震災当時、武田邦彦なる大学教授で原子力の専門家が、それまで原子力推進派だったのに身を翻し、科学技術に全く矛盾するデタラメを言いふらすのには本当にあきれ、その人間性を疑いました。慰安婦問題の福島某と同様、事に乗じて自分をマスコミや世間に売り出すのが目的だったのだと思います。専門家でもこういう人物を信用してはいけません。

専門外だったり門外漢だったりな者でも、ブログ主さんやコメントの皆さんの記述内容をきっかけにして得られる知の喜び。

武田邦彦氏ほか、自分が間違ったようだと気付いたり、主張を変えたり転向したりでも、その根拠やきっかけの具体的な話ができればよいのになぁ…と。
学者にすらそれができないなら、毎日新聞グループ・ホールディングス取締役・小川一が「チリ大地震とスマトラ大津波とチェルノブイリ事故とシリア難民が同時に発生したような東日本大震災でした」なんてツイートで知の低レベルを晒しておいて、削除しても説明はしないのもまぁ、宜なるかな。
札幌医科大学の高田純教授が以前中共の桁違いな核実験による被害を調査し、NHKの礼賛番組で核実験影響下にある楼蘭へ旅行した多くの日本人の健康被害の可能性を警告したのを以ってして、高田教授が調査の結果「福島は大丈夫」と言うのを変節!ダブスタ!と攻撃した人々を思い出します。
誰かが、自分が、目の付け所を誤る・意図的に或いは反射的にずらす…うっかりすると落とし穴がいっぱいです。

本文中にEM菌のことが出ていましたが、ちなみに「EM菌」て学術用語ではなくて商標なんですよね。
EM菌研究を否定するものではありませんが、みたいに当たり前のことも言及しておかないと、ずれた文句がありがち、というのもホントめんどくさいですが。

ご興味とお時間のある方は、きっかけ・ご参考のひとつに、本文から寄せられたコメント・質問まで含めてこちらをどうぞ↓
http://www.sciencecomlabo.jp/health_goods/effective_microorganisms.html

科学では情報の何処に目をつけるのか、科学と宗教、そんなことを考えさせてもらえます。

ああそう言えば私、牡蠣がこの世で最も好きな食材のひとつで、広島産も三陸産も、人に言ったら引かれるかもしれないペースで長年食べて来ていますが、有難いことに元気だなぁ。

おととい青山繁晴参議院議員が虎の門ニュースで言ってましたが、原子力規制委員会の正式なコメントでも福島原発事故の犠牲者はすべて災害関連死で、放射線障害で治療を受けた人もいないのです。彼は一貫してそれを主張してきたし、現地にも足を運んでいます。

武田教授をはじめ、放射能の専門家を名乗る学者はみんな現地を見ていない。口先だけの人間に過ぎない。

当時の最大の問題は、低線量被曝に対する影響で「統計学的に“有意差が無い”」ことの解釈の間違いです。左翼リベラル勢力はこの有意差が出なかったデータを“影響はわからない”と解釈し、これによって膨大な風評被害がもたらされたのです。ポイントはここです。

統計的検定(仮説検定)とは“差がある”ことの判定しかできません。したがってデータ上「有意差がある」と判定できなかった低線量被曝は、「影響が無い」と解釈すべきなのです。このことに対し数学者が沈黙したのは許されざることだと考えています。

毎日のようにこのブログで勉強させて頂いております。
福島の問題は当時小学生だった孫の言葉が毎年この時期になると思いだされます。

おばあちゃん、この人達は今地球上で自分たちは生きている事が、地球には自然にきれいに取り除いていく力がある証拠だと思わないのかなぁ。
だって地球は生まれた時から今でも絶えず放射線は降り注いでいるし、放射能だってどこででもあるじゃん。例え人間に害が無い量でも浄化されないで貯まるだけだったら、今地球はないよ。

広島や長崎の人達も東京の僕達と同じように生きているのにね。

テレビの人達馬鹿じゃないの。

こんな内容の言葉だったと思います。
その後ブログ主様の記事を孫に読ませましたが、難しくて余り理解はできなかったようですが、
自然浄化は
ほらやっぱりね。と納得したようです。

小学生の意見に、いまだに、納得している、おばぁです。

このブログに書き込むような内容とはとても思わないのですが…

この孫に少しだけ救われた気がしたものですから。

専門的には間違いだらけだと思いますが、小学生の意見としてみていただければ。
おばぁも全く同じ考えでおります。
この年迄元気に生きておりますから。

記事中の枝野の写真をエピソードを添えて何度でも永遠に拡散してほしいです。それが反原発信仰派や彼らと同じ意見の方々の象徴であり本性。枝野は真っ先に家族を海外へ避難させたとか。そのような人としてどうかしてる方がポスト安倍総理とかどこぞ帰化人幹事長が仰ってましたがそれこそ悪夢です。でも解りやすい。彼らの意見は真逆が正しい道なのだから。すみません、愚痴です。

追伸、春らしいさわやかなデザインに癒されました。

 福島産の食品は何の問題も無いのに避けるのに、半島産の汚物や寄生虫まみれに食品に付いては「かえって免疫量が付く」と噴飯ものの発言を平気でするのですからマスゴミ業界人の衛生観念は我々庶民の一般常識からかなり乖離してるみたいですね。

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