韓国「徴用工」裁判の資産の差し押さえは知的財産権の強奪計画か
韓国の「徴用工」裁判の差し押さえの詳細が、少しずつ分かってきました。想像以上に危険な動きです。
「太平洋戦争中の「徴用」をめぐる韓国の裁判で、原告側が三菱重工業のロゴマークの商標を差し押さえていたことが分かりました。
韓国特許庁のホームページによりますと、差し押さえられた商標は、三菱重工の英語表記の頭文字「MHI」をあしらった2つのロゴマークです。
原告側が商標を売却する手続きに踏み切った場合、韓国内でロゴマークを使用できなくなるおそれもあります。
この裁判の原告側は、去年11月に三菱重工に賠償を命じる判決が確定して以降、賠償に関する協議を求めていましたが、三菱重工側が期限までに応じなかったとして、今月、韓国で保有する商標と特許合わせて8件を差し押さえたと発表していました。
対象となる商標と特許は8億400万ウォン(およそ7800万円)に相当するとしていましたが、商標と特許の詳しい内容については明らかにしていませんでした」(NHK月28日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190328/k10011864691000.html
NHK前掲
従来、徴用工原告団の意図は8億4千万ウォン(7800万円)相当のカネを得ることだと思われていました。しかしどうもそうではないかもしれません。
もちろんカネを日本企業からむしり取る目的で原告を集めたわけでしょうが、むしろその意図はその先にあるようです。
私がこの「徴用工」裁判で当初から疑問に思ってきたのは、真っ先に特許という知的財産権を差し押さえに走ったことです。
現金化するなら、なにもこんなこんな売りにくいものを差し押さえる必要はないわけで、三菱重工や新日鉄住金、不二越の土地建物といった不動産や製品を相当分押えててしまえば簡単なことです。
不動産なら買い手もすぐに見つかるでしょうから、換金がすぐにできてしまいます。
さっさと売って原告に分配してしまい、弁護士は大枚な手数料を得て、日本が国際司法裁判所に提訴しているうち売り抜ける、これがもっともイージーな方法ではありませんか。
にもかかわらず、売り手が限定される知的財産権だと買い手探しに手間がかかりすぎてしまいます。
おそらく、今原告団が差し押えた物件を換金できないのは、ここに理由があります。
よく思われているように、日本の報復が恐ろしいからためらっているということではなさそうな気がします。
特許は韓国で申請された日本企業の特許ですから、韓国国内でのみ使用するしかありません。
それでいいのです。
そもそも彼らは特許を海外に売る気など初めからないし、韓国国内で売りさばいてしまう気だからです。
なぜなら、おそらくこの差し押さえた日本企業の知的財産権の売り先は前もって決まっている可能性すらあり、それは日本企業と競合関係にある同業会社のはずです。
今停滞して見えるのは、価格交渉などの条件面で折り合わないのかもしれません。
たとえば三菱重工が差し押さえられたのは、こともあろうに発電所のタービンの特許です。これは三菱重工が誇る世界最先端の技術です。
三菱重工のHPをみるとそのすごさがわかります。
世界中の天然ガス焚 火力発電所に高稼働率を保証するサービス | 三菱重工https://www.mhi.com/jp/expertise/showcase/column_0014.html
発電所用蒸気タービン 三菱重工HP
「火力発電所で、電力が作り出されるとき、何が起こっているのでしょうか。
天然ガス焚き火力発電所の心臓部であるガスタービンでは金属も溶解する1,500℃以上の温度に達した燃焼ガスが、膨張しながらタービンブレードと呼ばれる特殊合金の翼に吹きつけられ、3,000回転/分以上の高速で回転。その強大なチカラが軸の先につながる発電機へと伝わり、電気エネルギーに変換されます。ガスタービン単機での出力は主力のG形ガスタービンで33万kW前後。実に約4万世帯の電力をまかなえる計算です。いったん稼働を始めたタービンは長期間の運用が求められ、究極の堅牢性と信頼性が試されます。
世界に先駆け、燃焼温度1,600℃級を実現したJ形ガスタービンはその代表格と言えるでしょう。
そして、ガスタービンの排熱を利用して蒸気タービンによる二次発電を行う「ガスタービン・コンバインドサイクル発電(GTCC)」に、この新世代機を適用すれば、世界最高水準の熱効率(60%以上)と、世界最大となる出力46万kWもの発電量を得ることが可能になります。
火力発電の新たな可能性を示すこの成果は、技術へのあくなき探究心と膨大な経験の蓄積なしに成し得ないものです」(三菱重工HP)
三菱重工は6ツの特許を押えられており、その中にはこの先進的蒸気タービン特許も含まれていると見るのが自然です。
この技術を用いて、既に韓国企業に対して納品実績があります。今火力発電は技術革新のまっただ中にあります。
各国は発電効率が飛躍的に高まる新たな火力発電に急速に移行しつつあります。
この心臓部にあたるのが蒸気タービン技術です。このような高度なタービン技術を持たない韓国企業にとって垂涎の的であることは想像に難くありません。
この特許を買い取れば、「合法的」に三菱重工製の蒸気タービンと同等のものを製品化可能です。
そしてもうひとつ押えられたのは三菱重工の商標です。これも大変にきな臭いものです。
この商標がスリーダイヤモンドでないのは意味深長です。そのような三菱グループの統合商標などは不要だからです。
必要なのは「三菱重工」そのものの商標ロゴだからです。
「ソウル共同】韓国で元朝鮮女子勤労挺身隊員らが三菱重工業への勝訴を確定させた訴訟を巡り、原告側が差し押さえた資産に同社のロゴマーク「MHI」の商標権も含まれていたことが27日、分かった。同社関係者が明らかにした。今後、原告側の申請により売却が完了すれば、同社は韓国内でこのロゴマークが使えなくなる。
スリーダイヤで知られる三菱グループの代表的なロゴマークは差し押さえ対象ではないという。同社関係者は、ロゴマークが差し押さえられたことについて「この問題は(日本と韓国の)政府間で対応している。われわれは静観するしかない」と話した」(3月27日共同)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190327-00000219-kyodonews-int
三菱重工が静観しているせいか、三菱重工のロゴを韓国で使えないだけだからなんの実害もないさ、という妙な楽観論が広がっていますが、間違っていると思います。
韓国の意図は韓国内で三菱重工のロゴを使わせないところにはないからです。
推測の域をでないとお断りしておきますが、先ほどからの流れを見ると、既に知的所有権の売り先は決まっていて、その上に商標権までセットで売ると思われます。
その場合、この特許と商標をセットで買い込んだ韓国企業の意図は明らかです。
それは三菱重工の世界最先端の蒸気タービン技術を使って、ご丁寧に三菱重工の商標をつけて「合法的」に海外に製品出荷することです。
とうぜんのこととして、このコピー商品は、研究開発費もかからず、更に韓国製品お定まりの素材や行程に大いに手を抜き、それをダンピング輸出するでしょう。
しかし、いかに手抜きのコピー商品であろうと、世界のブランドの「三菱重工」のホンモノのロゴつきです。これで売れないはずがありません。
もちろん超高温に耐えるタービンブレードなどの製造は、いかに特許を獲得しても簡単にコピーできるとはおもえません。蒸気タービンといっても材料や冶金技術にまですそ野が広い技術だからです。
おそらく今の韓国にはこの技術がありませんし、それは三菱重工の技術を読んでもできないでしょう。
ただしポスコなどの企業にはあるていどその技術があるようですから楽観はできません。
とまれ三菱重工は猛然と抗議するでしょうし、法的措置に及ぶでしょうが、長期に及ぶ裁判の間に技術を完成させてしまい、さっさと売り抜けてしまえばいいことで、これはアップルをコピーしまくって巨富をなしたサムスンがよくやってきた手口です。
韓国はこのような詐欺的商売に関しては世界有数のエキスパートだということをお忘れなく。
このように考えてくると、「徴用工」裁判とは、慰安婦問題のようにただのカネ目当ての貧困ビジネスではなく、長期間準備された極めて悪質な歴史問題を手段とする知的財産権奪取計画のように思えてきます。
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一方的に仕掛けて来てこんなことやって、議長さん(知日派)が「盗っ人猛々しい!」とかいきなり言い出すんだから、まあ繋がってますね。知日派なのに日本語間違ってますよっと。
国政レベルでこんなんばっかりですから、もうやはりあの国はアホなのか!いわゆる火病ってヤツか。と。
ロビーや宣伝でも上手く行かないから、忌日・損日のためならとうとう「死なばもろとも!」なのか?
こんなことやったら国際的信用ガタ落ちするだけだと思うが。
さて、どうしたもんかね三菱鉛筆!
日本の知識層ですら「戦犯企業のグループだから、三菱の鉛筆なんか買うな!」なんて言う先生がいたり。。マスコミも突っこみが浅かったり。夕刊フジとかね。
今日の記事のような先読みは貴長だと思います。
投稿: 山形 | 2019年3月30日 (土) 06時13分
長く断りもなく御無沙汰をしており申し訳ありません。その理由は、畑作業中思わぬ事故を引き起こしただ今入院中であるためです。
久しぶりに本ブログを拝見し、記事の格調の高さに感動し、また勉強しなければとの思いは高まっております。多くの記事はまだ読んではおりませんが、ありんくりんさんと仲間の皆様の息吹に再度触れることが出来そうな気がしております。近いうちに退院できそうですので、またよろしくお願いします。
とりあえず、近況をご報告しておきます。
投稿: ueyonabaru | 2019年3月30日 (土) 10時48分
「三菱鉛筆は、三菱財閥とは関係がない」というのはトリヴィア的常識であると思っていたのですが、そうでもないのか。
投稿: 仙 | 2019年3月30日 (土) 11時06分
いつも楽しみに拝見しております。普段はROM専です。
韓国製ニセもの三菱、当然日本の三菱も黙っていないので、仮に合法的に取得したパテントを利用していたとしても、韓国が世界に恥を晒すだけのように思います。高度なものほど本物と同じには作れないでしょうし、何よりメンテナンスができません。カナダでかつて一時爆発的に売れた現代自動車が、すぐに見向きもされなくなったのはメンテナンスの欠如が原因だったと思います。
何でもパクって手っ取り早く利用しようするのは、韓国の素の姿だと思います。書かれているようなことが実際に起こったら、日本は嫌韓ではなく断韓に進むでしょう。日本にとって貿易黒字第2位の国ですから痛手はあるのでしょうが、私は断韓で良いと思います。
投稿: 白雲斎 | 2019年3月30日 (土) 11時38分
相模吾です。徴用工問題では韓国がとうとう実力行使に来ましたね。口でワーワー行っている間はともかく、こうなると完全に戦いです。国と国民の安全を守るのが国防なら、経済活動も当然含まれます。技術を盗む、特許を押さえる、エネルギーや資材供給を妨げることは程度の差はあっても戦いです。 私は戦争は否定します。大陸と半島との永い歴史があるからです。しかしながら韓国の言う「過去を直視して反省」をというのは、現在を過去に持ち込むことと同義で何十年前の出来事で、現在と未来に行うことを規制するものです。日本の歴代の為政者が反省の弁をのべ、戦後補償を尽くしても、誠意が足りないと言われれば、どんな尺度で測っているのかと言うしかない。日本の実力行使には、大使の召還、国際機関への提起または裁判をする時期かもしれません。
投稿: 相模吾 | 2019年3月30日 (土) 12時20分
相模吾です。すみません。前文言葉が足りなくて。普通は過去の歴史を見ることは悪かったこと、良かったことを分析して現在、未来に生かすことと理解していますが、韓国のそれは、現在の価値基準で過去を判断して現在と未来に適用しようとする。の意味です。しかし戦後75年経過してなおこの状態は、いくら「恨」の国民でも異常を通り越している。
投稿: 相模吾 | 2019年3月30日 (土) 12時37分
今日の記事を読んで、リベラルな方々や伊達に法律に詳しい人達は「あり得ない話」、と一蹴するのではないでしょうか。なぜなら、韓国の民法や刑法・憲法・民事執行法は日本の法体系をそのまま統治時代から継続されて成立しているものだからです。
あるいは差し押さえ対象物を現金化する段階となれば、公売を経て差押え財産が日本側に完全な形で戻る事を想定しもするのでしょう。
しかし、そもそもこの差し押さえ範囲というのは、数千万の対象に対しては明らかに「過剰差押え」です。立場を入れ替えてみるならば、このような範囲では日本の裁判所で認められる事は絶対ありません。そこをあえてする今回の差押えは、記事にあるような底意が存在すると考える方が自然です。
ですから、リベラルな方々や日本の主要新聞のように、これまでの韓国司法の延長線上で考える事はできません。
問題は今回の徴用工判決でもわかるように、日韓間の司法領域における「相互承認」が韓国側により一方的に失われている事です。そうなると韓国内の日本企業の経済活動は事実上不可能です。
アングラ的商売を得意とする商社は別にしても、メーカーなど健全な企業は韓国内での商売は非常な危険を覚悟しなければなりません。
そうであれば「断交」をわざわざ宣言しなくとも、事実上の断交は避けられない事態となるでしょう。
総じて、韓国が自ら「国のカタチ」を変えてしまうという挙に出ている以上、それは仕方のない事です。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2019年3月30日 (土) 16時39分
: ueyonabaru さん。そうでしたか、大変でしたね。農作業の事故ですか。農作業は機械を使うので危険です。私なんぞ何度やったことか(自慢にならん)
とまれ、ご自愛下さいね。
今日の記事は最悪シナリオですから、このままで推移するとはおもえませんが、こういう可能性もあるということです。
韓国はとうに一線を超えていますから、あらゆる可能性を考慮すべきです。
投稿: 管理人 | 2019年3月31日 (日) 04時47分
ueyonabaruさん。
農作業事故とは・・・とりあえずお大事にです。
こちらは昨夜からまた雪降ってますけど、これからトラクター転落などの大事故が多発する時期です。お気をつけて。。
仙さん。
数年前にネットで商標権の話題になるまで、無条件にグループ企業だと信じてた人が多かったですけど、
まあ最近は流石にほとんどいないんじゃないかと。が、国内以外じゃ「スリーダイアモンド」ってだけで誤解するのがデフォではないかと。。
投稿: 山形 | 2019年3月31日 (日) 05時57分
それにしても日本政府の態度にはあきれます。これだけのことをやられてもなお イカンイカン ウケイレラレナイ とか 日本政府は企業を全力で守る とか 手の内は見せられないとかの 言うだけ番チョーです。本当に国益を守れない政府なら お仕置きが必要です。(交代せよと言えないところが情けないですね。交代要員がいない。中継ぎすらいない・・ニッポン。)ああ・・。日本のトランプよ出でよ。
投稿: 保守太郎 | 2019年5月 4日 (土) 07時30分