北朝鮮の契約不履行でふり出しに戻った朝鮮半島情勢
おそろしいまで使いにくくなった管理画面で書いています。ここまで全面的に書き込みフォーマットを改変するなら、もっと丁寧なフォローが欲しいものです。老舗にあぐらをかいてユーザーをないがしろにするニフティです。
さて福島事故について整理をしている間に、北朝鮮情勢が動きました。いや、急速に元の場所に「戻った」と評するべきでしょうか。
「[ソウル 15日 ロイター] - ロシアのタス通信によると、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官は15日、北朝鮮は米国との核協議を停止することを検討していると述べた。平壌での記者会見で、北朝鮮は米国の要求に屈するつもりも、そのような交渉を持つつもりもないと語ったという」(ロイター3月15日)
https://jp.reuters.com/article/north-kora-nuclear-talk-idJPKCN1QW0DV
思い出していただきたいのですが、シンガポール会談直前にトランプが「もう止めだ。中止、中止」と言い出したことがありましたが、そのきっかけを作ったのが、この人です。
その直接のきっかけは、事前協議の責任者であったチェの、「副大統領は馬鹿間抜け」、「核対核で対決」でしたから、鋼鉄製の心臓です。北との拉致問題協議を求めて、非難決議をネグるようなどこかの国のひ弱な外交官にも少しおすそ分けして欲しいほどです。
このチェの役割はおそらく北の本音をあからさまに言うことだと思われます。
「北朝鮮の崔善姫外務次官は24日、ペンス米副大統領が米メディアに「北朝鮮がリビアの轍(てつ)を踏むことになる」と語り、合意に応じなければ体制転換もあり得ると示唆したと批判。
「米国がわれわれと会談場で会うか、『核対核の対決』で会うかは、全面的に米国の決心と行動に懸かっている」と述べ、米国をけん制していた。
ポンペオ国務長官は24日、上院外交委員会の公聴会で、北朝鮮の最近の発言を「残念に思う」と強調。また、北朝鮮側から返事もなく、首脳会談の準備ができなかったと明らかにした。ロイター通信によると、米政府当局者は、ペンス氏批判が中止判断の決定打になったとの見方を示した」(時事通信5月25日)
チェは北朝鮮政府は「米国に対話してほしいとお願いなどしないし、会談に出席するよう説得もしない」(BBC5月24日)とまで言い切っています。
これだけのことをひとり独裁国家の北が、一外交官に言わせるとは思えないので、チェの役割は本音で米国を攻めて、ハードルを持ち上げるだけ持ち上げて、ボスが本番でそれを多少マイルドに落としてみせるということのようです。
もうダメだ、もうオシマイ、さぁ戦争だ、戦争だ。困るのはお前らだ、と叫んで妥協を引き出そうとする北の伝統的瀬戸際戦術です。
で、またぞろ飽きもせずに瀬戸際戦術です。チェが元気よく「もう交渉なんかしない」とハネています。
そして今度は後ろでは核ミサイルの開発が継続されています。そもそも北はハノイ会談の核弾道ミサイルの開発を停止したことはありませんでした。
「(CNN) 国連安全保障理事会はこのほど、機密報告書の中で北朝鮮について、国内の核・ミサイル兵器を移動させて米軍による攻撃を受けないよう隠していると指摘した。
半年ごとにまとめられるこの報告書によると、北朝鮮は核・ミサイル開発プログラムを依然継続しており、その姿勢に変化は見られない。トランプ米大統領は先週、北朝鮮との非核化を巡る交渉について「ものすごく進展している」と明言。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との2度目の米朝首脳会談も、月内に開催される見通しとなっている。
国連当局者の1人は、報告書について「北朝鮮が一貫した傾向のもとで核・ミサイル兵器の製造、保管、試験のための施設を分散させている証拠を示すものだ」と述べた」(CNN2019年2月6日 画像も)
「2 米国と北朝鮮は、朝鮮半島の持続的で安定した平和体制の構築に共に取り組む。
3 2018年4月27日の板門店宣言を再確認し、北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化
に向け取り組む」
イージスアショアの配備がまだ先な以上、日本にとって喉元に突きつけられた刃物はそのままです。むしろヤケのヤンパチで正恩が撃ってくる可能性もまったく否定できませんから、一概に軍事オプションでスッキリしたと思わないことです。
え、韓国はですか。もちろん論外です。軍事機密を漏らして、攻撃に反対することだけが仕事だと勘違いしている「同盟軍」などまったくアテになどしていません。日本に通知した後に、おっと忘れるとこだったとばかりに開始1分前通告でしょう。
■写真はカカオの花です。かわいいでしょう。
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これは痛切なるトランプへのラブコールなのではないですか?
核開発にいそしむだけでなく仮に実験でも始めようものなら、これまで文在寅とタッグを組んできた「平和愛好者像」的演出が台無しになるだけでなく、しがみつく文在寅がまず失脚するしかありません。
「振り出しにもどった」のではなく、正恩はいよいよ出口を塞がれましたね。
暴発すればもはや国際世論は正恩に同情票は集まらず、米国による局地攻撃に正当性を与えてしまいます。
ですけど、「時間」はもう日・米・欧などの非核化勢力の味方だとハッキリしました。
無理な対話などせずに、しばらくは徹底した制裁強化で締め上げる事が肝要です。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2019年3月22日 (金) 23時24分