ムンヒサン議長殿いわく、日本は「見指忘月」だそうです
天皇謝罪要求発言で、日韓関係に最後のとどめを刺してしまった格好の、あのムン・ヒサン(文喜相)韓国国会議長が日本との関係改善を狙っているいう報道があります。
「文喜相氏、「見指忘月」日本に水面下外交…最多当選議員・徐清源氏の派遣を検討
慰安婦賠償判決などで悪化の一途をたどっている韓日関係で和解の突破口を用意しようとする試みが国会で進められている。文議長がその中心にいる。文議長は与野党重鎮級の議員が日本を含めた海外の国々に「水面下外交を行うTF(タスクフォース、作業部会)」を推進している。
国会の李啓聖(イ・ゲソン)報道官は「韓日議員連盟次元で訪日を推進している。今、韓日関係が悪化して、議員連盟の関係も切れてしまっているため、今回の機会を通じて懸案に対する話を交わすことができるとみている」と説明した。
国会でこのような動きがある渦中に、日本の産経新聞は18日、「文議員が日韓関係の修復を図るために日本に特使を派遣する意向を日韓議員連盟側に示している」と報じた。同紙は「(特使派遣などには)6月に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議を前に事態の収拾を図る狙いがあるとみられる」とし「ただ、発言に対する日本側の反発は強く、特使派遣が実現するかどうかも含めて不透明な情勢だ」と伝えた」(中央日報4月19日)
https://japanese.joins.com/article/513/252513.html
ムン・ヒサン国会議長
ここでヒサン氏が言っている聞き慣れない「見指忘月」という言葉の意味を吟味してみましょう。なかなかどうして笑えますよ。
「見指忘月
月を示そうと指さしても、肝心の月を見ないで指を見る。道理を説き聞かせるのに、本旨を理解しないで、文字や言葉の端々にばかりこだわることをいう」(デジタル大辞泉)
なるほど、なるほど。ヒサン氏は日本に「道理を説き聞かせた」が、日本が「本旨を理解しないで、言葉の端々にばかりこだわった」ので、説明に行って「本旨」を分からせてやるということのようです。
日本が本旨を理解していないですって?はぁ、いえいえ、しっかりと理解させて頂いておりますですよ。
「指」が陛下ですね。
ヒサン氏がなんと言ったのか、もう一回思い出してみましょう。
「文氏は「発言の趣旨は『戦争犯罪や人倫に関する罪は時効がない。ドイツが敗戦国でも欧州の長なのは、全ての問題に謝罪し、現在も続けているからだ。心のこもった謝罪が最も重要だ。安倍晋三首相や安倍首相に準じた日本を象徴する国王(天皇)が慰安婦のおばあさんを訪ねて、申し訳なかったと一言言えば、根本的な問題が解決する』という話だった」と述べた」(朝日3月27日)
https://www.asahi.com/articles/ASM3W3GB4M3WUHBI00S.html
おいおいです。論評にも値しませんが、一本記事を書いてしまっているのて、よろしかったらそちらをお読み下さい。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2019/03/post-dca5.html
この部分だけを抜き出せば、朝日が言い続けてきた「戦争謝罪は終わらない」論と五十歩百歩ですが、実はムンはこの元ネタであるブルームバークとの会見でこんなことも言っていることがバレてしまいました。
「一言でいいのだ。日本を代表する首相かあるいは、私としては間もなく退位される天皇が望ましいと思う。その方は戦争犯罪の主犯の息子ではないか。
そのような方が一度おばあさんの手を握り、本当に申し訳なかったと一言いえば、すっかり解消されるだろう」と語った」(ブルームバーグ2月28日)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-02-08/PMLGIP6KLVR801
ムン氏は「戦犯の息子などと言っていない」と言い逃れをしましたが、怒ったブルームバーグ側がインタビュー音声まで公開してしまい、文字化しています。
https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-02-11/top-japan-diplomat-warns-south-korean-lawmaker-on-emperor-remark
ミゼラブルですね。日本国民が新しい元号と天皇の即位を言祝いでいるこの時期に、あろうことか今上陛下に対して「戦争犯罪の主犯の息子に謝罪させる」とまで言ってのければ、どうにも言い逃れはできません。
またこの発言を鎮静化させるつもりか(笑)、はたまたオレは月を指しているのに、お前らは指をみている馬鹿どもめと哀れんだのか、「陛下が訪韓を自分に依頼した」ということまで口走ってしまいました。
護憲の教科書的存在であられた今上陛下が、こんな国事行為を逸脱する案件を、外国要人に個人的に依頼するはずもなく、宮内庁から「面会したことさえない」と一蹴されました。
会ってもいないのに陛下のお言葉が聞こえるとはすごい。幻聴ですか。
日本人の感性からすれば、暴言を白々しい嘘で上塗りするか如き所業で、これだけでこの人物の評価は定まってしまいます。
ま、この間のレーダー照射事件などの七転八倒ぶりの言い訳をみると、韓国ではこれでリッパに通用するとみえます。
もはやヒサン氏にできることは限られています。
ヒサン氏の言葉をそのままお返しします。「本当に申し訳なかったといえば、すっかり解消される」のです。
それを今度はなんですって、「見指忘月」、オレは月を指したが、日本人は馬鹿だから指先を見て怒っていやがる、ですか。
またまたいっそう燃え盛る日韓関係に燃料をぶちまけましたね。
またヒサン氏は議員外交とやらをしたいらしく、特使派遣も視野に入れているという報道もあります。
「国会の李啓聖(イ・ゲソン)報道官は「韓日議員連盟次元で訪日を推進している。今、韓日関係が悪化して、議員連盟の関係も切れてしまっているため、今回の機会を通じて懸案に対する話を交わすことができるとみている」と説明した。
国会でこのような動きがある渦中に、日本の産経新聞は18日、「文議員が日韓関係の修復を図るために日本に特使を派遣する意向を日韓議員連盟側に示している」と報じた。同紙は「(特使派遣などには)6月に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議を前に事態の収拾を図る狙いがあるとみられる」とし「ただ、発言に対する日本側の反発は強く、特使派遣が実現するかどうかも含めて不透明な情勢だ」と伝えた。」(中央日報前掲)
ちなみに二国間関係が破綻寸前のわが国だけではなく、他にも米中露とASEAN せ特使を出したいようで、なにをしたいものやら。
いずれにしても、この「特使」とやらが来ても言うことは決まっています。もうひとりのムンであるジェイン氏がお得意の「ツートラック外交」の提案ていどのことでしょうから、わざわざご来訪に及ぶ必要はありません。
普通の外交用語ではツートラック外交とは、正面の外交機関同士の交渉か行き詰まった場合、あえて別のチャンネルを作って打開を図ることを指します。
北朝鮮との外交関係が行き詰まった時に、米国がバックチャンネルをストックホルムに開いたようなものです。
あるいは、外交関係がうまくいかない場合、現場である軍同士が交流して信頼醸成をはかって偶発的衝突を避けようとする意味にも使われます。
これも自衛隊は中韓と定期的に行ってきました。
しかムン・ジェインが使う場合の「ツートラック化移行」は前二者とはまったく意味がちがいます。
彼がこの用語を使う時は、「政治はハチャメチャだが、経済はよろしくね」ていどの意味のようです。
なにをおっしゃる兎さん、日本にマウンティングしたいばかりに外交に慰安婦や「徴用工判決」を入れたのは韓国です。
今や韓国に進出した日系企業は、仮に法的係争となった場合、韓国司法の中立性は信用できないと考え始めています。
近代司法の三権分立が存在せず、司法が政府に従属しているからです。
これがいまや経済分野にまで及びつつあるコリア・リスクです。
これを意図的に作り出したのは、はてどちらの国でしたかな。
わが国のいまや消滅寸前の日韓議連の議員諸氏も妙な手助けをしないように。
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コメント
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「指が月をさすとき、愚者は指を見る」
大乗仏典にありますね。理趣経だったかな、楞厳経だったかな、忘れたけれど。内田樹が時々引用しますね。四方田犬彦に同名の著作がありますね。
投稿: 仙 | 2019年4月20日 (土) 06時07分
韓国政府が日本や日本人を侮辱したり反日的言動・行動を取るのは、自ら朝鮮民族をアホ扱いにして統一的行動を取らせる為の方法論で使われて来ました。
今回はそれに加えて、北との接着剤的役割を持たせた意味が重要だったのでしょう。
つまり「反日」は統一のシンボルなのですね。 「反日なくして、統一なし」です。
また今回、文喜相が「日本に特使を送る」とか譲歩したように見えるのは、ぜんぜん反省的動機からではありません。
文在寅がアメリカで「日本と関係改善するよう」に言われたから、そのためのポーズであり、自由主義社会だけでなく中共や北からでさえ疎外されつつある事の「恐れ」からでもあります。
北には土下座し、アメリカにヘコへコ。
何をやっても反撃らしい反撃をしてこない、精神的に去勢された「平和主義国家」である日本に対してであれば、これは安心・安全であることは戦後の歴史が証明済みです。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2019年4月20日 (土) 07時16分
民主化以降、反日以外にアイデンティティを見出だせずに20数年過ごしてきた有り様が今の韓国ですね。
自分達の「歴史」が無いんですから。もう幻想世界を作り上げることでしかプライドを保てない。しかも民族性なのか何よりもプライド重視ですからね。
山路さんの意見に全面的に同意です。
ムン悲惨でしたっけ?ムン飛散してほしいトコです。なんて、ふざけて言いたくもなりますが、まああれで「知日派」だというのが、かの国の精神的現状であり教育の行き着いた成果でもあり・・・正に「病理」ですね!
投稿: 山形 | 2019年4月20日 (土) 08時18分
ご存知とは思いますが、ギリシャがドイツに対して似たようなことをやり始めました。
韓国の問題について、ヨーロッパも対岸の火事では済まされなくなりますね。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019042000121&g=int
投稿: あいうえお | 2019年4月20日 (土) 08時45分
致命的惨事を回避するためのバックドアは対立する者の間にあるべきものですし、実際開かれているのが普通ですが、それは「惨事」をちゃんと評価できる者同士であることが前提ですね。
不利なエビデンスは無いことにして有利な話にすればいい、有利な話が無いなら作り出せばいい、そしてその脳内妄想を平気で客観的事実としてしまえる者が一方である場合、話が通じないのでバックドアは意味がありませんね、そこの日韓議連の人。
今上陛下への侮辱をきっちり詫びる、そのボトムラインを達成するまでは放置、本人だか特使だかが日本に来てもいいけれど、テレビ番組の「格付けナントカ」の「三流」か「ソックリさん」みたいに、箱馬にガムテで補修したスリッパ、みたいな待遇でよろしいかと。
投稿: 宜野湾より | 2019年4月20日 (土) 18時46分
韓国人と日本人はほんとに分かりあえないと思えます。今日の記事を読んでもそうです。
ところで日本人とアメリカ人の関係はどうなんでしょうか?日韓の互いの理解度よりははるかに近いですよね。
日韓のかい離はなにから起こってきているのか、その原因はなんなのかそこについて探求した方がイイのでは思います。毎回腹を立てるよりは、まず探求してみる。
投稿: ueyonabaru | 2019年4月20日 (土) 21時27分
>>日韓のかい離はなにから起こってきているのか、その原因はなんなのかそこについて探求した方がイイのでは思います。毎回腹を立てるよりは、まず探求してみる。
基本的価値観の違いについて、以下のブログで説明された内容が、個人的に腑に落ちました。
ttps://ch.nicovideo.jp/ooguchib/blomaga/ar547023
他にも、「相手の落ち度を指摘すれば、自分の落ち度はなかったことにできる」「被害者となることで道徳的に上位に立つ」といった分析が他の記事にあり、納得しました。
最後になりましたが、管理人様、勝手に他所のURLを張って申し訳ございませんでした。
投稿: リンデロン | 2019年4月20日 (土) 21時47分
リンデロンさんありがとうございました。真面目に読ませていただきます。
管理人さんは文句は言わないのではないでしょうか。
投稿: ueyonabaru | 2019年4月21日 (日) 00時37分
リンデロンさん、かみ合った議論ならば、他のサイトを貼り付けて頂いてもかまいません。(今回は微妙ですが、ま、いいか)
頂戴したサイトも読ましていただきました。部分的には私もかつて書いてきたことですし、優秀なサイトだと思いました。
ただ私とはややスタンスが違いますね。
私は異民族との価値観の違いは当然のこととして受け入れますが、問題はなぜかくも韓国だけが突出してわが国に対して攻撃的、かつ敵対的にふるまうのかです。
それは価値観の差だけでは説明出来ないと思います。
長く華夷秩序に安住してきたこの国の成り立ち、中国から輸入した朱子学特有の思考形態、あるいは大陸勢力と海洋勢力にはさまれた半島という地政学的位置がもたらす両属性なども背景にあるかもしれません。
ちなみに私は、ご紹介のサイトのように韓国人や韓国という国自体にさほど関心はありません。コリアウォッチャーになる気もありません。
ふだんは、「楽韓」さんのようにこのおかしな傾きがある国のおかしなふるまいを「楽しむ」という所に止めています。
ただし泥水を浴びせてきたらぬぐいますし、唾を吐きかけてきたら反論します。売られた喧嘩はしっかり買います。
しかし、よくネットに溢れる嫌韓に走ることは控えます。
残念ですが、韓国を批判することと、嫌韓がごっちゃにされている風潮があります。
韓国について批判しないわけにはいきませんが、かといって外国人憎悪になることは避けるべきです。
では私の韓国に対する興味はどの辺にあるかといえば、韓国を国際政治のダイナミックス(力学)の中で見ることです。
具体的にいえば、韓国が、このまま自由主義陣営に止まるのか、あるいは中国陣営に取り込まれるのか、はたまた北との「統一」を果たすのか、それは核を持った「統一」かどうか、その時にロシアはどう動くのかというテーマは、わが国、とくに沖縄の未来に直接の影響を与えざるをえません。
投稿: 管理人 | 2019年4月21日 (日) 05時40分
いつも楽しみに拝見しております。普段はROM専です。
このムン・ヒサン国会議長という人、お立場的に日本の情報が入らないわけがないと思いますし、韓国の保守系マスコミが日韓関係を心配し始めている状況で、嘘を承知でこんな言動をしているのでしょうか。日韓議員連盟というのがありますが、そこから変な情報が入っていて、日本を知っているつもりで発言されているのではないでしょうか。明らかにおかしな方向性で一貫性のある発言ですので。
投稿: 白雲斎 | 2019年4月21日 (日) 23時04分