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2019年6月28日 (金)

トランプ ホルムズ海峡を通るタンカーは自分で守れ発言の真意について

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昨日、また言ってんのかぁというかんじで例のトランプの安保撤退論に対応してしまったのですが、あれからじっくり考えてみたんですが、いかん、いかん、トランプという人は一筋縄ではいかない政治家だということをつい忘れかけていました。

トランプが何か問題発言した時には、その裏を見ておかねばならない、としょっちゅう言っているのは私でした(汗)。
トランプは一見、言葉を選ばずに、言いたい放題に見えるから、宮家邦彦氏のような元プロの元外交官あがりにはバカにされきっています。

それはわからないではありません。彼が表象する言辞が、そのまま信用できない部分を残しつづけるからです。
これは言葉を武器とする政治家として重大な欠陥であると同時に、彼の類例を見ない破壊力の秘密でもあります。

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https://www.youtube.com/watch?v=-xJuTYsBpQk

では、今回のトランプの安保撤収論をどう考えたらいいのでしょうか。
G20で来日してまたやらかしました。これで直近だけで3回目です。

「会談冒頭、日本や豪州との関係について「とてもよく面倒をみてきた」と発言。「巨額の貿易赤字を抱え、軍事面でも助けている」と述べ、貿易、安全保障両面で同盟国との関係が片務的との主張を繰り返した」(毎日6月27日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190627-00000105-mai-pol

ここまでくどく「面倒をみてきた」などとと恩をきせられると、「冗談じゃないぞ。米本土にいるより安い駐留コストで基地を提供しているのはどこの誰なんだ」という気分にもなりますが、考えてみればこういう日本攻撃とも取れる発言を、彼が安倍氏と示し合わせていないわけがないのです。

西にはイランと一触即発の状況をかかえ、東には米中経済戦争の真っ盛り。首脳会議は間近、しかもその舞台は日本が議長国という状況下で、日本にまで喧嘩を売る意味がありません。
宮家氏あたりだと「しょせんあの男は気まぐれなシロートですから」で済ましてしまうでしょうが、そうだと面白くもなんともないわけです。

私はこの一連の日本バッシングは、安倍氏と綿密に打ち合わせた発言ではないかと仮説を立ててみました。
トランプが言っているのは安保の片務性に対する不満ですが、これを駐留経費論で済ませると分からなくなります。
たぶんそんなゼニカネの問題ではないと思います。
トランプがビジネスマンだったということの先入観に影響されすぎています。

というのは、トランプが続けて6月24日にこうTwitterしているからです。

「中国は91%、日本は62%の石油を、この海峡を通じて得ている。他の国々も同様だ。我々はなぜ、無償で長年、諸外国のシーレーンを守り続けているのか?すべてのこれらの国は、自国の船をその航行する海域において守るべきである」

ここでトランプが中国まで引き合いに出しているので分かりにくいし、ホルムズ海峡安全コストを米国のみが払っているというゼニカネ問題にするとまたわからなくなります。
言っている相手が、日本だということに注目してください。
不倶戴天の敵となった中国にホルムズ海峡まで出張って来いなんて思っているはずもありませんから、言っている相手は間違いなくわが日本です。
したがって、トランプは日本に対してホルムズ海峡のタンカー護衛に出てこいと言っているのです。

ほぼ同時期にトランプは攻撃10分前中止をしました。
これらは別の出来事ととるべきではありません。少なくともトランプにとってはひとつながりのことです。
つまり、イランへの攻撃10分前中止の真の原因は百何十人死ぬということではなく(戦争する以上、人的被害がでることは折り込み済みのはずですから)、ホルムズ海峡が戦場となって封鎖されるからです。

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https://www.huffingtonpost.jp/entry/iran-denial_jp...

米国が軍事攻撃に出た場合、いかにそれが限定攻撃であろうとも、イラン強硬派の革命防衛隊は過敏に反応します。
彼らはホルムズ海峡を封鎖を宣言するでしょう。しないと考えるほうが無理があります。
イランにとってホルムズ海峡というチョークポイントを握っていることが最大の保険なのですから、こういう時に使わねば意味がありません。

通過を試みるいかなる国のタンカーも攻撃の対象とすると、イランは世界に向けて叫ぶはずです。

ただし、それに踏み切ったら最後、国際社会を完全に敵に回し、第2の北朝鮮となります。
最悪、米国との全面戦争もありえることになります。
そうなった場合、イランは国家として消滅に追い込まれます。

イランがこの破滅への道を選ぶかどうかは未知数ですが、革命防衛隊などの強硬派が突っ走る可能性は否定できません。
どの社会、いかなる歴史においても、現実に戦争の足音が聞えてきた場合、過激な発言が優位を占めます。
穏健派は「お前らが融和的態度をした結果がこれだ」とばかりに袋叩きに合い逼塞します。
結果、イランの硬軟のバランスは崩れることになります。

そしてイランが強硬派の主張どおり、ホルムズ海峡の実力封鎖に走った場合、日本の62%の原油は止まり、国際原油価格は暴騰するでしょう。
国際経済はリーマンショック並の衝撃を受けます。

ただ米国のみは、この打撃からは最も遠い場所にいることを忘れないで下さい。
湾岸戦争時とは大きく違って、シェールガス革命で、世界最大の産油国となっているからです。
中東原油などあってもなくてもかまわないのが、米国の一国的経済利害なのです。
中東とは距離を置きたい。イラクからもアフガンからも撤収したわけです。

だからこそかえって、今や中東情勢の最大の不安定要因になってしまったイランを押込みたいと考えています。
核武装願望を根絶し、「革命の輸出」をやめさせ、北朝鮮との核のパイプが遮断されれば、イスラム原理主義の体制はどうぞそのまま存続して結構と考えていると思います。
このへんは、北に対する対応と酷似しています。

トランプが軍事力行使を寸止めした、と言った本意はここにあります。
トランプは、いかに無人機であろうと米軍機が撃墜されたからには黙っているわけにはいかないが、本音は戦争は極力回避したいのです。
この米国の本音を、日米のメディアは好戦的トランプという報道をくりかえしたために、完全に見誤ってしまっています。

ではトランプは何を言いたいのでしょうか。
発言の真意は、短期的には、ホルムズ海峡の安全のために日本の海自を派遣させることにあります。
海自にはそのようなタンカー護衛の海上作戦能力がありますし、法制的にもかつての安保法制時に作ってあります。

香田洋二・元海上自衛隊自衛艦隊司令官はこのように述べています。
木村正人 https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20190625-00131581/

「ホルムズ海峡への依存と責任が少なくなった米国のトランプ大統領がそのように言い出すことは想定済みで、問題は、日本政府にその時の覚悟と準備があるかどうかでしょう。現在、日本はホルムズ海峡のシーレーン防衛に艦艇を出していません。
外洋作戦能力で言えば、海自は英国やフランスよりはるかに高いですから。駆逐艦の数で言っても海自は英海軍の3倍はあります。ホルムズ海峡のシーレーン防衛を担う能力は十分にあります。
トランプ大統領が強調したいのは自分のことは自分でしっかりやりなさい、全般的なことは米軍がやりますということだと思います」

かつてのイラク戦争終了後には機雷処理で掃海艇を派遣した実績がありますが、いまはかつてと違ってジブチに海賊対処のための施設を持っています。
具体的には、現在、海賊対処のために作られている自由主義諸国によるタクスフォースCTF-151のような枠組みを作り、それが船団を作ってホルムズ海峡を通過するのを護衛する形になるでしょう。

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「自衛隊は護衛艦と派遣航空隊をCTF-151に編入しました。これと同じようなかたちで西側諸国による有志連合が編成され、航行する船舶を護衛することになるでしょう。
ペルシア湾、紅海、アラビア海からケニアまでの東アフリカを担当する米海軍第5艦隊が全体を調整するでしょう。米国は何と言っても情報を豊富に持っています」(香田前掲)

香田氏は、海賊対処の枠組みを発展させれば可能だとしていますが、まったく問題がないわけでもありません。
ひとつには、米軍が安保条約の枠外のために直接護衛ができないことです。
ですから、そのために有志連合というフレームを作らねばなりません。
実は日本はこのような有志連合という国際的軍事協力の体験は海賊対処ていどしか経験がありません。

また、日本籍タンカーといっても、実際には大部分がパナマなどの外国籍のために、外国籍タンカーの防衛ということに法的にはなるために、これをどう整合性をつけるかです。

このように問題はいくつも残っていますが、トランプは、日本がせっかく作った安保法制を神棚に祭って柏手を打って済ましてるんじゃないぞ、と言っているのです。

そして中長期的には、日米同盟を現状の片務的関係からまともな二国間関係である双務的関係に格上げしたいと思っていると思われます。
沖縄で問題となっている日米地位協定ひとつとっても、日米が双務的になればおのずと解決することです。
実はこれこそは、安倍氏が改憲論との関わりにおいても、具体的な論点にせねばならなかったことなのです。

そう考えると、安倍氏はトランプに停滞する改憲論への一石を投じて欲しかったといえるのかもしれません。
その意味で、トランプ発言は安倍氏と事前に議論した結果、計算されて出されたものではなかったかと、私は思い始めています。


 

 

 

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コメント

すごーく面白い視点ですね。
刺激的で目鱗でした。


安倍さんには憲法改正も頑張ってほしいと心から願っています。

私も安倍首相がトランプと綿密な打ち合わせをしてると思います。
でなければ、わざわざG20前に過去の発言を蒸し返す必要がありませんから。

為になるお話を書いていただいて、ありがとうございます。こちらのブログでいつも勉強させていただいております。

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