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2019年6月 3日 (月)

なぜ豪州はファーウェイ排除に世界最初に踏み切ったのか?

ファーウェイに対する制裁が、実は米中覇権戦争であることは、多くのメディアも報じるようになってきました。

では、なぜファーウェイが主戦場となったのかお分かりでしょうか。

中国が米国にダンピング輸出しているのは鉄鋼など多くありますし、輸入関税は今やメイドインチャイナの米国ブランドにもかけられるようになってきました。
ならば、ファーウェイである必然性がないようにもみえます。

私もなんどか書いてきましたが、ファーウェイが通信機器やソフト内部に潜ませたバック ドア から、情報・通信内容が中国当局にダタ漏れになるというリスクの指摘もあります。
それはそれで正鵠を得ているとおもいますが、それだけではファーウェイ排除の 真の 理由はわかりません。

問題は 、ファーウェイが5G市場を独占してしまうことなのです。
下図は日本の携帯基地局のシェアですが、ファーウェイとZTEという中国系国営企業だけで41%にも達します。5G世代になれば、このシェアは5割を超えるだろうと言われています。

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「5Gを構築する通信インフラ分野で日本は、既に世界に後れを取っている。今や携帯基地局市場では、ファーウェイを筆頭にエリクソン、フィンランドのノキアの大手3社で市場の約8割を占めている。
日本メーカーのNECと富士通の世界シェアは、それぞれ1%前後に過ぎず、NTTドコモ向けのビジネスで生き延びている状況だ」
(上図も同じ 「5G幕開けで変わる産業構造、出遅れる日本の通信業界」 http://wedge.ismedia.jp/articles/-/14825?page=3)

ご承知のように、5Gとは、高速・大容量化、超多数端末接続、超低遅延、超高信頼性などを備えた通信システムのことですが、日本では一般的に自動運転の実現や通信容量の飛躍的増大などといったことでしか語られていません。

たとえば、「車対車通信による事故回避や、ロボットの遠隔制御等が高信頼性のユースケース」などが、いま世界の自動車産業が血眼になっている自動運転のキイテクノロジーとして注目を浴びています。
※参考資料 「第5世代移動通信システム「5G」とは?」
https://5gmf.jp/about-5g/

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https://5gmf.jp/about-5g/

ところで、このフーウェイ排除は、米国が始めたと勘違いされていますが、最初にファーウェイ排除に踏み切ったのは意外にもオーストラリアでした。
ご紹介するロイターの記事にもあるように、オバマ政権はこのことについてむしろ鈍感で、オーストラリアが初めにその脅威の意味に気がついたのです。

このいきさつに関して、ロイターが詳細なレポート記事を出しています。これを読むと、何故ファーウェイが焦点とならざるをえなかったのかが理解できます。

特別リポート:ファーウェイ排除の内幕、激化する米中5G戦争 (ロイター2019年5月21日)
https://jp.reuters.com/article/huawei-usa-5g-idJPKCN1SU041

こと始まりは2018年初頭、オーストラリア通信電信局(ASD・Australian Signals Directorate )の行った、「戦争ゲーム」と名付けられたハッカー攻撃演習から始まっています。
このハッカー演習は「あらゆる種類のサイバー攻撃ツールを使って、対象国の次世代通信規格「5G」通信網の内部機器にアクセスできた場合、どのような損害を与えることができるか」(ロイター前掲)という内容でした。
ハッカーに無制限に社会を攻撃させた場合、いかなる社会的損害が生じるのかを予測 しようとしたようです。

この演習結果は、ASDを青ざめさせるに十分でした。

「このチームが発見した事実は、豪州の安全保障当局者や政治指導者を青ざめさせた、と現旧政府当局者は明かす。5Gの攻撃ポテンシャルはあまりにも大きく、オーストラリアが攻撃対象となった場合、完全に無防備状態になる」(ロイター前掲)

すでにASDは既存の通信網において、ファーウェイの通信システムがスパイ行為をしているとにらんでいましたが、5Gシステム攻撃がとてつもない広範囲を破壊できることが判明したわけです。

「5Gがスパイ行為や重要インフラに対する妨害工作に悪用されるリスクを理解したことで、豪州にとってすべてを一変させた、と関係者は話す。それは5Gが、電力から水の供給、下水に至るすべての必須インフラの中枢にある情報通信で必要不可欠な要素になることだ」(ロイター前掲)

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 図前掲

5Gを支配することで、電力供給、上下水道、自動車や鉄道などの交通インフラ、車の自動運転、病院の管理などのシステムのハッキング攻撃が可能となってしまうのです。

「5G通信技術によって通信速度と容量の飛躍的な向上が見込まれている。
データをダウンロードするスピードは現行ネットワークの100倍となる可能性がある。
それだけではない。アップグレードによって「スマート冷蔵庫」や自動運転車といった、5G網に接続可能なデバイスが劇的に増える見通しだ。「多数のデバイスを使う人が増えるだけでなく、機器同士、デバイス同士の通信が5Gによって可能になる」とオーストラリアのバージェスASD長官は3月の講演で述べている」(ロイター前掲)

5Gの主導権を中国が握れば、随時情報通信内容をモニターてきるだけにとどまらず、いったん中国がその気にさえなれば社会全体を麻痺させることも十分に可能だということになります。
このオーストラリアの「発見」が、ファーウェイ排除を米国が「安全保障上の問題」として決意させるに至った最大の理由となっていきます。

「もしファーウェイが世界の5Gに足場を築けば、中国政府は、重要インフラを攻撃し、同盟国間の共有情報に侵入する、かつてない機会を手中に収め、これには公共施設や通信網、重要な金融センターに対するサイバー攻撃が含まれる、と西側の安全保障当局の高官は指摘する。
遠く離れた場所に対して銃弾や爆弾を使わず、封鎖もなく経済的な損害を与え、市民生活を寸断できるこのようなサイバー攻撃は、戦争自体の性質を劇的に変化させることになる。もちろん中国にとっても、米国やその同盟国からの攻撃にさらされる」(ロイター前掲)

オーストラリアは後にファイブアイズと呼ばれるようになる、米国・カナダ・オーストラリア・NZ・英国といったアングロサクソン圏の国々にこの恐るべき情報を伝えました。
そしてこの演習の翌年の2月、このファイブアイズに日独仏を加えた「ファイブアイズ+3」が作られました。日独仏は部分的情報の共有にとどまっています。
ちなみに、かつて野党とメディアがあれほど強硬に反対した特定秘密法がなければ、そもそもこの枠組みに接することすら不可能だったはずです。

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毎日

「「ファイブアイズ」と呼ばれる米国や英国など英語圏5カ国の情報機関が、日本、ドイツ、フランスの3カ国と連携し、中国などのサイバー攻撃に関する情報共有の新たな枠組みをつくった。
サイバー攻撃に共同で対処するのが狙いで、5カ国は日独仏に対策強化を要請。日本が政府調達から中国企業の通信機器を事実上締め出す方針もこれを受けたもので、今後はインターネット上で大量のデータを管理する「クラウドサービス」についても、政府への納入業者を対象にした厳しい安全基準を策定する方針だ」(2019年2月4日)
https://mainichi.jp/articles/20190203/k00/00m/010/166000c

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習近平とその盟友であるファーウェイ会長の任正非     出典不明

中国は国家戦略の重要な柱としてITを位置づけて、惜しげもなく巨額の国費を投じてきました。
日本がデフレによって、5G分野で遥かに出遅れたこととは対照的です。日本の富士通やNECなどはトコモのお情けでやっと基地局のシェアにささやかな居場所を得ているにすぎません。
情報インフラが日進月歩を遂げた時代のデフレが、いかに深刻に日本にダメージを与えたのかわかります。

「中国深センで1980年代にひっそりと誕生したファーウェイは、2018年の売上高が1000億ドル(約11兆円)を超える強大な資金力に加え、技術競争力と中国政府の政治的後ろ盾を持つファーウェイに代わる企業は、世界的に見てもほとんど見当たらない」(ロイター前掲)

 一方、米国は中国の5G支配について甘い考えしか持っていなかった、とオバマ政権の高官は語ります。

「昨年半ば(2018年半ば)まで、米政府は、ほとんどこの問題に「関心を持っていなかった」と、オバマ前政権で大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めたジェームズ・ジョーンズ元海兵隊大将は指摘する。米政府高官が行動へと突き動かされたのは、5Gが何をもたらすかが、突如として明らかになったためだ、とジョーンズ氏は言う」(ロイター前掲)

ファーウェイに5Gの覇権を委ねることは重大なリスクが生じると認識したのは、このオーストラリアから情報提供を受けたトランプ政権からのことでした。

「ポンペオ米国務長官は5月8日、訪問先のロンドンで、5G通信網へのファーウェイ参入を禁止していない英国に鋭い警告を発した。
「安全性が不十分な状態では、信頼できるネットワークで行われる一定の情報共有を行うことが難しくなる」と長官は述べた。
「これはまさに中国の思うつぼだ。西側の同盟を、銃弾や爆弾ではなく、バイトやビットで分断したいと願っているのだ」と」
「ポンペオ米国務長官は3月、「ファーウェイは中国の国有企業で、中国の情報当局と深い関係がある」とさらに踏み込んで発言したが、同社は中国の政府や軍、情報当局のコントロール下にあるとの見方を繰り返し否定してきた。
「ポンペオ国務長官は間違っている」との声明を出し、同社は社員が保有していると説明した。
米国のゴードン・ソンドランド駐欧州連合(EU)大使は2月にロイターに対し、5Gは社会のあらゆる側面に影響を及ぼす技術だと述べた。その上で、「常識的な判断として、悪質行為を行ってきた勢力に、社会全体の鍵を手渡すべきではない」と強調した」
(ロイター前掲)

残念ですが、日本政府がこのようなリスクをじゅうぶんにわかった上で、ファーウェイ排除に追随したのか、私には疑問です。

おそらく、オーストラリアや米国のこれに関する情報は手渡されてはいるとは思いますが、ハッカー対策後進国のわが国がどこまで中国の5G支配の恐ろしさを分かって対策を立てているのか、はなはだ怪しいものだと思われます。

日本は性善説にたって、このような公共インフラはハッカー攻撃は受けないとハナから信じきってきました。
先日のシーサイドラインの自動運転システムが二重三重のセーフティを無視して逆走しましたが、このようなことはハッキングによって簡単に行うことが可能となります。
JR東日本は山の手線の自動化も現実化する寸前だそうですが、ハッカー対策が検討され、予算が割り振られているとはついぞ聞きません。

仮にアジア某国(あえて名を秘す)が5Gを利用してハッカー攻撃を日本に仕掛けた場合、自動車は暴走し、信号はデタラメに点滅し、鉄道は逆走し、広域停電が生じ、果てはダムは放流を始め、原発なども暴走するかもしれません。
中国は既にそのようなハッカー攻撃の部隊もスキルも有しています。

もちろん現時点では私の杞憂にすぎませんが、日本社会が世界指折りのハッキングに膳弱な社会だということを肝に銘じて、ファーウェイ問題をかんがえるべき時なのです。

 

 

 

 

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コメント

事実は小説より奇なり、と申しますが。
実際のところ、日本の政府関係者はアニメや映画業界が作る物語よりも、想定の分野で遅れているんじゃないかと思うことがあります。

例えば記事にあるサイバーテロに関しても、昨年公開の映画の「名探偵コナン ゼロの執行人」では、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)によるテロが描写され、より身近に知られる事になったと思います。
興行実績を考えれば、相当数の人間が見ているわけですからね。

芸能界で罵詈雑言の投げ合いをした「空母いぶき」の映画も、中国に配慮して正体不明の敵国なんて事になっていますけど、原作マンガでは……ですからね。

日本では、所詮アニメだマンガだと思っている人間の方が多いでしょうけれど、アニメやマンガで描写される程度の事は実行できる世の中です。
こういう点では、漫画好きと言われる某政治家の方が、話の理解が早いかもしれませんね。

5Gも象徴的ですが、オイラーの神学的数学から始まり、ヒルベルトによって明確に定義された近・現代の数理論理学的思考の応用製品群は社会にとてつもない影響を与え変革しつつあります。
ハードはソフトに制御される、ソフトはaiになり神の領域に迫りつつある。
通信制御もそうですが、この究極のソフトを支配するものが、ハードをすべて制御できることになります。
この競争を理解できないと、制御される側になり、永遠に制御される可能性があります。

テレビ朝日?だったと思いますが、311震災後のファーウェイの人材と機材を中国からの持込による復興支援を数日前にテレビで放映していました。今の時期に?どう見てもファーウェイのイメージアップを図る放送の意図をどう捉えたら良いか考えてしまいました。放送された額面どおりに取る人もいるでしょう。もしネットを押さえられたらと思うと、ぞっとします。

5Gのような多岐にわたるインフラの制御などを行うことを目的とするネットワークを構築するにあたりどうしてもさけて通れない問題ですね。
中国以外の国家でも独占するような状況になれば、それは新たなる脅威となる可能性を内包する事になるわけで、今後は国家間でそのバランスをどう保っていくかが重要となるのでしょう。

このような未来も見通す事も出来ずにコストカットの元に他者のインフラに同乗することを安易に選択してしまった日本企業の現実も悲しい限りですが。

2005年の5月末、駐シドニー中国領事館一等秘書で政治事務官の陳用林(チェン・ヨンリン)氏がオーストラリア政府に政治保護を求め、亡命に成功するという出来事がありました。
亡命の直接的きっかけは、領事館が持つ在豪法輪功学習者のリストの大部分の氏名を自分が削除したことにあったと後に本人が大紀元に語っています。
亡命時にチェン氏は「オーストラリアには中共政府に情報提供する華人が1,000人ほどいる」と語り、当時はそれが真剣に捉えられることはなく、むしろ「お騒がせ」的な良くないニュアンスで国内外のニュース見出しが飾られる、という感じでした。
それから約10年の沈黙を破ってチェン氏は2016年に豪ABCニュースの顔出しインタビューに応じ、あらためて在豪華人社会の過半が中共政府のために働いていると警告しました。
この10年、中共の国力上昇とともに「悪びれることもなく中共へ情報提供する者」が増えている様子にストレスを感じ、特に2015年にオーストラリア側が中共企業にダーウイン港を99年間貸す契約をしてしまったことをとても案じている、ダーウインが北側からの侵略に対抗する要所なのは一般常識なのになんと愚かなことか、と述べています。
オーストラリアの時代がチェン氏に追いつき始めるのを感じるからこその顔出しインタビューだったでしょうし、その後のオーストラリアは2017年に反スパイ法や外国干渉防止法を改正し、2018年には二重国籍の連邦議会議員の資格停止、2019年にはスパイ行為で中共出身富豪の国籍剥奪と運んでいます。
尻に火がついたのを認識してからの数々の動きは早いですが、「時すでに遅し」とならぬよう必死なのが今のオーストラリアですね。
こういう流れで今ある現実の見本を見て、うちも気をつけなきゃ!と思わないならば、牛耳られ、やっつけられてお終い、ということに。

最近、またファーウェイ端末のCMが流れ始めましたね。

TV局は何か弱みでも握られてるのでしょうか…((笑)

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