竹島上空を中露共闘の場としてしまった韓国
韓国が周辺国からなぶられています。
ムン閣下の心の友だった正恩には裏切られてイスカンデルミサイルを発射されてしまい、援助米もいらねぇとまで言われる始末。
正恩はGSOMIAにまで口出しし、さっさとヤメロと口汚く要求していますから、これに唯々諾々止めてしまうとトランプがどう思うか、千々乱れるムン閣想の胸の内(知ったこちゃないですがね)。
すべてに渡って判断が遅すぎるのです。
GSOMIA自動延長の一カ月前の8月中旬には、やるにせよやらないにせよ決断しておかねばなりません。
ならば最低で半年くらい前には方針を決めておけよ、と思います。
結局やるようですが、いかんせん遅すぎます。
「韓国外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官は30日、韓日の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の延長に関して「状況の展開によって(協定破棄を)検討する可能性もある」と明らかにした。
康氏はこの日午前、国会外交統一委員会の全体会議に出席し「政府は現在さまざまな状況について見守っており、現時点では協定を維持する立場だ」とした上で、このように述べた」(聯合ニュース7月30日)
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20190730001600882?section=politics/index
カン・ギョンファはやりたくないんでしょうな。行間からイヤイヤ感がにじみでています。
日本がさっさと延長を表明したために、ひょっとしてこれ対日カードになるんじゃないか、なんてスケベ心を出したのが馬鹿でした。
なるわきゃないじゃないですか。
自分の国の安全を外交取引に使おうなんて、下策も下策です。
そもそもGSOMIAは米国の肝入りで結ばれたのです。
理由は北朝鮮の弾道ミサイル情報を素早く三カ国間で共有化するために必要だったからです。
それを取引ネタにしようなんて、いわば韓国は北朝鮮の弾道ミサイルに対して「オレ脅威に思ってないから」と言うに等しいわけですね。
日本憎しで目がくらんで頭の中は文字どおり真っ白。
ムンは南北統一のためにのみに作られた単機能ロボットですから、思考停止状態のうちに周辺国はやりたい放題です。
まずは北からイスカンデルを撃たれてしまいました。
ここで国連安保理決議違反だと真正面から抗議すれば男が上がったものを、いまだに沈黙したままです。
こういう場合に沈黙するというのは、黙認という意味ととられます。
トランプの沈黙はなにか企んでいうな気がしないでもありませんが、ムン閣下の沈黙は茫然自失しているだけのことです。
最愛の北からは蹴飛ばされ、米国や中国には冷淡にあしらわれ、日本からは絶縁状を突きつけられているのですから、むべなるかなですが。
続いて先週の7月23日、竹島上空でロシア空軍のA-50早期警戒機が「領空侵犯」し、中国軍機も接近していたことがわかりました。
侵犯したのは以下の中露の軍用機です。
①中国空軍H-6爆撃機×2機
②ロシア空軍Tu-95爆撃機×2機
③ロシア空軍A-50早期警戒機×1機
聯合 https://jp.yna.co.kr/view/GYH20190723001700882
言うまでもなく竹島上空は日本領空ですが、日本は事実上の実効支配を黙認した形になっていますから(これはこれで問題ですが)、防空識別圏に組み込んでいません。
ただし、自衛隊はこの竹島上空に達するまで、このロシア機を長時間に渡って追跡し続けて撮影しています。
ロシア空軍Tu-95爆撃機
それはさておき、これに対して韓国空軍の戦闘機が出動し、20mmバルカン砲による警告射撃を加えました。
韓国空軍機は360発撃ったそうですが、M61バルカン砲なら毎分6000〜6600発撃つ能力を持ちますからたぶん3秒程度の発射だったようです。
ちなみにこの警告射撃をした戦闘機はストライクイーグルだったそうで、虎の子を出したようです。その上に、フレア(囮熱源)まで焚いたそうですから、さぞかしハデな眺めだったと思われます。
韓国空軍、空自と違って馴れていないせいか、スマートじゃないなぁ。まるでエリマキトカゲだよ、これじゃあ。
さてここで問題にせねばならないことはふたつあります。
第1に、これが中露の本格的な洋上空軍ミッションであったことです。
そして第2に、この中露空軍爆撃機がいずれもH-6K、Tu-95MSという核兵器搭載機であることです。
実は、中露の洋上ミッションは、かつて尖閣諸島水域で行われたことがあります。
2016年6月8日から翌日にかけて、ロシア海軍と中国海軍がほぼ同時刻に尖閣諸島水域の接続海域に侵入しました。
ロシア海軍駆逐艦は尖閣諸島の久場島と大正島の間を南から北に向かって航行し、9日午前3時頃接続水域を離れました。
一方中国海軍艦艇は、ロシア艦隊が尖閣諸島の真ん中の接続水域を突っ切りるのとほぼ同時刻に、わずかの時差を置いて侵入しました。
こういう行為を国際社会では、相手を刺激して事件や紛争などを引き起こすように仕向ける行為、すなわち挑発行為と呼びます。
一般社会でいえはヤクザが、「ごるらぁ、てめぇら、ここはうちの組のショバだぁ。ケガしたくなければ、出て行きやがれ」とわめきながら、刃もの振り回しているようなものです。
まるで極道ですが、中露両国共にそういう傍若無人なマネを平気でする国です。
今回、この空中バージョンを竹島上空でしたわけですが、この意味はもちろん挑発行為ですが、なんの目的だったのでしょうか。
それはふたつめの、この竹島上空に侵入した機体が中露共に核兵器搭載可能な戦略爆撃機だったこととあわせて考えると見えてきます。
ロイター
この竹島侵犯事件のわずか1ヵ月前に、習とプーチンは共同で、核兵器管理、核兵器軍縮および核兵器不拡散に関する既存の国際合意体系を壊すようないかなる試みも、受け入れることはできない、と宣言しています。
「会談後の共同発表で、プーチン氏は「中ロ関係は前例のない水準にまで達した。包括的なパートナーシップであり、戦略的な相互協力の関係だ」と話した。
プーチン氏はさらに共同宣言について「現在の軍備管理秩序の破壊を許さない中ロの立場を強調した」と述べ、中距離核戦力(INF)全廃条約離脱を通告した米国を牽制(けんせい)。習氏は「世界は今過去100年なかった変化に見舞われている」と述べ、保護主義や自国第一主義を批判した。「中ロは安保理常任理事国として国連中心の世界システムを守る」とも強調した」(朝日2019年6月5日)
https://www.asahi.com/articles/ASM65535GM65UHBI017.html
ここで両人が言っている「現在の軍備管理秩序」というのは、通常兵器分野ではなく端的に核兵器体系の秩序のことです。
さらに詰めれば、日本が配備しようとしているイージスアショアや、韓国に配備されているTHAADミサイル(終末高高度防衛ミサイル)といったミサイルディフェンス(MD)の配備のことを指すと考えられます。
そしてもうひとつは、中距離核戦力を制限するNPT( 核兵器の不拡散に関する条約)絡みです。
NPTは米国が離脱したことで、中露は中距離核戦略に対して共同で対策する必要が生じました。
実はロシアは、NPTに縛られて米国が手控えてきた中距離核戦力を、堂々と製造し配備していました。
中国に至っては条約の締結国ではないために、好き放題に中距離核を増殖させてきました。
特に中国の中距離弾道ミサイルであるDF21は、米国の空母打撃群に対して向けられているといわれています。
かくして、中距離核戦力の分野においては、米国のみが条約に従ったために大幅に出遅れるという非対称の関係が生まれてしまったわけです。
これに怒ったトランプは、こんなもんクズ箱行きだ、と宣言しました。
当時の日本のメディアはこぞって、「核なき世界に背を向けるトランプ」と書きたてましたが、とっくに背を向けている中露の実態を報じなければ片手落ちというものです。
米国の条約脱退に危機感を持ったのが中露だったわけですか、ここにこの両国が共闘する必要が生まれました。
今回、中露は共通の脅威として韓国のTHAADに圧力をかけようとしています。
その外交的圧力のひとつが、この「竹島空中戦」だったというわけです。
いずれにしても、韓国がこうも狙われ続けるのは、ひとえにこの国が政治的真空状態に近づいており、それを狙って周辺国が草刈り場にしようと狙っているからです。
真空が続くかぎり、韓国は周辺の塵芥を吸い込み続けるのです。
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