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2019年7月25日 (木)

香港 中国軍進駐危機迫る

中国が軍を香港に進駐させる準備しています。
中国軍、ないしは武装警察軍がいつ香港に進駐するかわからない極めて危険な状況です。
現時点でも中国軍は香港に一部駐留していますが、香港行政府の「要請」があれば出すと言い切っています。
これはただの脅しではありません。

「【北京=多部田俊輔】中国国防省の呉謙報道官は24日の記者会見で、香港の「逃亡犯条例」改正案を巡る抗議活動に関連し、香港政府の要請があれば中国人民解放軍の現地部隊の出動が可能だとの立場を強調した。デモ隊の一部が中国政府の香港出先機関の国章を汚すなどしたことについて「一国二制度の原則の限界ラインに触れるもので、絶対に容認できない」と非難し、デモ活動の激化をけん制した。
人民解放軍の香港駐留部隊に関する規定には「社会の治安維持」などのために香港政府の要請で出動できるとの条文がある。呉氏は記者からの質問に「香港情勢を注意深く見ている」と答えたうえで、「明確な規定だ」と同条文に言及した」(日経7月24日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47730620U9A720C1EA2000/

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日経前掲            中国国防省の呉謙報道官(北京、24日)

中国は香港民主派を根こそぎにすべく周到に事を運んでいます。
中国当局の弾圧のやり方には、癖というか法則性があります。

①無能な現地の出先に収拾を任せて、いったんは静観する。
②市民の怒りが予想以上ならば、しばらくは荒れるに任せ、後の弾圧の口実を収拾する。
③市民のデモ隊に暴力分子を紛れ込ませ、暴力デモに変質させる。
④当局の息のかかった暴力分子が破壊発動をエスカレートさせる。
⑤民主派デモに親中派の暴力分子をぶつけて、局地的暴力紛争に発展させる。
⑥それを口実に治安維持と称して中国軍(武警)が進駐する。

現在この⑤以上⑥未満まで進んでいます。

7月21日夜、民主派デモが中国政府の出先機関「香港連絡弁公室」の庁舎を取り囲み、抗議活動を展開しました。
弁公室とは、香港における中国政府の公的出先機関ですが、これをデモのターゲットにしたこと自体まちがいです。
ここに圧力をかければ、必ず中国政府は出てきます。
香港の民主派は、この時点で中国政府本体を登場させたいのですか。

民主派の完全な戦略ミスだと私は思います。
民主派デモは香港行政府を相手にすべきで、中国政府が介入を許さないようにせねばなりませんでした。
中国政府の介入は、現時点では香港行政府のケツを蹴り上げるか、せいぜいが武装警官を深センから支援に送り込むていどですが、彼らが本気になったら軍を投入し、武装制圧します。

おそらくは人民解放軍そのものではなく、武装警察(武警)の可能性が高いと思われます。
武警は警察と名がついていますが、いわゆる警察(中国名「公安」)ではありません。
指揮系統は中共中央軍事委員会で、前身は「中国人民解放軍中国軍公安部隊」と呼ばれていたように中国軍の治安維持部隊で、実に自衛隊の3倍弱規模の68万も擁しています。
中国人民武装警察部隊 - Wikipedia

ですから民主派は中国政府が出たくとも出られない状況をつくらねばならなかったはずで、そのためには英米など主要国の国際世論を味方につけて、中国政府への政治的圧力は彼らに任せてしまったほうがよかったのです。

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武装警察 https://www.epochtimes.jp/2016/06/25707.html

さて、民主派デモは中国政府弁公室を襲い、あろうことかそこで中国の国章にペンキをかけるという愚行を働きました。
おそらくデモ隊列に紛れ込んだ中国の回し者の仕業だろうと推測されます。

「21日夜は若者らが中国政府の出先機関「す」の庁舎を取り囲み、抗議活動を展開。正面玄関付近に中国を侮辱する言葉などを殴り書きし、入り口に掲げられた中国の国章を黒いペンキとみられる液体で汚した。若者らは同弁公室の前で、民主的な選挙制度の実現などを要求。駆けつけた警官隊が催涙弾やゴム弾などを使って若者らを強制排除した。
この時、ぶ正面玄関付近に中国を侮辱する言葉などを殴り書きし、入り口に掲げられた中国の国章を黒いペンキとみられる液体で汚した。若者らは同弁公室の前で、民主的な選挙制度の実現などを要求。駆けつけた警官隊が催涙弾やゴム弾などを使って若者らを強制排除した」(毎日7月22日)
https://mainichi.jp/articles/20190722/k00/00m/030/348000c

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毎日前掲

この行為は、中国政府の名誉を棄損する行為で、直接に中国政府を攻撃するに等しい行いですので、強く批判されねばなりません。
よく韓国のノータリンが気楽に公共の場で日章旗を焼いたり、外交施設に侵入したりしていますが、あれは事次第では開戦事由になりえる重大な違法行為です。
日本政府は甘いからなにをされても黙っていますが、中国は顔にペンキをかけられたと理解するでしょう。
そうとって当然で、そちらのほうが国際常識です。
それが前述の中国国防相報道官の「限界を超えるもので放置できない」というコメントとなったわけです。

一方、中国は反グレ集団を民主派デモにぶつけ始めました。
これと酷似したことが、2009年7月のウルムチ事件でも起きています。
この時は自然発生的に起きたウィグル人の抗議活動に対して、漢族の暴力グループが鉄パイプで武装し、デモ隊やウィグル人商店に襲いかかりました。
下の写真は、ウルムチ事件で、中国公安の車両の横を平然と武装して、デモ隊襲撃に向かう姿ですが、官許の暴力集団であることがよく分かる一枚です。

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「【7月22日 AFP】(写真追加)大規模な反政府デモが7週連続で行われた香港で21日夜、白い服を着た覆面集団が民主派のデモ参加者らをバットや棒で襲撃し、45人が負傷、うち5人が重傷、1人が重体となっている。襲ってきたのは「三合会(Triad)」と呼ばれる香港の犯罪組織のメンバーとみられており、卑劣な襲撃と警察の対応に怒りが広がっている」(AFP7月22日)
https://www.afpbb.com/articles/-/3236243

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香港の地下鉄・元朗駅で、民主派のデモ隊に襲い掛かる白いTシャツを着た集団。香港立法会の民主派議員、林卓廷氏の撮影・公開した映像より(AFP前掲)

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BBC  https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-49079916

この白シャツ組数十人は元朗区に集まり、身体中にタトゥーを施した男がアジ演説を行い、その中で「元朗に混乱をもたらした者を叩き殺す」と叫びました。
またその場には、親中国共産党の何君尭・立法会議員が現れ、白いTシャツの集団に「ご苦労さま」と声をかけたそうです。

彼らは、未確認ですが、香港を巣窟とするマフィアの三合会(トライアド)だと思われています。
彼らは2014年の雨傘革命時にも同様の襲撃事件を引き起しています。

「ヴァレーゼ教授は、21日の襲撃事件は「2014年に起きたこととうりふたつ」だが、通行人も標的にされていることから、今回の襲撃の方が「より深刻」だと指摘する。
「人を殺すことではなく、怖がらせて追い払うこと」と、デモ隊を威圧することが目的だったと見られるという。
「これは意図的な戦術だと思う。三合会は致命的な暴力をふるうことでは知られてはいないものの、人を殺そうと思えば殺せるので」」
(BBC前掲)

ウルムチ事件は、ウィグル族と漢族の衝突を口実にして、一気に治安維持の目的で田域簿を府層警察府隊を投入し、制圧しました。
下の写真は、ウルムチ市内に進駐する武装警察軍の装甲車両です。
関連記事『2009年7月5日、ウルムチで何が起きたのか?  自国民に銃を向けた中国政府』
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-fdc3.html

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危機は容赦なく近づいています。
民主派は最大限の危機意識を持って下さい。中国軍の直接介入は目の前に迫っています。

 

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コメント

記事の批判内容には概ね同意なのですが、戦略を誤っているのかはまだ分からないと私は考えつつ見守っています。
ウイグルチベットとの違いは、彼らが漢族メインであること。
天安門との違いは、そこが本土でないこと。
パリや他の民主主義地域の大規模デモとの違いは、掠奪放火をしないこと。
わざと中共を怒らせる行為をしていますが、欧米諸国のデモ感覚ではマナー違反とは取られない範囲です。

むしろ情報が閉じきっていない香港でSNSを駆使しながら命がけで「自立」をアピールするくらいでないと、英米の支持は得られないと思っているのでは。その是非はともかく。
そして、大人しくしていても見えないところで殺されるのであれば衆目の中でとのことかと。
とにかく命を守りきって、逃げるが吉の場合逃げ切って欲しいと願っています。

ふゆみさん。コメントありがとうございます。
長いので記事に移しかえました。

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