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2019年7月29日 (月)

韓国 安全保障を揺るがすと、すべてが揺らいでくる

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物事というのは、うごきだすと一斉に動くもののようです。
いったん固着した関係が動きだすと、各勢力のバランスが崩れていきます。
バランスの崩壊はやがて、互いに影響を及ぼしあい、ひとつの奔流のように押し流していきます。

たとえば今の韓国のようにです。
韓国が揺るがしてしまったのは、対日関係だけではありません。
それはただのきっかけにすぎませんでした。

韓国は自分の国が独力で成り立っているのではなく、日米同盟という安全保障の岩盤の上に乗っていることを忘れていました。
彼らの意識の中では、米韓同盟すら朝鮮戦争間もない頃の切実さは消え失せ、米韓同盟は米国のために基地とカネを提供しているのだ、という被害者意識へと変化していました。

こんな反米意識は多かれ少なかれ多くの韓国人が持っていたものですが、それを集大成したのがムンジェインだったようです。
ムンは、野党時代から米韓同盟が悪だと言ってはばからない人物でした。
鈴置高史氏は『米韓同盟消滅』でこのようなエピソードを紹介しています。

ムン・ジェインの学生時代からの愛読書にリ・ヨンヒ『転換時代の論理』という本があったそうです。 
この本で著者のリ・ヨンヒはこう述べています。 

「米帝国主義は世界の民族の内紛につけ込んで軍隊を送り、覇権を維持している」

リ・ヨンヒは反米思想家で、ムンは自伝『ムン・ジェインの運命』という著作の中でこう述べています。

「米国を無条件に引き止め、米国の主張は真実だと思う。それに反する勢力はとにかく叩くべき悪だときめつける。そんな我が社会の姿を(リ・ヨンヒが)丸裸にしたのだ」(鈴置 前掲)

つまり「米国は無条件に引き止めてはならない」ということです。
ムンは2017年の大統領選挙の時に「国民が読むべき一冊」として推奨し、米国を「引き止めない」政策に転換しました。
 

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http://osaka.korea-htr.org/news/2016/07/16/112/

ではなぜ、米国がジャマなのでしょうか。
その理由はムンが理想とする南北統一は、在韓米軍が存在する限り不可能だからです。
そりゃそうでしょう。米韓同盟を廃棄せずに居すわった場合、キューバのグアンタナモ基地よろしく赤い統一朝鮮の海に浮かぶ米軍基地になっちゃいますからね(苦笑)。
だから米国からすれば、統一朝鮮を阻むためには北朝鮮がぜったいに認めない在韓米軍を撤退させなければよいわけです。

ムンは米国の側から出ていくように仕向けている、と鈴置氏はみています。
それもありえますが、米国は核を持った統一は絶対に許さないでしょうし、ましてや中国の属国となるようなら「焼け野原にしてでていく」(米高官の発言)のもはばからない国なのです。

こういう時期に起きたのが、今回の輸出管理事件でした。

ムンは伝統的な韓国人の思考様式に従って、日本などただの仮想敵国にすぎないと考えていたようです。
だからなにをしようと勝手。殴ろうと唾を吐きかけるも自由、というわけです。
まさにムン時代になっていままで小出しにしてきた反日カードがストレートフラッシュよろしく並べられるようになりました。

いくら日本が大使館前の慰安婦像の撤去を要請しようと知らんぷり。
米国が仲介した慰安婦合意すら一方的に破棄してはばからず、日韓請求権協定を廃棄する内容の徴用工判決を支持するありさま。
そのうえ日本機を標的にして火器管制レーダー照射してみせて、抗議されれば嘘に嘘を重ねて居直り、ムン・ヒサン国会議長という道化まで飛び出して、天皇に謝れと言う始末でした。

ここまで次から次にやられればねぇ・・・、あんた。日本人とて石木ではないのですよ。
ムンの心のどこかに、いくらもめようと韓国に甘い自民党親韓派議員やマスコミがおさめてくるだろう、とタカをくくった心理があったのでしょうね。
ちなみにムンヒサンが、再三、日本に来たがるのはまだこの脈があるからだと勘違いしているからです。
まぁ前世紀末だったらそうなったことでしょうがね。
しかし、状況が大きく変化していたのです。

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https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-07-...

韓国が見誤ったのは、日本人の怒りの累積が、とうとう限界を超えて溢れ出てしまった、ということがまず第1。

そして第2に、状況が進むに連れて改めてわかったことは、この輸入管理規制が実は米国との協調の下で行われているということでした。
今回、韓国への輸出管理の強化について、日本政府は「国家間の信頼関係が失われている」ということをはっきりと表明し、「安全保障上で不適切な事案があったから予防措置をとった」と述べました。
韓国はここで日本が安全保障上といったことを軽く見ていました。

それは日本メディアが一斉に徴用工裁判への報復」という誤報を大々的に流してしまったからで、韓国はそれを真に受けてしまったのです。
徴用工問題なら歴史認識の問題だから、米国も韓国の立場を理解するに違いない、という甘い読みです。
日本のメディアがご忠進すれば韓国が怒り、それを待ってましたとばかりに「韓国がこんなに怒っている」と政府批判に使う、慰安婦問題に典型的に現れた日韓の癒着構造が今回の韓国政府の現状認識すら歪めてしまったのです。
罪深きことよ、日本マスコミ。

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世耕経済産業大臣 https://news.yahoo.co.jp/byline/goharanobuo/201901...

それはさておき、いつもはこれで日本が謝罪して幕引きでしたが、今回は違いました。
日本が口酸っぱく「安全保障上の不適切」と言っているのは、対共産圏輸出統制(COCOM)を前身とするくワッセナーアレンジメントに基づいた措置だったからのです。
たとえば、韓国政府が出したと言われる大量破壊兵器製造関連物資の摘発リストから
 日本から輸出されたフッ化水素などを韓国企業が第三国を通じて、中国やイラン、北朝鮮に流していた疑いがでました。
また輸出出荷量と韓国の使用量とに大きな差異があることもわかっています。
しかもこのような疑惑についての日本政府の度重なる問い合わせに対し、この3年間も返答のひとつもなかったのです。

おそらくこのホワイト国からの除外品目は、当初の3品目から1100品目に昇るとみられています。
たぶんサムスンなどは個別企業として懸命に対応しようとするでしょうが、肝心な韓国政府はこの日本の措置に対応する法整備も管理体制もありません。
いや、むしろそんな体制整備をしてしまえば、自分がWTOまで持ち込んで騒いだことが、根本的に間違っていたことを自ら証明することになってしまいます。
だから、韓国は意地でも日本が要求する輸出管理規制の法整備ができないのです。

これでは民間企業は自助努力だけでどうしようもありません。
まさに韓国は、韓国政府が言ったことによって縛られて、なにも出来ないような自縄自縛状態なのです。

また韓国を経て第三国へ輸出される仲介貿易も、ホワイト国から除外されればその案件ごとに経済産業大臣の許可が必要となりました。(外為令第17条第2項)

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一方、韓国は日本が徴用工判決に対して報復しているという間違った理解がベースにあるために、米国にすがろうとしました。
頭を冷やしてみればすぐに分かりそうなものですが、この輸出管理規制とは中国、イラン、北朝鮮などの大量破壊兵器を製造している国に対して向けられているワッセナー・アレンジメントの一部でした。
これを作った国はどこでしょうか?そう、米国です。

米国は冷戦期の対共産圏輸出統制(COCOM・ココム)の後釜として作ったのが、このワッセナー・アレンジメントという国際協定でした。
ここで輸出禁止となった国々は、北朝鮮、イラン、中国など紛れもなく大量破壊兵器を作り、それを使用する可能性が濃厚な国々です。
このワッセナー・アレンジメントは多国間の紳士協定でしたが、米国はそれでは不十分と見て作ったのが、各種の強い輸出管理法の数々でした。

たとえば2019年には、国防権限法(NDAA)と米国輸出管理改革法(ECRA)を登場させます。
これにより、米国はいままでの武器類だけではなく、その部品、製造機械、関連技術、AIなどまで含んだ輸出管理規制措置が取れることになりました。
ファーウェイへの一連の輸出管理規制がこれに相当します。

このような米国の輸出管理規制と、今回の日本がとった韓国への輸出管理規制はまったく同じです。
したがって、米国が外交的配慮で言葉を濁していますが、仲介する意志がないのは当然で、むしろ日米はしっかりと意志統一されているのです。

さてこれが何を意味するのでしょうか?
それは日米同盟が、必ずしも今後引き続いて韓国を支えないかもしれないということです。
これを見て蠢いたのが周辺国の中露北朝鮮です。

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これについては別途に詳しく分析しますが、まず7月23日には中露が竹島上空に領空侵犯し、続いて数日も置かずに25日には北朝鮮がイスカンデル弾道ミサイルを発射しました。

これは偶然ではありえません。
周辺国は、日米同盟の後ろ楯を喪失しつつある韓国を攻め時とみて、露骨なまでの揺さぶりをかけてきたのです。
中露にとっては、彼らの核戦略にとっての共通の障害であったTHAADの撤去、北にとっては米韓合同演習の中止が当座の目的でしょう。
そして中長期的には、韓国そのものを日米同盟から切り離して料理するための布石です。

長くなりましたので、明日に続けます。

 

 

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コメント

> 韓国 安全保障を揺るがすと、すべてが揺らいでくる

 名言だと思いますね。この言葉は我が国にも当てはまるものです。韓国の場合は特に言えることであり、ムンジェイン大統領は韓国を亡ぼしかねないぐらいのことしていると思いますね。アホな大統領だと言ってもいいぐらいのものです。こんなことをしていると、韓国人が皆にバカにされそうです。

 韓国保守の決起に期待しております。韓国保守ならなんとか持つかもしれない。とは言うものの、前任の大統領もその前の大統領もたいしたものではありませんでした。韓国に人材はいないのかな。救国の政治家よ出でよ という気持ちです。

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