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2019年7月 4日 (木)

日韓官僚戦争としての「オペレーションK」

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琉球新報(7月3日)がこんなことを言っています。

日韓両国の関係悪化は、双方に不利益をもたらすだけだ。一度頭を冷やし、両国にとって最善の解決策を外交努力によって見つけるべきだ。 」

なるほど、なるほど、「双方に不利益」、「頭を冷やせ」「外交的努力」ですか。
分かっていませんね、冷静な外交努力を重ねたが裏切られ続けたのですよ。
条約の一方的廃棄までやられてはねぇ。

琉新さん。いつも頭に血が上ったような記事ばかり書いているから、他人もそうだと思いましたか。
あいにくですが、多くの日本人は冷めきっています。人は怒りの燃焼温度が高いほど青い炎になるのですよ。

今回の輸出管理強化(禁輸じゃないですから、よろしく)は、日本最大のシンクタンクである霞が関が省庁横断で作ったものの一発目です。
ここがわからないでアベが参院選目当てに作らせたんだ、なんて言っているから分からなくなります。
もちろん命じたのは安倍氏でしょうが、それははるか半年以上も前のこと。
それから膨大な時間をかけて、各省がすり合わせをして出来たのがこの「オペレーションK」なのです。
あ、これ、私の勝手なネーミングです(笑)。

省庁横断で、この「制裁」プランを実施した場合、そのシミュレーションをしていなければ嘘です。
予想される韓国企業と政府の対応、国際社会の対応、なかんずく中国の対応、国内企業への返り血などなどが、「頭を冷やして」検討されているはずです。

初めにフッ酸が登場したのも偶然ではなく、そのインパクトの強さから選ばれたのでしょう。
いきなり、第1撃で韓国経済の首根っこである電子工業のキイデバイスを攻撃したのですから、偶然であるはずがありません。

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この司令塔が官邸であったとしても、矢面に立つ担当大臣に世耕経済産業大臣、河野外務大臣という強力な人材でを固めた布陣が出来ていたことも実施段階にゴーサインが発動された理由です。
桜田さんなら話にもなりませんからね(苦笑)。

世耕経産相の記者会見(7月2日)を見ておきましょう。
https://www.meti.go.jp/speeches/kaiken/2019/20190702001.html

「今回の措置についてですが、そもそも国際合意に基づいて安全保障のために軍用品への転用が可能な機微技術などの輸出については、実効性のある管理が求められているところであります。
そのために必要な見直しを不断に行うということは、これは国際社会の一員として当然の責務だというふうに思っています。
WTOを中心とする自由貿易体制の下においても、各国はその義務を着実に履行することが求められ、各国とも現に実施をしているところであります。GATTの21条でも、そういったことは明確に規定をされているわけであります」

世耕大臣は過不足なくポイントを押えて答えています。整理しておきます。

①大量破壊兵器に転用可能な輸出品は厳重な管理に置かれるべきである
②この厳格化は国際社会への責務だ
③WTO21条に根拠がある

日本政府の発信はこれだけでよいのです。
韓国に悪罵を叫ぶ必要はありません。冷静に突き放せばよい。
韓国に軍事転用可能な輸出品に軍事転用疑惑が多々あるため誠意ある回答をG20まで求めたが、返答がないので管理態勢を厳格化した、これはWTO21条に則っている、それだけです。

ですから、これは政治家が出る幕はあまりなく、日韓官僚戦争なのです。
ムン閣下は、いままでの通例では絶対に矢面には立ちません。
ある時は最高裁に丸投げし、ある時は国防省に投げて、自分は安全地帯におさまって他人ごとのような顔をするのが得意です。
冬季五輪や南北会談などのパーフォーマンスには押し退けてでも出たがりますが、大変なことはすべて官僚任せです。
たぶん師匠のノムヒョンの最期を側近として見ていた処世訓なんでしょうかね。

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今回も同じような対応をするはずです。ムン閣下は、通商部に丸投げして知らん顔を決め込みます。
本来、青瓦台がやるべきは、日本の「奇襲」を受けて混乱する産業界を落ち着かせることなんですが。

無能な韓国政府のために、韓国産業界は大混乱の態です。

「「まさか」の措置だった。日本政府が2019年7月1日、韓国への輸出規制強化を発表したことに対して、韓国の半導体業界は衝撃を受けている。
 取引先日本メーカーにも問い合わせが相次いだ。
「政府間の問題で民間企業が犠牲になるのはかなわない。実際にどこまで影響が出るか想像もつかない。(略)
「業界は大変なのか?」と聞いたら、「サムスン電子もSKハイニックスも、幹部が集まって情報収集と対応に追われている。トランプ大統領の話どころではない」という答えだった」
韓国紙デスクによると、「韓国メーカーの担当者は徹夜で対応策つくりに追われていた」という」(玉置直司 JBプレス)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/56899」

この混乱を、どこまで韓国の官僚が押さえ込めることができるかが見物です。
どうも今のところ、内製化するなんて空疎なことを言ってみたり、中国から輸入するから大丈夫なんて言っているようではどんなもんでしょうか。

フッ酸の原料は蛍石ですが、これは中国が独占的に生産しています。
ただ、中国には原料はあるが、ここから高品質のフッ酸を製造する技術がないわけです。
だから日中合弁の形で、中国で日本企業がフッ酸を作って輸出しています。

韓国が中国から輸入する」というのは、なんのことはない中国で生産する日本企業から輸入するという意味にすぎません。
中国は輸出管理規制をしない可能性があるので、確かにここは抜け道にはなりえますが、なにぶん時間がかかります。

貯蔵と移送が難しい危険物質のフッ酸を、右から左に輸入先を替えるのは至難の業だからで、在庫がなくなると見られている1カ月以内にそれが完了できるとは思えません。
仮に出来たとしても、在中日本企業は本国の監督官庁の意志に逆らうことになりますから、不利益覚悟でするでしょうか。
それに韓国とは関係が冷えきっている中国が、日本が大義名分にしている「大量破壊兵器への転用可能な資材」に、表立って反対できるかどうか。
そう考えると、中国もまた北の核兵器製造には神経を尖らせていますから、日本と同じような輸出管理の厳重化の道を取るかもしれません。
このへんの動向は、始まったばかりなのでは未知数です。
とまれ、どこをどうしても価格はつり上がりますから、元の値段では入手できませんけどね。

ただし、この輸出審査の厳重化という措置は時限戦術のようです。

中部大学・細川正彦氏(元経済産業省貿易管理部長)はこのように述べています。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00133/00013/?n_cid=nbponb_twbn

「なお、この個別許可について、一部の報道では「出荷ごと」に許可が必要となり、日々、工場から韓国に製品を出荷しているようなビジネスが停滞してしまうというような報道によって、輸出企業の現場は混乱しているようだ。これは誤解で、個別許可は”契約ごと”に必要で、一契約で何回にも出荷を分ける通常のビジネスは当然、一度個別許可を得ていれば出荷ごとに許可を得る必要ない」

細川氏によれば、審査が契約ごとのために、当初は混乱する可能性が高いが、一定期間が過ぎればも違反が認められなければ輸出に応じるということです。ここが禁輸との大きな違いです。
したがって、それまでに韓国の通商部が日本の転用疑惑に、日本側が納得できる答えを出せるかどうか、です。
そして暴落を続けるドル-ウォン相場が持つかどうか。
サムスンなどの電子工業の株価が維持できるかどうか、です。
韓国にとっては時間との勝負ですが、日本は冷静に高みの見物をしていればよいだけのことです。

そして忘れちゃいけないのが、この輸出管理の厳格化は、初めの一発目だということです。
なんせ俗にあと100発あるという噂もありますから、今回の影響の弾着観測してから第2弾、3弾を発動するつもりかもしれません。

いずれにしても韓国に忠告しますが、日本 の役人を甘くみないほうがいいですよ。
日本の官僚も、日本社会も至ってクールに韓国を許していないだけのことですから。

 

 

 

 

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コメント

文大統領は、南北融和以外の面倒事は官僚に押し付けて、自らは大韓半島帝国を作り上げることにしか興味がないのだと思います。朝鮮半島が統一国家になれば日本はおろか米中露にも勝てる、と思っているに違いありません。今回のことで文大統領が焦るとしたら、経済政策や対日政策ではなく、北との融和をより急ぐことにリソースを割くことだろうと思います。低下傾向とは言え未だに支持率40%超と聞きますが、韓国国民は何を思っているのでしょうか。
ともあれ、韓国のロビー力を侮ることなく、粛々と作業を進めて行ってほしいものです。水産物禁輸のWTO判断では痛い目を見ました。

これさえ無ければよくやったと評価出来たのですが…

世耕大臣の7月3日のツイートにて

「経緯③ さらに今年に入ってこれまで両国間で積み重ねてきた友好協力関係に反する韓国側の否定的な動きが相次ぎ、その上で、旧朝鮮半島出身労働者問題については、G20までに満足する解決策が示されず、関係省庁で相談した結果、信頼関係が著しく損なわれたと言わざるを得ない。」

https://twitter.com/SekoHiroshige/status/1146394437121036289


言わなくてもいい「自称徴用工問題」を今回の処置に至った経緯に加えてしまったために韓国側につけ入る隙を作ってしまう大チョンボを自ら犯してしまったように思えます。
これまであえて言わなかったのではなく、たまたま言ってなかっただけのか?思えるくらい今回の事案に対する認識の甘さを感じずにはいられません。
トランプじゃあるまいしこの手のコメントはもっと慎重に発信してもらわないと。

世耕経産大臣の説明が理路整然としていいですね。韓国が日本との約束を守らない。国際法違反の行為を改めない。問題発生時の決められた話し合いにも応じようとしない。だから日本政府として韓国は信用できる国ではなくなった、と判断した。その結果、日本からの韓国への輸出管理の方法が改められた。ただ、それだけのことですね。

韓国がこの日本の処置を改めて欲しいと思うなら。一連の自らの態度を反省し、「約束を守る国」「国際法を守る法治国家」になればいいだけのことです。私たち日本人からすればフツーのことですが、難しいんでしょうね。

とても分かりやすい構図になってきたように思います。

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