高野連と朝日新聞は、「運動絶対禁止」、ないしは「厳重警戒」下に多くの高校球児と観客をさらしています
去年7月21日の記事を再度掲載します。状況はまったく改善されていません。
この大会でも、足がつる選手が続出しています。
原因はわかりきっています。熱中症です。
しかも腹が立つことに苦しむ選手を美談に祭り上げてしまっています。
彼らの熱戦と、大会運営のあり方による事故は全く別次元なのに、です。
事故、そうです、あれはあきらかなスポーツを原因とする事故そのものです。
https://www.daily.co.jp/baseball/2018/08/07/001152...
事故ならば、原因があり、対策があるはずですが、何の対策もたてられないまま毎年行われています。
プロではあたりまえの投球制限や、登板日の間隔はおろか、投手の肩アイシングといった簡単な対処すらしていません。
なによりも異常な密度での試合!
高野連は、高校生という身体ができていない子供を壊してしまうつもりでしょうか。
それを仮に「教育」というなら根本的に学生スポーツをはき違えています。
なんの改善もせずに、水を飲ませる程度でお茶をにごしている利権集団と化した高野連、そして商業主義にとりつかれた朝日新聞には既に解決能力がありません。
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朝日のこんな偽善的な記事(7月14日)を読むと胸糞が悪くなります。
https://www.asahi.com/articles/ASL7G5H4GL7GUTQP03W.html
「毎年、熱中症でみなさんと同年代の部員が亡くなったり、意識不明になったりしています。
今年も事故が起きました。12日に、大津市の中学校で、男子ソフトテニス部の2年生が、熱中症で救急搬送されました。(略)
日本スポーツ協会はこのWBGTが25~28度になると「積極的に水分、塩分を補給する」、28~31度だと「激しい運動や持久走は中止」という指標を出しています。そうした状況では練習には細心の注意が必要なのですが、正しい知識を持たず、認識が甘い先生がいるのが事実です。
これからの時期、給水が少なかったり、過度な持久走が課されたり、そうしたことについての意見が言えない雰囲気があるなら、それは先生の間違いです。
「それは無理」と感じた時、「もうダメだ」と体に異変を感じた時、仲間の様子がおかしい時、自分や仲間を守るために、声を上げましょう。とても勇気がいることです。でも、みなさんの方が正しい場合がきっとあります」
ここで朝日の編集委員が言っているWBGT評価というのは、下図の日本体育協会が定めた「熱中症予防のための運動指針」というものです。
朝日さん、おいおいです。あなたの会社は主催者です。「声をあげることが勇気がいる」状況を作ったのは、他ならぬあなた方なのです。
朝日に言われないまでも、甲子園がある大阪では8月に入って、連日「運動は絶対禁止」の35度を連日超えており、30度を割った日は1日もありません。
https://weather.goo.ne.jp/past/772/20170800/
つまり、こんな時期にやるなということです。
結果、主催者の高野連と朝日新聞は、「運動絶対禁止」、ないしは「厳重警戒」下に、多くの高校球児と観客をさらしています。
それを「教育の一環」という美名で放置し続けてきました。
忘れかかっているらしいので、朝日と高野連のために高野連規約をみておきます。
「第2条 学生野球は、教育の一環であり、平和で民主的な人類社会の形成者として必要な資質を備えた人間の育成を目的とする」
「教育の一環」というなら、生徒の身体を少しは心配したらどうですか。
こんな過酷極まる気象条件で競わせた上に、エース級投手はほとんどの高校がひとりしかいません。
しかも完投が強いられます。準決勝、決勝ともなれば、連日連投を強いられるというプロなら絶対にありえないスケジュールが組まれています。
プロがしないのは、こんな無謀な連投をやったら、投手が二度と野球ができない肩になるからです。
せめてもの改善は2013年からの準々決勝と準決勝の間に休養日を入れたことくらいですから、「教育の一環」という規約が泣きます。
これでいかに多くの高校球児が、一生使い物にならない肩になったのか、野球ができない身体になってしまったのか、高野連と朝日は調査してみるといいと思います。
全国高校野球大会を止めろなどという気は毛頭ありません。長く残すべき、日本の誇るべきスポーツ競技大会です。
だからこそ、なぜ真夏の炎天下、年間最も暑い8月にするのかを問うています。秋にできない理由でもあるのでしょうか。
日本が一番暑い時によりによってやることはありません。こう書くと、年配者の人には、オレたちだって歯をくいしばって真夏にやったんだという人もいるでしょうが、あなたの若い頃とは気象条件が違うのです。
中には所沢市長のように、「教室にクーラーをいれないのが教育だ」なんてバカ言っている人もいるようです。
下は大阪7、8月の気温の推移グラフです。
「夏の甲子園で優勝した元報徳学園のエース金村義明さんは、「僕が投げている時よりはるかに暑い。今だと僕死んでますよ」と断言した」(スポーツ報知7月20日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180720-00000270-sph-ent
あるいはドームならまだしも、屋根もない甲子園球場で、未成年者の生徒に競わせるのが非常識だと言っているのです。
現に、2011年には出場選手が次々に熱中症で倒れ、没収試合となるケースが発生しています。
しかも球児だけではありません、勝ち進めば進むほどバスを連ねて応援に来る応援団の生徒たちも膨大な数に登ります。
それが全国各地で甲子園を目指して、連日繰り広げられているのです。
いかに多くの子供たちの身体が危機にさらされているか、思いを致して下さい。
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夏はお盆で帰省があり、春は新年度で新たな旅立ちや別れがあり。。故郷に思いを馳せる時期となり新聞も売れる…ってところてしょうか
投稿: 月桃 | 2019年8月13日 (火) 06時48分
米子東みたいな田舎の名門進学校がいまだに戦えてるのは素晴らしいんですけどね。
夏空の中白球を追う高校生の姿は素晴らしいという観念を捨てないといけませんね。
昭和の頃とは「暑さ」が全く違います。
あと、受験を控えた3年生のことを考えたら、秋は無理。サッカーの選手権とかでも問題になってますけど、進学校の3年なら文化系部活は3年生は春にすぐ引退が普通。
となると、いわゆる春高野球止めてその時期に持っていくしかないですね。
春の選抜直後だって?
あっちは毎日新聞主催ですから、高野連が調整(たぶんそんな能力ないだろうけど)して秋の大会(新人戦ってヤツです)にでもするしかありません。毎日は嫌がるだろうな。
で、先日の鈴木大地スポーツ庁長官の発言があったんですけど、もはや国と文科省レベルで議論して強制するしかないのが実情ですな。
投稿: 山形 | 2019年8月13日 (火) 06時50分
おかしいですね。
マスコミというのは、ほんとマフィアですね。
岡山の林原という研究・メセナ指向型企業を、十分な資産価値があるのに、大手法律・会計事務所、銀行、マスコミが襲いかかり、潰してバーゲンセールしてしまいました。マスコミはリーク情報を独自取材とか称して、闇雲に騒ぎ立てる役割をするんですね。ことの真相なんてどうでもよい、ドラマ化して、程度の低い勧善懲悪物語の脚本兼演技をする興業会社なんですかね。
球児等の健康問題を無視して、甲子園という人気ドラマ制作にしか頭が回らない、前近代的な団体なんでしょうか。それを国民が見て、狂奔し、なんの疑問も持たないのは異常過ぎると思います。
投稿: オイラー | 2019年8月13日 (火) 09時03分
夏の高校野球が教育?。ははは、管理人さん御冗談を。あれは夏の盂蘭盆会、先祖供養、すなわち完全な先祖供養です。主催団題名をご覧なさい。高野山もとい高野連でしょ。クラウンドにいるのは選手では無く千僧供養の小僧たちです。いや、神仏に捧げる供御の稚児ですかな。ドーム球場で試合?。「浜風」という神風が気ままに吹かないドームなんて、神意を占うことができなくなるので、絶対に駄目でしょう。さいきん甲子園をめぐる「祭り派」と「スポーツ派」の対立という文章がネットにのってますが、日本の大半が実は祭りとして夏の甲子園を受け止めておりますので、「ドームで涼やかに犠牲なく大会を」という意見は、まあ通らないと思います。熱中症で選手がたとい死亡しても、それは儀式に伴う人身御供ですから、美談化されるのは理の当然なのです。ははは。
投稿: リアリティショー | 2019年8月13日 (火) 09時48分
待ってました今日の記事。
温暖化が〜 異常気象が〜猛暑が〜熱中症が〜オリンピックの猛暑対策が〜と散々危険を叫ぶ口で、7日には炎天下のスタンドで兄を応援してチアダンスする5歳児までも称賛する鶏頭で、朝日はいったい何処までバカになれば気が済むのか、鶏頭じゃないなら選手と家族と観客をそんなに痛めつけたいんだねと思うしかないです。
朝日を頼る人たちは本当にそれでいいんですかねぇ。
投稿: 宜野湾より | 2019年8月13日 (火) 09時51分
あと付け加えれば、高校野球に似たものとして、正月の箱根駅伝がありますね。あれも道中の気温や風の激変に伴う番狂わせの発生など、「神意」に左右されて選手が時に死屍累々というで、まさに宗教行事です。甲子園で燃え尽きて潰れる生徒が多いように、箱根で終わる選手も多いのも共通してます。そもそもオリンピックのマラソン選手養成のためという大義名分のもと始まったのに、「駅伝有害論」が出るほど、全く効果がないのも似ております。そしてこの「行事」も、ほんらいはローカルな「祭礼」だったのに、テレビ局が持ち上げて全国的行事となったのも、甲子園と似ております。大仏開眼で中央デビューした豊後の田舎の八幡神みたいなもんですな、箱根駅伝の神様も。
投稿: リアリティショー | 2019年8月13日 (火) 09時57分
山形さん案の変形ですが、いっそ夏をやめて春に一本化すればどうでしょう。
毎日新聞は発狂するかも知れませんが、昨今の二紙の凋落ぶりを考えれば
ここは思い切り合併をして名前も「毎朝新聞」として一新を図る、とか。
暑さ対策で舞台を甲子園からドーム球場にとの意見もありますが、
負けたチームの面々が手に手にカッターナイフを持って、
人工芝を切り取るなんて姿はあんまりぞっとしませんしね。
タイブレーク導入のように出来るところからやればどうですかねえ。
何なら思い切って9回を7回にするとか。
かつてプロボクシングでは世界戦を15Rから12Rへ変更しました。
やる気さえあれば大して反対はないと思いますけどね。
また昼間の試合を一切やめて午前二試合、ナイトゲーム二試合にするとか。
ただやたらアメリカのやり方を持ち上げて、
球数制限云々というのもどうかと思います。
本当に科学的根拠があるんでしょうか?
トミージョン手術が劇的に減ったとも思えないんですけどね。
精神論で水も飲まさないなんてのもいかがな物かとは思いますが、
そこまで蝶よ花よと育てたいなら、
そんな危険なこといっそやめさせた方がいいとも思います。
投稿: 右翼も左翼も大嫌い | 2019年8月13日 (火) 10時53分
冬の高校サッカーの過密スケジュールも酷いですが、酷暑対策のない連戦で大儲けしている高校野球の罪は、より重いと思います。
山形さんお書きのように春の毎日と腰を据えて調整して大会まるごと動かすなりすべきですが、、、期待ゼロです。
いっそ毎日が潰れたら利権が1つになって動かせたりして。
投稿: ふゆみ | 2019年8月13日 (火) 14時24分