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2019年8月14日 (水)

高校野球の原点を忘れた高野連と朝日新聞

058今日も去年の2018年8月22日の記事を再掲します。

                                                            ~~~~~~

金足農、力及ばずでした。大阪桐蔭、素晴らしい勝利でした。歴史に名を刻みました。おめでとうございます。 
私は奇跡なんかあるわきゃないと思いつつ応援していましたが、5回で吉田が大量得点をもらった時には天を仰ぎました。
終了時にあたかも選手たちの健闘をたたえるように、虹がかかったのが心に残りました。

Photoひのえ様のツイッターより引用いたしました。ありがとうございます。https://twitter.com/hinoe2

あんなに悪い吉田は初めてみました。連日の投げすぎによる疲労困憊の極にあったのでしょう。 
6試合で881球!その上に地方大会もひとりで投げきりました。
プロなら絶対にそんなキチガイじみたハードスケジュールで投手を使いません。故障しないほうが奇跡だからです。

吉田も4回から下半身がおかしいと訴えていましたし、股関節の異常も漏らしていました。
彼の明るい笑顔と裏腹に、吉田は既にいうことをきかなくなっている足、肘、指をなだめながら投げていたのです。
高校野球大会で肩を潰した選手は多いですから、後障害が残らないか心配です。

田はすでに数回目からフォームがもう体を成していませんでした。
エースをここまで酷使しておきながら、なにが「高校野球のお手本」(八田会長)ですか。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180822-00000002-wordleafs-base
そんな吉田に連日100球越えで投げさせる、非常識の極みです。

高野連、そして主催者である朝日新聞の非人道的、非教育的、いやそれ以前に常識さえ持ち合わせていないことに驚きます。 
そしてそれを、「感動」「共感」を安売りするメディアの浅はかさがたまりません。 

20180821s00001002176000p_thumhttps://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2018/08/2... 

そもそもこの両校の対戦は、平等性が担保されていないのです。 
いやしくもスポーツ大会で平等のルール、平等のレギュレーションがなければ、それはスポーツ大会とは言いません。 
レギュレーションとは規則、規約のことですが、、あまりにも実情に合っていません。 

高野連が出場資格をあたえている高校の定義は、「日本学生野球憲章」にこうあります。 

「第3条(定義)
2イ高等学校野球連盟に加盟できる学校は、原則として、学校教育法で定める高等学校とし、日本高等学校野球連盟は、日本学生野球協会の承認を得て、高等学校野球連盟に加盟する資格および基準を定める」

http://www.jhbf.or.jp/rule/charter/index.html 

ここにはただ「学校教育法で定める高等学校」とあるだけです。 これでは何も決めていないに等しいではありませんか。
この学生野球憲章ができたのは昭和21年12月ですから、まだ日本が焼け跡だらけの頃です。 
このような日本が立ち直れるかどうかさえわからなかった時代に、高校野球を通じて復興を担う青年たちに夢を与えようと立ち上がった高校野球関係者に脱帽します。 

しかし、それから一体何年たっているのでしょうか。軽く半世紀を超えて、実に77年です。 
その間、「学校教育法で定める高等学校」がどれだけ変質を重ねてきたのか、です。 
こう言ってはなんですが、金足農はただの地方の県立農業高校です。地方の農家の子弟を中心にした地域農業の次世代を育てる学校です。 

 

Tp2882金足農高HP
http://www.kanano-h.akita-pref.ed.jp/H28topics.html 

吉田の実家も梨農家だと聞きました。ナインの家は皆、なにかしらの形で農業を営む家庭です。 
選手の中核である投手は、大会最後の最後の6回で三塁手と替わるまで吉田ひとりで投げ抜きました。
一方、大阪桐蔭は質が変わらない柿木、横川、根尾の3名の体制で臨みました。

天才投手がひとりで肩が抜けそうになるまで投げるのか、3名で交代で投げるシステム野球が有利か、どちらが勝利するかは考えないでもわかります。
これで大都市に所在する大阪桐蔭のような私立校と戦え、というほうが本来無理なのです。 

大阪桐蔭は、体育コースを別に設けて、全国から生徒を募っています。スカウトで入学した者も多いといいます。 
Ⅰ類東大・京大コース、Ⅱ類一般進学コース、Ⅲ類体育と、入学試験から別途に教育をしている大阪桐蔭のような私立高と、「ただの県立高」が対戦しろというほうがどだい無理です。 

なにより私立高校には学区の制限がありません。
金足農は秋田県、しかも遠方ではなく、金足近辺の子弟に限られています。
 
それに対して、大阪桐蔭などの私立強豪校は全国区です。 
いわば市会議員選と全国区の議員選を、ゴッチャ混ぜにして実施しているようなものなのです。 
こんなメチャクチャなレギュレーションのスポーツ大会があるでしょうか。 

実際、大阪桐蔭の今回登録メンバー18名中、大阪府内出身はわずか5名でした。4番藤原が府内なのが救いです。
http://apapnews.com/famousmember/290/ 
投手の柿木は佐賀、キャッチャーの小泉は和歌山といった具合で、大阪出身が少数派な「大阪代表高」なのです。 
大会前に大阪桐蔭の春夏連覇を阻むと予想されていた智弁和歌山、龍谷大平安、横浜、木更津総合、創成館などは、みな大同小異の「全国区」の高校でした。 

こういう「全国区」も「地方区」もゴッチャにして戦わせる形式は、もはや平等とはいえません。
今後も高校野球を「教育」という名でやるなら、構造を変えていかねばならない時期にきています。
「教育」と高野連が謳う以上、星の数ほどある高校に等しくチャンスを与えねばおかしいからです。

プロを目指す少年が全国から強豪校に集まるのは、プロ野球が高校野球を草刈り場としている以上避けられない資本の原理です。
県外選手が多数を占めるのも同じで、もはや致し方ないでしょう。
ですから、そのような高校はひとつのカテゴリーを作って、その中で対戦するのが自然なのです。
初めからプロを目指して高校に進学し、一般生徒とは別枠で鍛え上げられる私立高校は「全国区」へ。
公立高校などは「地方区」同士の全国大会へと、別に全国大会を持つべきです。
そしてその上で「全国区」の勝者と、「地方区」の勝者が日本一を戦えばいいでしょう。今回のように、そうそう簡単に地方公立高は負けませんよ。

もうひとつ。長くなるので駆け足で書きますが、今回、夏の炎暑の下でやることは殺人的だと分かりました。
足がつる選手が続出したのは、熱中症の兆候です。

そもそも春大会が毎日新聞、夏大会が朝日新聞と二回に分けて開催するからおかしくなるのです。
新聞社やNHKの商業主義に、高野連が相乗りしているからこうなります。
これでは選手に一年中大会を目指して野球をやっていろというようなもので、これが「教育」でしょうか。

春夏を合併させて゛、一年に一回気候のいい5月にでもしたらいいのです。
高校野球を嫌いだという日本人は少ないはずです。私もこのシーズンを待ちわびるひとりです。
だからあえて全国高校野球大会は、原点に戻ってくれと思います。 

このような選手無視の高野連の姿勢は、表彰式終了後1時間もどーでもいいエライさんのスピーチで疲労の極にいる選手たちを立たせたままでいたことにも現れています。
八田会長いわく。「阪神甲子園球場を訪れたお客さんの数は、史上初めて100万人を突破をして最多の101万5000人にのぼりました」ですと。
そりゃあんたらの商売でしょう。商売うまくいきました、と1時間もぐだぐだやっているな。
表彰式後、直ちに彼ら選手をケアしようとどうして思わないのか。そのほうがよほど不思議です。
高野連は教育者失格です。

彼らは朝日、毎日、NHKといった巨大マスコミと癒着することで、焼け跡の中から高校野球大会を復興した初発の原点を忘れてしまったのです。
いいかげんにしろ、大会はあんたら利権にしがみつく大人のためにあるのではないのです。

 

 

 

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コメント

選手ファーストの大会にして欲しいという思いは同じですが、不平等という点は違うと思います。

大阪桐蔭と金足農は力を入れている点が違うだけで、大阪桐蔭のフィールドに農業高校が足を踏み入れたら、農業高が不利なのは仕方がないのではないでしょうか?

金足の選手達も高校野球のフィールドで平等に勝負をしたいなら秋田商などの県下の強豪や同じ東北の全国区高校である仙台育英などに入れば良かったわけで

うーん、キオさんピントがずれてますね。

元々「高校野球で甲子園を目指す」目的の学校と、過疎の田舎の公立校が同じルールでエース連投するのは「土俵が違う」ってな話ですから。
甲子園目指すためにその高校に入ったかどうかとは全く違う話です。金足なんてそれこそ今時珍しい農業高校ですよ。
じゃ、古豪の秋田商業だったらなんて前提すら成り立ちません。
私立強豪は甲子園に行くために全国から選手集めてるってだけです。
お話になりませんね。

キオさん
管理人さんはその「力を入れてる点が違い、(その一方が)不利なのは仕方がない」のに同じフィールドで戦うしかない状況を不公平と主張されてるのではないでしょうか?
お二人のお考えはさほど違っていないように思えます。

高校球児の「美談」は戦前~戦中の前線兵士の美談の現代バージョンです。また、各県高校の地元応援意識は、作られたものであるにせよ、戦前のオラが県が生んだ陸海軍大将への応援意識の現代バージョンです。現在の高校野球を大メディアが持ち上げる状況は、戦前の軍部への支持を大メディアが持ち上げたものの現代バージョンです。

高校野球人気が、本来はプロフェッショナルスポーツに適用されるべきフランチャイズ意識を曖昧なものにしました。
朝日・毎日の高校野球、読売のプロ野球と大メディアの金蔓の棲み分けにより野球というスポーツは管理下に置かれることになりました。

高校野球に教育という偽善のヴェールを被せてはいますが、教育の本質の一つが選別機能であるならば、プロ予備軍を大切に選別するのも教育ですが、そのようには扱いません。

結局、日本にはまともな教育スポーツも、プロフェッショナルスポーツも根付きませんでしたが、それは、野球と言う日本人にとって代表的なスポーツが、大メディアという、最も愚劣な産業の支配下におかれたことに起因すると思います。

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