共同通信の「共同基金」報道、半日で捏造とバレる
コメントがすぐに表示されない障害が続いています。
遅れてでもかならずアップいたしますので、ご安心下さい。
くそっ、ひさしぶりにやられました。昨日記事にしました共同の「日韓企業で共同の基金を作る」という報道は、捏造でした。
誤報と呼ぶよりまったくなにもないことをデッチ上げたのですから、むしろ捏造と呼んであげましょう。
それにしても、ひょっとして米国が圧力かけてきたら日本も呑みかねないような部分があっただけに、実に気味の悪い報道でした。
この共同記事が日本が謝罪して賠償します、みたいなもんならダマされませんが、妙に落とし所を突いてきている部分があるのが信憑性があったのです。
当該の共同の記事です。
「日韓両政府が元徴用工問題を巡り、事態収拾に向けた合意案の検討に着手したことが28日、分かった。韓国の政府と企業が経済協力名目の基金を創設し、日本企業も参加するとした案が浮上している」(共同10月28日)https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191028-00000158-kyodonews-pol
もう一回読み直しても、もっともらしいやね(笑)。
日本企業の一部にはこのまま韓国で商売しにくくなるより、いっそ筋はおかしくても「共同基金」に入って韓国政府の覚えめでたくしたいという企業が出てきてもおかしないかもしれません。
ユニクロの柳井社長のように、「政府は商売の邪魔すんな」という考えかたをする企業があるかもしれませんしね。
一方、日本政府からは賠償に応じたら承知しないぞ、と釘を刺されているのですから、両者にはさまって苦しいことは事実でしょう。
そんな時に、自由参加の「共同基金」なんて甘い誘惑じゃありませんか。
仮に日韓両政府が落とし所を探っていたのなら、この政府が表面的には関与しないために日韓基本条約に反さずに、カネは企業が「経済協力」名義で出す、いい案じゃないかとおもってもまんざらおかしくはありません。
だから、この案は危険なのです。
「共同基金」構想なんて陳腐なんですよ。なにせいままで第1、第2次次慰安婦合意で既に2回もやっていて、いずれも韓国側の違約で破綻しているんですぜ。
「経済協力金」名義なんて、日韓基本条約交渉で使ったような賠償の言い換えにすぎません。
韓国政府にこんなモノを出せば、国内向けには賠償と言ってのけるていどのことは朝飯前のはずです。
だから日本政府は「国際法を守れ」「二国間の信頼を回復しろ」、とバカの一つ覚えを唱えていればいいのです。
そして韓国が原則に立ち戻るまでながめておれはよろしい。
日韓徴用工紛争は、日韓関係双方とも根幹にかかわるだけに互いに安易に妥協できないでいます。
持久戦モードに入ったのです。
局面が膠着して、おかしな手を先に打ったほうが負ける千日手のようなものです。
こんな時に韓国は日本にイヤガラセをしたいばっかりに、しないでもいいGSOMIA廃棄で米国を怒らせたあげく国論を二分するという下策に走りました。
膠着状況は崩れました。
気の毒にもはやムン閣下がギブアップするのは時間の問題です。
ムン閣下がしなくても、後任が関係修復を求めてくるはずです。
それまで日本は高みの見物をしていればよい。
逆に日本にとって一番やってはいけないことは、持久戦に耐えきれず日本国内の与党内部からでてくるおかしな妥協の呼び水に耳を貸すことです。
長年韓国利権に浸っていたような自民党内親韓派の連中からすれば、干上がってしまう恐怖からなにかを画策せずにはいられなかったのかもしれませんね。
後は米国の動きです。いわゆるワシントンのエスタブリッシュメントからすれば、なんとか日韓関係を正常化させてしまいたいと思うでしょうね。
実際にその動きは出ています。
ただ、これはトランプの思惑とはズレているはずです。
この共同の記事だがイヤラシイのは、こういう思惑と利害が錯綜する空気を背景にしているからで、読む者にひょっとしてと思わせてしまうからなのです。
さてこの記事について、半日もたたずに日韓両政府が否定しました。
「[ソウル/東京 29日 ロイター] - 菅義偉官房長官は29日の閣議後の会見で、元徴用工問題を巡り、日韓が協力基金を創設する案が浮上しているとの一部報道について、そのような事実はないと否定した。 (略)
韓国外務省も、報道は事実と異なると表明。声明で「(韓国)政府は司法判断を尊重する一方で、犠牲者と両国の国民が受け入れられる妥当な道筋を見いだす可能性も排除しておらず、日本の外交当局と引き続きやりとりしている」と説明した。」(ロイター10月29日)
https://jp.reuters.com/article/southkorea-japan-laborers-idJPKBN1X8058
この共同のフェークニュースは、おそらく日韓議員連盟の幹部の誰か、あえて名指しをすれば河村健夫元官房長官あたりが共同に何らかの意図でリークたような気配です。
私が河村氏だとおもうのは、河村氏がこの9月に韓日議員連盟が訪日した際にその受け皿となった人物であるうえに、「韓国は日本に一番近い国で引っ越せない」と題する朝日のインタビューでこう述べているからです。
「ソウルの首相公邸で2時間近く話しました。李氏は『ともかく(日本が輸出手続きを簡略化できる)ホワイト国のリストに韓国を戻してくれれば、GSOMIAは一緒にやれる』と話していました。私は、元徴用工の問題解決が最優先だと考えていますので『前提は徴用工だ』と言ったら、李氏は『それについては1プラス1プラスαを考えている』と。
つまり、『1プラス1』は徴用工と関係した日本と韓国の企業で、これに加えて『プラスα』の韓国政府も資金を拠出して元徴用工らに支給するという提案です。ただ、賠償金をさらに出すと(請求権問題は解決されたとする)日韓請求権協定が崩れてしまう。私は、『日本側に同じような賠償金的な性格を乗せるわけにはいきませんよ』と伝えました」
(朝日10月11日 太字引用者)
https://www.asahi.com/articles/ASMB14595MB1UTFK00J.html
元共同の記者だった青山繁春氏はこの共同記事について、こう自身のブログで書いています。
「ただ同時に、今回の記事は、みずからを追い込んだ、追い詰めた韓国が出してくる案、たとえば「経済援助の基金の創設」といった妙な話を進めるための道具にされかねない記事であり、まさしく国を誤る報道だと考えます。
単なる大誤報と言うより、深刻な誤りです。
ことし1月の外交部会にて、不肖ながら初めて「韓国をホワイト国から除外することを検討すべきだ」と提案してから、ずっと、こうした韓国におもねる動きが日本側から出ることを警戒し続けています。これからも変わりません。」
青山氏が指摘するように、さきほどの河村インタビューでもあきらかのように、韓国は性懲りもなく「1プラス1プラスα 」という形で、日韓企業が共同基金を作り 、それにα、つまり両国政府がカネを拠出したらどうだと河村氏にもちかけています。
そしてこの内容こそが、共同の記事で日本政府が検討を開始したと報じた内容そのままです。
おそらく「共同基金」案は河村氏の持論なんじゃないですか。
※このような河村氏の発言がありましたので、追加しておきます。
「超党派の日韓議員連盟の河村建夫幹事長(自民党)は31日のBSフジテレビ番組で、いわゆる徴用工問題をめぐり悪化した日韓関係の改善に向けて、エネルギー分野など経済協力名目の基金創設は可能だとの認識を示した。 日韓の企業が自発的意思で資金を拠出する方式を前提としている。」(産経10月31日)
河村氏は私人として訪韓したわけではないので、帰国してから安倍氏に李首相がGSOMIA廃棄と「ホワイト国」除外を一括して解決しようと提案されたと報告をしています。
それに対して安倍氏はにべもなく「徴用工問題解決が最優先だ。国と国の約束は守ってほしい」と答えるに止まっています。
官邸がこんな河村案に乗る可能性はかぎりなくゼロです。
しかもこの提案は韓国側においても、李首相がムン大統領と話あって出したとは思えません。
というのは韓国政府も既にこの共同基金案を一回正式に否定しているからです。
「【ソウル=名村隆寛】韓国大統領府は26日、韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた、いわゆる徴用工訴訟の問題の解決策として、韓国政府と日韓両国の民間企業による基金の設置に否定的な見解を示した。大統領府報道官は「韓国政府は最高裁判決を尊重するというのが基本的な立場だ」と強調。
「政府と韓日両国企業が参加する基金という発想自体が非常識だ」と述べた。 同日付の韓国紙、朝鮮日報は、元徴用工らの支援に向け日韓外交当局が意見交換し韓国政府と両国企業による基金創設が検討されていたが、大統領府が「政府が乗り出す問題ではない」と反対したため、この検討案が中断されたと報じた。
大統領府は、この報道については「事実ではない」と否定している」(産経1月26日)
おいおいです。「知日派」の李首相と親韓派筆頭の河村氏が何を話し合ったのか知りませんが、日韓双方の首脳から相手にもされていないのです。
河村氏は共同に対して、あたかも日本政府内で「共同基金」構想が進展しているかのような口ぶりでしゃべったのでしょう。
河村氏がどういったのかは分かりませんが、共同は官邸にまったくパイプを持ちませんから、ろくな裏取りもしないでそのまま願望と事実を混同した記事として配信したのだと思われます。
こうしいう微妙な時期に、このような捏造記事を配信する共同の常識を疑います。
« 米国が日韓妥協へ圧力か? | トップページ | 女系天皇と女性天皇は違います »
一昨日夜のBS日テレ「真相報道」では、これを叩き台に「識者」が延々と討論するというね。なんという茶番。
司会の辛坊さんと隣にいた読売の解説委員の女性が最後まで「それをやって何が変わるの?」と懐疑的でした。
最後は辛坊が「むしろこれまで何でもナアナアでやって来た過去の政府のやり方が問題なのではないでしょうか」で時間切れ。
投稿: 山形 | 2019年10月30日 (水) 06時43分
協同の記事は、河村建夫や日韓議連方面からの恣意的情報に偏った意図的誘導記事であって、これは「ねつ造」とされてもおかしくない悪質なもののように思います。
このような悪質な記事は沖縄二紙では恒常的で、ごく少数の米国知識人の声を拾い、あるいは民間外交と称した団体が少数者の見解を披露し、それを一面で大々的に喧伝する手法で読む人の認識の誤らせています。
基金方式がシャブと同じで「絶対ダメ」なのは、廬武鉉時代から始まった調査ですでに20万人以上が徴用被害者の認定を受けている事。この数は韓国側の判断で増え続けています。
もしやれば、無限に金をむしられるループサイクルの完成です。
慰安婦合意の時の「つかみ金10億円」の方が、まだマシ。しかし、どちらにせよ、韓国が約束を守る事は金輪際あり得ません。
首尾よくICJに落とし込んで日本側が勝っても、同じ事で韓国は約束を守りません。
日本は韓国を相手にしてきたから日韓関係がダメだったのであって、世界が理解する方向でもの事を進めるべきと思います。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2019年10月30日 (水) 11時36分
共同通信は国家間の重要案件に関わる案件に捏造といわれても仕方のない記事を出しておいて無かった事にするのでしょうね。
自分らの思惑に沿った情報ならばウラを取らずに一面報道、都合が悪い情報は報道しない自由の行使と
先の毎日新聞の件といい誤報を認めない姿勢というのがマスコミの衰退の一番の原因だと早く気が付いて欲しいものです。
山形さんへ
BS日テレ「真相報道」ではなく「深層NEWS」ですね。
記念すべきリニューアル第一回ではあいちトリエンナーレをテーマに河村市長を宮台氏をはじめTVにお出しするのはいかがなものかという左翼陣営がフルぼっこにする香ばしい内容でした。
なんとかガマンして1週間視聴しましたが制作サイドの辛坊治郎の名前が欲しかっただけのキャスティングが透けてみえたので打ち切りました。
投稿: しゅりんちゅ | 2019年10月30日 (水) 12時14分
しゅりんちゅさん。
あ、そうです。間違った!
投稿: 山形 | 2019年10月30日 (水) 21時16分
仮に任意で日本企業が基金に参加する案が実現したとしても、まともにガバナンスが機能している上場会社であれば、参加の意思決定には取締役会等で相当な議論になると思います。
山路さんがおっしゃるように「無限に金をむしられるループサイクル」だと公然とわかっている状況で金を出す決断をするわけですから、その経営判断はかなり危ないものとなります。私が株式を持っている会社がこんな基金に参加したら、間違えなくその損失を決断した取締役に補填させる株主代表訴訟を起こすと思います。
投稿: 白雲斎 | 2019年10月31日 (木) 05時45分