デニー知事、尻尾を出す
デニー知事は就任以来、なにもしていません。元タレントだけあってなにかと笑顔をふりまくのはいいのですが、なにかしたのかと言われれば、実効性のあることをこつこつ積み上げるというよりも、彼の取り巻きたちとの間で楽しく遊んでいるとしかみえない風情です。
たとえば全国キャラバンです。
「We love OKINAWA デニー知事キック・オフシンポジウム~沖縄の声を聞き、皆で考えてみませんか?~」と、従来の左翼陣営なら移転阻止総決起集会なんて昭和の香りでいくところを、なんか今風にやりたいという気分だけは伝わってきますが、なんのことはないただのトークショーにすぎません。
宜野湾くれない丸さんも書いておられましたが、定員の規模が東京ですら100名ていどと小規模な上に、何をしたいのか趣旨が見えてきません。
実のある反対運動の拡大につなげるというより、オレ、やってますからというアリバイ作りの臭いが濃厚です。
関連記事「宜野湾くれない丸氏寄稿 デニー知事のキック・オフシンポジウム」
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2019/07/post-2fe652.html
余計なお世話ですが、こんな出張トークショーなんてしている間に、どんどんと埋立は進み、既成事実は積み重なっていくわけです。
仮に政府がここで工事を止めたとしても、原状回復には膨大なコストがかかってしまうのに、今更「キックオフ」してどうするんですか。
要はデニーさんには本気で止める気はないし、止める能力も元々なかった、ということです。
ちなみにこのキャラバンはデニー氏の自腹でやったなら文句はいえないのですが、県の支援事業として1000万が支出されています。
そんなデニーさんを動かしているのは本土のND(新外交イニシアチブ)と名乗る集団です。
このNDは猿田佐世氏という女性弁護士が率いるヒダリ方向の人たちが集まった団体です。
上のNDのHPを見ると、評議員として鳥越俊太郎氏、山口二郎氏と並んだだけでそうとうにゲンナリしますが、それに沖縄からは元沖タイの論説委員だった屋良朝博と後述する市民運動家の徳森りえ氏と鈴木理恵も評議員に並んでいます。
そしてスタッフとして、ハンガーストライキをした「辺野古県民投票の会」代表の元山仁士郎氏が加われば、この団体が目指す方向は特に説明の必要はないでしょう。
このNDの代表の猿田氏は、2018年に鳩山由紀夫元首相や枝野幸男立憲民主党代表の訪米を企画・同行した」と記しているのですが、同じように昨年11月の玉城知事の初訪米にも同じ役割を果たしたとみられています。
またNDはデニー知事の訪米のみならず、 「駐米沖縄大使館」の設置にも関わっていて、ワシントンでのロビー活動に助言を与えています。
就任直後からデニー氏の影には猿田氏とNDが見え隠れしているわけです。
いやそもそも元々革新知事候補として番外扱いだったデニー氏を、いきなり本命に引き上げたのが、NDの創設期からの理事だった市民運動家・徳森りま氏です。
徳森りま氏
徳森氏は朝日の「論座」でこのように述べています。
「大学院を修了後、「島ぐるみ会議」という沖縄の市民団体に事務局スタッフとして関わり、名護市・辺野古へ座り込みに行く市民らの支援や、故・翁長雄志前県知事が国連人権理事会へ参加した際の随行サポートを行った。
機動隊に力づくで市民が排除されていく抗議活動の現場に毎日通い、21世紀の日本で起きている国家的暴力を目の当たりにした」
https://webronza.asahi.com/journalism/articles/2019061800003.html?page=2
そして左翼政党間の揉め事で候補者が決まらない革新陣営にしびれを切らして、候補にも登っていなかったデニー氏を「市民候補」として担ぎ上げようと元山氏らと動きます。
「翁長知事が亡くなって数日が過ぎた後も、知事選の候補者選考は一向にまとまらず県民は気を揉んでいた。そうした中、「辺野古」県民投票の会代表の元山仁士郎さんやSEALDs RYUKYUで活動していた後輩から、一緒に会って話をしたいと声をかけられた。
実は、2018年春に翁長知事のがんが明らかになった時に、市民の間では後継者候補として当時衆議院議員だった玉城デニー氏の名前がささやかれていた。しかし、政党や組織からなる「調整会議」の人選関係者の間で彼の名前が議論されることはなかった。そのことが頭の片隅にあった私は、集まりの中で事情を話してみた」(徳森前掲)
つまり、デニー氏を見つけ出したのは、彼ら徳森氏や元山氏などのNDがらみの人たちやSEALDs RYUKYUの人たちであって、翁長氏の「遺言」ではなかったようです。
現在、この徳森氏は就任した後も、デニー氏の「私設秘書」とよばれるほどの側近となっています。
このNDが企画したのが、今問題となっている「万国津梁(ばんこくしんりょう)会議」でした。
ここに県の受託事業として本年度予算から約2400万円が計上されています。
彼らの企画が政治的に実効性があるかと問われれば、たぶんに気分的なフワフワした綿菓子のようなものでしょう。
たとえばトークキャラバンはデニー知事の本業のDJの延長でしかありませんし、フジロックフェスへの登場など売名行為の匂いすらあります。
皆、いわゆる市民運動にいる若者が思いつきそうな安易な企画ばかりでした。
この流れから、実際にはシンポジウムくらいしかやることのない万国津梁会議がでてきます。
デニー県政からNDに対して1043万の委託契約が結ばれており、さらに彼らが企画した万国津梁会議には2400万円もの公金が支出されています。
どうやらデニー知事や徳森氏にはわかっていないようですが、市民運動と県政とは一線を画さねばなりません。
徳森氏や元山氏といった運動家が、何を考えてどう活動しようがまったく自由です。
ただし、その活動に県を関わらせて、そこに県の公金を支出させるとなると違う次元となります。
つまり、ただの玉城デニー氏個人と徳森氏とのプライベートな関係ではなく、予算を要求した時点から県と受託事業者との関係に変容しているわけです。
県は4月に万国津梁会議のスタッフを公募し、1カ月後に締め切ったのですが、初めから出来レースで1社しか名乗りを上げず、それも県外で活動してこの1月に沖縄に事務所を開設したばかりの鈴木理恵氏を代表とする団体でした。
この団体には実態がなく、トンネル会社の疑いがもたれています。
この鈴木氏の団体は初めから万国津梁会議開設でスタッフを募集すること知って県外から来訪し、これに応募したことは明らかです。
想像をたくましくするまでもなく、公募に対して1社しか応募していないのでは、徳森氏らデニー知事の側近の誰かから事前に公募情報を漏らされたからとしかかんがえようがありません。
なんのことはない、これではただの出切れレース。やらせ、県政の私物化です。
上の写真は県職員のフェースブックからのものですが、知事の右横にいる「受託業者」と書いてある人物が徳森氏です。
元来が万国津梁会議は初めから徳森氏らNDが持ち込んだ企画で、さらには自分たちで運営を牛耳るために鈴木氏らスタッフ要員までも引き込んだのだと思われます。
呆れたことには、この鈴木氏の沖縄事務所とNDの沖縄事務所の住所は一緒です。
つまり、デニー知事を作ったのはこのNDと名乗る政治団体で、就任以後はトークキャラバンやフジロックフェス出演を企画し、さらには万国津梁会議の企画を持ち込み、スタッフも独占したわけで、それにデニー県政は税金をつぎ込んでいるわけです。
だとするならば、一政治団体に対して県から都合3400万もの公金が流れた事になります。
これでは特定政治団体に対する地方自治体の支援と批判されてもいたしかたありません。
自分を知事にしてくれたNDに対する「デニーの恩返し」なのでしょうか。
、
県政は公金支出がからむ事業者に対して、必要以上の便宜を計ってはならないのはあたりまえで、今回のことは県政の私物化以外の何者でもありません。
それを象徴するが、上の写真の「接待」風景です。
県知事が契約日前夜に自分の息のかかった受託業者からこんな「接待」を受けてしまっては、まさに官業癒着の構図そのものです。
デニー氏側は契約の前夜だと知らなかったと言っていますが、自分の最側近の徳森氏が同席しており、彼女がこの万国津梁会議プランの実際の責任者であるのに、そんなわきゃありませんって。
デニー知事はNDとの関係を県民に明らかにし、1043万もの税金が何に使われたのか、今後2400万が何に使途されるのか、そして契約前日に彼らと祝杯を上げていた理由を県民に明確に説明すべきです。
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玉城デニー氏が翁長雄志前知事の肉声による後継指名があったとされて華々しく選挙に立った時、徳森りま氏や元山仁士郎氏たちはどうして「それは違う、市民の側から望んだのだ」と声を上げ間違いを正さなかったのだろうか。
「市民」であれ「調整会議」であれ、玉城デニー氏擁立に関わる者には嘘があったことになる。
公職選挙の候補者になるプロセスひとつ取っても嘘があるならば、他にどんな嘘が?
と考えるのが妥当ですねぇ。
投稿: 宜野湾より | 2019年10月10日 (木) 09時47分
徳森氏はロクに県庁にも通さずに知事の予定を決めていたりと、かなり横暴なふるまいをしていたようなので、今回の件も安慶田元副知事の時のような内ゲバ的なものかと思っていました。
しかし問題の写真の出所が県職員のFBだと知り、ただのアホの集団なんだと考えを改めました。
投稿: しゅりんちゅ | 2019年10月10日 (木) 12時48分
> なにかしたのかと言われれば、実効性のあることをこつこつ積み上げるというよりも、彼の取り巻きたちとの間で楽しく遊んでいるとしかみえない風情です。
上手くとらえた表現です。そのようにしか私にも見えません。アホなんですよ。あくどいところがないのは、良いが・・・・・。これが私たちの知事なんです、残念だ。
投稿: | 2019年10月10日 (木) 12時49分
いやもう、ホント、辟易するくらい軽薄な知事です。県議会でも重要な答弁は副知事や知事公室長に丸投げして自分ではしない(できない?)ことが度々あるようですし。
子供の貧困がとか教育がどうたら言うなら↓な問題どうにかせーよ。高校生のバス無料化するんじゃなかったっけ?
「バス減便で定時制高校通学に影響」
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20191007/5090008036.html
投稿: クラッシャー | 2019年10月10日 (木) 13時14分
これだけの仕事をしています!
20190709
税金の無駄遣いと自民党照屋守之県議議会で問題に
沖縄県:辺野古関連訴訟費用全敗で既に1.5億円以上使う
投稿: 活動資金源 | 2019年10月10日 (木) 15時28分
左巻き似非サヨクさん達は幸福でしょうねー。身内で集まって「米軍
基地を県外へ」「辺野古移設なんてジュゴンが可哀そうだ」「小学校
が基地そばにあるなんてけしからん」「韓国人が観光に来ないのは
アベが悪いからだ」とかとか、全国をキャラバンしてその先々でタダ
酒飲んでは気炎を上げる。やっぱ、選挙には勝たないといけません。
勝つには情と気分でポピュリったらいいのだから、元々が非現実な
理想主義者で夢見人の彼等にとっては、お茶の子さいさいですわ。
共産主義はクソだけど、民主主義はションベンですわ、トホホ・・
投稿: アホンダラ1号 | 2019年10月10日 (木) 22時22分
遺言メッセージがあったのは事実。誤認で書きなさんな。
投稿: 通りすがり | 2019年10月27日 (日) 19時54分
通りすがり氏。HNくらい入れなさい。
そんな遺言テープがあれば県民に公開したらどうなんですか。
あればあったでいっこうにかまいません。
本質はテープがあるかないかじゃありません。
そもそも沖縄では「遺言」で知事候補をきめるんでしょうか?
しかも腹心の副知事しか聞いておらず、公開もされていないことで公人候補者を選出する。
いったいいつの時代の話なんですか。
そりゃ病床にあった翁長前知事が政局についてなにかを言ったことはありえるでしょうが、いっちゃあ悪いが故人をダシにしてそれで候補者擁立するなんてよくある弔い合戦というやつですよね。
密室で始まった「オール沖縄」の候補者選びは、政党の利害対立で擁立が失敗。
「オール」は2期めも翁長氏と決めてかかっていたために、準備をしてきませんでしたからね。
この密室的選考の動きに異議を唱えたのが、徳森さんや元山さんたちいわゆる市民派のNDの人たちでした。
このIDひとたちの人選でデニー氏が急浮上し、それに独自候補擁立に失敗した「オール沖縄」が相乗りしただけfのことです。
デニー氏に期待したのは、人気芸能人だった知名度によって負け知らずの選挙の強さだけ。
政策内容とは無関係です。
これがデニー氏にとっても意外だったのは、候補者になったと告げられた第一声が「エッ、ほんとうですか」というものでしたから、当人にとっても驚きだったんですよ。
だって彼はDJだったくらいしか沖縄でなにもしていませんからね。
移設問題でなにかやったとか、発言したとか聞いたことがありませんしね。
デニーさんは基地とか沖縄経済とか言う以前に、彼は本来政治をやるべきじゃなかったタイプの人なんです。
そのまま芸能人やってればフツーのいい人、楽しいジョッキーで済んだものを。
山城さんらみたいな左翼政治なんて肌に合わなかったから、徳森氏らのほうに傾斜したんでしょう。
だから今になって「オール」の人たちは、ああこんな軽いミーハーにすんじゃなかったとホゾをかんでいるのですよ。
~~~~
宜野湾くれない丸さんよりのコメントがスパム扱いになっているので中継します。
あの東京新聞記者・佐藤圭氏すらさえこう言ってましたよ。
「どこの独裁国家かと思った。何から何まで密室談合、非民主的と言わざるを得ない。」
https://ksl-live.com/blog17608
そして、その「独裁臭さ」を徹底的に追求出来ない「沖縄自身がある」のです。
投稿: 管理人 | 2019年10月28日 (月) 03時36分