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2019年10月23日 (水)

祝賀外交の内幕

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天皇陛下の即位礼正殿の儀に際し、衷心よりお慶びを申し上げます。令和の代も幾久しく佳き時代になりますようお祈りいたします。 今日東京の空にかかった虹のように、台湾と日本の絆がますます美しく強まることを心より祈念いたします。

この真心がこもった祝辞と共に虹の写真をツイートした外国の元首がいます。
その方は日本政府に招待されませんでした。
ツイート名は蔡英文 Tsai Ing-wen とあります。
ありがとうございます。あなたのような国をお呼び出来なかったことを、私は日本人のひとりとして恥ずかしいと思っています。
※台北駐日経済文化代表処(事実上の大使)は参列しました。せめてもです。


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https://twitter.com/TiikituukaHana/status/1186547087912996864?s=20蔡英文氏がアップした写真ではありません。

さて即位礼は「祝賀外交」という言い方があるように、形を変えた外交です。
どのような格の人物を送ってくるのかを見るだけで、その国がわが国をどう位置づけているのかがわかるからです。
ぶっちゃけ、それは序列を意味します。
格下の人物を送れば、ああこの国はうちの国を軽んじているのだなとバレる代わりに、外交礼儀もしらない非文明かと評されても文句がいえないことになります。

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産経 https://www.sankei.com/life/news/191022/lif1910220...

ですから、王制、立憲君主制の国は、王様ないしはそれに準じるレベルの人を送ってきています。
オランダやベルギー、スペインなどがそうで、英国は
チャールズ皇太子、サウジアラビアはムハンマド皇太子といった具合です。
王室を持っている国は、このような祝賀外交は手慣れていますから、こういう場合決してはずれた人選をすることはありません。

面白いのは、中国とロシア、そして米国です。
これらの国々はいずれも王を追放した革命政権によって出来た国です。
本来ならば、我々の国は共和制だから王の存在自体を認めない、とでもいいそうですが、まったくそのようなことはありません。

中国は王岐山国家副主席を送ってきました。これは前回が副首相でしたので、ひとつ格上げして見せました。

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王岐山と習近平

中国という国は共産党常務委員に格づけがあるように、共産主義だからみんな平等どころか世界有数の序列社会です。
さらにはどうやら隠れ皇室ファンのようなので困ります。
私たちとしては中国のような国に皇室のファンになどなられたら迷惑以外なにものでもありませんが、彼らが平成において天皇の訪問を強く要請したことを思い出して下さい。
彼らは天皇という存在を日本の絶対権力と考えているから、執拗に訪中を迫ったのです。

香港の民主化闘争で改めて明らかになりましたが、中国には普通選挙がありません。
選挙という合法手段がないために共産主義国家では、共産党権力の頂点に昇るためには、熾烈な暗闘を繰り広げます。
その古代宮廷劇のような戦いの結果生まれたのが党内序列です。
ですから、中国やロシアは王政と相性がいいので、かぎりなくかつての皇帝、かつてのツァリーもどきの独裁権力者を戴いた体制を作ってしまいます。
今回、彼らの序列感覚で、
習近平の腹心であり、党内序列第8位の王あたりが適当だとふんだのでしょう。
王岐山 - Wikipedia

もちろん中国の皇帝などとは似つかないのがわが国の天皇です。
即位礼で天皇陛下が述べられた「日本国憲法に従い国民統合の象徴として」という文言は、権力を持たず政治に介入しないことを誓っておられるのです。
天皇は日本人の心の中心におわしながらも、自ら権力であることを拒否されているのです。
日本が日本でありつづけるかぎり、これは変わらないことでしょう。

さてこの王岐山を送ったことは、王だからというわけではなく(あたりまえだ)素直に考えると日本との冷えきった関係を修復しようとする動きの一環ですが、直前の時期に北海道大学の教授を拘束しました。
拘束されたのは岩谷將(のぶ)教授です。

岩谷教授は2016年まで防衛相研究所戦史研究センター、外務省大臣官房国際文化協力室の主任研究官、外務事務管を兼任していた。主に日中戦争史、中国国共内戦史・体制史を研究しており、現在も2018年から21年までの予定で公募研究費を受けて、世界各国の公文書・資料館の所蔵する多言語資料、写真、映像その他のマルチアーカイブからアプローチして日中戦争の再検討をテーマにフィールドワークを実施していた」
(福島香織の中国趣聞(チャイナゴシップ)NO.38 2019年10月21日)

一学究にすぎない岩谷氏が拘束され理由は明らかにされていませんが、かんがえられるのは日中戦争や中国国共内戦という共産党政権の出生の秘密に関わる分野を研究していたためだと思われます。
この分野は中国共産党のプロパガンダが唯一の公理とされており、自由な研究は中国では一切認められていません。
福島香氏は、岩谷氏が「
今回の訪中がこの研究に関連するであったとすれば、共産党の絶対秘密に指定されている日中戦争資料にかかわった可能性もある」(前掲)としています。

習の側近虫の側近の王を送っておきながら、一方で準公務員である国立大学教授を拘束してみせたのは、日本に対してなんらかの外交シグナルを送ったとも考えられます。
それがなにか、やがてわかるでしょう。

またロシアはロシアは、分かりやすい格下げ人選をしてきました。
訪日したのはウマハノフ連邦上院の副議長で、日本の国会副議長クラスです。まったくふざけた人選です。
前回の平成即位礼にはルキヤノフというソ連時代の最高会議の議長でしたから、ずいぶんと落としたものです。
当面、北方領土交渉は長期停滞とさせるということでしょうな。

さいごに米国ですが、当初はトランプ自らが来る気満々でしたが、ウクライナ弾劾で足をとられペンス副大統領に替えましたが、これもダメで、一挙に序列ナンバー14位のイレーン・チャオ(趙)運輸長官の派遣を決定しています。

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イレーン・チャオ

正副大統領が来られないの前から分かっていましたからいいとして、イレーン・チャオの人選には悩まさせられます。
というのはイレーン・チャオは台湾系でありながら、
父親は中国の上海出身の海運事業者で、台湾内部では中国色が強い人脈に属していると言われている人物だからです。

うがって考えなければ、トランプが就任以来してきた台湾重視政策によるものだとも思えますから、台湾を招待していような日本に対してバランスをとったとも解釈できます。
その一方で、チャオは民進政権とは対立する大陸派をルーツとしている可能性もありますから、今の、米中経済戦争の暫定的手打ち」状態に対応したものにも見えます。
とすると、中国に融和カードを出したようにもみえますが、う~んかんがえすぎか。

このように見てくると、即位礼も心静かに言祝ぐことができなくなりそうなので、今日はここまでということで。

 

 

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コメント

が、そこは神奈川だ!
なんていう野暮は言わない。。

フランスはサルコジ元大統領でしたが、これも格下げの一種でしょうか。

「素人」さん。一概には言い切れません。ともかく一日に183カ国の首脳に参列を求めるという荒技をしているわけですから、その国の事情に左右されます。
現職のトップはともかく日程が詰まっていて分刻みですからね。

元首、ないしはそれに準じる人を送るのが国際儀礼の常識ですから、「準じる」の巾はその国の事情によります。
元大統領なら充分にそれを満たしているでしょう。

管理人様、いつもブログ拝見しております。
サルコジ氏は、日本や日本文化に対しあまり好意的でないという印象でしたので、あえてそのような方を伝統の儀式に派遣してくるのにはなにか意味があるのかな、という邪推でした。返信ありがとうございました。

イレーン・チャオ運輸長官のお父上は江沢民と大学の同級生であり、自身が米中貿易推進派であることから、かつて利益相反を指摘されたことがありますが、そんなことみんなが知っている上でトランプ次期(当時)大統領から任命され、2017年に上院で承認されているのですよね。
長官任命もこの度の派遣も、使い途の幅や含みを持った人選であろうということは感じます。
その幅をどう使うのかなんて、私には分かりませんが。
チャオ長官は、王岐山とは何か話をしたのですかねぇ。

山形さん。蔡英文さんがアップしたのは神奈川方面でしたので、皇居付近にかかった写真がありましたので張り替えました。

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