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2019年10月 8日 (火)

米朝実務者協議「決裂」?

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米国と北朝鮮の実務者協議が「決裂」しました。
「決裂」にカッコをつけたのは、北朝鮮はそういっているが、米国は認めていないからです。こんなヘンな話はめったに聞いたことがありません。

「協議を終えた金首席代表は5日夜、北朝鮮大使館前で記者団に対し、「交渉は我々の期待に沿わず、決裂した」と述べた。
「アメリカは、柔軟なアプローチや新たな方法、創造的な解決策といった提案をすることで期待を高めたが、我々を大いに失望させた。アメリカは自分たちの古い立場や姿勢を手放さないようだ」
しかし、北朝鮮のこの発表から間もなく、米国務省はこれと反対の内容の声明を発表した。
モーガン・オーテイガス国務省報道官は声明で、「先の北朝鮮代表団による発表は、本日の8時間半にも及ぶ協議の内容や精神を反映していない。アメリカは、創造的なアイデアを提示し、北朝鮮側と良い話し合いを行った」と強調した。
報道官はさらに、2週間後にスウェーデンで協議を継続してはどうかというスウェーデン政府の提案を受け入れたとしている」
(BBC10月7日)
https://www.bbc.com/japanese/49956141

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常識的に考えれば、米朝協議はこれでお終いです。
なんせ、片方が決裂だ、再開せんと言っているんですから、しゃーない。
ただ、北朝鮮の瀬戸際外交をイヤというほど見せられてきた私たちには、ま、また言っているね、ていどのことです。
瀬戸際外交とは、自分で自分を煽ってリング際まで追い込み、これ以上ボクをイヤな気分にさせると切れちゃうからね、と居直ります。
色々駄々をこねますがしょせんは自作自演ですから、そんなことはあんたの事情でしょう、と突っぱねるしかありません。

米国も内心は呆れているのでしょうが、表情も変えずに「良い話あいをもった」なんてしゃらっと言ってのけていますから役者やのぉです。
北朝鮮だけではなく韓国もよく似たことをしますので、米国はコリアスタイルをしっかり研究しているようです。
学習していないのは、正恩やムン閣下がなにか言うたびに真に受けて右往左往する日本のメディアくらいなもんです。

放っておけばいいだけのことです。
間違っても、泣く子に飴をやってよしよしなんて言ってはいけません。
なにせ「泣く子はもちをひとつよけいにもらえる」なんていう言葉があるお国柄ですからね。
冷たく放置して、しびれをきらしてなんとかしてくれと言わせるまで知らんぷりをするのが最善です。

あ、そうそう、これもうひとつのコリアへの輸出管理規制やGSOMIAに対する対応も同じです。
絶対によしよし飴をなめるかい、なんていわないで、泣かせたままにしておくのが一番です。

それはさておき、北朝鮮が瀬戸際外交をする時は、どうしようもなくピンチな時です。
経済制裁が効きまくっているから、なんとか制裁を解除しろ、これが北朝鮮の望みのはずで、おそらく協議の席上でも、ここが焦点だったはずです。

北朝鮮は、たとえば長距離核ミサイルの凍結というテーマがでれば、必ずセットで経済制裁を解除しろと言ってきたはずです。
先日発射した水中発射弾道ミサイルについても一緒。
止めさせたいなら、セットで経済制裁を解除しろと必ず言ったはずで言ってきます。
これが、北朝鮮がいう「柔軟なアプローチと新しい方法、創造的な解決策」というやつです(笑)。

このウリ流の「計算法」、つまりはひとつ北朝鮮が譲歩してみせれば、経済制裁をひとつ解除するというを「創造的解決法」に、米国は乗る必要がなかったから乗らなかっただけのことです。
このような対応を取られると北朝鮮はいっそう自分をリング際に追い詰めていくしかなくなります。
キム・ヨンギル代表は、「核実験、ICBM発射実験の中止が維持されるかどうかも米国の立場にかかっている」と主張したようですが、あんたね、それやったら米朝直接会議の3回目は完全に飛びますし、もう二度と開かれないのが分かって言っているんでしょうか。
いやそれどころか、制裁強化ならまだよし、最悪の場合軍事オプションも視野に入ってきます。

北朝鮮はなんか深く勘違いしているようですが、米国は交渉を急ぐ理由がありません。
強いて言えば、トランプ親方が議会から弾劾されそうな機運ですが、だからと言ってここで北に飴をやったら、北朝鮮にトランプは甘すぎと常に言っている議会は怒り心頭となって逆効果です。
第一、再選を控えてここで北朝鮮に長距離弾道ミサイル実験を許したら、あんたなにこの1年やってたんよ、と選挙民に思われてしまいますしね。

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そもそも北朝鮮が言っている水中発射弾道ミサイルなんて、米国は相手にしていません。
そりゃ確かにそれが完成していれば、米朝が弾道ミサイルの撃ち合いとなって地上の施設が一掃されたとしても水中で生き残って第2撃を用意できますから、ちょっとやっかいなことは確かではあります。

ただし、出来ていればのこと。
肝心のこのご自慢の水中発射ミサイル、何から発射したんでしょうか?
北朝鮮はロシアから買ったロメオ級なんていう、とっくに自衛隊だったら何十年か前に用廃となっているようなサビだらけの潜水艦しかもっていないのですよ。

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上の写真はそのロメオ級に座乗される正恩ですが、こんな小さな潜水艦から弾道ミサイルを発射するとなるとセイル(司令塔)を後ろへ拡張して積むしかありません。
こんなポンコツを魔改造して、しかも弾道ミサイルなんか発射したら、そのまま沈んでもおかしくないですね。

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上の写真のように新しい潜水艦を作っていると公表していますが、これもこのロメオ級を大きくしたていどのものだと分かっています。

「同国は今年7月、金正恩朝鮮労働党委員長が大型の新造潜水艦を視察し、その実践配備が近いと表明していた。
専門家は、北朝鮮の国営メディアが公表した写真から、新造潜水艦はロメオ級を改良して外殻を拡大しただけで、より大きな新型ではないとの見解を示した」(ニューズウィーク10月7日)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/10/post-13121_1.php

潜水艦はその外殻の金属の強度から始まって長年の技術の膨大な集積なのです。
ムン閣下の国ですら、いまだに設計図をドイツから買って国産化1号艦を作ったような段階です。
それを数年で作ろうなんて、ムリムリ。
だから、北朝鮮が今回発射した水中発射弾道ミサイルが、ほんとうにこの骨董品から発射されたのかどうかさえ疑わしいのです。
私は水中になんらかの発射プラットホームを設置して発射したと思っています。

とまれそれに対する米国の返答は、10月2日に発射された長距離弾道ミサイル「ミニットマン3」の発射実験でした。
この時期に米国が念頭に入れているのは、第一義に国慶節に習がブイブイいわせながら登場させた長距離弾道ミサイル「東風41」、おまけとして直前に発射されたこの北朝鮮の自称潜水艦発射弾道ミサイルがあったと思われています。

このように北朝鮮の「決裂」発言はすべて裏の裏まで読まれていて、自傷行為として自分に返ってくるのです。
経済制裁数ある中でも直接効いているのが、外貨稼ぎが厳しくなったことです。

よく北朝鮮には食糧が足りないという人がいますが、正恩は下々がいくら飢えようと知ったこちゃありません。
今までずっと飢えていたし、下々は飢えていたくらいが反乱をおこさなくていいと思っています。
でなければ、一発で国民の食糧の1年分が消えるといわれる弾道ミサイルをポンポン撃てるはずがありません。
自分の天下を支えるピョンヤンに住む特権階級だけが満ち足りていればいい、それが北朝鮮という国です。

その特権階級に富を配るためには原資(外貨)が要ります。
そこで密輸をしたりしていましたが、大きな外貨稼ぎの柱はなんといってもコストゼロの労働力輸出でした。
奴隷輸出みたいなもんで、稼いだカネを吐き出させて、正恩とその取り巻きたちに配ってきたわけです。
中国とロシアがそのメーン輸出先でした。

これに気がついた国連安保理は 2017年12月22日の国連安保理決議2397を出します。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000325985.pdf

「8.決議第2375号(2017年)17
規定の 採択にも かか わらず、北朝鮮国民が、北朝鮮の 禁止されている核及び弾道ミサイル計画を支援するために北朝鮮が使用する対外輸出収入を生み出す目的で、他国で引き続き働いていることに懸念を表明 し、(略)
加盟国が、直ちに、ただし、 この決議の採択 の日から 24か月以内に、 当該加盟 国の管轄権内において収入を得 てい る全ての北朝鮮国民及び海外の北朝鮮労働者を監視する全ての北朝鮮政府の安全監 督 員を北朝鮮に送還することを決定する」

この猶予期限が24カ月後、つまり今年の12月22日に切れるわけです。
もう後ろがありませんね。
中国もロシアも安保理決議に賛成している上に、従わないと米国からセカンダリー・サンクション(二次制裁)を食らってしまいます。
ですから、おそらくこの12月末で、北朝鮮の大きな外貨収入源が断たれるわけです。

ですから米国としてはあと2カ月ていど待てば、イヤでも北朝鮮が泣きついてくるのが見えているので、また再開するかも、なんてのんきなことがいえたわけです。

 

 

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コメント

結局、旧共産圏は絶対的剰余価値の奴隷的搾取で原始資本蓄積して、相対的剰余価値の源泉である知財を盗み、独占利潤で海外には低価格商品を輸出して外貨を稼ぎ、それを基に帝国化してるようですね。
これは以前の日本のやり方を真似したんですかね。
ペーパークリップ作戦という本で、ドイツの産業はユダヤの奴隷労働、人体実験で大いに発展したようですよ。米国NASA の研究者はナチの科学者がほとんどでした。アポロの月面着陸を指揮したのもその人たちでした。

ロケットマンが求めているのは「体制保障」であって「制裁解除」ではありません。米朝の交渉がかみ合うはずがありません。

北朝鮮からしたら相手が譲歩するかお土産を持ってこない話し合いなど言語道断ということですね。
日本が提案している「無条件会談」もまさにそれで、北朝鮮側はこれに対しても難癖をつけています。
「北朝鮮と話し合って解決しろ」という方々はこの現状を見て北朝鮮に対してどのようなプロセスで話し合いで解決出来るのかを提示して欲しいですね。
一方的に相手の要求を飲み続けるしか無いように思えますが。
(それで解決するとは思えませんけど)

しかし日本の中にもこの「無条件」の意味を日本が北朝鮮に一方的に譲歩していると勘違いして政府批判をしてる人が意外におおくて驚きます。
ほんとに記事くらいちゃんと読もうよと。

記事の論評に同感です。

米国は今回の折衝で目標・リスト・スケジュールを求めたと思いますが、北は、まずは制裁解除が先で、自分らが安全だと確認出来た時点から非核化への行動をとる、という主張を曲げていないようです。

北が「年末までに」とか言うのは、記事のように安保理決議もあるし、困窮のせいでもありますが、米国ではこの年末年初までにオットー・ワームビア法以下14本もの「北締め付け法案」を議会を通過する見込みな為です。

これらが通過するならば、正恩の大好きなトランプ兄貴も妥協出来るどころか、さらなる強硬策を取らざるを得なくなる。
そのため正恩は非常に焦っていますが、大統領との会談を切実に望んでいるのは米当局の発表どおり北朝鮮側です。

ちなみに報道ではSLBMの脅威を殊更言いつのりますが、あの潜水艦では加州沖どころか、出航して10分以内に補足可能です。
すると、あれは潜水艦ではなく、遠洋漁船に核ミサイルを積んだだけの代物にすぎないという事です。

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