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2019年11月 9日 (土)

香港デモ、死亡者出る

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香港で民主化デモの死亡者がでました。
いままでも警官隊は公然と銃器を使用していましたし、原因不明の死亡者が相当数でてきていたので、このような悲劇がいつ起きても不思議がない状況でした。
殺されたのは周梓楽(アレックス・チョウ)さんです。享年22歳でした。

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【香港=藤本欣也】香港警察への抗議活動が行われていた新界地区で建物から転落した香港科技大の男子学生(22)が8日、死亡した。反政府デモを続ける若者らは「警察の暴力による死者が初めて確認された」と反発を強めており、抗議活動がさらに激化する可能性がある。 同日夜には香港各地で学生の追悼会が催された。
 学生は4日未明、新界地区の住宅街にある立体駐車場の3階から2階に転落。頭を強く打ち、8日、搬送先の病院で死亡した。
学生がどのような状況で転落したかは不明。ただ、警官隊は当時、市民らを排除するため立体駐車場に向けて催涙弾を撃っており、「学生は催涙弾から逃れようとして転落したのでは」との見方が浮上した。 警察は「催涙弾を撃った場所は現場から120メートル離れている」と釈明したが、警察が救急活動を妨げたとの証言もあり、「学生は警察の暴力によって死亡した」と信じる若者が多い」(産経11月8日)https://www.sankei.com/world/news/191108/wor1911080012-n1.html

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https://twitter.com/kaori0516kaori

警官隊がデモを排除しようと圧力をかけ、押されて学生が転落したのはこの立体駐車場の3階からでした。
頭蓋骨骨折による死亡です。

私は70年安保の経験者なので、何度か似た状況に立ち会っています。
今回の事件が起きたような一般市民の眼から隔絶された空間で武装警官隊が圧力をかけてきた場合、デモ隊には抵抗の術がありません。
一見ヘルメットなどを被って勇ましそうですが、しょせんは組織されない烏合の衆にすぎませんから、訓練された現在の香港警察の敵ではありません。
一方的に押しまくられて、確実にパニックになり将棋倒しになりながら逃げ場を求めます。

こういう状況においては、一種の「戦場の論理」が発生しますから、警官隊は法の執行を逸脱した暴力集団と化します。
警官隊が一定の暴力を許容されているのは、法の執行によって市民生活・生命を保護するためのはずですが、権力の「敵」を抹殺することが目的と化してします。
このような状態となった警察は、容赦ない暴力によって「敵」を完膚無きまでに叩き潰そうとします。
亡くなった青年は、この暴力の渦の中で殺されたものと思われます。痛ましい限りです。

「殺された」と記したのは、このような暴力警備をすれば死亡事件が必然的に発生することはわかりきったはずだからです。
これは未必の故意です。
これは、「犯罪事実の発生を積極的には意図しないが、自分の行為からそのような事実が発生するかもしれないと思いながら、あえて実行する場合の心理状態」(大辞林)のことですが、まさに現在の香港警察の状況そのままです。

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https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/11...

アグネス・チョオ(周庭)は、このように福島香氏とのインタビューで述べています。
福島香織の中国趣聞:NO.40

「周 香港の警察は、香港人なのですが、非常にデモの参加者、メディアを憎んでいます。だからデモの参加者だけでなく、メディアも標的にされています。まず警察というものは、生きている世界が私たちと違います。警察になるには徹底的に、教育を受けます。メディアは警察の仕事を邪魔する存在だとか、そういう教育にそまった雰囲気の中で生きている人たちなので、政治的なスタンスの話しだけでないと思います。
 もともと警察は市民の安全を命を守る責任があるのですが、今香港警察はまったくそういう責任を負っていません。市民を傷つける側になったということは非常に悲しいことだと思います」

また福島氏の「デモが暴力的になっていることはどう思いますか?」という質問に対して彼女はこう答えています。

「周 私たち香港人は民主主義のために、この20年間、いろんな手段を使ってきました。今回の運動の中でも、デモやストライキ、授業ボイコットなどさまざまな平和的手段をつかいました。でも、こういう手段を使っても香港政府はまったく民意に向き合わなかった。私はもともと非暴力を主張してきましたが、日本のみなさんにはまず、香港人の怒りを理解していただきたいと思います。
デモが激しくなったことで、政府にかけたプレッシャーは確かに大きくなったのは事実です。普通の平和的デモには政府も慣れてしまった。だから、全く動かない。今のような激しいデモになって、経済にも影響が出て、予測できない事態が起こりうるようになって、政府にとってプレッシャーが強くなりました。条例改正案撤回を発表したのも、デモが過激化してからです。平和的手段と急進的な手段、両方も必要だなと今は思いますね」

-では、要求が通るまで運動は続くと思いますか?」

周 今、なぜ、みんなの怒りが続いているかというと、五大訴求の問題だけでなく、警察や政府からの弾圧がどんどん強くなっているということが大きいんです。武器の使用も増えました。ケガをする人も増えました。この弾圧が引き続くかぎり、運動も続くと思います。弾圧をまずやめないと、終わらない。
-まず、警察の暴力が完全に止まることが最初の条件、ということですか。
周 はい。ですが、残念ですが香港政府はまったく、警察権力乱用について言及していません。これはすごく残念なことです。だから外部調査委員会がまず必要なんです」

さて、同時期にあたる10月末に中国共産党の中央委員会総会(4中総会)が開催されました。
この4中総会で、香港について中国共産党の「法治」が香港・マカオにまで及ぶことを宣言しました。
このまま状況が推移した場合、国家分裂を罰することができる香港基本法23条に基づく国家安全条例を実施する可能性があります。

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https://www.cnn.co.jp/world/35144910.html

また11月4日、習は香港行政長官のキャリー・ラム(林鄭月娥)と会談しました。
習は、一時期更迭説が流れたラムと会い、強い信任を与えました。
その時に習は、信任の代償として、「香港における暴力と動乱の制止と秩序回復」を「最重要任務」としています。
習にかかると、香港の民主化デモはただの「暴力」であって、「法治」の名の下に徹底弾圧をするということで、それをやり切る「任務」をラムの肩に載せたということです。

ただし、ラムの支持率はいまやわずか11%なので、習の支持なくしてはもたないというか、果たしてラムも本心からこのまま行政長官をやっていたいのかさえも不明です。

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この香港統治の強化は中国共産党の大方針のようで、今回の中共4中総会でも最重要議題として「国家統治を強力に引き締める方針」を決議しています。
その中には「国家の安全維持」のために、「法律制度と執行メカニズムの整備」という一項があり、これはモロに香港弾圧強化を意味します。

念のためにご説明しておけば、中国共産党がいう「法治」とは、民主主義国家のそれと同じ言葉を使っても、まったく別の意味です。
民主主義国家における法の支配とは、いかなる権力者であろうと法の下における平等を保証すること、三権分立によって行政府に司法が支配されないことが前提です。
ところが共産主義国家における「法の支配」とは、国家の上位概念である「党」の支配を意味します。

何度か書いてきていますが、習は追い詰められています。
香港を鎮圧できなければ、習の中華皇帝の地位は大きく揺らぎます。
かといって武力鎮圧してしまえば、香港の国際経済都市としての生命を終わらせることで中国経済に大打撃を与えるばかりではなく、中国は政治的にも完全に孤立します。

国慶節前夜は武力介入をする数少ないチャンスでしたが、北戴河会議で長老たちの強い反対に会って押えられてしまいました。
中国は仮に国際的孤立に遭遇してもかつての第2次天安門とはパワーが違うから平気だと強気ですが、いまの米中経済戦争が収拾がつかない状況下では読めないからです。

武力介入するにせよしないにせよ、いずれにしても香港を鎮圧できねば、党内反対派からこんなちっぽけな香港すら満足に支配できないのかといわれることになるのは同じです。
つまりどちらにころんでも、なにがなんでも香港が独力で鎮圧してくれないと困るのです。

ならば習はどうするのでしょうか。
おそらく先ほど述べた緊急事態法を使って国家分裂罪を適用するか、同じく基本法18条の「香港警察が統制できない国家統一や安全に危機が発生し緊急事態を宣言した場合、中央政府は国内法をもちいることができる」ことを使うかのいずれかです。
この条項を使えば、中央政府に対して香港行政庁からの「要請」があったという形式を踏んで、中国軍や武装警察を投入することが可能となります。

武力介入するリスクは同じですが、その合法的言いわけが可能となりますし、緊急法を使うこと自体に抑止効果があると行政府が思っているのでしょう。
といっても武力という刀は抜くぞ抜くぞと言っているうちがハナで
、抜いてしまったらただの凶器なんですがね。

実際に覆面法では緊急法を使って、衣の下の鎧をチラリと見せて恫喝しましたが、効果はゼロで、かえって反発が強くなりました。

いままでこの「要請」を可能とする環境を、香港行政庁は人為的に作り出そうとしてきました。
香港警察の暴力化だけではなく、広東から香港に警官隊を大量に移動させて暴力をふるってみたり、三合会というマフィアを使って襲撃をしかけたりまでしてきました。
元々香港警察はジャッキーチェン(大の親中派ですが)のイメージとは違って、マフィアとの癒着が噂されるような腐敗した警察組織だったようです。
それはさておき、このような身も蓋もない攻撃は、今、かろうじてある大多数の平和的デモと暴力的デモの均衡が崩れさせて、緊急事態法18条の適用を行うための地ならしです。

今、香港における焦点は移送法から普通選挙の実施へと要求が変化してきています。
アグネス・チョオは選挙についてこう言っています。

「民主主義が日本人にとって当たり前だからだと思います。でも私たち香港人はそんな当たり前の権利すらなく、そのあたり前の権利を獲得するために懸命に戦い、犠牲になっている人もいるのです。民主主義があるのに、自分の持っている権利を大切にしない日本の人たちに対しては、実は悔しい気持ちがいっぱいあります。私たちは命をかけて選挙する権利のために戦っているのです」(福島前掲)

現行では行政長官は、親中派が有利になるようにできている立法府からの選任で決まっています。
そして民主派の立候補は、さまざまな難癖をつけられて阻まれてきました。
ですから、わずか11%の支持率しかない行政長官でもやっていけるわけです。

そしてさらに今回の4中総会で、法制責任者から、香港の行政長官を中央政府の任免制にするべきだという意見もでています。
これは名実共に香港を中央政府の下に置くことになるはずです。

ただしこれもすんなりとはいきません。
今や国際社会は香港人権法を米国議会が通したように、強い関心を持っ香港をみています。
親中派のフランスさえ、首脳会談で懸念を伝えたほどです。
主要国で無関心なのは日本政府くらいなものです。

当然、香港市民の強い反対に遭遇するでしょう。
だからこそ、基本法23条、18条といった既成の法律を使って香港警察の力だけで鎮圧してみせねばならないのです。
この死亡事件を受けて、明日のデモは追悼一色となります。

亡くなられた周青年が、自由香港の尊い礎とならんことを願います。
Freedom Hong Kong !

 

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コメント

私は根っからのデモ嫌いですが、香港人のこのデモは話が全く違います。

日本の報道やテレビではデモ隊を「勇武派」と「和理非派」などと分けてみせ、過激化する傾向を憂いてみせます。
また、「彼らは、中国からの富裕層移民のために、経済的不公平感が生まれて将来に悲観している」だの、「いずれ2047年には中国になるのだから」とか、「デモ側のバックには江沢民派」などとしたり顔で解説されますが、それらが現在の中共による人権弾圧を許容する理由には一切なりません。

茂木外務大臣は会見でまるで屁のように、「秩序の維持が優先」みたいな事を繰り返し言っています。
けれど、彼らの行動は暴動によっても打ち壊しによっても、すべて正当化されるべきです。

なぜなら、彼らの行動は日本の左派リベラルが口の端にのせる擬制のそれと違い、正真正銘の「抵抗権」によるものだからです。
あらゆる表現行為や選挙によってすらも、国民として自らの意思を反映させる事が出来ない立場なのであり、政治的奴隷を強要されている場面だからです。

いったい、安倍総理は何を考えているのか。
この時期に習近平の国賓来日を乞うなど、全くどうかしているとしか思えません。
そのような日本政府のあり方は、香港人に敵する行為です。
「自由民主党」が鼻で笑えます。

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