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2019年11月26日 (火)

おめでとう、香港民主派!

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香港における区議会選挙でで民主派が452議席のうち380議席を超え、3分の2を民主派が占めました。
ここまで戦い続けてきた香港の自由を求める市民たちの大勝利を、心から祝福します。
おめでとうございます。ほんとうによく頑張りました。
また、この結果は暴力によって香港の自由の息の根を止めようとした中国にとっては、衝撃的結果のはずです。

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「香港で、24日投票が行われた区議会議員選挙について、香港メディアは、政府に批判的な立場の民主派が、すべての議席の80%を超す380議席以上に達し、圧勝したと伝えました。親中派は惨敗し、一連の抗議活動で市民の要求を拒み続けてきた香港政府に対する不信感が明確に示された形です。
24日投票が行われた香港の区議会議員選挙は、18の区議会の合わせて452の議席をめぐって争われ、投票率は、過去最高の71.2%に達しました。
これまでに、ほとんどの選挙区で開票が終わり、香港メディアによりますと、日本時間の午前11時半現在、政府に批判的な立場の民主派が、すべての議席の80%を超す380議席以上に達し、圧勝しました。
一方で、親中派は、全議席の10%余りにあたるおよそ60議席にとどまり、惨敗しました。
選挙前の議席は、親中派がおよそ7割に対し、民主派がおよそ3割を占めていましたが、今回の選挙で、勢力が完全に逆転することになり、一連の抗議活動で市民の要求を拒み続けてきた香港政府に対する不信感が明確に示された形です」(NHK11月25日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191125/k10012189921000.html

中国派は惨敗し、大物と言われた現職の何君堯(か・くんぎょう)も落選の憂き目にあっています。

「香港ネットメディア「香港01」によると、民主派は直接投票枠の約85%に相当する385議席を獲得。選挙前は約7割を占めていた親中派は約1割の59議席と惨敗した。親中派の大物として知られる何君堯(か・くんぎょう)氏が敗北するなど、多くの選挙区で民主派新人が親中派の現職を破った」(産経11月25日)
https://www.sankei.com/world/news/191125/wor1911250021-n1.html

何の地盤の屯門地区は中国共産党の力が強い大陸系住民や、その息のかかった香港マフィアが支配する地域であり、何はその頭目格だったからです。
何は手下のマフィアを使って7月21日には元朗駅で民主派デモを襲撃し、大量の重傷者を出しています。

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一方、雨傘革命の指導者である黄之峰は立候補を拒否されたため、代理人を立て、代理人の林浩波は開票と同時に当選を決めています。

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黄之峰

投票率は72%という日本では考えられない高い数字を叩き出しており、投票が強制される独裁国家ではなく、投票行動態が警察によって看視され、妨害を受ける中での選挙だっただけ、これがまさに「民意」です。
日本においては「民意」という概念は安易に濫用されているようですが、真のそれはアグネス・チョオがいうように「一票は香港市民が流した血の一滴」なのです。

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だからこそ、香港市民は中国政府に抗議の意志をつきつけるために、警官隊が投票所を固めて威嚇する中、長蛇の列をなして投票を行ったのです。

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さて香港区議会選挙は、日本でいえば地方議会選挙に相当します。
国会議員選挙に当たるのは立法会選挙ですが、これには説明が必要でしょう。

実はこの区議会選挙は、日本のそれが同じように地域のサービスや福祉といった固有の地域問題について政府に提言する諮問機関のような役割しか持たされていません。
その性格を反映して、18歳以上の自由選挙が実施されています。
区議会の全479議席のうち452議席は、1人1票の直接選挙(小選挙区制)で選出されますから、ほぼダイレクトに「民意」が反映れれます。

ところが、国会に相当する立法会は、定数70のうち直接選挙(比例代表制)で選ばれるのは35議席のみにという前近代的制限選挙が今時まかり通っています。

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産経

直接選挙以外の残る35議席は「職業別代表枠」という聞いたこともない枠組みから選ばれています。
いわば日本の国会選で、自動車工業会枠とか、商社枠があるようなものです。
この職業代表枠というのがクセモノで、この枠には中国との商業関係のつながりが強い団体の代表の指定席です。

「職能別議席は、産業界議席(30議席)と区議会(5議席)に分かれ、産業界議席は、金融、建設業、教育、法律、医療などの産業界ごとに候補を立て、その産業界ごとの職能団体者の投票による間接選挙で選ばれる。 産業界は中国経済との関係から圧倒的に親中派議員が多くなるし、立候補者が少なく選挙自体が行われない無投票当選で決まる場合もある」(福島香織2016年9月20日)https://business.nikkei.com/atcl/opinion/15/218009/092000064/

つまり立法会は、親中派の占める間接選挙組と直接選挙組の二種類の議員が混在していることになります。
前回は直接選挙において親中派が有利でしたから、職業団体枠を含めれば、立法会においては民主派は少数派であり、親中派路線が公然ととられてきたわけです。

また香港政府トップの行政長官は、この職業別団体の代表と立法会議員らで構成する選挙委員会(定数1200)の投票で選出される間接指名制であり、民意は反映されません。
つまり、いまのままの立法会の仕組みが温存されれば、立法会において確実に親中派は半数を確保でき、行政長官指名でも絶対に親中派が勝てる仕組みでした。

この親中派が有利となる仕組みを作ったのは中国です。
中国はわきおこる自由選挙の要望に対して、全人代において香港の普通選挙を否定しました。
一国二制度といいながら、民主主義の根幹をなす選挙制度について中国が「解釈権」を行使し、内政干渉したわけです。

香港返還当初、基本法は2007年以降(実際には2008年実施予定の第4回選挙から)全議席を直接選挙枠(「普通選挙」)に移行できる可能性を示していた。しかし、2004年4月6日全国人民代表大会は解釈権を行使し、「『2007年以降』とは、2007年ではなくとも良い」として、第4回立法会選挙における完全な「普通選挙」化の可能性を否定してしまった」(Wikipedia)

今回の区議会選挙で選ばれた民主派議員は、わずか1割といえど2022年の次期行政長官選出の一票を持っています。
しかし現職の行政長官がこのまま22年まで留任しているとは考えられないため、おそらく近い将来辞任し後継選挙となる可能性があります。
それを選ぶのは立法会です。
それまでに今の非民主的な立法会の選挙システムを変革し、完全な普通選挙を実施させねばなりません。

この普通選挙要求こそが、香港民主化デモの真の天王山となるでしょう。

ところがこのような制限選挙下の立法院すら、新しい潮流が誕生しています。
それは前回2016年選挙において独立派が6議席獲得したことです。

「従来の議会における反中国派の主流は、民主派と呼ばれる民主党を中心とする勢力だが、彼らはあくまで2047年まで維持されるとした一国二制度の枠組み内で香港の民主・自治を守る考えであり、香港返還時に与えたられたミニ憲法・香港基本法に忠実だ。 だが、この新しい政治勢力は一国二制度の枠組みを越えて、香港の未来を香港人が決める香港自決を掲げ、中国と英国が作って香港に与えた基本法も、香港人が新しく作り変えるべきだと主張している」(福島香織2016年9月21日)
https://business.nikkei.com/atcl/opinion/15/218009/092000064/

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最多投票を獲得した土地正義連盟党首の朱凱廸。「予算案を否決できる勢力となって、北京との交渉を目指す」(写真:ロイター/アフロ)

香港民主派のゴールが見えつつあります。おそらくそれは、香港独立要求のはずです。

 

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コメント

ここの戦いは、高度な政治・経済、マスコミなどを通した戦略・戦術を駆使したものですね。世界的に有名な秀才の集まる香港の大学の頭脳の結晶でしょうか。これでも、天安門をやったら、アウトになりますね。
これで、中国本土の内戦が本格的に始まるのですかね。
中国共産党は、だんだん詰めろに近づきますかね。

まずは良かったかなと思います。 香港は共産主義との闘いの最前線だということがよくわかりました。ひとつ気になるのは日本国内の動きです。香港民主派と連帯する動きが感じられないことです。保守系にも、もちろん左翼リベラル陣営にもです。
特に、いつも中国、韓国を批判する記事の多い「保守系まとめサイト」が、一連の香港の動きを取り上げていません。なぜ?

あの中国がまともに選挙を実行したのが不思議でなりません。
怪しい票操作ぽい行動があったようですがその程度でどうにかなると香港の有権者を甘く見ていたとしか思えません。
正直なところ香港情勢に関しては情報が錯綜し過ぎていて民主派側の情報を迂闊に信じることが出来ない面もあっただけに、このような決定的な結果でもって香港住民の意思を表明してくれたのはとても意味があったと思っています。

一方日本では牛肉の中国への輸入解禁とバーターかのような「国賓待遇」の念押しコメントが首相の口から出るなど、マトモな野党がいれば命取りになりかねない立ち周りぶりです。
具体的なウイグル弾圧のリークも続々と出てくる中(あまりにタイミングが良過ぎて裏がありそう)すでに「慎重に状況を見極めたい」とは言ってられない段階に突入していると思うのですが…
かつて中国市場欲しさに日本がやらかした「天安門事件・その後」の再来になりやしないかとても危惧しています。

九州Mさん。私も謎だと思っています。
なぜこれほどまでに日本人は無関心をきめこんでいられるのでしょうか。
左翼は親中国だからいいとして、保守系の無関心ぶりには驚かされます。
ある意味で、共産主義との戦いの最前線は、韓国なんぞではなく、香港だというのに、です。
保守系サイトでは台湾はよくシンパシーを込めて登場しますが、香港となるとさっぱりです。
台湾と香港が連動して動いていることがどうしてわからないのでしょうか。
香港民主化デモがなければ、台湾はまた国民党政権に戻るというのに。

また、香港が敗北すれば、ウィグルやチベットの未来が決してしまいます。
このささやかなブログひとつでも香港支援を頑張るつもりです。

ちなみにお断りしておけば、私は香港独立を応援しますが、だからといって琉球独立などはナンセンスの極みだと思っています。
竹のカーテンに飲み込まれることを拒否し、自由を求める香港の戦いと、自由から闘争し竹のカーテンに飛び込もうとする琉球独立とは真逆だからです。

これについてはまた論じる機会があるかと思います。


プロパガンダ敗北記念として11/21のニュース動画を貼っておきますね。
https://m.youtube.com/watch?v=UCcgy2QrDpY

来年の9月、立法会選挙35議席のうちもしも85%得票で30議席を民主派が獲得したら、過半数はいかなくとも相当な圧を「世界」に向けて見せる事ができます。頑張れ香港!

保守系サイト、選挙結果を速報で読んだはずが今見ると無かったりします。Ddos攻撃避けるために適当なタイミングで削除しているところもあるのでは。
それとは別に、驚く程香港に冷ややかな保守系の意見も多々ありますね。周庭さんが枝野と会ったとか、堀潤がサポートしているのとかも気に入らないんでしょう。ちっさいヒトらやなぁ、と思います。
このブログや、是々非々で左右に極まらないスタンスで香港を応援している論客の発信が、少しでも香港人の励みになればと祈っています。

香港に冷淡な保守…
「保守だけどアメリカ頼みも嫌!」みたいな人だと、香港民主派にはアメリカが介入しているから手放しで応援できない、とかなのかしら?
ドローンで片付けられるはずの中共が放水銃とか古典的なことやってるから茶番、というのもネットの何処かで見かけました。
情報戦があるのは当たり前ですが、何事もすぐには信じないで観察する習慣を身につけた末に、様子見のままになっちゃってるとかなのかしら?
誰かの介入や工作があるとして、だから何なの、あっても不思議ないと私は思うし、ウイグル族の拘束指示に関する中共共産党の内部文書をアメリカのメディアに渡した誰かがいることを考えると、キンペを蹴落として後釜に収まろうとする誰かが中共共産党の中にいるようなので、そういう人たちが、現政権が香港コントロールに失敗するよう工作することだって考えられます。そして次の狼が来る。
金融や宝石貴金属の集積地として稼ぐ術を得ている小国(敢えてそう呼んでみた)が、世界唯一の華になるのを目論む独裁者に自由を取り上げられそうになっている、小さいゆえに誰かに翻弄されるのは避けられないとしても、何がよりマシなのかを、そこに住む人々が考えて選びたいと思っている、とくれば、民主香港支持ですよ当然。

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