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2019年11月30日 (土)

香港人権法成立後はどうなるのだろうか?

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香港人権法が成立しました。香港の未来にとってきわめて重要な曲がり角となるはずです。

「ワシントン=永沢毅、北京=羽田野主】トランプ米大統領は27日、香港での人権尊重や民主主義の確立を支援する「香港人権・民主主義法」に署名し、同法は成立した。ホワイトハウスが発表した。香港に高度な自治を認める「一国二制度」が機能しているかどうか米政府に毎年の検証を義務付けるのが柱。成立を受け、中国政府は28日に発表した声明で「重大な内政干渉だ」と反発。報復措置を発動する考えを示した」(日経11月28日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52701890Y9A121C1000000/

トランプが署名するかどうかはらはらさせただけに、素晴らしいことです。
まぁトランプとしては署名を拒否しても、議会に戻されて3分の2で成立してしまいますから、抵抗しても無駄だ、やるならカッコつけてということでしょうがね。

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52701890Y9A12

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https://www.oita-press.co.jp/1002000000/2019/11/28...

たいへんに素晴らしいことです。
これを急速に悪化する人権状況に追随するべく、通常の手続きを省いた緊急手続きで通過させ、全会一致で可決した米国議会に敬意を表します。
すでに人権調査は先行して開始されており、選挙の惨敗を見て今後さらなる力づくの弾圧を準備しているはずの中国にとっても、大きな抑止効果が生まれるはずです。

ただし民主化の前途はきわめて厳しいとみるべきです。
議席数においては、452議席の85%を民主派が獲得しましたが、それは小選挙区一人区制度で勝ったほうが総取りできたからです。

しかし総得票数においては、民主派が167万票だったのに対し、親中派は123万票で、6対4の力関係ですから、地滑り的勝利といっても約4割の市民は民主派への批判票に投じているわけです。

中国が投票結果を読み間違えたと先日書きましたが、彼らの票読みで勝利確実と出たのは一面で間違っていないとも言えると同時に、この4割の親中層を過大に評価しすぎたともいえます。
中国はこの間の状況のイニシシャチブを握ってきたのが一貫して民主派であるという政治のダイナミックスを忘れてしまったために、静的に香港情勢をみていた結果ともいえるかもしれません。
宮廷内闘争にそのエネルギーの大部分を消費してしまい、まつろわない大衆を力づくでねじ伏せた経験しかない中国共産党にそれを求めるのは無理というものですが。

それはさておき民主派に投じた市民も、独立を望んでいるわけではなく、余りにひどすぎる警察暴力に怒っているだけにすぎないともいえます。
今後、彼ら失うものを持つ階層を納得させるだけの説得力を、民主派が持たねばなりません。

あたりまえですが、香港を破壊し尽くして勝利してもなんの意味もないのです。
実はいまやその守るべき香港の魅力が急激に落ちています。

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/474926

抗議デモが始まったのは今年6月以降ですが、以来香港は観光客が訪問するにはふさわしくない戦場となってしまいました。
観光客は激減し、ホテルや飲食店や小売店は悲鳴を上げています。
また、投資の格付けが落ちたために、アジアの金融センターとしての地位も崩壊しつつあります。
不動産取引は低迷し、むしろ香港人が外国に逃げて行くほうが目立つようになりました。

この傾向は危険で、民主派がこのまま暴力路線をとり続けた場合、中国につけ入る隙を与えかねません。
元来、香港には中国、特に地続きの深センとの商取引で潤ってきた階層が多く存在します。
彼らの多くは大陸出身で、香港人という自覚に乏しく、彼らが強固な親中派の地盤を形成しています。
彼らからすれば、この6月からはヒドイ目に会い続けてきたという恨みがあるでしょう。
ですから民主化を見る時、このような階層とその支持者が半分存在し、彼らは政治と経済の安定を欲しているということを絶対に忘れないほうがいいのです。

一方中国は人権法をにらみつつ、いままでの血の弾圧路線を修正しないでしょう。
共産党にとって方針修正は自らの誤りを認めたことなり、それは党の権威の失墜につながるからです。
だからいかに現実とそぐわなくても、香港市民の怨嗟を招こうとも、犠牲者の山を作ろうとも、逮捕者だけの収容所をつくらねばならなくなったとしても、知ったことかとばかりに叩き潰そうとするでしょう。
それが共産主義で、彼らはその流儀でやってきました。

ただしあくまでも香港行政庁と香港警察を使っての間接統治でやるしかないことが、中国の弱いところです。
これがウイグルやチベットといった内陸部ならば、外国記者の眼がとどかないことをいいことにナチスばりの民族浄化政策を大規模に展開できました。
世界の眼が集まっている香港ではそれができないところが中国の悩みで、ウィグルならば6月の初めのデモが起きた時点で、武装警察が自動小銃を乱射させて屍の山を築いているはずです。
逆に言えば、今や中国政府の暴力装置と化してしまった香港警察の中に、中国の命令に背く部隊が現れた場合、一気に情勢はひっくり返ります。

中国は自ら引き下がることが難しい位置にいます。
既にかつての香港の国際金融センターとしての魅力は暴落しているのですから、かまうことはない一気にカタをつけるとばかりに弾圧路線に邁進する可能性も
高いと思います。

これに民主派がさらなる火炎瓶で応えるならば・・・。
やめていただきたい。香港の友人として心から忠告しますが、これ以上の破壊は、4割の安定を希望する穏健派市民層を中国につけてしまうことになりかねません。

今後民主派が勝利する可能性が残されているとすれば、有力国に仲介してもらうことです。
適任は英国です。英国はかつての香港の宗主国で一国二制度という折衷案を呑んだ当事国ですから、責任をとっていただかねばなりません。
英国に仲介に入ってもらうためには、香港独立論を封じなければなりません。

米国もやる気ならできないことはありませんが、なにせかんじんのトランプの腰が引けています。
今回の人権法でも署名しないという観測が一部ではささやかれていたほどです。
これはトランプが米中貿易協議で中間的妥協をしたいという気持があって、この時期中国ともめるのは得策ではないと考えられたからです。

トランプはこういう自分の大統領選にらみのディールを打つからいまひとつ信用できないのですが、これに対して議会のほうが強硬でした。
ぶっちゃけトランプにとって香港は票にならない、ただそれだけのことです。
理念保守のペンスなら違ったでしょうが、とまれよくも悪しくも彼はそういうタイプなのです。
彼の票田であるラストベルトや中西部の農村地帯ではホンコン、フェア?ですから、票になるのはあくまでも中国との関係です。
制裁を長引かせれば景気を減速しますからいったん締め、中国製IT製品をブロックしつつ、逆に米国産の大豆やメイズ(飼料用トウモロコシ)を中国に大量に買わせる、これがベストのはずです。
だから香港問題に手を出して中国を刺激するには得策の時期ではない、そう考えていたと思われます。

しかしこのトランプの思惑は、議会によって拒否されました。
議会は大統領の弱腰を強く批判し、今回の法案を推進したのは共和党のマルコ・ルビオなどの共和党保守派で、トランプからすれば次の共和党内での指名にぜひ取り込んでおきたい層です。
一方、ルビオは、ウィグル問題と香港問題をリンクさせて捉えており、人権問題という中国最大のネックをぐいぐいと締めつけようとしています。
また、民主党は元来グローバル民主主義派が多いということもある上に、香港を見捨てようとするトランプの姿を浮きださせるためにも人権法を推進する側に回りました。
つまり、米国は珍しく香港をめぐる対中強硬姿勢で一枚岩となったのです。

それにしても、かつて大量にいた議会やメディアのパンダハガーたちは、いったいどこに消えたのでしょうか。
民主党は人権法で中国と対峙し、あのNYタイムスですら11月16日にはウィグル人権抑圧の中国内部文書を暴露してしまいました。
これは大きなスクープで、「米国の朝日新聞」ですらやる時はやります。

世界の世論はやっとウィグルと香港が、中国の全体主義のもたらした共通の産物だと気がつき始めました。
「竹のカーテン」と戦っている最前線は韓国などではなく、香港だという認識が共有されつつあります。
気がついていないのは、わが国政府くらいなものです。
国賓で招くのはもはや変えられないとしても、これこそが外交カードではないのですか、安倍さん。

 

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コメント

欧米は中国が裕福になれば自由化・民主化するという神話に10年前くらいまで、ドップリ漬かり、気がついて見れば、中国の政治・経済謀略にがんじがらめにされて、身動きできなくなってしまった。
今、目覚めつつ、反撃に出てますが、もう覚悟を決めたんですかね。
香港人権法というのは、内政干渉そのものですから、ドンパチ始まってもおかしくないですね。中共は米国に、事前に警告しなかったとは言わせないという戦争前に行う挨拶もしたそうです。
日本では、信仰心というのは、お金の前ではどうにでもなるものと思われがちだと思います。香港での廃墟の中で、絶望的な学生たちが米国国旗を持ち
、米国よ助けてくれというプラカードを見たとき、米国の信仰心にスイッチが完全に入ったと思います。もう中国との妥協は、無条件降伏(完全民主化)しない限りないと思います。
上下両院で全員(1人のみ反対)賛成というのは、太平洋戦争開戦前の議決と同じのようですね。
米国が中途半端に妥協すれば、恐らく中国に取り込まれると思います。日本はウイグル化し、寺院・神社は破壊され、洗脳施設が全国に作られるかもしれませんね。まさか積極的に順応してしまうのでしょうか。戦後の民主化のように…

オイラーさん。「完全な内政干渉」ですか。なりませんよ。
そもそも香港は中国の「内政」にはあたりません。
香港で中国が有するのは潜在主権であって、香港の内政は香港に任されています。

人権法はこの「香港の内政の自治」を保証した一国二制度を破壊した中国に対する国際制裁です。
またかつてのようになにをしようと「内政干渉」でハネられた昔と違って、人権破壊や大量破壊兵器の拡散については国際社会が介入できるような考え方に変化してきています。

オイラーさん、飛躍しすぎ。

内政干渉についても97年夏の香港変換から「一国二制度の約束をを守らずに騒いでるだけです。
また、中国は香港に変わる金集めの舞台としてマカオや深センを「かつての香港化」し、さらにカンボジアやラオスに手を伸ばしてます。
共産党独裁国家でどこまでやれるのやら。。

視野がちょっと狭いとおもいますよ。

管理人さんは介入するなら英国が最も適しているとしていますが、返還前の英国統治時代を体験している高齢者の方々の間には英国アレルギーがいまだに根強く残っていてそれが親中派への支持に繋がっているというのを耳にした事があります。
また英国は中国に圧力をかけるための有効なカードを持っていませんし、なによりまず国内で片づけなければいけない最優先案件があります。
その面を考慮してもアメリカが口を出してくるというのがやはり最適解ではないかと感じています。

時勢を読み違えての選挙の大敗北に内部文書のリークと中国の政権内部でなにかが起りつつあるのは間違いないようです。
ここで強硬な手段に出れば習政権は一気に瓦解する可能性がとても高いように思われますが、当の本人はどう感じてるのでしょうね。

今日のウイグル 明日の香港 明後日の台湾 来週の日本。

「スパイ行為」容疑で中共国内で逮捕された伊藤忠商事の日本人社員が、10月に懲役3年の実刑判決を言い渡されていたことがつい先だって明らかになりましたが、裁判は非公開であり、容疑事実の内容も判決の根拠も何ひとつ公に示されていません。
似たような目に遭っている日本人はこれまでにもいて、上訴しなかった人もありますが、上訴中の人もいると伝えられています。
これだけでもキンペが国賓に値しなくて当然です。
それとも、国賓扱いとバーターで拘束中の日本人が帰国できるのか?
こういうニュースは各社、あったことを淡々と述べるだけじゃないですか。
「日中双方の新聞記者交換に関するメモ」の1968年修正に見られる「政治3原則」、これに忠実なまま、悪いことは悪い、おかしいものはおかしいと言えないのはおかしいんじゃね?
それを言える政治家は出てこないのかねぇ。
そこを最も攻めるべきは、新聞社自身ではないのかねぇ。

深センとの商取引で潤ってきた大陸出身の中〜高所得階層者の今後について。
香港人という自覚に乏しいなら、既に起きているようにどんどん香港を出ていきます。
今回民主派に批判的だった4割の人数は、大陸から補充されない限り減ってゆきます。
私は減りゆく彼等へ向けていい子にしながら裏道で学生が拉致粛正される事を危惧します。
火炎瓶を推奨するつもりはありませんが、今世界にある暴力の中で突出して彼等が非難される暴挙を働いている訳ではない事を、日本国内でのプロパガンダ映像報道を見る際に思い浮かべて欲しいと私は思います。

米中対立の続く中シンセンとの取引自体に潤いがなくなるのかどうかは、彼等にとって香港民主派の暴力による香港下げを上回る関心事です。
今回の人権法、親中べったりを続けて儲かったとしても米国から「人権弾圧関係者の資産をマネロンした者」として自分の米国資産を凍結されるリスクって、ホントにやるのかなと疑う程強力です。
香港金融界には反習近平派に連なる勢力もいるようで、上手く連携しながら浮沈しつつ機を見、いずれ出た者も戻る日が来るやもしれません。英米のサポートは入れ替わり立ち替わりが効果あるのでは。

香港は水を本土に頼る弱点もあり、単体で反中のまま独立は不可能です。彼等の幸せは「弱い中国」とセットで満たされるなら、こちらでも未来予測されている群雄割拠分裂時代のチャイナを目指しているのではと、素人頭で考えながら香港を応援しています。
マカオやシンセンという新興金融体制は弱くなる中国のダメージを香港より受けるならば、香港にとってのライバルはシンガポールであり続けるのでは。


長々と深刻に書いた末尾になんですが、近隣ビデオ屋の香港ムービーをレンタル全制覇した香港電影ファンの私としては、監督俳優を買収しプロパガンダの手先におとし業界の魅力を惨殺したチャイナに怒り心頭。香港について書くたびスローモーションで白いハトが飛び立ちます。

ジョン・ウー作品か。。

記事と関係ありませんが、先日こちら冒頭のお写真を拝見して何とも言えない感動をおぼえたのでそのまんま記します^ ^

「特定の国の人権問題は、その国の内政問題ではあっても、国際社会の関心事でもあり国際連合がこれに関わることをさまたげられない」という考えが1993年オーストリアのウィーンで開かれた世界人権会議で採択されたウィーン宣言および行動計画です。
「すべての人権の伸長及び保護は国際社会の正当な関心事項である。」と文書で確認済み。

飛躍と視野狭小のオイラーです。
まだ中国が田舎者に化けて、よろしくお願いしますと先進国に頭を下げた時の一国二制度の約束は、大中華帝国になり、もはや米国も半ば政治・経済的に占領される状況になった今では、中国にとってまったく意味合いが違うと思います。
ある米国の専門家は、欧米の中国化が進み危機的な状況になっていると警告していました。一国二制度は、半ば有名無実だったはずです。そして親中国派が支配する、中国が国際金融を利用できる都合の良いところだったと思います。
今頃香港人権法などを成立させて、とやかく言うことは、今の中華帝国の皇帝には我慢ならないことだと思います。中国では、メンツを潰されるのが最大の侮辱のようです。台湾でもアレですから、香港ではもう切れると思います。
12月31日に、米国の韓国に対する50億ドルの軍事負担の回答期限、北朝鮮が米国に求めるウルトラ級の優遇策の回答期限が来るとのことです。
二つともNO ならば、在韓米軍撤退、中国はこの朝鮮を煽動して、日本に真珠湾攻撃を起こす、又は極度に先鋭的な政治謀略を行う。
日本の親中国派が判断を迷ううちに、第二次朝鮮戦争が始まり、日本も今度は内戦状態になり、テロ攻撃で地獄絵図となる。
来年が良い年でありますように祈ります。

初めまして。 「エキサイトブログ」のブロガースカウト担当の松下と申します。


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エキサイトブログ編集部 松下
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