ムン・ヒサン議長閣下の二番煎じ
ムン閣下がストーカーもどきの「会談」をしたそうで、なにやらかまびすしいことです。
ふたりに随行していたのが英語しかわからない通訳で、ムン閣下は英語がまったくダメですから、この「会談」はムン閣下のコリア語を英訳して安倍氏の英語通訳が聞き取って日本語に和訳して、今度は安倍氏の言ったことを英訳して韓国側の英語通訳が聞き取ってコリア語に直す、ああメンドー。
この様子を見ただけで、これが本気で話あいをしたいのではなく、米国と国内向けのパーフォーマンスにすぎないと分かります。
「ね、ボク、こんなにアベと話あいを求めているんだよ、この誠意分かってよ米国さん、だからGSOMIA復帰をジャマしているのは日本なんだーい」ってわけです。
自分でやらかしたことなのに大騒ぎしてきりきり舞いしてるんですから、頭がクラクラしますが、これがあの人たちの頭の中では整合性がとれているようですから不思議です。
https://www.afpbb.com/articles/-/3253011
相手国の通訳も準備しない首脳会談など絶対にありえませんから、日本側からすれば一種のアクシデントみたいなもんです。
ムン閣下は安倍氏の控室で待ち伏せしていたそうで(す、すまん笑いが)、あれあれと思う間にラブチェアーに連れ込まれたようです。
このラブチェアーみたいな狭いソファーも、韓国がご用意いただいたものだとか(そこまでやるか)。
ここまでして会談をしたいのなら、日本語通訳くらい連れてこいって。
なにか状況を打開できる案のひとつもあって、「ぜひ聞いてくぇ」と言っているならともかく、なにも新提案の持ち合わせがなくてただ会いたがるってヘンな人。
今、日本側が検討するに足る韓国側提案はひとつしかありません。
徴用工(応募工)裁判について、従来から韓国政府が一貫してとってきた立場を堅持する立場に復帰する、これ以外ありません。
別に難しくもなんともないはずです。なにか特別に新しいことをしろと言うわけではなく、元の韓国政府の立場を確認するだけのことですからね。
https://www.asahi.com/articles/ASMC56R03MC5UHBI02V
行政府の長の大統領閣下がストーカーを働いているときに、今度は立法府の長までが日本に来てこんなことを言い出しています。
「来日中の韓国の文喜相(ムンヒサン)・国会議長は5日、東京の早稲田大で講演し、元徴用工問題の解決に向けて、日韓の企業や国民から幅広く寄付を募り、補償に充てるという私案を発表した。実現のため、関連法案を韓国国会に提出することも検討しているという。 文氏は講演で、昨秋に韓国大法院(最高裁)が日本企業に元徴用工らへの賠償を命じた判決をめぐり、解決のためには韓国側にも新たな立法的努力が必要だと強調。解決策は元徴用工問題だけではなく、慰安婦問題なども含めて「包括的に解消する内容でなければならない」と訴えた。
そのうえで、補償の財源確保のためには、徴用工問題に関係する日韓の企業が資金を出し合うという韓国政府の「1プラス1」案では難しいと指摘。これに代わる私案として、元徴用工問題とは無関係の日韓企業や両国民からも「自発的に寄付を募る方式」を提案した。日韓慰安婦合意で設立され、文在寅(ムンジェイン)政権が解散した「和解・癒やし財団」の残余金の60億ウォン(約5億6千万円)も、「(財源に)含める」と語った」(朝日11月5日)
https://www.asahi.com/articles/ASMC56R03MC5UHBI02V.html
内容的には陳腐で、検討するにも値いしましません。
ただ、先日取り上げた日韓議員連盟の河村案と瓜二つで、いかにこの団体が韓国の主張の呼び水の役割をしているかあらためて分かってしまいました。
早くこんな有害無益な団体なんか、解散しちゃいなさい。
ちょっと河村案と違うのは、慰安婦財団の残余金もこの基金にいれようという部分ですが、あのね、この財団つぶしたのは他ならぬムン政権なの、忘れたかなぁ。
そっちの都合で条約破って勝手に潰したんだから、残余金が発生したら速やかに返却して下さい。
それにしても、よくこういうことを恥ずかしげもなく言えるよなぁ。
それはさておき、あらためて押えておきますが、この「徴用工」問題をムン政権が起こした目的は、戦前の日本国による朝鮮半島統治を違法な植民地支配として糾弾したいからです。
慰安婦や徴用工といった個別の問題を蒸し返すことで、日本統治全体を違法とし、それに対する謝罪と賠償を勝ち取るのが目的です。
したがって、日本がこれに応じれば自動的に1965年の日韓請求権協定は消滅し、それに代わるなんらかの新日韓条約を結ばねばならなくなります。
なかなか壮大な企みですが、お気の毒にもムン閣下はとった戦術を間違えました。
初めから大統領府が直接に日韓請求権協定の廃棄を言い出したならそれなりに筋が通っていたのですが、妙に気弱なところがあるムン閣下はその言い出しっぺを、最高裁という司法府に押しつけたのです。
ムンが地方の下級審から抜擢した最高裁長官は、「徴用工」原告側の訴えを全面的に認め、日本企業に賠償の支払いを命じました。
もちろんこれは日韓請求権協定の否定ですから、日本政府は正式に抗議したのですが、この時小ズルいことに大統領府は、「あれは司法府の判断だ。うちの国は近代的な三権分立だから、行政府は介入できない」と突っぱねてしまったのです。
いかにも元人権派弁護士だったムン閣下の考えそうな浅知恵です。
これで韓国政府は矢面に立たずに済む、外国政府が相手国の司法判断に文句はいえないからカンペキな戦略、と思っていたのでしょうね。
ここでムン閣下がとったのは、あくまでも日韓基本条約を覆したのは司法判断だ、ということです。
つまりこの司法判断には行政府も立法府も介入できないはずだから、一見無敵な方法に見えたのです。
ムン閣下は経験則としてここまでやれば、日本政府は恐れ入って河村氏のような「大人の対応」をすると想定していたはずです。
ところが日本政府がとった対応は、シンプル、かつプリンシパルな対応でした。
仰天したムン閣下が出すのがことごとく悪手ですからヘルプレスです。
日本は「徴用工」の報復だなんてひとことも言っていないのに勝手に盛り上がって、とうとうやらかしたのがGSOMIA廃棄でした。
バカだねぇ。安全保障揺るがしたら、全部が揺らぐのですよ、ムンさん。
これに激オコしたのは日本ではなく、むしろ米国でした。
一挙に在韓米軍撤退、米韓同盟廃棄が現実味を帯びてきてしまったのです。
これが致命傷でした。
かつてのパククネを牢獄に叩き込んだと同規模の100万人デモが、連日のようにソウルを覆い尽くします。
ムン閣下の支持率がどうのという段階ではなく、今や韓国の国論は真っ二つにされてしまったのです。
http://agora-web.jp/archives/2041054.html
これに驚いたのはムン閣下と与党です。
もう三権分立だから、なんてコジャレた言い訳は出来なくなりました。
そこであたふたと出てきたのが、ムン・ヒサン韓国国会議長殿です。
彼が「解決私案」を作り、国会で責任を持って通すから、なんとか手打ちができんだろうか、ということのようです。
でもそれやると、ムン議長殿が大統領府と諮ってやったならまだしも、立法府の独走による単独政治解決となっちゃいますぜ。
すると、ムン閣下の鉄壁の三権分立論がガラガラと中からくずれてしまうわけで、こういうのを自壊現象というのでしょうな。
このムン・ヒサン提案の「共同基金」案は、またゾンビを引っ張りだしたのかいといった二番煎じです。
「共同基金」案とは要するにこういうことです。
「日本は「賠償」と名がつかなければいいんだろう、じゃあ「経済協力」という名分として、民間企業にカネ出させて政府が関与していないって体裁作りゃいいんだよね」
なんのことはない、これは1965年6月の日韓基本条約の時使ったレトリックの二番煎じ、三番煎じゃないですか。
韓国側やヒダリ方向の人達は、日本がまるで個人請求権を否定して逃げ回っているというような言い方をしますが間違いです。
現時点においては日韓関係に個人請求権が存在しないといっているだけのことで、その理由は既に個人請求権は支払い済みだからです。
日韓基本条約交渉時において、個人請求権を初めに言い出したのは日本側でした。
日本側は元「徴用工」や慰安婦などの韓国人民間人に対して謝罪の意を伝えた上で、賃金未払い、軍票の処理などについても支払う用意があると申し出ていました。
それを拒否したのは韓国側です。
韓国側は賠償金を一括して韓国政府に支払ってほしい、その後に韓国政府が責任をもって民間人に個別支給するから、と繰り返し要望しました。
そこで日本は その主張を受け入れて「経済協力」の名目で、韓国に5億ドルを供与しました。
当時の日本は敗戦から立ち上がろうとしている時期で、国民の多くがまともな住宅にも住めなかった時代です。
5億ドルは当時の日本の外貨準備高の実に3分の1近くに達し、貴重なドルを使ってしまえば、原材料や食糧の輸入が困難になるというリスクを承知で支払ったのです。
この資金で韓国はインフラを整備して、「漢江の奇跡」を成し遂げました。
これは歴代の韓国政府はよく知っていたはずで、だからこそ日韓基本条約の中身を国民に開示しなかったのです。
開示してしまうと、全部韓民族が自力でやったはずの「漢江神話」が崩れる上に、個人請求を韓国政府に請求されてしまいますからね。
ここで日韓政府が使った苦しいレトリックが、本来「賠償」と呼ぶべき内容にも関わらず「経済協力」としたことです。
すっと聞き流さないでくださいね。
韓国を除くアジア諸国には、たとえばインドネシアやフィリピンのように戦時賠償という形で支払っています。
韓国だけが例外なのですが、なぜでしょう。
答えは簡単。それは韓国が敗戦まで日本だったからです。
そもそも1948年に独立するまで「韓国」なんて国はありませんでした。
今になって「共に民主党」は日帝の侵略なんて言い方を好んで使っていますが、どうやったら自分の国を侵略できるんでしょうか。
だって日韓は交戦関係になかったどころか、国際的に認められた日本の正式な領土でしたから、日本が日本の一部に賠償するなんて出来っこありません。
それを認めたくない韓国のヒダリが言い出したのが、いや1911年に大韓民国臨時政府を作って日本と戦い続けたんだ、スゴイだろというフィクションでした。
もちろん全くの空想非科学小説にすぎず、上海の亡命抗日サークルのことをそう自称しただけの事にすぎませんから、戦後処理では連合国に相手にもされませんでした。
脱線しますが、韓国が北に対して妙なコンプレックスがあるのは、実態は山賊のようなものでも、まがいなりとも抗日軍をキム・イルスンが組織していたことです。
とまれ与党の「共に民主党」などは、この「亡命政府」とやらを根拠にして、日本と交戦関係であったと主張しています。
だから韓国には戦時賠償の権利が発生している、なにが経済協力だ、ごまかすなという理屈です。
それはさておき、当時の日本人はお人好しというか誠実というか、なにより敗戦国特有の贖罪意識が濃厚にあったために、事実上の「賠償」に応じてしまいます。
戦争になって迷惑をかけた、せめても韓国の独立をできるだけ援助してやりたいの一心で、賠償という言い方ではまずいために「経済協力」という名分にして妥結してしまいます。
ですから、外形的には日本は他のアジア諸国とは異なって、韓国には戦後賠償は払っていないことになっています。
後にここだけ強調したのが韓国で、我々はビタ一文日本から受け取っていない、という「韓国人の常識」につながっていきます。
また韓国政府を信頼して個人賠償分まで一括して渡してしまった報いは、今の慰安婦・「徴用工」問題につながる禍根となってしまいました。
このようなかつての「大人の対応」の縮図が、今です。
それすら韓国は覆そうとしたのですから、日本はひたすら韓国政府がとってきた今までの立場に戻れ、と言い続けるしかないのです。
蒔いた種は刈り取らねばなりません。その時期がいまなのです。
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コメント
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たかだか一私学での講演(早稲田もあんなの呼ぶなよ)での発言程度で、政治解決図ろうとするやり方からしておかしいですわな。
投稿: 山形 | 2019年11月 7日 (木) 06時33分
早稲田の学生がヤジ飛ばしてましたね。
「上皇陛下に頭こすりつけて謝れ!」
「日韓関係を言うのならそれが当り前だろう!」
投稿: 宜野湾くれない丸 | 2019年11月 7日 (木) 10時21分
日本政府が気を付けなければいけないのは
事情をロクに把握していない国内のバカ経営者が韓国に金を払う事を絶対にさせない事です。
学生の野次もあれでは切り取られて逆利用される内容なのでできれば
「謝罪する気があるんならちゃんと会見開いてやれ」
と冷静に主張して欲しかったですね。
怒り心頭になる気持ちもわかりますが。
投稿: しゅりんちゅ | 2019年11月 7日 (木) 11時25分
韓国の国会を代表する議長ともあろう人ががこんなに浅はかとは・・・。他の国会議員も全員同じようにしか考えたいないのでしょうね。そんな国会議員を選んだ国民も当然同じようにしか考えていないのかなと思ってしまいますね。もう韓国のことは考えたくありませんね。
投稿: 福岡より | 2019年11月 7日 (木) 15時23分
大方の予想では、23日の期限までに韓国はGSOMIA破棄の撤回をするように見ていると思いますが、私にはそうは思えません。
GSOMIA破棄は文氏の公約だし、韓国民の60%以上が破棄を支持してる現状があり、日本人の70%が早期解決には否定的です。
いくら文政権とて、そもそもホワイト国除外と安全保障は次元の違う問題だと理解していたはずで、そうであれば、ここのところの一連の行動は「日本のせい」にするための壮大な演出にすぎないです。
日本は、わざわざ沼地にはまり込みに行く必要はありませんね。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2019年11月 7日 (木) 19時07分
韓国は、もう要らんですわ。日本と韓国の政府間は、日本に対して
米国様が「いくらナンでも、そりゃあんまりじゃぞえー」と激怒しない
程度に、テキトーにあしらっておくべきですわ。繰り返しますが、日本
と韓国の仲は、数十年数百年経たないと良くなりません。いや、永久
に良くなりそうにありません。それならお互いに、安全保障上の取り
決めだけしておいて、アンタッチャブルな仲が最善ですわ。
その安全保障上でさえエエ加減な国であると判った日にゃあ、米国
様と共に縁切りをする時です。いつ何時寝返るか判らない同盟国
なんて、最強の敵に他なりません。
ただ、民間レベルの経済交流は、軍事機密上のモンダイがない限り
は、出来るだけフリーな状態にしておいて欲しいです。まあ、日本の
製品をボイコットするんだから、ワザワザ出て行くヘンタイM企業は
少なくなると思いますが… しかしながら、おとなしい一般の市井の
日本人にここまで嫌われるなんて、なんてスゴイ韓国政府だ。
投稿: アホンダラ1号 | 2019年11月 7日 (木) 23時29分