首里城炎上事件処理のストーリーが見えてきました
首里城炎上事件以後初めて県・公団・国の三者が顔を揃えての記者会見をしました。
「首里城火災「空白の5時間」に質問集中 当初の50分から拡大
首里城火災を受け、設置者の国、管理者の沖縄県、運営管理する沖縄美ら島財団の3者が6日、初めてそろって会見した。財団側は、出火元の正殿から最後に関係者が退出した時間を当初の説明から訂正するなどちぐはぐな回答。
一方、高台にあり二重の城壁に囲まれ、消防による消火が困難を極めた首里城の屋内には自動消火設備がなかった。妥当性を問われても、国側は「法令を順守した」との見解に終始した」(沖タイ11月7日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191107-00494615-okinawat-oki
ここまでが沖タイのリード部分ですが、スッと読むと気がつかないかも知れませんが、せっかく当事者が顔を揃えた三者会見だというのにどこか抜けていませんか。はい、県が抜けていますね。
沖タイ 前掲
リードだけではなく、記事本文にも責任者である沖縄県の発言が欠落したままで終わってしまっています。
それどころか、記事の結びは「国が会見を打ち切った」ですから、これでは国が都合の悪いことを隠蔽しているように読めてしまいます。
「火災の経緯で、配布資料には「31日午前1時20分 警備員巡回開始(城郭内)」と明記。この時間、警備員は正殿を巡回しておらず、最後の退出は財団職員の「30日午後9時35分」で、火災に気付くまで約5時間の空白があった。しかし1日の財団の会見では、警備員は午前1時20分に正殿を巡回し、空白の時間は50分との説明だった。
「前回の説明の根拠は何か」。報道陣から質問が集中し、財団の西銘宜孝事務局長は「勘違いがあった」と釈明。警報発動で駆け付けた警備員が開けたシャッターを閉めたのかを問われ、当初は閉めたとの認識を示すも、「はっきり分からない」と修正するなど、見解は二転三転した」(沖タイ前掲)
記事のタイトルにもなっている「空白の5時間」とは、財団の警備巡回が当初言っていたことと食い違っているではないか、ということのようです。
沖タイ前掲
ここで沖タイは「空白の5時間」という表現を使っていますが、それは当初の記者会見で財団が言っていたことと食い違いが発生したからです。
小さいので見えにくくて恐縮ですが、上の時系列表の赤字で記された部分には警備員が実際に正殿内に立ち入って巡回したのは21時30分が最後と記してあります。
なおこの9時30分には、正殿の電気ブレーカーが自動的に切れるようにセットしてあったそうです。
ここで警備員は正殿を施錠しましたが、ご注意いただきたいのはこの時点では翌日のイベント関係者66名と職員3名がまだ正殿前広場に残っていたことです。
このイベント業者が仕事を終えて退出したのが、日付をまたいで1時05分です。
つまりここで4時間の間、首里城はイベント関係者だけが残って仕事をしていたことになります。
彼らが自家発電機を持参していたのかどうか知りたいところですが、それについての情報はありません。
イベント関係者が撤収した15分後に、財団は「正殿内を含めて巡回を終えブレーカーを落とした」したと公表していました。
しかし、現実には正殿内部には立ち入っておらず、1時43分にはSECOMの機械警備に移行しています。
ここで不思議なのは、9時30分に一回落としたブレーカーを、なぜまた1時43分に再度落としているかです。
正殿内部に警備員は立ち入っていないはずですから、再度ブレーカーを落とした理由がわかりません。
憶測にすぎませんが、9時30分に落ちた自動で作動するブレーカーとは関係なく、分電盤から電気が取れたのではないでしょうか。
あくまでも仮説ですが、正殿内部の分電盤からなんらかの方法で電気をもらっていたのかもしれません。
だからイベント関係者が電気を使い終わって、もう一回分電盤のブレーカーを落としたのかもしれません。
この時、ブレーカーの後ろからとれば安全ですが、直前から取るとブレーカーが作動しなくなって危険です。
那覇消防局も記者会見で、分電盤から延びていた延長コードについて言及しています。
「首里城火災から1週間となった7日、沖縄・那覇市消防局が会見をし、火災の原因は、分電盤などの電気設備の可能性が高いとの見立てを、あらためて示した。
7日の会見で、消防は、正殿の北東側にある分電盤に電力を供給する引き込み線や、分電盤のコンセントに差し込んでいた延長コードに、焼けた跡が30カ所以上見つかったことを明らかにした。
深夜の時間帯においては、防犯カメラや1階の照明LED(発光ダイオード)につながるコードには、分電盤を通して電気が供給されていたという。
那覇市消防局・山城達予防課長は、「(電気設備以外に)火災の原因となるものが見当たらない。証言においても、火源になるようなものが置かれていたとか、そういったものは、証言でいただいていません」と話した」(FNN11月8日)
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20191108-00426889-fnn-soci
この消防局の会見は、財団がこのように言っていたことを否定しています。
「正殿内部のLED照明をめぐっては、首里城を管理する「美ら島財団」は火災発生前日の30日午後9時半に自動的にブレーカーが落ちており、通電もしていなかったと説明していた」(産経11月7日)
https://news.biglobe.ne.jp/domestic/1107/san_191107_1632433393.html
ブレーカーが9時30分に自動で落ちたとしても、抜け穴があったということです。
取った箇所は不明ですが、延長コードで電気はとられていおり、ここからショートした可能性が大変に高い、ということです。
今回の火災とは関係のないあるイベント関係者は、国が直接管理していた当時、国営施設の分電盤の管理は厳しいために、そこから電気をもらうことは禁じられていたそうです。
しかし県に管理が移行した後は、管理が「ゆるやかになった」といいます。
話を戻します。
2時34分に機械警備が感知装置が作動したことを探知し、首里城警備室からSECOMに連絡が行き、同時に警備員2名が正殿に駆けつけますが、後はご承知のように、正殿には火が回りきった状況で手がつけられませんでした。
初動鎮火の完全な失敗です。
というか、初動鎮火を試みたのかさえ怪しいと言わざるを得ません。
2本消火器を使ったと言っていますが、当時の現場は正殿の扉を開けたら煙で前がまったく見えないような状況で、警備員が決死的消火をしても手持ち消火器では話にならなかったはずです。
問題は警備員の勇気に頼るのではなく、システムとして防災出来なかった防火対策の欠陥です。
最後に見回った時間うんぬんよりも、なぜ感知器と連動して自動消火がおこなわれなかったのか、というシステム上のことを問題にすべきなのです。
それは消火設備だけの問題ではなく、鎮火にどうして11時間もかかってしまったのかです。
簡可燃性の木造建築、塗料、城の閉じられた敷地の構造など原因は多々あるでしょうが、最大の問題は消防車が正殿に接近出来なかったことです。
消防への通報は2時41分、感知器が火災を知らせてから10分後です。
さらに消防車が到着したのは2時50分、初めの警報から到着までわずか16分後という素早さでしたので決して遅くはありません。
しかし、ここから首里城の城壁に阻まれてホースが届かずに、消防隊は苦闘を続け、鎮火したのはなんと11時間後でした。
おそらくホースを接続して延ばすだけて、小一時間はかかったのではないでしょうか。
沖タイが問題視しているのは、財団が警報を出したのが「巡回約50分後」だった」というのが嘘だというような枝葉末節のことばかりです。
もちろん警備が正殿に立ち入り巡回したのは正しくは9時30分ですから、確かに5時間前なことは確かですが、だからなんだっていうの、ていどのことです。大げさに「空白の5時間」なんて書きなさんな。
そんなことは単なる財団の勘違いでしょう。
財団はマニュアルどおり9時30分に最終立ち入り警備を終えたというだけのことで、その点については彼らに非はありません。
むしろ論点にすべきは、感知器が警報を出した2時34分には、既に正殿内部には火が回って手がつけられなくなって、初動鎮火どころのさわぎではなかった、ということです。
産経
私が疑問点としたいことは三つあります。
①なぜ、分電盤から発火したのか?
②なぜ、感知器と連動する室内、室外の自動消火システムが設置されていなかったのか?
③なぜ、炎上する正殿前まで消防隊がホースを到達させるまで時間がかかってしまったのか?
沖タイは、ここで妙に財団の発表間違えをことさら叩く一方返す刀で、国の責任を追及するという毎度おなじみのスタンスで記事を締めくくっています。
「沖縄総合事務局国営沖縄記念公園事務所の鈴木武彦事務所長は 過去に屋内の自動消火設備の設置について「議論はあったと思う」と述べた。
往時の厳正な復元を目指した結果と説明したが、正殿内には往時にはない車いすの昇降設備はあった。 約2時間の会見は国側が打ち切るように終了した」 (沖タイ前掲)
車椅子対応のことなんか誰も聞いていないんですが、総合事務局さん、しっかりして下さい。
答えになっていませんね。「往時の厳正な復元を目指す」のは結構ですし、そうしたのは正解でしたが、それと自動消火装置の設置はまったく別です。
先日も書いたようになにもスプリンクラーにこだわる必要はまるでないのであって、炎感知型と煙感知型警報器を併設し、それと連動して自動的に作動する内外の消火装置を設置すればよかっただけのことです。
この方式なら不燃ガスを放出するだけですから、「往時の復元」は無傷だったはずです。
建造物外周からは、地中埋め込み型の放水銃を自動運転させればよかったのです。
https://www.nohmi.co.jp/product/cultural_assets/pr...
なぜこんな簡単な対策ひとつ打てなかったのか、管理移管したあとの県の責任もありますが、国の責任もあるのですよ。
「議論した」と国は言っていますから、なんらかの文科省とのやりとりはあったのでしょうが、なぜそれが出来なかったのか、明確に説明する義務があります。
だから、沖タイにまるで会見から逃げたように書かれるのです。
ところで気がつかれているでしょうが、沖タイ記事には一度も県が登場しません。
まるでこの事件において、県は無関係だったが如くのようです。
県は、財団の警備体制に問題があった、国は自動消火について県になにも指示していなかった、いうストーリーで乗り切りたいようです。
やれやれ、最大の責任者は県のはずなのですが、この記事を読むと、なにがなんでもデニー知事を守りたい一心の沖タイの「忖度」が透けて見えてうんざりします。
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酷すぎる記者会見でした。
「遠くの敵には吠える」けど「目の前の敵には忖度する」
嫌、目の前のそれは敵ではなく「身内」だからです。
沖縄鉄のトライアングル「政・財・管」VS「国」の典型的な姿です。
投稿: 宜野湾くれない丸 | 2019年11月 8日 (金) 06時40分
あ、間違いました。
沖縄「新」鉄のトライアングル「政・財・管・マスコミ」VS「国」でした。
投稿: 宜野湾くれない丸 | 2019年11月 8日 (金) 06時43分
ガス消火設備は室内の密閉性が必要なので木造建築には無理だったのではないのでしょうか、気になるのは外装制限がどうしてなかったのか、屋外消火栓は足りてないんじゃないのかとの疑問です。あのような消防車も寄れない所にしては消火設備が貧弱過ぎます。
投稿: ぺぺ | 2019年11月 8日 (金) 07時35分
昨日の消防の会見では「電源を取っていなかった」と言っていたはずの正殿配電盤からの延長配線が発見され、さらにはそれは「常時点灯できる状態」で照明施設に接続されていたとの事。
これで配電盤付近からの出火、延長配線にショート痕があったなどダメ押しに近い要素を加えると以前九州Mさんが唱えていた「イベント設営にあたり安全装置が効かない危険な配線をしていた」という仮説がかなり濃厚になってきました。
そうなってくるとイベント主催者(組踊上演300周年記念実行委員会)と美ら海財団のリスク管理とそれを監督する立場の県の怠慢が焦点になる展開になり、説明会見が絶対に必要になってくるはずのですが、地元マスコミはそのような方向に持っていくような報道は一切行いません。
それでもって肝心の知事さん(実行委員会会長)は「県民に元気を出し、ぜひ協力をしてほしい」というメッセージを発信したいとのことで、清々しいまでに当事者意識ゼロです。
投稿: しゅりんちゅ | 2019年11月 8日 (金) 08時11分
この会見、琉球新報がノーカット動画を配信していますよ。たいへん面白かったです、滅茶苦茶過ぎて。
予定を大幅に超える2時間以上の会見で、記者さんたちはみんな頑張って追及してますが、まともに答えが返って来ないんです。
あの美ら島財団の事務局長さん、何しに会見に来たのかなあ、と。
投稿: 横須賀ヨーコ | 2019年11月 8日 (金) 08時52分
しゅりんちゅさん。
本当に九州Mさんの想定が当たってるみたいですね。
あと、ペペさんが仰有るように、実際にハロンガス消火器を導入しているのは防火扉を備えているような美術館や博物館にデータセンターみたいなとこですから、木造建築にこれを「何故無かったのか!?」とは、さすがに言えません。
ですが、もし(全くの仮定の話ですが)煙探知機連動で作動するようにしてたら、まあ警備員が到着した時には煙モクモクで手がつけられなかったなんてことにはならない程度に「減災」は出来たでしょう。
一旦作動したら人は窒息するので入れなくなりますが、ボンベを背負った消防隊員が来るまでの延焼防止にはなったでしょう。
では何故収蔵品を正殿とかに置いていたのか?と。そんなに大切な物なら付属施設の博物館にいれますよね!
あと、一階には熱感知の火災報知器しか無かった。木造建築でそれはアホなの?と。
さらに熱感知火災報知器が作動したから警備員が駆け付けたけど「侵入した不審者かと思った」って、こんなのあり得ませんよ!
熱感知なら、タバコを咥えた数人の熱量では作動しませんよ。
そんなのだったら日本中で毎日誤報で消防が出動してますって!
それにしても、沖タイって何か書くほどにボロがでて炎上しますね。むしろある意味尊敬します。常に最後は「国が悪い!」という予定調和を前提にして書いてるのがゲスな地元一般紙なんですね。。
投稿: 山形 | 2019年11月 8日 (金) 10時23分
熱感知システムで火災を侵入者と間違えた件で山形様ご指摘(熱源の量)を補則させて頂くと、原則熱源から出る赤外線を感知しますので、報道を聞いた当初から??気分でした。
尚、私は防火や警備でなく、製鉄所や発電所等のプラントを基準としての感覚なので誤認が有ればすみません。
熱源から放射される赤外線(要は電磁波)はその熱源の温度により波長が異なる(高温程短い)です。
刀鍛治が鉄の温度を判断する時、熱せられた鉄の色(高温なので赤外線でなく可視光線)を見る感じです。
人間の平熱(310k位)と木材等の一気圧における燃焼温度(900k位?)で警備員が混同するような計測結果(かなり波長異なる筈)が出るのは私個人としては信じられず(満員電車で発火?)、どこかで責任逃れ、擦り合い等が行われれてる?とも考えました。
投稿: Si | 2019年11月 8日 (金) 11時07分
最初私は分電盤そのものに故障等の問題があったのじゃないかと見当をつけて、沖電工の知人に聞いてみたところ、沖電工では請け負っていなくて、ちゅら島財団内部に指定技術者がいるのだろうという事でした。
しかし、問題はそこにはなくて、ブレーカー遮断後に分電盤手前からイベント関係者が電気を取っていたのが原因で、しかも管理者たるちゅら島はまだイベント関係者がいるにもかからわらず帰ってしまっているので、管理者としての役割を果たしていなかったという事ですね。
一方、国に対しては基準通りの設備は満たしているので、少なくも法的責任はありません。基準そのものが不備だった、という事はまた別の問題です。
県の責任は重く、二紙などはその点を厳正に突いた報道をしなくては「社会の木鐸」たる役割を果たせないでしょう。
投稿: 山路 敬介 | 2019年11月 8日 (金) 12時30分
続報では配電盤から電気をとっていたのは御内原エリアが開園し、正殿内の順路が変更されたため設置したLED照明とのコメントが関係者から出てきています。
(これ自体もコロッと変わる可能性がありますが…)
証言から作られたと思われる配線イメージ図も出ていましたが、接続部に送風機を当てていたりと電流超過による発熱が起きていた事は把握していて放置していた可能性もある酷いものでした。
ちなみにこの設備は県管理に移行してから設置されたものなのでこれが火災原因であれば県の重大責任は避けられなくなります。
消火施設は勝手につけられないのに照明施設はつけられるのでしょうか?
ふしぎな話ですね。
投稿: しゅりんちゅ | 2019年11月 8日 (金) 13時20分
まず、今朝の朝日新聞「延長コードショートか」「照明用・銅線焼け溶けた痕」の記事を引用します。『延長コードは分電盤から正殿内のLEDの間接照明2台につないでいた。分電盤の側面にコンセントが追加で設けられ、延長コードが差し込まれていた。ブレーカーが火災前日の午後9時半に自動で落ちた後も、防犯カメラや、この照明に通電していた』
そのなかで”延長コードにショート痕”があり、また先に報道された”分電盤内のショート痕”「と、建物内”監視カメラ7台のすべてので電源が落ちていた”ことを前提に今回の事故(火災)を考察してみました。
まず第一にイベント用の仮設配線がされていたことが確定しました。しかも分電盤の側面にコンセント設置ですから、コンセントは固定ではなく、分電盤からぶら下がっていた可能性大です。また、そのコンセントに接続していた延長コードとは家庭用のテーブルタップの類だと思われます。(※一般に大容量の電線をケーブルと呼び、家庭用など小容量の電線をコードと呼んでいます。)恐らく建物内には既設の電源コンセントが無く、設置も認められていないのかもしれません。
そして、この仮設配線は24時間通電の防犯カメラや火災報知器の電源と同じような回路からとっていたようです。つまり、少なくとも午後9時半に自動的に落ちるブレーカは経由しておらず、仮設配線・コンセントの電源は遮断されずに通電状態であったということです。尚、分岐ブレーカーを経由せず、直接遮断器(リミッター)の二次側から)配線していた可能性や、延長コードのが分電盤のケーブル差し込み口ではなく、扉を開放したまま配線して可能性すらありえます。
そこで今回の火災のステップを想像してみました。
①延長コードが何らかの原因(被覆損傷等)でショート
→過電流で被覆が燃焼・・・分電盤内の分岐ブレーカの二次側からの仮設配線であれば、この時点で分岐ブレーカーが落ちて大事にはならないはずだが・・・もちろん近くに可燃物があればこれだけでも十分火災になる。
②延長コードがショートした後も分電盤のブレーカーは作動せず通電状態が続き、その火が分電盤内の配線ケーブルに引火しショート。
③分電盤内で過負荷になり遮断器(リミッター)が落ち、建物内のすべの電源(防犯カメラ、火災報知器を含む)が落ちる。
ざっとこのようなステップとなり報道された内容とつじつまが合ってきます。尚、最初の延長コードのショートですが、この延長コード自体の問題ではなく、ケーブルに接続していたとされるLED照明の機器の故障や、LED照明以外に別の機器が接続され、それが過負荷になっていた場合、延長ケーブルが発熱したことで被覆が燃焼し、それを原因にショートした可能性もありえます。
また、分電盤内の不具合(機器故障、ショート等)により、ここから火が出たとの話しがありますが、最初に分電盤内でショート(火災)すると、必ず遮断器(リミッター)が落ち建物全体の電源が落ちますので、その後の延長コードのショートは起き得ず、全体の状況と矛盾してきます。様々なミスの可能性を考えても仮設配線→延長コード不具合→火災の流れが濃厚だと思います。
チェックポイントをまとめてみます。
(1)建物内に既設の電源コンセントはあったのか?またコンセントの設置は認められていたのか?
(2)分電盤からとった仮設配線のコンセントとはどのような配線だったのか?
※今回の仮設配線自体が違法(電気設備技術基準違反)の可能性があります。
また、分電盤(リミッター一時側)より前から仮設配線していたのでは、との話が
ありますが、活線状態(通電したまま)での仮設配線となりますので不可能です。
・分電盤内のどの機器から接続していたのか
・配線はどこを経由し、またコンセントは固定していたのか
・使った配線ケーブルやコンセントの種類は
(3)仮設配線を工事した者は電気工事士の有資格者か?
(4)使っていた延長コードはどのようなものだったのか?
・電流容量(銅線のサイズ、絶縁種)
・損傷の有無
(5)延長ケーブルからとっていたとされるLED照明等の状態は?
・機器の消費電力で過負荷にならないか
・接続機器に問題はなかったか
(6)火災当日、延長ケーブルに接続したままの機器=負荷はなかったのか?
いずれにせよ、電気の知識のある人がイベント(準備)をやって人達にきちんとヒヤリングすれば原因は特定できるはずです。
<参考>
※1【ショート】とは
2本の電線の(心線:銅線)が直接接触することですが、電線に電流が流れるとI2・R(電流の二乗×抵抗)のジュール熱が発生します。電流は消費電力(W数)に比例(I=W/100)し、抵抗は電線の断面積に反比例します。
ショートすると回路の抵抗が減り(ほぼゼロ)大きな電流が流れます。そしてジュール熱によりケーブルが発熱します。もちろんショートするとアーク(火花)も出ます。ショートはコードの絶縁被覆の燃焼つまり火災の直接の原因になるのです。
したがって、消費電力(電流容量)の大きい配線では、抵抗を小さくするため心線=銅線サイズ(断面積)の大きい電線を使う必要があります。市販の電線には心線サイズ(直径又は断面積)と共に許容電流の表示もあります。使われる電線(ケーブル、コード)はその安全に直結しています。
※2【分電盤内の遮断器とブレーカー】とは
建物の電気の入り口に設置されている電気の安全装置です。この建物では金属性の箱と扉でできていると思われます。家庭用を例にとれば、最初の遮断器(リミッター)は、
例えば60Aとは電力会社と契約している電力の最大値のことです。同時に60A以下の電気しか使えません。それ以上流れると自動的に全体を遮断します。そして、遮断器の後ろに漏電遮断器がありますが、そのさらに後ろにブレーカーが複数あります。一般に個々の部屋や、エアコンなど大容量機器などの単位で分岐し、最大電流(一般に容量20A)を決めるものです。
なぜ、二段階で電流を制御しているかですが、例えば分岐ブレーカーが無く直接容量60Aの遮断から配線した場合、電気器具の故障などの際60Aまで電気が流れ続け大変危険=即、火災になるからです。家庭用電気器具の電線は許容電流は15A~20A程度しかないため、機器の故障で20A以上流れても分岐ブレーカーが作動して回路切る安全装置になっているのです。
投稿: 九州M | 2019年11月 8日 (金) 15時39分
電気設備が原因と考えられるなら、電気のスペシャリスト沖縄電力に
調査協力を依頼するのもありかなとおもいます(事実がばれるので
やらないか)。
それにしても、今回で5回目の火災焼失という事実には驚きました。
うち一回は戦時中のもので不可抗力で致し方ないとおもいますが
それを差し引いても4回は多過ぎるとおもいます。
沖縄は台風の常襲地帯で、建物は作っては壊れを繰り返し、城についても
「壊れたら、作り直せばいいさー」とでも思っているのでしょうか?(そういえば、
沖縄の公共施設(特に学校)は持ちが悪いということを聞いたことがあります)。
仮に復元されても、またやらかさないか非常に心配です。
あと、知事。
火災後直ぐに官邸行って「燃えちゃったから直して」はないだろうと
おもいました。
県民として、本当に恥ずかしかったですし、こんな人を知事にするため、
一票を投じた方々も反省してほしいとおもいました。
国から預かった財産なので、沖縄県の力・お金で復元して国へお返しする。
そんな気概がなければ、復元しなくてもよいと考えます。
あと、直ちに始まった、募金活動。
集めるだけ、集めて他に流用されないか心配です。
投稿: 普通の沖縄の人 | 2019年11月 8日 (金) 18時58分
2月から県の管理になったんでしょ?今回、ハード面の不備は国だけど、管理運営面での瑕疵は県と財団じゃないの?半分は県が責任もてよ。本当に沖縄県ってだらしないよな。
投稿: | 2020年1月 6日 (月) 02時50分