韓国憲法裁、苦し紛れの慰安婦合意判決を出す
韓国憲法裁が馬鹿な判決を出したようです。
「韓国の憲法裁判所は27日、慰安婦問題をめぐる2015年12月の日韓合意について、元慰安婦らが憲法違反だと認めるよう求めた訴訟で、裁判官の全員一致で訴えを却下した。合意は、条約締結の手続きを踏んでいない「政治的な合意」にすぎず、元慰安婦らの法的権利が消滅したともいえないため、憲法裁の審判対象ではないと判断した」(産経12月7日)
https://www.sankei.com/world/news/191227/wor1912270021-n1.html
苦し紛れというか、玉虫色の内容です。訴えられたのは2016年で3年前ですから、こんな玉虫一匹出すのに何年かかっているんだと思います。
この判決はただ結論から逃げたというだけの内容です。
これだけかかったのは、韓国司法が時の政権と同調しているからで、その時の政権の按配でグラつくのです。
おそらく3年前のムンちゃんイケイケの時代に判決を出していたら、「徴用工」判決のようにすっきりと原告団の言い分を認めて違憲判決を出していたはずです。
ところが実際に慰安婦財団を解体させ、「徴用工」裁判で日韓請求権協定を廃棄し、その上日米韓国三カ国連携の要だったGSOMIAまで廃棄するという反日三点セットを三段お重よろしく豪華絢爛にやったら、四面楚歌の有り様です。
https://news.yahoo.co.jp/byline/takahashikosuke/20
日韓関係が氷河期に入ったのは万人が認めるところですが、米韓関係も史上最悪、中国様とも似たようなもんで、北からは罵詈罵倒の嵐とポンポン短距離ミサイルを撃たれる情けない有り様です。
よくもまぁこれだけまんべんなく外交関係をダメにしまくったね、と拍手のひとつもしたくなります。
さすが並の人ではできません。まことに「外交の天才」です。
ものの見事なまでの外交の完全破綻、おまけに経済破綻ですから、となるともはや頼りは鉄板の支持層の3割です。
ここでファイト一発とばかりに、この3割の鉄板さんをくい止めるために違憲判決を出させて、景気づけしようという気分もないわけではなかったかもしれません。
ただし、それをやったらこれ以上こじれようがないほど冷えきった日本がどんな報復に及ぶか、いくら鈍いムン閣下でも分かろうというものです。
困った韓国憲法裁は、ムン政権の窮状に忖度して「憲法裁の審判対象ではない」と統治行為論もどきのことを言って破局を回避する一報で、 慰安婦合意には「法的拘束力はない」なんて政権のメンツが保たれるようなことも同時に言っています。
それにしても何、これ?慰安婦合意には法的拘束力がないですって、ご冗談を
韓国憲法裁さん、頭大丈夫。日韓両国が取り交わした正式の合意は、条約に準じるのですよ。
韓国司法が認めようとどうしようとそんなことはそちらの国の内部事情。条約は国内法を超越するのです。
韓国憲法裁はウィーン条約すら読んだことがないのでしょうか。
■条約法に関するウィーン条約
「第27条 当事国は、国内法を、条約の義務を行わない理由としてはならない。
百歩譲って、これから合意をするというなら批准しなければいいだけのことですが、既に双方が批准して相手国が条約義務を執行済みの合意がどうして覆るのでしょうか。
条約文言にもあるように「最終的かつ不可逆的」に終了してしまったことを、「違憲」だという理由で覆そうなんてできるわけがありません。
日本はしなくてもいい謝罪から始まり、慰安婦財団の設立と、それを通じての10億円の支払いまで速やかに完了させています。
それをムン政権が政権に就くやいなや、一瞬で財団を解体に追い込み、事実上この合意をつぶしたのですから、リッパな条約やぶりです。
思えばこれがムン閣下の国際法破りシリーズ第1弾でした。
そしてその後はご承知のように「徴用工」判決で大型地雷を爆発させ、それを取り繕うとしていっそう悪手に走り、とうとう「高い塔の男」となって鉄仮面をつけさせられる一歩手前となってしまったわけですが、自業自得とはこのことです。
いまでもあのムン閣下の貼りついたような笑顔は鉄仮面みたいですが。
https://bunshun.jp/articles/-/9869
ボクやったことは正義だから間違っていないけど、やり方がちょっと性急だったかな、とりあえずこれ以上の正面衝突についてはボクの力では収拾不可能になるから回避しようっと。
これがこの間、盛んに秋波を送っているムン閣下の基本姿勢です。
慰安婦合意が違憲だなんてやられたら、ムン閣下は持論である「韓国流三権分立論」に基づいて正式に慰安婦合意を廃棄せにゃならなくなります。
これはいわば第2次「徴用工」判決ですから、日本は二度目の公然とした国際法違反に対して、厳しい報復をせねばならなくなります。
いいですか。今は報復してもいいのに、とりあえず韓国が日本企業の資産を現金化するまで猶予を与えているだけなのですから。
正式に国家として報復するとなれば、大使召還などの外交関係の断絶、信用状の取消しなどの金融制裁、輸出規制などのメニューは既にできていますから、それを粛々と実施することになります。
そうなったら日韓関係は、朝日が泣こうが喚こうがノーリターンです。
そして韓国経済は完全に止めを刺され、すべては永久凍土の下に埋もれることになります。
これを温めて直して元の日韓関係に解凍するとなると、ムン閣下が辞任したくらいでは済みません。
ムン閣下のした反日3点セットについて、韓国政府が日本政府に正式に謝罪するていどのことをせねば、なにも始まりません。
しかし生憎、いくら次が保守大統領となったとしても、今のような国論二分状態では、そこまでの「温め直し」はできないでしょうから、いずれにしてもノーリターンです。
そこで韓国憲法裁は、一見世界の常識である統治行為論もどきに「憲法裁の審判対象ではない」としながら、その一方で「元慰安婦らの法的権利が消滅したともいえない」から「具体的な権利・義務が生じたとは認められない」なんて頭がどうかしちゃったの、としかいいようがないことを言い出したわけです。
「日本政府が韓国政府に求めてきた合意履行の義務を骨抜きにするような判断といえ、最高裁によるいわゆる徴用工判決で悪化した日韓関係にさらなるマイナス影響を与える可能性がある。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は、日本からの10億円で設立した基金を解散させ、合意を事実上白紙化している」(産経前掲)
やれやれです。韓国憲法裁はあれだけ日本側に対して義務を要求した慰安婦合意がなんの権利義務も発生しないですって。
もはやそりゃよかったね、としかいいようがありません。馬鹿は相手にしたくありません。
AFP
さて、話題をかえます。「通りすがりのおっさん」様から質問を頂戴しました。
「中国を大嫌いな北をもし怒らせて自分(中国)と戦争にでもなったら、あるいは金王朝政権の転覆を下手に画策して失敗でもしたら(万が一)核が飛んくるかもしれない。
そんなことにでもなったら大事なので、触らぬ神に祟りなしでそっとしておこう。 わがままも聞いてある程度の面倒はみてやろう。
そうして今の貧乏な状態のままいつまでもそこにいて(韓国と対峙)くれれば御の字だと。
ーそういうことですか?」
そんなにわかりにくいかな。簡単に考えればいいのですよ。
第1の前提として、北が核を手放さないことです。
第2に、その理由は北が中国を大嫌いだからです。
この二つが判ってくると、朝鮮問題は違って見えますよ。
これはルトワックも指摘していますが、北は核を手放してしまったら、その瞬間中国の属国になってしまうことを骨身に徹して分かっています。
この中国に対するヒリヒリするような危機感は、唯々諾々と中国から「三不の誓い」を呑まされてしまったようなムン閣下には逆立ちしてもわかりません。
おそらく正恩がこの間メチャクチャにムン閣下を罵倒している一つの理由は、この中国に対する警戒心のなさがイラつかせるのです。
お前な、国家の基幹の安全保障をチューゴクが言うがママにしたらどないなるんねん、属国やぞ、そないなもん。
おのれは、昔の李王朝にもどりたいんかい、ボケカス。
わしらはおのれの国と違って米帝に守ってもらっておらんのじゃ、痩せても枯れても一本どっこの土俵入の気構えなんじゃ。
と、馬鹿は馬鹿なりに筋目の正しい馬鹿であります。
ちょっと美化しすぎたかなとは思いますが、北が韓国のような国なら、朝鮮戦争終了後に一部の中国軍を残してもらって、在韓米軍のような役割をしてもらうという選択肢もありえたのです。
しかし金日成はかつての宗主国である中国軍の駐留を一切認めませんでした。
それはそんなものを認めれば、必ずそれを後ろ楯にして延安派が巻き返しを計るのが見えていたからです。
キムは駐朝中国軍の代わりに、「パンツをはかないでも原爆を持つ」という毛沢東ばりの核武装路線を選びまた。
その意味で、彼らの核は大国支配拒否のシンボルでもあるのです。
泣きわめく三歳児のような韓国をみていると、北が好きになりそうでコワイ(苦笑)。
それはともかく、とまぁこのように表面的には友好国、いや中朝安保で繋がった同盟国という顔をしながら、内心はお前の言うように絶対にならんからな、というコアの部分を持っている北に対して中国は韓国に対してしたような「犬のしつけ」ができなかったのです。
そんなことをして正恩を追い詰めたら、窮鼠猫を噛むとなりかねないからです。
北は核兵器が政治的武器だと承知しています。
仮にほんとうにこの核兵器を使うとすれば、地下何十メートルに作られた最高司令部で「殿、ご落城でございます。お腹をお召し下さい」と聞かされた時だけです。
ですから、平時は弱者の恫喝用兵器なのです。
では逆に中国にとって都合がいい順番からシナリオを並べてみますね。
あくまでも「中国にとって」で、北の国民の幸福とは無関係ですから念のため。
①正恩を祭り上げて張成沢のような親中国派の指導部が成立
②正恩派を放逐した親中派の支配
③正恩が支配する最貧国
①は張が実際に中国が後ろ楯となって実行しようとしましたが、直前に漏れて失敗したと言われています。
「とおりすがり」さんがいうように「触らぬ神に祟りなし」どころか、実際はやっていたのです。
これが成功していれば、北は改革開放経済となって、いまのような密輸ではなく経済的にも晴れて中華圏に繰り込まれることになります。
この場合、正恩一族は温存され、権力なき元首として祭り上げられます。
この方法だと三代続けた「白頭山の革命の血脈」支配をいじらずに比較的スムーズに展開するように見えます。
この張のクーデターは、正恩を若造と甘くみくびったためにあえなく失敗しました。おそらく相当数いたはずの親中派は根こそぎ粛清されたはずです。
これからわかるのは、正恩はおとなしく祭り上げられるタマではないということです。
これ以降、今までにも増して人民軍に対する締めつけは強くなり、いまでは正恩が海外に行くときには指揮官たちは拘束され厳しい監視下におかれるそうです。
②は正恩を追放して、クーデターが成功したケースですが、そもそも3代目が同意して権力委譲するわけはありませんから、軍を二分しての内戦を覚悟せねばなりません。
その場合、臨時革命政府の形式で、中国に中朝安保に基づく派兵を要請することになります。
中国軍が大挙して鴨緑江を渡り、中国特殊部隊は核兵器を一刻も早く押えようとすることでしょう。
発射スイッチを押させないために、中国版斬首作戦もありえます。
このようなことを中国は軍事的にはやってやれないことではありませんが、「現状の力による変更」ですから米国の承認、ないしは黙認が必要不可欠です。
さもないと、ロシアのクリミア併合と一緒の扱いを受けて、国際社会の制裁対象となりかねません。
米国は正恩を排除することには同意できても、中国軍が侵攻するとなると北をまるごと中華圏に繰り入れるということですから拒否するでしょう。
軍事的には可能でも、政治的には極めてリスキーな選択です。
となると、現状ではかねてからそうであったように、「生かさず殺さず」が一番だということになります。
つまり「解決しない」という解決です。
死なない程度には密輸させてやるから、あまり無茶すんじゃねぇぞ、といったところですか。
それがどこまでいきますやら、天のみが知るです。
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要するに「韓国の政府が外国とどのような約束をしようと、韓国国民の権利・義務とは関係ない」との審判でしょう。国家としての統治の無い“国”を宣言したのですよ。私にはとても“わかりやすい”審判のように感じました。完全に終わりましたね。
投稿: 九州M | 2019年12月28日 (土) 06時07分
小生の疑問にわざわざスペースを設けてご回答下さり恐縮です。ありがとうございます。
ですが、中国が北を支援しつづけることへのご説明には、やはりいまひとつ府に落ちません。
>「犬のしつけ」ができなかったのです。
そんなことをして正恩を追い詰めたら、窮鼠猫を噛むとなりかねないからです。
具体的には私が申した北京に向けて核をぶっ放すというのと同じことですか?
>北は核兵器が政治的武器だと承知しています。・・・平時は弱者の恫喝用兵器なのです。
はい、北の核は恫喝用ということではどの識者も一致してますよね。私もそう思っています。 だから中国は脅されて昔も今も北を支援し続けているということですか?
実際、米もこれまでカーターからオバマにいたるまでこの潜在的な核兵器を保有するぞという恫喝に怯んで支援させられてきましたが、騙されてばかりとわかった今は、トランプのアメリカは北を叩いて兵糧攻めにしています。 習近平もそうすればいいではないかと思うのですが。
中国はアメリカ以上に北に無償支援を続けてきたにもかかわらず勝手なことばかりして中国の機嫌を損なうどころか馬鹿にするような態度すらみせているというのにです。中国の息のかかった叔父をも亡き者にして中国組を国内から追放・惨死させているというのにです。
そしてスレ主の言われるようなら、アメリカよりも中国の方が北の核の危機にさらされているというのにです。そして更にはアメリカからも他の国連主要国からも北の野郎を支援するな、叩けと強く要請されているのにです。
どう考えても中国がそこまでコケにされながら国際社会の北叩きの要請に応えず逆に支援を続けようとする理由がわからないのです。スレ主の本日の説明もあるでしょうが支援こんきょの理由としては納得できるには十分とは思われませんが。
投稿: 通りすがりのおっさん | 2019年12月28日 (土) 14時04分
文章がおかしくなりました。 すみません。
訂正:スレ主の支援の理由としてのご説明では、私にはまだ十分には納得ができないでいます。
①、②、③、についても、別にクリミアのロシアのように軍を侵攻させて国際社会から非難を受けるリスクを犯さずとも、アメリカや日欧と同調して北を兵糧攻めにすればよいだけの話だと思うのですが。
それすらしない理由は何ですか。
投稿: | 2019年12月28日 (土) 14時10分
通りすがりのおっさんさん
北が一番忌み嫌っているのは中国であり、アメリカではありません。
これは間違いありません。もちろん、日本でもないのです。
通りすがりのおっさんさんは「援助をしているのに云々」と言われますが、その援助は良く言って「関与」であって、実質的には影響力を行使するための中共の道具立てにすぎないのですね。
援助はつまり、中共の側に立つ北朝鮮国家として、貧しく、激烈な反米国家として生き続けるための代償なのです。
また、中国も変わりました。
鄧小平の頃は、「中国は人口が多すぎるので、核が二、三発落ちても構わない」と言っていました。
しかし、偏頗に経済成長した今の中国は違います。
深センだとか上海に一発落ちれば、国ごと崩壊する危険が大きいのです。
これは例えば、日本の新潟市に核が落ちる場合と全く違う結果を伴うのですね。だから中共がいちばんビビッているのだし、交渉の主導権を都合の良い六か国協議に戻して、元のように北朝鮮を中国の影響下に封じ込めようとしているわけです。
中共が北の中距離核に異常にビビる理由は複数あって、東北部に北に親近感をもつ朝鮮族があるし、その後援者の江沢民派の存在もあります。中国の不安定な政体は戦後から、経済成長した今も変わっていないのです。
でも、通りすがりのおっさんさんが疑問に思うのも無理ないです。
日本のマスコミは表面的で、中共と北朝鮮の本質的な問題など、怖くてとても報道出来ないですから。中国は盤石で強大で、かなりイケてる国として扱われていて、そういうものだと信じ込んでいる人が多いと思います。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2019年12月28日 (土) 17時45分
昨秋、韓国外務省は「合意は法的拘束力のない政治合意で、公権力の行使とまでは言えないので、憲法上の権利は侵害していない」という意見書を憲法裁に送りましたが、その通りの判決になりました。
しかし、慰安婦合意は単なる宣言ではないです。給付と反対給付で成り立つ双務性がある以上、韓国政府の責任はまぬがれません。
仮に法的な拘束力を欠くとしても、非拘束的な合意ではないのです。
「合意は拘束する」は国際法の原則中の原則で、無効となるのは強行規範に反する場合のみです。
また、一旦、合意した以上はそれに拘束され続けるのであって、国内事情の如何にも関係ありません。
合意を無に出来るようなケースも国際ルールの中では存在しません。
とどのつまり、「履行するつもりがない以上、憲法違反にはならない」という意味のけったいな判決だという事ですね。
これを、「下手に違憲の判決が出るよりは、門前払いをしてもらった方が外交上のリスクが低くなるから」と解説する向きがありますが、そういう意図にもとづいたものではないと思います。
国民の不平不満を分散させず、反日一点に集中させる事を第一に考えた結果でしょう。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2019年12月28日 (土) 18時17分
「とおりすがりのおっさんさん」。今日の記事に移します。
投稿: 管理人 | 2019年12月29日 (日) 04時54分
えーっと、横から失礼。
通りすがりのおっさんさん。
「スレ主」という言葉を普通に使ってますが、ここはSNSではなく個人のブログですので・・・ちょっと違うと思います。
うーん、記事も山路さんのコメントでも丁寧に説明されておられますけど、
疑問文ばかりではなく、はっきり言っちゃえば「もう自分で考えなさい」ってことでは?
投稿: 山形 | 2019年12月29日 (日) 06時14分
おそらく中国も本音では金正恩が大嫌いでしょう。
ただ中国として一番嫌で最悪な選択は北朝鮮の崩壊で、38度線もしくは鴨緑江を挟んで米軍と対峙することではないかと思います。
北はロシア、南はインドとどちらも相応の強軍が居て、仲は悪いというより敵対性を持ち、実際どちらとも紛争したこともあり、最近でも国境ではたまに小競り合いもするような関係。要するに中国の安全保障上、絶対に北と南を手薄にするわけには行かない。そこから更に東には米軍と対峙するなどという状態になったりしたら、もう中国にしては悪夢としか言いようがない状態ではないでしょうか。首都に割と近いこともあるので、今ある東北軍管区の軍勢を大幅に強化しないといけないですが、それを南と北の今ある軍から引っ張ってくるわけにもいかない。ロシアとインドがいつなだれ込んでくるかわかったものではないからです。新たに兵隊をリクルートして武器弾薬を揃えるって、いくら今の中国が経済発展したとはいえ相当な負担を強いられます。金はなんとかなるとしても、東南北と強軍と対峙するというのは、安全保障上、枕を高くして寝るのはかなり難しいです。
敵性がある他国軍というのは近くにいるだけで怖い存在で、相手がどれだけ害意はないと言い張ったところで、それを真に受けて安心できるものではなく、絶対に後詰めという対応はします。もし本当に害意がないならお前の軍隊を国境から遠いところへ撤退してくれと言いたいところでしょう。
いくら北朝鮮が嫌いでも中国としては絶対に潰すわけには行かないし、アメリカ側につくことも許さない。できれば新中派政権で安定してほしいが、金正恩もあの若さで案外注意深いし、したたかなところがあり、中国側の策略に乗る様子はないので、もうしょうがないから主様が書かれている第3の選択「正恩が支配する最貧国」で甘んじている状態じゃないかなと思います。とにかく潰れしまうのが一番困る。なので「国際社会の北叩きの要請に応えず、北朝鮮が死なない程度の支援を続けてきたし、これからもそうする」
このシナリオで困ったことは、北朝鮮がその中国の思惑をうまくついて中国を攻撃できる核を持ってしまっているということでしょうか。本当なら北朝鮮に侵攻してでも核兵器をぶっ潰したいところですが、ブログ主様が書かれているように「現状の力による変更」ですから米国の承認、ないしは黙認が必要不可欠ですし、その後中国軍が北朝鮮に駐留するというのも前述した通り、中国としてもやりたくない状況。
これが私の考えた事です。
投稿: TK | 2019年12月29日 (日) 13時38分
2019.12.29 相模吾です。
中國はなぜ北朝鮮を支え続けるか。 歴史的な中華冊封体制を考えると良いと思います。
北朝鮮は中国に国として認めてもらう代わりに、ロシアや自由平等主義体制に対する防波堤の代わりをさせています。中国は北朝鮮が寝返りしない程度に付き合えばよいのです。国連決議に違反してまで少量の石炭を買ったり、東シナ海の北朝鮮漁業権を買ったり、核も中国の承認なしでは持てなかったはずです。思惑通り米国に核の牙をむいてくれています。中国は、東に友好国がないと困るのです。これはブログ主や皆さんが指摘の通りです。
皆さんと考えが違うのは、米国相手の喧嘩は北朝鮮をコントロールしながらやらせる。中国が本気になれば、あっという間に平壌は占領されるでしょう。北朝鮮の核保管場所を中国が知らないはずがない。中国軍が38度線以北にいれば米国や国連の非難程度ではカエルの顔になんとやらです。トランプさんも手詰まり状況だし、戦争を仕掛けるほど腹は座っていない人です。
日本でも朝鮮半島が日本に有効的な国家があったほうが望ましい。韓国が共産主義の防波堤になってあげてる、と主張するのも一面正しい。大戦終了時に韓国がもっとしっかりしていれば統一朝鮮ができたのにと思います。
投稿: 相模吾 | 2019年12月29日 (日) 16時12分
2019.12.29 文末 日本に友好的な を有効的と打ち間違えました。
失礼いたしました。
投稿: 相模吾 | 2019年12月29日 (日) 16時16分
この件、引き続き考えていきたいです。 これが理解できなければ中国をわかっているとはいえないですから。
ブログ主だけでなく山路さんはじめコメンターの方々のご教示、ご指摘、ありがとうございます。
投稿: | 2019年12月29日 (日) 16時37分
すみません ID書き忘れました。 通りすがりのおっさんです。
投稿: 通りすがりのおっさん | 2019年12月29日 (日) 16時37分