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2020年1月15日 (水)

沖縄で豚コレラ発生


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沖縄で豚コレラ(CSF)が発生しました。現時点では一戸2農場、都合3例です。
あらかじめお願いしたいことは、イデオロギーをもちださないでいただきたい。
私は宮崎口蹄疫事件を百日以上追跡した経験をもっています。※カテゴリー「口蹄疫問題」を検索下さい。
その経験から言えるのは、海外から侵入する悪性伝染病が、地域の畜産のみならず、地域経済そのものまでも破壊し尽くし、地域住民に数年に渡る塗炭の苦しみを与えることです。
その恐ろしさを知ったうえで、戦わねばなりません。

沖縄県が一丸となって海外悪性伝染病と戦わねば勝てないのであって、政治的利用は厳に慎むべきです。
私はデニー知事に対して一貫して冷やかな見方をしてきましたが、そのような政治的立場と伝染病との戦いはまったく別次元です。
宮崎口蹄疫事件時においては、東国原というポビュリスト知事がことごとく足を引っ張り続けました。
デニー知事に防疫の知識は皆無でしょうし、危機においてリーダーシップを取れるタイプにも見えません。

しかしだからといって、頭から「デニー知事だから」「オール沖縄だから」という色眼鏡で見ることはしません。
危機においては、いかに頼りなかろうが常日頃批判し続けていようが、リーダーの下に団結せねばならないのです。
泣いても笑っても、デニー知事にがんばってもらいましょう。

前置きはこのくらいにして、感染の概要を押えておきます。

「沖縄県内で豚やイノシシの感染症、豚コレラ(CSF)の感染が発生している件で、県農林水産部は11日、うるま市での発生に関連して、沖縄市内の養豚場の豚から陽性反応が出たことを明らかにした。隣接する養豚場と合わせて1897頭が殺処分の対象となる。沖縄市内での感染確認は10日に続いて2件目となった。これで豚コレラ感染に関連して殺処分される豚は6養豚場で合計6683頭となり、県全体の飼育数20万6828頭(2018年12月末現在)の3.2%に上っている」(琉球新報1月12日)

また、殺処分は現時点では完了したようです。これは大変にいい知らせです。
殺処分に携わった多くの人々に心から敬意を表します。ご苦労さまでした。

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「豚コレラ(CSF)の発生を受け、沖縄県が実施していた県内6養豚場の豚の殺処分が14日午後5時すぎまでに、全て完了した。
豚コレラ感染に伴い殺処分された豚は6養豚場で計7326頭に上り、県全体の飼育数20万6828頭(2018年12月末現在)の3・5%を占めている。  
豚コレラは8日にうるま市の2養豚場で確認され、10日には沖縄市の養豚場でも見つかった。うるま市の養豚場で飼育される豚2001頭ついては、殺処分と埋却などの初期防疫作業が11日までに完了した」(琉球新報1月14日 上写真も)

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琉球新報 https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1055900.html

沖縄県のプレスリリースです。

令和2年1月10日
2 経緯
(1)1月6日(月曜日)、うるま市の養豚農場から県中央家畜保健衛生所へ飼養豚が死亡しているとの報告を受け、家畜防疫員による立入検査を実施しました。
(2)同日、県中央家畜保健衛生所及び家畜衛生試験場での検査によりCSFの疑いが生じたため、材料を農研機構動物衛生研究部門に送付し、遺伝子解析を実施したところ、本日(1月8日)、CSFの患畜であることが判明しました。
(3)このため、当該農場の飼養豚について防疫処置を講じるとともに、当該農場と飼養者が同一である農場(うるま市)の飼養豚もCSFの疑似患畜とし、防疫措置を講じます(防疫措置対象:825頭(1戸2農場)。
本県におけるCSF(豚コレラ)疑似患畜の確認について(3例目沖縄市)(PDF:89KB)

初発から3例はすべて同一の養豚業者です。経過はこのようです。
追記 同一経営ではないと当該経営者がツイートしています。1月24日

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「発生農場で死亡する豚が出始めたのが昨年12月20日。抗生物質や解熱剤を投与して様子を見ていたが、死亡するペースが加速し、農家は異常に気が付いたという。26日までに25頭を食肉市場に出荷していた。また、県は豚の飼料に使う食品残さを加熱するよう呼び掛けていたが、発生農場では非加熱で給餌していたという。
 同県畜産課は「残さに含まれた肉の加熱が不十分でウイルスが生きていた可能性もある」と指摘した」(日本農業新聞2020年1月9日)
https://www.agrinews.co.jp/p49679.html

この初発の農場の対応は強く批判されるべきです。
昨年12月20日頃から死ぬ豚が急増したにもかかわらず、県への連絡はなんと年を越して1月6日でした。
その間実に17日間も時間をロスしてしまっています。養豚家として信じられない対応だと言えます。

この初発報告が遅れたことが、今回の沖縄豚コレラ事件における最大の失敗です。
豚コレラについては、家保から厳重な警戒要請がきているはずで、24時間体制での通報受け付けもあるはずです。
通報義務があるにもかかわらず、個人では手がつけられなくなってからやっと腰を上げたような対応を見る限り、この農家に当事者意識があるようには思えません。

「8日午前5時50分、豚コレラ感染の疑いがある豚が出たうるま市の養豚場に続く細い農道は、「立入禁止」の紙を張り出した軽トラックでふさがれていた。午前6時30分を過ぎ報道各社が集まり、午前7時頃1台の軽トラックで養豚場の管理者が現れた。規制で入場できずに引き返そうとしたところで報道陣の取材に応じ、「最後に餌をあげようと思った」とまだ現実を受け入れられないような戸惑った表情で話した。」(琉新1月12日)

「最後にエサを上げようと思った」というのは気持では理解できますが、今やるべきことではありません。
疑似患畜が出た場合、やるべきことは、家保の指示に従って移動をせずに消毒し、殺処分するだけであって、ウィルスが蔓延している畜舎をうろつき回るなどもっての他です。

それはさておき、このような死亡する患畜が出た場合、農家はかならず獣医を呼びます。
呼ばないで素人考えでなんとかなるだろうと思うような者は、そもそも畜産などすべきではありません。
すべての家畜伝染病は、初めの段階で止める、これが大原則だからです。

ではこの農家は指をくわえて毎日急増する患畜をながめていたのでしょうか。わけはありません。
本能的に畜産家は家畜が死ぬのに平気でいることは不可能ですから、抗生物質や薬剤を投与したはずです。
ところがこの投与するには獣医師の投薬指示書が不可欠ですから、獣医を呼んだはずです。
ところが17日間も遅れたのですから、なぜか獣医を呼ばなかった可能性が高いと思われます。
獣医を呼べば必ず届け出がなされるはずで、豚コレラとおぼしき症状がでているにもかかわらず届け出なかったら獣医師法違反です。
ですから、発生から10日以上たっても出ていない以上、獣医は呼ばなかったと判断するかありません。

次に家伝法の定めに従って、発生農場からの移動は一切禁止され、3キロ以内は封鎖され、チェックポイントを作らねばなりません。

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https://mainichi.jp/articles/20200108/k00/00m/040/...

次に確かに豚コレラであることを確証するために東京の動物衛生研究所(動衛研)にウィルスサンプルを送付せねばなりません。
出先の県では精密に同定する施設がないからです。
これでもわかるように県は国の支援なくしてはまったく自力対応することができないのです。
そして県からサンプルが送られたのが6日、動衛研から返事が返ってきたのか8日です。
ここまでで発生から既に19日が経過しています。

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出典不明

ここからやっと殺処分が始まります。県からの災害出動要請が自衛隊に速やかにだされたことは大変によかったことです。
ここで変にイデオロギッシュになってしまわれると、主力の自衛隊を初動で投入できなくなってしまうからです。

「1986年10月以来となる沖縄県内での豚コレラ(CSF)の発生から9日で丸1日が経過した。発生農家では72時間以内に初期防疫作業を進める必要があり、豚舎内の全頭殺処分と埋却、消毒作業など感染封じ込めの作業が進められている。県は全庁体制で職員を動員し、家畜防疫員やJAグループなどからも加わって人員は2日間で延べ280人に上る。さらに県の災害派遣要請を受けて自衛隊も約390人を動員。現場を取材する担当記者が報告する」(琉新前掲)

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https://www.sankei.com/life/news/190208/lif1902080

常に海外悪性伝染病において殺処分の主力をなすのは自衛隊です。
本来は農水省が責任を持って殺処分できる全国体制を構築すべきですが、その問題意識自体がこの役所にはありません。
それについては今回は置きますが、いずれにしても、専門知識もなければ豚に触ったこともないような県の事務職員に手に負えるような生易しいものではないのです。

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宮崎口蹄疫事件においては殺処分が遅れに遅れ、患畜が積み上がりました。
宮崎県も県の職員が全力で殺処分にあたりましたが、まったく無力でした。

怯えて暴れる豚を押さえつけて殺すのは、人間にとっても生易しいことではないからです。
毎回、彼らの悲鳴が耳について離れない、肉が食えなくなったという作業者が大量に出ます。
専門教育を受けている獣医師ですら大型動物の何千頭もの殺処分など教えてもらってはいないのです。

「作業に携わる人たちの精神的なダメージは避けられない。自衛隊などは作業に当たる隊員へのメンタルヘルス教育を実施しているという」(琉新前掲)

それをズブの素人で、日常はペパーワークしかしていない県庁やJA職員にやれというほうがムリです。
それも6千頭を超えるような患畜に対して、2日で延べ280人ではお話になりません。1日当たり100名前後しか投入できていないのです。
しかも全員が殺処分に回るわけではなく、消毒チェックポインや、発生動向調査(サーベイランス)にも人手をさかねばなりません。

宮崎口蹄疫の場合、初期には県庁職員が当たったために、殺処分待ちの患畜が増え続け、感染がいっそう拡大するという悪循環が生まれました。
これを防ぐには72時間以内という初発の段階で、一時間でも早く現場に大量の要員を一括して投入せねばなりません。
これは災害時における72時間以内救助の原則とまったく同じです。
それが可能で、しかも後方支援がいらない自給型組織は日本において唯一自衛隊しか存在しません。

皮肉にも反自衛隊闘争をしている陣営が選んだ知事が自衛隊にすがる事になったわけですが、陸上自衛隊第15旅団は即応体制で対応しました。
自衛隊をこのように使うのなら(それ以外選択肢がないわけですが)、日常的に沖縄県は災害時や悪性伝染病において、演習をくりかえさねばなりません。

自衛隊は全国で多くの修羅場を経験し、このような悪性伝染病に対しても災害派遣という名目で出動に備えてきました。
このような自衛隊にこたえるだけの対応を沖縄県がしてきたのでしょうか。
日頃から緊密に連絡をとりあい、自衛隊と県・市町村の統合訓練を行ってきたたのでしょうか。
それがないといざ有事の場合、うまくいきません。

「県はこれまでも、豚コレラが発生した場合を想定した防疫演習を実施してきた。昨年6月12日には農林水産部の職員ら約80人が那覇市の八汐荘に集まり、防護服の着用方法や初動防疫の流れなどを確認し、危機管理に備えていた。しかし豚コレラの発生が現実となり演習通りに行かない場面もあったのか、作業に遅れが出る場面もあった」(琉新前掲)

琉球新報の記事にもある去年6月の貿易演習にも自衛隊は呼ばれていなかったようです。
確認はとれていませんが、主力部隊を呼ばない予行演習なんて無意味です。
これでは現実に起きてうまく動く道理がありませんね。
日頃は白い眼で見ておいて、いざこのような事態になると、手のひらを返したように便利だからと自衛隊に頼りきりとなり、埋却地がたりないとなると米軍にすらすがる、なんとムシがいいことよ、と思います。
おっと、政治臭くなってしまった(汗)。

長くなりましたので、ワクチン接種問題と感染経路については次回に致します。

 

 

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コメント

最初の農場の通報が遅すぎて呆れました!
なんくるないさー精神はダメです。

とりあえず処分(いやな言葉ですね)終わったというのは良かったんですけど、まだどっかに残ってるかもです。
また獣医師の話が聞きたいですね!

下手したらアグーが絶滅するところですよ!!

今回、速やかに自衛隊を介入させたことは評価します。報道を見ても豚舎付近に近づけないようにブロックされていました。鶏インフルエンザ騒動の時は殺到するメディアのせいで拡散された可能性があると言われてましたしね。

アグーを離島に一時避難させるという話しもあるようで。

待ってました。
当事者担当者は努めて迅速に、見守るしかない側や報じる側は努めて冷静に事実情報を辿って、デマや思い込みや誤報に気をつけて、という話の典型ですね。

私事で恐縮ですが、屠殺の仕事を数十年に渡って続けられている方を知っていて、屠殺する側とされる側の生々しいやり取りの場面のことを、かつて聴かせて頂いたことがあります。
それはここで詳しく書きませんが(今は検索して詳細が調べられる時代になりました)、生半可なふわっとした命の話は吹き飛ぶショックで、暫くかかってから、とっくにあの世に行った父方母方両祖父母が、感謝して残さず食べなさい、といつもとても厳しく言っていたのは、きっと現実を知っていたからなんだなと気づきました。
きつい仕事を引き受けてくれる人と家畜に感謝。

報道によれば4例めの発生が確認されたようですが…
もしも少々のイデオロギーを絡めるとすれば、アメリカが既にCSF清浄化を達成しているので、アメリカにできて此方にできないのは恥ずかしい、くらいの勢いで、あげて1日も早い清浄化に取り組もう、ということです。

まずは一日も早い終息を祈念いたします。
4例目ですか?昨日のほうどうでは3キロ圏内では陰性が確認できたとの事だったようですが、10キロ圏内で確認されたのでしょうか?いずれにしても、早い対応で広げないのが最優先事項かと。
こう言う言い方は良くないかもしれませんが、宮崎口蹄疫以降、悪性海外伝染病に毎年のように悩まされてきている日本は、口蹄疫以前と比較して、初動がずいぶん早くなったような気がします。あとは、封じ込め対策だけで、中部地方の豚コレラ対策で後手を踏みワクチン接種が遅れた反省が生かされるのだと思います。
感染経路等については、管理人様が後日記事をアップされた時に、コメントさせていただきます。

私の地方で豚コレラが蔓延していた時、野生のイノシシが豚コレラを
せっせと運んでいると報道されていました。沖縄ではどのような野生
動物がコレラ菌を仲介しているのでしょうか?

先日も市街地から少し山へ入ったところ、道路上に猿の軍団がいて
通せんぼされてしまいました。冬季以外なら、イノシシにも頻繁に会
って「ヤバイ!突進してくるかも」と思う時もあります。獣に対しての
防護柵や電気ショックの装置が至るところに見られるのも当然です。

こういった郊外農村地帯の人里近くに多くの野生獣がいる現実を見
ると、いったん病原菌が野生獣に拡散すると、いくら家畜を殺処分し
てもイタチごっことなってしまうのは、ドシロートの私にも実感できます。

この際、観光資源である自然を保護するなんてキレイ事を言ってな
いで、野生獣の駆除も早急にしたいですわ。豚コレラが沈静化して
から、又保護して増やせばいいんだから。

10キロ圏内での感染の陰性はまだ確認できていないようで、数日中にも結果が出るようです。
県は、その結果がを見ながらワクチン接種の是非を判断するようです。

県畜産課の課長は、「無秩序は接種は汚染した豚の存在をわかりづらくして、よろいをかぶせてしまう。清浄性の確認検査に支障を来す恐れがある」といってます。
県としては、「ワクチン接種を否定しているわけではない。常時状況を見ながら、必要と判断すれば速やかに接種したい」との事。

一方、国は「県の判断」としつつ、ワクチン接種やアグー種豚などのの離島非難も前向きな様子。
また、JAおきなわはじめ、養豚振興協議会など養豚関係4団体は、「一刻の猶予もない。だからこうして県への緊急要請に至った。接種は養豚業界の総意だ」と、そろってワクチン接種の早期実現を求めています。

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