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2020年1月18日 (土)

ワクチンを家畜防疫員(獣医)だけのものにするな

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おとといにも転載しましたが、琉球新報が便利な感染経路図を作ってくれたのでご覧になって下さい。

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琉球新報

初発はうるま市の農場ですべてはここから始まっています。
今後農水省から報告書が出るでしょうが、これら発生農場には共通点があります。

①同一の経営者
②近隣農場
③共通の堆肥施設を利用

いったん海外悪性伝染病に侵入を許すと、家畜・ヒト・モノを媒介してどんどんと感染を拡大していきます。
豚は群飼しますから、一頭の感染がまたたくまに(おそらく一晩で)その群すべてを冒し、更に別の群へと飛び火していきます。
いったんこのような連鎖感染が開始されると、江戸時代の破壊消防のように燃え広がらないように火事場近くの家を壊したような殺処分をするしかてがなくなります。
つまり、発生源からリング状に豚がいない空白地帯を人工的に作るのです。
ここまでは陸自の力でなんとかこぎ着けました。

そしてさらに他の清浄区にも飛び火を防ぐために緊急ワクチンを投与します。
今、ここでストップしている段階で、これを急がないとまだ感染していない豚に抗体が発生せず、無防備状態が続いてしまいます。
おそらく来週初めの対策会議でやる方向にはなるとおもうのですが、国は既に沖縄県に緊急備蓄してあったワクチンを持ち込んでいるはずで、今度は誰がそれを打つのかということになります。

現行では家畜防疫員という資格が必要です。聞き慣れない用語ですがこれは獣医のことです。
「宮崎人」さん(獣医師でいらっしゃいますが)の下のご指摘のとおり、豚コレラワクチンはこの家畜防疫員、つまりは公務員獣医師しか打てません。

「今回の豚熱に対するワクチン接種は、家畜防疫員が、実施するそうです。つまり家保の先生が実施します。民間の獣医師は出来ません」

宮崎人さんのおっしゃるように、感染拡大が始まると、獣医は目のまわるような忙しさになります。
発生動向を調査、殺処分だけでおそらく50人程度の県の公務員獣医は身体がふたつほしいような状況のはずです。
だから発生動向調査のほうに手抜かりが生まれる余地が出てしまいます。
その上に、ワクチンを獣医がしろだと冗談もほどほどにしろ、これか偽らざる現場の声のはずです。

こうなってしまったのには理由があります。
そもそも農水省は海外悪性伝染病全体についての緊急ワクチンの投与そのものを否定してきました。
農水省豚コレラ緊急指針にもこう麗々しく書き込まれています。

農水省豚コレラ緊急対策指針
「第13 ワクチン(法第31条)
1 豚コレラのワクチンは、感染を防御することができるが、無計画かつ無秩
序なワクチンの使用は、清浄性確認の際に支障を来たすおそれがある。
このため、ワクチンの使用については、慎重に判断する必要があり、我が
国における本病の防疫措置は、早期発見と患畜及び疑似患畜の迅速なと殺を
原則とし、平常時の予防的なワクチンの接種は行わないこととする。

「清浄性確認に支障をきたす。殺処分一本でいけ」というのは、農水省の昔からの言いぶんですが、なにぶん古い。
昔のOIE(国際獣疫事務局)の見解のコピーにすぎず、OIEすらとうに方針を転換しています。

ほんとうの感染と見分けがつかないだとか、接種したら肉が食えないだの、接種範囲が決められないだの、輸出がしんどくなるだの、獣医師が足りないなどとグダグダと言っていても、その気になってやれば、要するに出来るのです。
この中でも特に最後まで固執した理由が、ワクチンをすると自然感染との区別がつかないということでした。
ワクチンを接種するととホントに自然感染した個体と、ワクチン接種した個体に同様に抗体が出来てしまって見分けがつかなくなり、診断が不可能になる、というわけです。

一見もっともらしい理由ですが、ほとんどウソです。
マーカーワクチンを使えば、瞬時でワクチン由来か否かは判別できてしまうからです。
マーカーワクチンはNSP抗体という特殊なものを作るために、自然感染かワクチンによる感染かは簡易検査キットで容易に判定できます。
こんな簡易検査キットはいまから20年も前にできていて、OIEも2002年の総会でNSP抗体陰性が確認されれば6ヶ月で清浄国に戻れるという条件を承認しています。

非清浄国から輸入が増えると言いますが、半年で清浄国に復帰できるのですから、現実にはわずかそれだけの期間で輸出体制を整えられる国はありません。
逆に輸出にしても、そこまで日本は豚肉輸出に依存していませんから、実害は少ないはずです。

このような反対のための反対と化した農水省の考えがあるために、わが国は緊急ワクチンは邪道とでもいわんばかりの固定観念に支配されていました。
ですから下のグラフをみると全国の自治体においても判断にバラつきがあります。

「国が示した豚への予防的なワクチン接種を可能にする防疫指針案は、イノシシから豚への感染リスクが高いエリアを「接種推奨地域」とし、都道府県知事が接種を認めるとしている。接種推奨地域は、野生イノシシの感染状況や生息状況、周辺の農場数などの環境要因から、専門家の意見を踏まえて設定する見通しだ」(日本農業新聞2019年10月10日)

農水省は野生イノシシの発生があるなしで分けていて、その表現も「推奨」ですからやってもやらなくてもいいよといわんばかりです。
野生イノシシに県境はないのですから、全国で統一した緊急ワクチン指針が必要で、やらない県には家伝法違反を問える法的たてつけがいるのです。

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日本農業新聞 https://www.agrinews.co.jp/p48960.html

しかし現場の農家、特に発生を見た地域の農家は圧倒的にワクチンを要望しています。

「昨年9月に岐阜市の養豚場で国内26年ぶりに発生した豚(とん)コレラ対策として、東海3県の養豚場などで25日に始まったワクチン接種。胸をなでおろす農家が多かった一方、ある感染農家は「自分の豚が殺されたことが悔しい。もっと早くワクチン接種に踏み切ってほしかった」と怒りをにじませた」(毎日2019年10月25日)

うれしいことに、江藤大臣になって大きくワクチンに舵を切りました。

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江藤拓農相は20日、豚コレラの感染拡大を食い止めるため、飼養豚への感染を予防するワクチン接種を可能とする防疫指針の改定作業に着手すると表明した。改定すれば都道府県知事の判断で接種できるようになるが、接種地域の設定などクリアすべき課題は多い。(略)
現行の防疫指針は予防的ワクチン接種は認めていない。江藤農相は指針の改定に踏み切った理由について、昨年9月の国内での初確認から1年が経過したことや関東の養豚地帯に感染が広がる懸念があることを挙げた。
 防疫指針を改定するには今後、接種する地域や接種の順序、接種した豚の流通規制をどうするかなどを定める必要がある。農水省は、食料・農業・農村政策審議会牛豚等疾病小委員会で検討していく」」(日本農業新聞2019年9月21日)

この江藤大臣の英断で大きくワクチン容認へと変化しようとしていますが、いまだワクチンの実戦的使用を想定しているとはおもえない縛りが存在します。
それが家畜防疫員に接種作業を限定している縛りです。

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https://www.youtube.com/watch?v=hx4SFi0jcWg

ワクチンなんか農家が日常作業としてピスターを使って接種しています。
誰にでもできる仕事なのです。
これは殺処分と一緒で、家畜防疫員は指示書を発行し、せいぜいが立ち会うていどのことに済ませるべきです。
実際やるのは県職員でもボランティア誰でもいいのです。

来週からワクチン接種は始まることと思われますが、家保獣医にしかやらせないとなると、終わるはいつの日になることやら。
これでは緊急対策になりっこありませんね。
他県の家保獣医を借りてくるしかありませんが、どうするつもりなんでしょうか。

 

■追記  広島高裁が伊方原発3号炉の仮処分決定をしました。

「愛媛県にある伊方原子力発電所3号機について広島高等裁判所は、地震や火山の噴火によって住民の生命や身体に具体的な危険があるとして、運転を認めない仮処分の決定を出しました。現在は定期検査のため停止中ですが、検査が終了する4月以降も運転できない状態が続く見通しになりました。伊方原発3号機が司法判断で運転できなくなるのは平成29年以来、2度目です」(NHK1月19日)

原発や今回の海外悪性伝染病の防疫などに、専門家以外をかかわらせてはダメだということです。
これではなんのために専門家による規制委員会という3条委員会をつくったか分からなくなります。
今まで数年をかけて規制委員会が審査しても無意味です。
司法が規制委員会の上に君臨してしまい、短い審理でちゃぶ台返ししているのですからたまったものではありません。

高裁の言っている理由は阿蘇山の噴火。(またかい)
九州が壊滅するようなことを想定すること自体がナンセンスです。
九州全域が溶岩の下になるなら期歩の噴火なら、九州、四国、西日本、いや西日本自体がアウトです。
ならばもう電力供給する対象がなくなってしまう。
こういう極端な想定をして、それに耐えられないからダメとするという論理がもはやカルトです。

 

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コメント

私は富山県にてイノシシ猟(くくり罠)で何とか生計を立てていきたいと考えていました。本来はビジネスモデルとしても健康提案としても可能性ありと思っていましたが、豚コレラの風評で一旦断念しました。ちなみに私の猟エリアは氷見市という石川県との県境で、県内の発生地とは距離がありますが、風評の影響で当面は商売では難しいと考えています。取れるには取れていて、押さえ目に仕掛けて今季11月から5頭、しかし自家消費だけです。
ブログ主さんの見解に大賛成ですし、行政には早く!早く!という気持ちです。
ちなみに、そもそもの感染経路が渡り鳥ではないかと思ってしまいます。もちろん国内の媒体がイノシシなのだろうとは思いますが。

官庁さんや政治家さんは、利権が命というのは分かりますが、安全保障に関係する分野にまで、利権でもって不合理な構造にしてしまうと、破局的な災厄に繋がると思います。
土建や金融や銀玉などで儲ければ良いんじゃないですか。
防疫、災害などの緊急事態に即応する専門組織が必要だと思います。官庁は縄張りを荒らされそうになると、他の官庁の実力組織の検察・国税やマスコミなどを使って工作活動するようですが…
ここでも危険な作業は自衛隊ですか、なんでも最期には自衛隊頼み、本当に頭が下がります。左の政党は、こういう問題では思考停止、害悪でしかないですね。命をかけて作業する自衛隊員に対して、暴力装置だとか言っている、本籍が赤い国にあるような人の言動の方が暴力装置だと思います。

一般家庭としては県産豚肉のへビーユーザーの一軒であろうと自認する私としては、管理人さんの仰る通り、なんとしても早いワクチネーション展開を実行する道を支持。

三権およびこれも権力たるマスコミにはゼロリスク教信者が多いので、責任取りたくないから「やる」は選べないって思っているんでしょうかねぇ。
それで座して死を待っても自分は死なないと思っているんでしょうかねぇ。

今だ、官尊民卑としか言えませんわ。中国・朝鮮とは交わるなと言っ
ていた諭吉さん、明治政府からの官への誘いを全て断って、一般の
民間人として新しい日本の発展に貢献してきました。個人主義的な
彼としては、明治政府にも中韓と同じような儒教的な事大主義を感じ
取り(実際、維新お手柄の薩長の藩閥政治でした)、クソ面白くもない
上から指示待ちのタテマエの仕事などしたくなかったからでしょう。

もうそろそろ、半儒教国のムラ社会の日本を変えないと、失われた50
年、100年になりそうです。官の権限(過剰規制)が強過ぎて、日本は
社会主義のようになっています。今回の記事で知りましたが、官の
獣医しか豚コレラワクチンの接種が出来ないなどと、そんなアホな事
を税金で喰ってる連中がしているとは!切腹を申し付けたいです。

そんなアホなー!と言えば司法もそうで、ゴーン逃亡の恥かき東京
地検特捜部に続いて、広島高裁も恥の上塗りですわ。ミサイルで撃
ち落とされる可能性が0でないから飛行機禁止!元院長が暴走して
母子を殺す可能性が0ではないので自動車禁止!飛び込む人が0
ではないので電車禁止!無菌室で育ったペーパーテストの優等生は
どうにもこうにも優秀過ぎてコワイですわ。

公務員ら(もちろん民間も)を解雇できるようにして、官民が交じるよう
にしないと、日本の失われる年月は永遠に延びそうです。

豚を専門にしている同僚獣医師の話では、現状日本にあるマーカーワクチンはオーエスキーと口蹄疫だけらしいです。豚コのワクチンは残念ながら現状はマーカーではないとの事でした。ただ、このまま感染拡大が続くならマーカーの導入も考慮されるとは思います。
あと、今回の一連の豚コ(中部地方からの)騒動の初期段階では、どうも弱毒株であったようです。臨床症状が極めて分かりずらく、典型的な豚コの症状は呈していなかったようです。言い訳になるかとは思いますが、それも感染を拡大させた一つの要因であるようです。

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