新型コロナ肺炎が世界最悪の悪食国家から生まれたのは偶然ではない
中国武漢で発生した新型コロナウィルス(2019-nCoV)は海鮮市場から出たので、なんらかの人獣共通感染症ではないかとする説が有力です。
この説によれば、海鮮市場で売っていたヘビを人間が食べたことによって発症した人獣共通感染症だとするものです。
まずは人獣共通感染症について押えておきましょう。
国立国際医療センター研究所の切替照雄研究部長はこう言います。
「病原体は基本的には宿主を選んで生存しています。そして宿主どおしでも、動物は森に住むもの、人は人里に住むものと明確に分かれていたのです。ところが乱開発や土地開発で今までなかった接触がおきて、新しい病原体を生む原因となってしまったのです」
http://www.jst.go.jp/sis/scienceagora/reports/2016...
感染症を引き起こすウイルスは地球最古の生物です。それは実に40億年前から地球上で生き抜いてきた原初的な「生命体」なのです。
より正確にいえば福島伸一氏が言うように、ウイルスは細胞膜も外形ももたないタンパク質とRNA遺伝子のみの「生物と無生物の間」の存在です。
このようなウイルスを、ある生物学の研究者は、「古き先住者」と呼ぶほどです。彼らは自分自身では生きられず、必ず他の生物の細胞内に寄生して生きる性格をもっています。「古き先住者」を侮ってはいけない。いや、侮ってきたからこそ、今の事態があるのではないでしょうか。
さて実際に武漢のこの海鮮市場ではヘビも食用として売られていました。下写真の右列上から3番目がヘビです。
「新型コロナウイルス、ヘビが感染源の可能性 武漢の市場で販売
報道によると、同ウイルスに感染して最初に入院したのは、武漢市の海産物卸売市場の従業員や利用客だった。同市場では食用の動物や爬虫類(はちゅうるい)も販売しているが、水産物のコロナウイルス感染は報告されていないことから、市場で売られていたそれ以外の動物から感染したとする説が有力視されている。
研究チームが2019-nCoVの遺伝子配列を解析して他のコロナウイルスと比較した結果、重症急性呼吸器症候群(SARS)に似たコウモリのコロナウイルスと最も近い関係にあることが判明。2019-nCoVもSARSや中東呼吸器症候群(MERS)と同様に、コウモリが感染源だった可能性があることが分かった。
しかし、2019-nCoVの遺伝子配列についてさらに詳しい生物情報工学解析を行ったところ、このウイルスがヘビから来ていた可能性が浮上した。
野生のヘビはコウモリを餌にすることがある。武漢市の海産物市場ではヘビも販売されていたことから、コウモリからヘビに感染した新型コロナウイルスが人へと広がり、今回の流行を引き起こした可能性が高くなった」(CNN1月23日)
https://www.cnn.co.jp/world/35148385.html
このヘビはコロナ肺炎の宿主であるであるコウモリを食べます。
SARS流行時にコウモリからコロナウィルスが検出され、ウィルスキャリヤーだとされています。
「2005年、中国4カ所で捕獲された9種類、408匹のコウモリの血液、糞便、咽頭ぬぐい液の検査で3種類のキクガシラコウモリが抗SARSコロナウイルス抗体の保有率が高いこと(28~71%)、コウモリから検出されたウイルスは、ヒトSARSコロナウイルスの塩基配列と92%の相同性をもっており、キクガシラコウモリが自然宿主と考えられました」
(吉川泰弘『コウモリと感染症』上図も同じ)
https://www.ayyoshi.com/%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%83%A2%E3%83%AA%E3%81%A8%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87/
ところが今まで発症した人の多くは、この武漢の海鮮市場には行っていないのです。
米国での発の感染者は武漢にこそ行きましたが、「この男性は「武漢の海鮮市場には行かなかったし、身体の具合が悪い人とも接触しなかった」と話している」(飯塚真紀子1月24日)のようです。
https://news.yahoo.co.jp/byline/iizukamakiko/20200124-00160018/
また、伝染病の感染力を見る指標とされる医療従事者の感染が上げられますが、今回の武漢肺炎においても医療従事者から多くの患者がでています。
「ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院・健康安全センターディレクターのトム・イングレスビー氏は15人もの医療従事者が感染したことについて、米ニュースサイトVOX.comで、懸念の色を見せている。
「爆発的流行(アウトブレイク)において、医療従事者が感染するのはまれです。医療従事者が感染したとしたら、それは常に警告信号となります。医療従事者が感染しないよう防護している状況の中で感染したということは、ウイルスは容易に感染する可能性があることを意味しているからです」(飯塚前掲)
空気感染が始まると急激に感染は拡大しますが、現時点ではわかりません。
https://gachimom.com/entry/pneumonia-prevention
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/sars/sars/
上図にある感染キャリヤーからのせき・くしゃみの飛沫を浴びることを濃厚接触と呼びます。距離で2m以内でが、空気感染となるとその時の風向きで遠くにまで感染が拡大することがあります。
ですから空気感染の段階になると、患者数は急激に上昇しますので、現時点で患者数はまだ同じコロナ型肺炎である上図SARSの初期段階に相当する可能性が濃厚です。
また新型コロナウィルスは既に何回か変異して、より強力になっていると言われています。
「中国政府の国家衛生健康委員会の馬暁偉主任は26日の会見で、「ウイルスの感染力が増している傾向がある」と述べた。ただ、その根拠は示さなかった。また、「感染初期は症状が軽くて隠れた感染者が多くおり、防疫が難しい」とした。馬氏によると、潜伏期間は10日ほどで、最短で1日、最長14日間。感染源は特定されていないという。
河岡義裕・東京大医科学研究所教授(ウイルス学)は「ウイルスがすでに人から人へと感染しやすいよう変異していると考えられる」。さらに、「症状が軽い患者は動き回ることができるので、それだけ他の人に広める機会は増えるだろう。感染を完全に防ぐのは不可能だ」と話す」(朝日1月27日)
武漢からの動画で突然に街頭で倒れる人が写っていましたが、初期には発熱もないまま潜伏し、突然高熱が出て重度になるということもあるようです。
軽度の時は自覚症状がないので、通常どおり職場に行ったり買い物に出かけたりするためにウィルスを拡散してしまいます。
先日武漢から来日した2名がこちらで発症しましたが、これもそのケースのようです。
となると水際防疫がいっそうむずかしなると、各国政府は悩んでいます。
いずれにしても、今後数週間以内に急激に90度近い角度で患者数が増加する可能性が高いと考えられます。
SARSは終息するまで半年近くかかっていますから、習が日本に来られるかどうか微妙になってきました。
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素人です
武漢には細菌研究所があるようです
投稿: | 2020年1月27日 (月) 07時38分
管理人さんはもとよりここに来ている方々の多くがその研究所由来の情報も見ていることと思います。
が、こちらのブログはあの情報量だと記事を立てるには不足だと判断されていて、私も同様の認識です。
朝日は昨夜になって急に人災ではとか書き出しました。心底呆れました。
あのクソぬるい空港チェックには無批判で、ともに手を洗おうとか観光大事とかぬかしてましたよね。
投稿: ふゆみ | 2020年1月27日 (月) 08時18分
名無しさん。HNをよろしくね。
その研究所由来説は承知しています。武漢にはP4施設があり、おそらく軍用ウィルス兵器の製造関連施設です。
ネイチャー記事を明日にでも訳出しようかとも思っていますが、香港からの情報以外まだ今回の新型との関連はわかりません。
投稿: 管理人 | 2020年1月27日 (月) 08時42分
その研究所記事に便乗して、国内のBSL-4施設反対!とか叫び出すであろうマスコミに心底ウンザリしています。
んじゃ、今現在どう対応するの!?と。毎度思いますね。
名無しさんはタダのネタ投下かもしれませんけど、どの程度の考えでされたのでしょうか?もちろん中国の細菌兵器開発かもしれませんけど、細菌とウイルスの違いって分かってますか?
もう、そこから理解していないのでは議論にもなりません。
投稿: 山形 | 2020年1月27日 (月) 11時49分
確かに世界中に広がっているのは確かですが、メディアは危険性について煽りすぎではないですかね。
高山義浩医師がfacebookやtwitterで発信されています。
「中国で感染爆発とでも言えるような感染者の増加がみられるのに、日本も含めて中国以外の国で追跡している接触者からの発症が認められていない。
中国で発症し日本入りした方もおり、列車やバスに乗り、コンビニやレストランに行ったこと考えられるが、潜伏期間はあるにせよ現時点で彼らから広がった様子はない。
中国の医療機関の感染対策は全くなっていなくて、いたるところに体液が付着した院内環境において、ほとんど清掃は行われることなく、せいぜいアルコールも玄関口に置かれているだけと思われる。一般市民によるマスク着用ごときで防御にならぬことは明らかです。」
空気感染が起きているという証明はまだなさそうです。武漢などではパンデミックといえる状況でしょうが、普段は病院に来ない様な人々が殺到し、普段なら追い払ってるような人々にもそれができなくなってしまっている(世界の注目あびちゃったし)、なんてこともあるかもしれませんね。
投稿: クラッシャー | 2020年1月27日 (月) 17時55分
1/26の ワシントンタイムスで、中国科学院武漢病毒研究所が発生原因である可能性を指摘した記事が出てました。
ネタ元はイスラエルの専門家ですが、当然、生物化学兵器の研究はしていたとしても、それだけではちょっと根拠に疑問があります。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2020年1月27日 (月) 23時03分
本日の共同通信の記事で、
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200127-00000101-kyodonews-soci
調査をもとに1人の感染者から平均で何人にうつっているかを示す数値が3以上とのことです。
この「基本再生産数」が本当に3以上なら、世界中に広がります。一部の人が亡くなり、最終的には世界の大半の人々が免疫を獲得して収束するでしょう。
しかし、中国と日本では条件が違いすぎます。
流行開始の時期が不明ですし、発熱者が病院の廊下で何時間もすし詰めになっていればそれこそウイルスの温床です。
中国で3以上なら、日本でそれを1/3に減らす努力をすれば良いです。感染者がマスクを着用、医療従事者の粘膜保護、うがい手洗い、人混みを避ける、など、低コストで出来ることはたくさんあります。
感染者の意識付けが一番難しいのでしょうけれど・・・
そんな中で東京ディズニーリゾートは平常運転と、豪気なことです。
入園者全員にマスクを無料配布、とかすればバズると思いますが。
投稿: プー | 2020年1月27日 (月) 23時41分