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2020年1月16日 (木)

やんばるに豚コレラを侵入させないためにワクチン接種を急げ

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沖縄県で豚コレラ(CSF・クラシカル・スワイン・フィーバー)の4例目がでてしまいました。
あらかじめお断りしておきますが、豚(トン)コレラは人間のコレラやアフリカ豚コレラとはまったく別種の伝染病です。
高い感染力と死亡率を有しますが、人には感染しません。

さて4例目は今まで発生が確認されてきたうるま市の農場の3キロ圏内、つまり移動制限区域の中で発生しました。

「沖縄県は15日、うるま市の養豚場で県内4例目となる豚コレラ(CSF)の感染を確認したと発表した。県の聞き取り調査では1825頭を飼育しており、殺処分の対象となる。県は14日に、同市と隣接する沖縄市で3例6養豚場の全7326頭(速報値)の殺処分と埋却作業を終えていた。殺処分の総数は9千頭を超える見込みとなった。
 県内ではうるま市の養豚場で8日、1986年以来の感染を確認。県によると、今回の養豚場は約100メートル先にあり、14日に豚が死んでいると通報。精密検査で15日に判明した。(共同1月15日)

ひょっとしてまだ感染拡大が眠っているかとも思いましたがやはりそうでした。
まだ情報がほとんどない中で決めつけることはしたくないのですが、殺処分に追われて発生動向調査がしっかりされているのか不安が残ります。

海外悪性伝染病が発生した場合、直ちにせねばらないのは発症発生動向調査(サーベイランス)です。
通報と同時に発生農場を封鎖し、移動を禁止した上で、その農場の周辺の農場はもちろん、その農場に入っている飼料系統・糞尿処理場所、その農場から出荷される屠場、そして系列農場に至るまで徹底的に洗い出して、ウィルス拡散がどの程度なのか、どこに飛び火しているのか、いないのかを突き止めねばなりません。
これを血清学的発生動向調査と遡及調査と呼びます。

今回、これがおろそかになっていはしまいかという危惧があります。
今回の第4例で問題視されるべきは、県の発生動向調査による発見ではなく、死亡を発見した農家からの通報で分かったことです。

「新たに確認された農場は、これまでに確認されていたうるま市など3例の農場から移動制限区域内(3キロ)にあり、監視対象となっていた。 14日に農家から「豚が死亡している」との通報があり、県が立ち入り検査を実施。15日午前、感染の疑いが強い疑似患畜と判明した」(沖タイ1月15日)

宮崎県口蹄疫の場合、現場の獣医師に大きな負担がかかりました。
一般的にどの県も県家保(家畜衛生保健所)の獣医師は50人ていどにすぎません。
この数少ない獣医師が6千頭もの大型家畜を殺処分できる道理がありませんから、実際にするのは診断書、殺処分指示書の発行と方法の指示、立ち会いまでです。
現実に殺処分をするのは、家畜の所有者とその依頼を受けた人たちです。
といってもこれだけの膨大な数の殺処分が積み上がった場合、他県からの支援があったにせよ、数すくない家保のマンパワーには限界があります。

宮崎口蹄疫の昼間報告書は、発生動向調査が不十分だったことを認めています。
殺処分の重圧で発生動向調査がおろそかになっていたのです。
今回も発生農場のわずか3キロ圏内ででるようだと、もう一つの重要な仕事である発生動向調査を徹底しきれたとは言えないと思われます。
早急にうまるま市、沖縄市全域にまで拡げて血清検査をされることをお勧めします。

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琉球新報

さて、やっと県はワクチンを接種することにしたようです。
腰の定まらぬデニー知事にさんざん焦らされた関係団体は、とりあえずほっと一息ついたと思います。
沖縄の養豚関連団体は、強くワクチン接種を要望しており、デニー知事の頭越しに江藤農水大臣に陳情しています。

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「沖縄県でブタの伝染病のCSFいわゆる豚コレラの感染が広がっていることを受けて、沖縄の農業団体の代表が江藤農林水産大臣に早期のワクチン接種と特産のアグーの保護を求めました。
JA沖縄中央会の大城勉会長など沖縄県の農業関係者が15日、農林水産省を訪れ、江藤農林水産大臣に要請書を手渡しました。
要請書では、養豚業への影響を最小限に抑えるために必要な量のワクチンを確保し早急に接種できるようにすることや、特産のブタ「アグー」について繁殖を担う原種のブタが感染しないよう、厳重に保護することを求めています。
これに対して江藤大臣は「ワクチン接種やアグーの隔離による保護も、沖縄県からの要請があれば迅速に対応できるようにしたい」と応えました」(NHK1月15日上写真も)

沖縄の養豚団体が焦れたのは、デニー知事があの人らしくやるでもなくやらんでもないという煮え切らない態度をしてしまったからです。
豚コレラだと確認される江藤農水大臣はすぐさま8日に沖縄に駆けつけました。

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https://mainichi.jp/articles/20200108/k00/00m/040/...

江藤氏がこの感染時に国側のカウンターパートであったことは幸運でした。
彼は自分の選挙区で宮崎口蹄疫の大爆発をその目で見て、民主党政権に提言を出し続けた人だからで、国会議員の中でも有数の知見を持っている人だからです。

江藤氏は、宮崎口蹄疫が殺処分とワクチンの二本立て対策でかろうじて宮崎県東部地域から出さなかったことを熟知しています。
大臣は当初から国としてはワクチン接種を前提に対策をたてていることをデニー知事に直接伝えたはずです。

ところがこれに対してデニー知事はこのように答えてしまっています。

「ワクチン接種実施のための推奨地域指定は国が行うが、都道府県の意向が前提となる。
玉城デニー知事は県の対策会議で「農家の意向を聞きながら検討したい」と語った。 これ以上感染を拡大させないためには、感染が発生していない養豚場にウイルスを持ち込ませないよう人や車の消毒を徹底するなどの防疫対策が必要だ 」(沖縄タイムス1月12日)

このデニー知事の躊躇の理由が解せません。
「農家の意向」もなにも、おそらく彼が養豚関連団体に一本電話をしてみれば、即座にワクチンを打つしか対策はないという答えが返ってくるはずです。
「人や車の消毒は大事」だって。なにをあたりまえのことを。
昨日危機に際してはリーダーを立てろと言っておきながら、自分で破ることにしますが、デニーさんあんたは馬鹿か!
伝染病が猛威をふるって死者まででている時に、手をよく洗いましょうね、うがいはしっかりね、と言っているようなものです。
デニ氏には、もうそんな初歩的なことでは済まないという危機意識が欠落しています。

デニー知事が「感染を拡大させないためには、感染が発生していない養豚場にウイルスを持ち込ませないようにしたい」(沖タイ前掲)ならば、発生農場から3キロ圏内の豚をすべて殺処分にするしかありません。
その場合、処分する豚は数万頭に達するはずです。もちろんアグーなどの貴重種も例外ではありません。

だから、畜産の被害を最小限に押えるためにワクチンが必要なのです。
実は今後心配されるのは、中部から北部への感染拡大です。
感染が発見されたのがたまたまうるま市であったことは、幸運でした。
これが北部だったらとおもうとゾっとします。野生のイノシが北部には大量に生息していているからです。

岐阜や長野の例から、この野生のイノシシがウィルスに感染し、常在化させる大きな原因となっています。

「豚コレラに感染したイノシシが19日、合計1008頭に達した。感染は6県53市町村に広がり、うち31市町村852頭と8割以上を岐阜県が占める。検査や狩猟の体制が整っていない県もあり、検査していないイノシシにも陽性が広がっている可能性があり、防疫対策の徹底が重要になっている。
 19日までの各県発表で岐阜の他、愛知県5市76頭、長野県9市町村64頭、福井県4市町7頭、富山県3市5頭、三重県1市4頭。」
(日本農業新聞2019年8月20日 下図も同じ)
https://www.agrinews.co.jp/p48496.html 

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上図の感染イノシシの分布図に、発生農場を重ねてみます。発生農場と感染イノシシが重なるのがお分かり頂けると思います。

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沖縄北部の深い森にイノシシは多く生息しており、養豚農家も多く存在します。
言い換えれば、やんばるにウィルスを侵入させてしまえば、ウィルスはイノシシの身体に常に存在し、イノシシを一頭残らず駆逐しない限り豚コレラは半永久的に沖縄に居続けることとなります。

だからこそ、イノシシがほとんど稀なうるま市で感染拡大を止め、ワクチンで予防の壁を続かねばならないのです。
それを消毒すればですか、呆れてものがいえません。

ところが、家伝法においては一義的には県が決定権者ですから、県がストップさせてしまえばワクチンは使えなくなります。
おそらくデニー氏は、県庁の役人からこんなことを聞いたのではないでしょうか。

「ワクチン接種推奨地域に指定された場合、精肉や加工品は推奨地域外に流通できる一方、生きた豚を推奨地域外に移動できず、種豚や小豚の自由な販売に支障が生じる可能性がある」(沖タイ前掲)

たしかにワクチン接種すると、国際獣疫事務局(OIE)から「清浄国」の格付けが外され輸出が制限されます。これが農水省が口蹄疫やトリインフルに対して接種をためらう理由の一つとなっています。

一般的にワクチンに消極的な理由はこう説明されています。
農水省 ワクチン接種のデメリット 関係者間の合意形成が大前

1) 緊急ワクチン接種(地域限定)
① 野外感染豚とワクチン接種豚との区別ができないことから、接種豚のトレーサビリティや移動制限等が必要になる
② 非清浄国となれば、他の非清浄国からの豚肉輸入解禁の圧力が強まる可能性がある
③ 消費者がワクチン接種豚の購入を控えることなど風評被害が生ずる可能性があり消費への影響が懸念される
④ 農家の飼養衛生管理水準を向上しようとする意欲がそがれ、アフリカ豚コレラ等の農場への侵入リスクが高まる可能性がある。

宮崎口蹄疫でさんざん議論されてきたことですが、①のワクチンを打つと自然感染したものとの区別がつかないということですが、特定のワクチン特有の痕跡を残すマーカーワクチンを使えば解決できますし、②は防疫問題を貿易問題にすり替えています。
③の風評被害などもそれに負けない宣伝を打つほうが、このまま「沖縄、またまた発生!豚コレラ蔓延」のニュースを流されるよりよほどましなはずです。
④もなに言ってんだか、です。ワクチン接種を実施している農家はむしろ防疫に積極的です。

実際に宮崎口蹄疫時には、感染拡大速度を落とす目的でのみ接種され、その後すべてが殺処分となっています。
この消極姿勢が変化したのは豚コレラが岐阜での発生して1年後でした。

これはOIEの清浄国への復帰が今までより早くなったことと、もはやワクチン以外では感染拡大を阻止できないことをやっと農水省も悟ったからです。
そりゃそうでしょう、野生イノシシに出てしまえば、もう事実上防ぐ方法はないに等しいからです。

心配されたワクチンの備蓄状況ですが、現在、ワクチンは足りているようです。

「昨年末までに250万頭分を増産しており、さらに今年3月までに250万頭分を製造する予定で、ワクチンは足りそうだ」(沖タイ前掲)

デニー知事の逡巡によって貴重な初動におけるワクチン接種のタイミングが失われましたが、まだ遅くはありません。
離島も含めて沖縄県全域の豚に対してワクチンを早急に接種せねばなりません。

 

 

 

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コメント

宮崎口蹄疫の時は、政権が最悪な対応しましたからね。。当時大臣だったけどカリブにゴールデンウィークでバカンス(おっと視察でしたね。舟山農水政務官もデンマークへ)しちゃた赤松さんなんか何を今になって長老気取りで野党連合について枝野にアドバイスして玉木をバカにしてたり。当時の政権の野合っプリがよく分かります。
まあ、それは別の話ですね。


まあ、デニーさんは論外。あの人は政治家ですらありません。ただの目立つけど軽~い御神輿。
最初に感染が疑われた農場の報告が遅すぎましたね。
拡がれば拡がるほどサーベイも難しくなります。

あと、こう言っちゃなんですが・・・
一昨年に中京地域で豚コレラが発生してどんどん拡大していって、ようやくワクチネーションでの防疫になるまでの約1年。
農水省の会議室では
「人には移らないけど豚コレラのコレラって名前が印象悪い」
「90年代には東南アジアで旅行客が集団感染した時にコレラを怖いものとテレビで散々やってたしねえ」
古株のお偉いさん
「70年代には国内でも人コレラ感染があって連日エルトールイナバ型とか小川型とかニュースになってたし。やっぱ名称変えるか!」
「うーん、豚が熱出して死ぬだけだから『豚熱』とか?」
「いやあ、それだとただの風邪みたいだし、一般人には分かりにくそうな名称を載っけてCSFとか」
「あー、それいいね。じゃあ併記で」
なんてやり取りを真面目にやってたんでしょうねえ。まあ、想像でしかないですけどお役所仕事ですからねえ。。。

これ、人に移らないペストが発生したら豚ペストなんですかね?
東北訛りだとブダペストになりますけど。

事あるごとにデニー知事さんは軽さばかりが見えてしまいますねぇ。国としては人に移らない伝染病といえパンデミックを防ぐことも国防に他ならないでしょうから過去の教訓も踏まえて迅速に動いてくるのでしょう。デニー知事は何か過去に学んだことはあるんでしょうかね?

沖縄タイムスの記事によると、本土から沖縄県産豚肉の仕入れ停止といった風評被害が現れているようですが、県内では買い控えなどの動きはみられていないとのことです。沖縄人の「ノンカー(暢気)気質」がいい方に出てるんでしょう。

車や人から感染する恐れがあるなら、鳥や野犬、猫についたウイルスからは感染しないのでしょうか、自分は殺処分された豚舎の近くに住んでいますが、朝は鳥の群れが豚小屋に集まっているので、それを介して感染したのではないかと疑っています。

 知事はまだワクチン接種計画の策定を指示したのみで、今現在、接種を決断したわけじゃありません。
決断は会議での決定をかませる方針で、どうしてもリスクを取りたくない「えせリベラル民主主義者根性」が丸出しです。

ワクチン接種しても、しないでしのげたとしても、豚価に与える影響は避けられません。その点をサンクコストとして割り切って、安全をより確実にすべきなのに彼には意気地も何もありません。
「危機」には全く向かない知事さんです。

今回の豚熱に対するワクチン接種は、家畜防疫員が、実施するそうです。つまり家保の先生が実施します。民間の獣医師は出来ません。殺処分、サーベランス、予防接種、これら全てを家畜防疫員が行います。どう考えても無理です。ワクチン接種に県側二の足を踏んでいるのはその辺りも理由かもしれません。実施したくても人がいない。そんな話しを今日聞きました。家伝法の根本的問題が今回も浮き彫りになりそうです。

ワクチン接種について。今日、非常に興味深い話しごきけました。
陰性農家がワクチン接種したのに発症した事例があった話です。何故ワクチンを接種したのに発症したか?それはワクチンの添付書類の一文です。移行抗体の影響を排除するために生後50日未満の子豚には接種しないとのことと書いてあるそうです。通常のワクチネーションならそうですが、元々豚コは抗体ないから移行抗体もないはずなんですが。添付書類にそう書いてあれば、そのようにしか予防接種は出来ません。結果ワクチン未接種個体が存在することで、結果豚コ発生農場になった他、言う事です。

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