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2020年1月25日 (土)

発生農場からの出荷先を早急につきとめねばならない

 

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沖縄豚コレラは地域の封じ込めにとりあえず成功したようにみえますが、おとといの農水省の発表ですべてが振り出しに戻りました。
おとといの農水省の疾病対策小委員会の記録がアップされています。
「食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会第50回牛豚等疾病小委員会」の開催結果について

この中で疾病小委は感染源が本土由来についてはふれず、このように述べています。

「今回の発生事例では、抗体陽性かつ抗原陰性の結果や農場主の報告では11 月下旬から死亡頭数の増加していたことから、ウイルス感染から長期間経過しており、すでに野生いのししへウイルスが侵入していることが否定できない
また、発生地域は養豚農家が密集しており、今後もCSF 感染リスクが高い状況にある。このため、野生いのししへの浸潤状況調査を早急に進めるとともに、豚といのししにおける感染拡大・まん延を考慮し、沖縄県を推奨地域に設定する」

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この11月下旬から死亡数が増えたという記述は、当初の報道を大きく前倒しするものです。
疾病小委によれば、当初考えられていたより1カ月も前から出ていたということになります。
いままではこう考えられてきました。そのズレはなんと20日以上・・・!

「発生農場で死亡する豚が出始めたのが昨年12月20日。抗生物質や解熱剤を投与して様子を見ていたが、死亡するペースが加速し、農家は異常に気が付いたという。26日までに25頭を食肉市場に出荷していた。また、県は豚の飼料に使う食品残さを加熱するよう呼び掛けていたが、発生農場では非加熱で給餌していたという」(日本農業新聞2020年1月9日)
https://www.agrinews.co.jp/p49679.html

そしてこの農場から家保に通報があったのは、なんと1月6日なのです。

1月6日(月曜日)、うるま市の養豚農場から県中央家畜保健衛生所へ飼養豚が死亡しているとの報告を受け、家畜防疫員による立入検査を実施しました。」
本県におけるCSF(豚コレラ)疑似患畜の確認について(3例目沖縄市)(PDF:89KB)

ということは従来考えられていた発生から通報までの期間が17日間ではなく、おそらくその倍の約36日間もあったことになります。
この間、この初発農場は平常どおり動いていましたから、堆肥場に糞尿を捨てに行き、近隣の農場にも顔を出していたと思われます。
そしてその間に、平常どおり出荷しまた。

「県によると、確認された養豚場では昨年末から豚が死んでいたものの出荷を続けており、感染が拡大している恐れがある」
(毎日新聞  )

農水省は、今回の沖縄豚コレラを本土のウィルスと同型であるとしたことから、(明確には言っていませんが)本土からのウィルスが含まれた加工肉(生肉)が感染源だと見ていると思われます。
つまり、一宮崎人さんが指摘しているように、本土の第1例などにも通報の遅れがあり、その間出荷されてしまったという危惧は残るわけです。
その場合、すでに全国規模で流通してしまって、それがたまたま沖縄に入ったということになります。
そしてそれが食堂の残飯として廃棄され、うるま市の初発農場の残飯に混入していたとしか考えようがありません。

同じ加工肉(生肉)の流通による感染拡大の危険性を沖縄の事例ももったということになります。
農水疾病小委の報告書によれば、うるま市で発生を見た11月下旬、さらにその潜伏期間が2日から14日、感染後5日から14日間は感染をうつす可能性があります。
ですから、死亡豚が急増したという11月中旬からさらに最大14日戻すと11月中旬、そこから1月6日まで感染豚を出し続けていました。
おそらくこの感染豚肉を通して感染が散布されてしまっているはずです。

また許しがたいことに、この発生農場は死亡豚が大量に出ていて、獣医も呼ばず、通報も怠り、その間出荷さえしていました。
獣医を呼んでいないというのは、仮に獣医を呼べば絶対に家保に通報する義務があるからで、獣医師が診断して通報せねば獣医師法違反です。
初期症状は見落としても既にこれだけ死んでいるのですから、獣医師が豚コレラだと診断できないはずがありません。
だから獣医師も呼ばずに素人診断でなんとかなるだろうと考え、むしろ死亡が急増したのを見て、慌てて出したかったのではないかとすら疑ってししまいます。
非常識以前のことで、私は強い怒りを覚えます。

県産豚肉は県内を中心に、本土まで流通し、一部は香港などにまで輸出されています。
畜産は沖縄県農業の農業産出額の45.6%も占め、豚肉は牛肉と並ぶ稼ぎ頭です。
早急に11月中旬から1月初旬にかけての当該農場の出荷先を洗いださねばならなくなりました。

 

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なお、農水省はこの疾病小委で沖縄県に限定的予防ワクチン接種を認めました。

「予防的ワクチンを発生地域から離れた北部及び南部から接種を開始し、発生地域周辺の中部地域への接種を進めること。その際、発生地域(中部地域)周辺は、接種により、野外感染をマスクする恐れがあることから、接種前には農場の清浄性を確認すること」(農水省疾病小委前掲)

遅きに失しましたし、まだ地域も北部と中部に限定されていますが、これはこれでいいことです。

 

 

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コメント

私はいつも頭の奥に暗い考えも持つようにしていますが、そのひとつが現実だったようで残念です。
「ひとりの油断でみんなをピンチに」と何かのCMでやっていますが、どの立場の人であってもこれに尽きると思います。
管理人さんや一宮崎人さんの仰るように、早く、早くのワクチネーションが最善策なのですが…

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